■春シン(5)

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希望・和栄・俊美はいづれも12月末に卒論を提出し、審査OKをもらった。3人とも学費納入済みなので、3月で卒業できることが確定した。3人とも性別の訂正を大学には届け済みなので、女子として卒業する。
 
健康保険証に関しては、希望は青葉の会社・グリーンリーフから保険証を交付されている。最初から性別女で発行された。和栄はバス会社の正職員なので、そちらから保険証をもらっている。最初は性別男になっていたが、性別の訂正が完了したことを報告したら性別女で再発行してもらった。俊美は現在は父の被扶養者として国民健康保険の保険証を使用している。性別が訂正されたので再発行を依頼中である。4月からは会社に就職予定なので、そこから保険証をもらえる予定である。性別は女で発行してもらえるはずである。
 
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オーリンはまた小学3年生の可愛い男の子(男の娘?)を誘惑していた。
 
「ちんちんなんて3年生までだよ。4月からはもう4年生になるんだから、お姉さんにならなくちゃ。ちんちんなんて取っちゃって女の子になろうよ」
「そうだなあ」
「今女の子になっちゃえば、おっぱいも少しずつ膨らみ始めるよ」
「おっぱいか・・・」
 
欲しいなあ。
 
「ヒゲが生えてきたり、声変わりしたりしなくても済むよ」
「うーん・・・でも勝手に女の子になったらお母さんから叱られそう」
「取り敢えず1日だけ女の子にしてあげるね」
「あ」
 
もう!勝手に変えないでよね!
 
でも彼はトイレに行っておしっこをし、お風呂でドキドキしながらあそこを洗い、女の子用ショーツ(お母さんが買ってくれた)を穿いた。部屋に戻るとスカートも穿いてみた。
「スカートで学校行きたいとか言ったら叱られるよね」
などと思う。
 
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でもその夜はプリキュアのパジャマ(これも買ってもらった)を着て、お布団にはいり、お豆さんをいじりながら、気持ち良い睡眠に落ちて行った。
 
オーリンからは、お豆さんで遊ばせてあげるから、ちんちんでは遊ばないようにと言われて、それは守っている。
 

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2024年1月8日(月)、広中礼音(立山煌/立山きらら)は、やや不本意ながらも女子制服(ボトムはスカート)で登校した。今月からは体育の着替えも女子と一緒に着替えることにしている。
 
それで礼音は前日、オーリンの好きなチョコパイ(花園裕紀に教えてもらった)を用意して彼女を呼び出した。
 
「礼音ちゃん、どうしたの?」
「まずこれあげるね」
「わぁこれぼくの大好きなチョコパイじゃん。もらっていいの?」
「どうぞどうぞ」
「ありがとう。お礼に礼音ちゃん、完全な女の子に変えてあげるよ」
「それなんだけど、こうしてほしいんだよ」
と礼音はあらかじめ書いておいたものを渡す。オーリンとの話し合いには準備が必要だ。何せ物忘れと勘違いの天才である。
 
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学校に居る間:女の子
仕事に行く時:男の子(タック)
 

「今月から学校には女子制服で行って体育の着替えも女子と一緒にすることになっちゃったから、それで問題にならないように学校にいる間は女の子にしておいてほしい。でも仕事に行った時女の子の身体だったら大騒動になるから、仕事している間は男の子にしてほしい。ただし女性用楽屋を使うから、ショーツに膨らみができないようにタックの状態にしておいてほしいんだよ」
 
「タックするより女の子に変えた方が楽なのに」
「嫌だ」
「まあいいや。やってあげるよ。仕事終わったら女の子に戻していい?」
「任せる」
「卵巣を再活性化していいよね」
「だめ」
 
結果的に礼音は仕事に行っている時以外、1日の大半を女の子の身体で過ごすことになったが、まあいいかと思った、但し卵巣は停めたままなので、生理は起きない。一応次の生理予定日は、1月16日である(実際は卵巣をリスタートさせると、また新たな生理サイクルが始まると思う)
 
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また男の子になっている時間はずっとお仕事しているので、オナニーもしないことになる。寝る時は女の子の身体である。
 

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1月入ってすぐ、世田谷区内のJ高校の先生が礼音の中学にやってきた。面談室で話すが、向こうは礼音がセーラー服を着ているのを見て頷いていた!
 
「Let's talk in English a bit」
と、いきなり英語である。
「Yes?」
「Which school subject do you like?」
「Music and English」
「Um. What is the note following "Mi"」
「Fa」
「Yes,yes. Which country has London as its capital?」
「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」
「Excellent. Who is your favorite singer?」
「Aqua」
「Oh! who is your favorite author?」
「William Shakespesr」
「Um,um, Who is your favorite painter?」
「Salvador Dali」
「Oh! But your pronunciation is beautiful」
「Thank you」
 
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英語の会話はそこまでであった。
 
「いえ、テレビで英語のレッスンやっておられるし、英語の問題集とか出しておられたので、実際の英語力はどのくらいだろうと思いましてね」
「テレビのは台本ですし、問題集は表紙の写真を撮っただけなんですよ。私自身は簡単な会話しか分かりません」
「いや充分基礎的な力はあると思いましたよ。うちの高校は英語教育に力を入れているんです。在籍中に英検3級に合格する生徒は多いですし、2割くらいは2級に合格しています。中には準1級を取る生徒もいますし」
「凄いですね」
「それにうちは制服が無いんですよ。以前制服としていたものは標準服ということにしました。基本的に服装は学生らしいものなら自由です。女子が男子標準服を着ても男子が女子標準服を着ても構いません。ですから、あなたも女子の標準服を着ていいですよ」
 
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なんでみんなぼくが女子の服を着たいのだろうと思うの〜?
(だって君今セーラー服着てるじゃん)
 

「うちは進級や卒業には一応授業日数の3分の2以上の出席が必要ですが、期末試験などで赤点を取ってないことを条件に年間20日まではレポート提出で出席に代えることができるんです。だから、芸能人のかたにも通いやすいと思います。弘田ルキアさんとかも、うちの高校を出ておられますし」
 
§§ミュージック関係では、弘原如月などが、ここを出ている。水森ビーナは「さすがにこの成績では」と断られた!今井葉月はここに合格したので滑り止めに受けた高校を辞退しようとして、誤ってこちらの辞退手続きしてしまった!ので、結局通えなかった。
 
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それで礼音は推薦入試で合格にするから、うちに来ませんかというお誘いだったのである。礼音は一週間以内に返事をすることにした。
 

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俊美は姉から、この子ちんちん取ったのは4年生の時のはず、なんて言われて昔のことを思い出していた。
 
「4年生の頃、よく夢を見てたなあ。なんか和服の女の子が出て来て、『ちんちん取って女の子に変えてあげようか』と言われて・・・あの時、ぼくどう返事したんだっけ?お試しで1日女の子に変えてあげるなんて言われて女の子用スクール水着を着けてプールに行ったりした気もするけどさすがに夢だろうなあ。あの子名前なんていったっけ?魔女っ子
キティちゃんじゃなくて・・・」
 
俊美はそばで寝ている徹にキスすると布団から抜け出して、お米を洗い始めた。
 

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中学1年の時の黒歴史
 
「え?アイちゃんお休みなの?」
「かおりちゃん3年生で最後の大会だから出してあげたかったのに」
 
女子のテニス部長が1年生で雑用のために付いてきていた岡安に目を留めた。
「ねえ、岡安さん。試合に出してあげるよ」
「ちょっと待って下さい」
 
それでスコートを穿かされ、「まずいよー」と思いながら出て行く。“魔女っ子ちーちゃん”の声が聞こえた。
「としちゃん、違反にならないように一時的に女の子に変えてあげるよ」
「頼む」
 
試合は、かおりさんが超へたなので、自然に負けた。でも岡安にとっては実は唯一出たテニスの試合であった。
 
なおその日は「今日あんたは女子選手だからトイレも女子トイレを使うように」と言われて、そちらに入っていた。
 
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テニスの大会ではその後何度かセーラー服を着て“女子マネ”はしたが、試合に出たのはあの時だけである。彼はテニスでは男子の試合には出ていない。
 

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1月11日、礼音は先日勧誘してくれたJ高校の西崎先生に電話して、お世話になりたいと言った。一応入試の問題を受けてもらうが、よほど酷くない限り合格にすると言われた。それで早急に願書を出すことにした。保護者欄は、親が富山に居るのなら、事務所社長の代理署名でよいということであった。(ほとんどの学校がそれで行けている)
 

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1月11日に、真珠は退院したが、地震の後一時的に真珠たちのマンションに避難していた幸花は新たなマンションを借りてそこに引っ越した。幸花の避難を手伝った追風たちが、引越も手伝ってあげた。
 

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1月21日(月)、北陸地区では学校が再開された。
 
H南高校女子バスケット部では3年生の5人が引退し、2年生から新部長を選ぶことになった。満場一致で河世が選ばれた。もっとも河世本人だけは
「え〜?部長はビナ(美奈子)じゃないの〜?」
と言っていた。
「やはり大黒柱のセンターが部長だよね」
「私よりビナのほうがたくさん点取ってるのに」
「ビナは副部長ということで」
 
しかしいよいよ春貴が1から指導した子たちが最高学年になる。
 
なお、1月に行われる予定だった新人戦は地震のため2月に延期された。北信越大会は実施するかどうか未定である。
 
部員達の中にも結構地震で被害を受けた子はいたようである。日和など自宅が崩れたという話で学校自体休んでいる。日和は年末仕事で東京に行ったが、帰るべき自宅が無いのでまだ東京に居るらしい。
 
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「もしかしたらこのまま東京の高校に転校するかもと言ってました」
と高田晃が報告する。
「転校するにしてもこちらで2年生の課程を修了しておかないと2年生をもう一度やらないといけないぞ」
「それで私の家に同居していいから学年末試験の前に戻っておいでよと言ってるんですけどね」
「うん。その場合頼む」
 

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俊美はいつまでも生理が来ないので、ひとつの可能性を考え、ドラッグストアで妊娠検査薬を買ってみた。おしっこを掛けてみる。窓にきれいに「−」の表示が現れた、
 
「うっそー!私どうすればいいの?」
 

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俊美はその日帰宅した立石にそれを見せた。
「これ・・・妊娠検査薬?」
「うん」
「マイナスって陰性?」
「陰性なら何も表示されない。これは陽性」
「分かりにくいね!」
「説明書よく読まないと勘違いするよね」
 
「でも、としちゃん妊娠できるわけ〜?」
「ね、産婦人科に付き合ってくれない?」
「うん。行こうか」
 
それで彼は翌日会社を休んで病院に一緒に行ってくれたのである。
 

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ふたりで産婦人科に行き、診察してもらった。
 
「おめでとうございます。妊娠しています。予定日は9月27日です。戌の日は4月18日です」
 
いったん診察室を出てから俊美は訊いた。
「ねえ、徹ちゃん、私産んでいい?」
 
彼は言った。
「もちろん。でもその前に結婚しようよ」
「うん」
 
お医者さんは、これから結婚するなら、母子手帳の苗字は鉛筆書きしてもらうといいですよ、と言った。へー、そういうやり方があるのか。
 
それで診断書ももらい、母子手帳をもらいに市役所に行くことにした。
 

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彼は言った。
「こないだ七尾に向かう車の中でセックスたくさんした時にさ、コンドームが切れちゃって1回だけ着けずにやったのが当っちゃったんだろうな」
「うん。私も1回くらい大丈夫かなと思ったんだけど」
「そういう時って当たっちゃうもんなんだろうね」
 
立石もきっと、元・男なら妊娠はしないのではという油断があったのだろう。
 
「ああ、しばらく水泳とかジョギングはお休みかなあ」
「もちろんそんなことしてはいけない」
 

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「でもとしちゃん、ほんとに男だったの?」
と彼は訊いた。
 
「私ちんちんも付いてたし、毎週オナニーもしてたよ」
「毎週?」
「男の子って毎週オナニーしない?」
「いや、毎日する」
「え〜!?そうなの?毎日やって、ちんちん痛くならない?」
「鍛えてるから平気」
「すごいね」
「やはり、としちゃんきっと女の子だったから“毎週”程度しかオナニーしてなかったんだよ」
「そうかなあ。でも高校の時は女の子と付き合ってたよ」
「へー」
「もっとも中学の時は男子の先輩に『お前可愛いな』と言われて、セーラー服着せられてライブに付き合ったこともあるけどね。カップル限定ライブだから誰か女の子連れていかないと入場できなかったんだよ」
「その先輩が正解な気がする」
 
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「この夏に、大学卒業する前にきちんと性別の検査受けたほうがいいと言われてさ、病院行ったら『あなたは女です』と言われて、ちんちんが付いてるのは間違いですと言われて、切られちゃうことになったのよ。でも、その手術を受ける予定だった日の朝、起きたら、ちんちん無くなってたのよね。それで寝てる間に手術しちゃったんですか?と訊いたけど、そんな無茶なことはしないよと言われて(*3)、結局自然消滅したらしい。たまにあることなんだって」
「本来は女の子だったのが、その本来の形に戻ったんだろうな」
「どうもそういうことらしい。だから私の性別は変更ではなく訂正された。男という出生届が誤りだったことになるらしい」
「なるほどね」
 
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(*3) 昔、性転換手術をしていた病院で“患者が恐怖を感じないように”手術予定日より前に寝ている間に手術しちゃうという病院は実在した。
 
また患者が「こわい。やっぱ手術やめるー」と泣き叫んでいても強引に手術室に連行して無理矢理手術しちゃうという病院も存在した。
 
今はみんなまともになった(と信じたい)。
 
他に1日に8人くらい“次から次へと”手術するので、縫合がテキトーで大出血して思わず遺書を書いた人が多数いるなんて先生も居た。
 

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「あるいはこんな話でもいい」
と俊美は言った。
「この夏、温泉で卓球部の打ち上げしててさ『君はしょっちゅう性別を間違えられるから、いっそ性転換手術受けて女になりなさい』と言われてさ、なんか女物の服とかプレゼントされて、その後、お風呂のもちろん男湯に入って湯船に浸かって、性転換手術ってどうやるんだろう?とか、ぼんやり考えていたら、いつの間にか女湯に移動してて身体も女に変化していた。知らない内に性転換手術されちゃったのかとも思ったけどどこも痛くないし」
「ほほお」
「どちらを信じてもいいよ。どっちみち性転換手術は受けてないし、勝手に身体が変化したのは事実」
「温泉の話のほうが本当っぽい」
「そうなの〜?」
「だって手術の直前に身体が変化したなんて話ができすぎてるもん」
「そう?」
「それに男湯に入ってる内にいつの間にか女湯に居たって話、別の所でも前に一度聞いたことがあるし」
「へー」
 
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『鏡の国のアリス』だったりして。
 

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