■春シン(7)

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和栄はお正月のツアーの時、食料が無いのを千里さんに助けてもらったのだが、その時、バス会社の部長と千里さんが話して、千里さんはこんなことも言った。
「うちはエアバスとかCRJとかも持ってますから、飛行機も安くお貸ししますよ」
 
和栄の会社では地震の発生で全ての旅行がキャンセルされて1月は全く仕事が無かったのだが、2月はこの千里さんの会社のCRJ(Canadair Regional Jet)やエアバスをチャーターして東京発と福岡発、金沢観光の超格安ツアーが企画されたのである(赤字だが仕事が無いよりマシ)。それでこの会社のガイドや運転手は2月に少しお仕事することができて、和栄も2月は4回乗務した。お客さんは加賀地区の山中温泉に泊めた。
 
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2月3日(土)、煌は山梨県で開かれたウォーキング大会に出場した。
 
ポロシャツにストレッチジーンズ、水やおにぎりを入れた軽リュック、ジョギングシューズという軽装で参加する。
 
参加票をチェックしてもらい、ゼッケンを受け取る。事前のメディカルチェックで、体温、血圧、脈拍・酸素量などを測られ、出発する。彼は先頭集団に近い付近で歩いた。先頭集団のほうが歩きやすいのである。後ろの方で歩き始めるとたくさん追い越す必要があるが、しばしば道に広がって歩いているグループがいて追い越しにくい。
 
歩いている内にゼッケンに青と赤の二種類があることに気付く。年齢で分けたのかなとも思った。彼自身は赤である。しかし、70歳くらいのお婆さんで赤を着けている人もあれば、男子中生で青を着けている人もある。コースで色分けしてるのかなとも思ったが、20kmコースと30kmコースの分岐点を過ぎても両方の色が混在している。よく分からないなあと思った。
 
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煌は適宜水分を取りなからカロリーも補給しながら歩き、給水ポイントではしっかりペットボトルに水を補給しておいた。昨年の三方五湖ではおにぎりを食べ尽くし、予備のチョコレートも使ったが、今回は用意するおにぎりを増やしたので、おにぎりだけで足りた。
 
30kmを5時間程度のゆったりしたペースで歩き、完歩証をもらい、“ほうとう”のふるまいももらった。
 

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いい汗を流したなと思った。マッサージをしてもらったあと、ボディガード兼任で後半を一緒に歩いてくれた宮下菜美マネージャーと休憩所で一緒に休んだ。彼女はウォーキング中の写真もたくさん撮ってくれた。(前半は高野マネージャーが付き合った)
 
「ねえ、宮下さん、ゼッケンの色に2種類あったのは何ですかね」
「性別じゃ無いの?青が男の子で赤が女の子」
 
「でもぼく赤ですよ」
「礼音ちゃんは女の子にしか見えないし」
「うーん・・・」
 
申込書はちゃんと性別男にしておいたのに!
 

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温泉のサービス券ももらったので、宮下さんとは時間をずらして温泉に入ってきた。身体を動かしたあと温泉に入ったので、その夜はぐっすり寝た。
 
そして日曜日はまた1日頑張ってお仕事をした。最近仕事の量がかなり増えているような気がした。
 

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ところで昨年夏のビデオガールコンテストで5位入賞した森中樹音(小6)であるが、東京に出て来てすぐ“精液保存”のため病院に行かせたのだが、精液の採取はローターを使ってもできなかった。一週間後に再挑戦したがやはり失敗した。恐らく1年以上女性ホルモンを飲んでいたのだろう。
 
寮長の花園裕紀は気は進まなかったものの、オーリンを呼び出して樹音の精液保存をやってあげてと言った。それでオーリンの手で精液は採取され冷凍保存されたものの、その後、(用済みになった?)睾丸は除去され、生理用ナプキンも必要になったようである!
 
(オーリンは樹音をいったん2度性転換させて“健全な男子”に変え、射精させた。その後更にもう一回性転換させて卵巣のある完全な女子にした上でペニスを付加した。だから実は睾丸をマイナスしたのではなくペニスをプラスしたのである。これは実は礼音も同じ。昨年9月には実は男の子に戻したのではなく単にペニスを付加しただけ。陰裂はシールを貼って?隠しているが膣はある。但し礼音は2年前東京に出て来てすぐの時点では普通に精液採取できた)
 
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ただオーリンは樹音に、卵巣ができたから、もうホルモン剤は飲まないように言った。
 
オーリンは彼に、中学に入る前にちんちんも取っちゃおうよと誘惑しているようだが、さすがにそれはまだ本人もためらっているようである。でも卵巣がお仕事しているから、夏頃までにはブラジャーが必要になっているだろう。彼がブラジャーをしていたり、女子用水着を着てても学校ではきっと誰も変に思わない。そもそも彼は多くの人に普通の女生徒と思われるだろう。
 

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2月10日、青葉はミュージシャンアルバムの取材を行った。今回は薬王みなみと立山煌を迎えた。まだ震災の傷跡が大きく残るが取材をしないと放送すべきものが無くなってしまうので、身内を2人連れて来た。
 
今回2人はラピスラズリ・ケイ・千里と一緒にKing Air 250(乗員2+乗客9名(トイレ席も入れると10)/離陸距離643m)で調布から氷見飛行場に連れて来て、そこからウィングライナーで伏木に連れて来た。
 
実は伏木地区は道路がかなり地震で液状化して傷んでいたのだが、ウィングライナーは1月4日には復旧していた。それで1月4-5日は地震で運休になったJR氷見線の振替輸送もおこなった。
 
この日午前中は薬王みなみを取材した。
 
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「ウィングライナー伏木駅のすぐそばに万葉先生の御自宅があるんですね」
「コスモス社長が私を拉致しやすいようにと、すぐそばに駅を作ったんです」
「そういうことだったのか!」
「大宮先生はコスモス社長に拉致されたり、〒〒テレビさんに拉致されたりしている」
と朱美。
 
「大変ですね」
「万葉はあっちに拉致されたり、こっちに拉致されたりで1年くらい帰宅できなかったことがある」
「壮絶!」
 

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「そういう訳で薬王みなみちゃんでーす」
「こんにちわー」
「写真集も好調ですね」
「ありがとうございます。きららちゃんの写真集には負けるけど、楽曲の制作で沖縄・北海道・四国・出雲・伊豆・小笠原と行ったのを写真集にまとめさせていただきました」
「小笠原は凄い歓迎だったらしいですね」
「はい。小笠原にアイドルが来てくれるなんてめったにないことというので、村をあげて歓迎してもらいました」
「これを機会に島巡りしよう」
「霧島鮎子(日野ソナタ)先生たちが以前なさったそうですね!」
「うん。交通機関の無いような所にも猟師さんの船に乗せてもらて回ったらしいよ」
「凄いですね。私も北海道の交通機関の無い島に醍醐先生にヘリコプターで連れて行ってもらいましたけど」
「霧島先生たちも醍醐先生のクルーザーとかヘリコプターとかだいぶ使ったみたいよ」
「そうだったんですか」
 
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「それで滅多に見ることのできない“孀婦岩(そうふいわ)”も見られた」
「私も孀婦岩、見せていただきましたけどあれは凄いですね」
「日本国内でとても見るのが困難な景色のひとつだと思う」
「航路がありませんからね!」
 

(海面からいきなり高さ100mの岩が屹立している。伊豆諸島と小笠原の間にあるが通常の航路では近くを通らない。ゴジラでも出て来そうとよく言われる)
 

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「ドラマも好調だね」
「はい。“こうしゅうやきょく”と最初耳で聞いた時は中国の広州かと思ったら、山梨県の甲州だったんですよね」
「元々は中国の広州だったみたいね」
「はい。原作は中国の小説らしいです」
「恋珠ルビーちゃんとか立山きららちゃんとか、川泉パフェちゃんとか月城たみよ君とか同じ事務所のタレントがたくさんゲスト出演してる」
「はい、みなさんに助けてもらっています」
 
カメラが一瞬立山煌を映す
「あれワンシーン出ただけなのに名前が大きく出ててびっくりしたよ」
 

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「みなみちゃん、歌も毎回ランキング上位に入ってるね」
「ありがたいです。ファンの皆様のおかげです」
「旅情シリーズというので定着してるね」
「はい。写真集とも重なりますが、沖縄、北海道、四国、小笠原、広島と歌いました」
「47都道府県制覇しよう」
「その内達成したいですね」
「“蜂矢仁美”(薬王みなみのペンネーム)作詞が多いよね」
「毎回だいぶ校正されてるんですけどね」
「印税をできるだけ多く歌手自身に還元したいというので書いてもらってるんだよね」
「歌手の取り分って出荷額の僅か1%だからね。作詞者は4%もらえる」
 
「それとデビューする歌手が増えてソングライターが足りない背景もあるんだけどね」
「アメリカとかじゃ歌う人が自分で歌詞を書くから作詞家という職業が存在しないらしいですね」
「そうそう。それが本来という気もするよ。日本じゃ15の乙女が歌う歌でも50のおっさんが歌詞を書いてるんだよ」
「作詩家集団の松本葉子とかは、わりと年齢の近い人が書いてますよね」
「うん。10代の歌手に歌わせる歌はだいたい高校生とかせめて大学生とかが書いてる」
 
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「そしてベストアルバムが出ますね」
「はい。今までに出したシングルの曲や一部CMとかに使われたけど未リリースの曲も含めてファンクラブの人に投票して頂いてベスト12の曲を集めて。ドライブやお勉強のBGMに使っていただければ」
 

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ピアノ室の歌唱では、ベストアルバムから人気断トツだった『変わらない距離』を歌った。この曲は次の出番の立山煌とデュエットした。
 
お昼のリビングでの焼肉では、薬王みなみ・立山煌の2人ともに席に就いてもらって食べた。ふたりとも“一人用ホットプレート”に感心していた。
 

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それで午後からはサンルームに立山煌を迎えた。
 
「立山煌(きらめき)さんでーす」
「こんにちはー」
 
「今日は“きらら”ちゃんじゃないのね」
「あれはあくまで仮の姿で」
 
今日の服は男物のスーツ(マッキントッシュロンドン)である。
 
「いっそ性転換して、きららの方を本体にしましょう」
「朱美さんまでやめてくださいよお」
「お嫁さんになってくださいというメールが大量に来るとか」
「そうなんですよ。女の人から『私のお嫁さんになってください』というメールがたくさん来ます」
「女の人のお嫁さんになるって具体的には何をすればいいんでしょうね」
「やっぱその人の子供を産めばいいんじゃない?」
「産む自信ありませーん」
「まずは生理することから始めよう」
 
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「写真集出たね」(放送日の予定で言っている:放送予定日は3月17日)
 
「まあ中学生最後の写真集ということで、第1写真集の後で行った月山、湯殿山、大雪山、阿蘇山、出雲、博多、大阪、とかの写真が入っています」
「出雲はみなみちゃんも撮ってるね」
「実は常滑真音ちゃん、薬王みなみちゃんと3人で行ったんですよ」
 
カメラが一瞬薬王みなみを映す。
「ええ女の子3人で行ってきました」
 
煌が抗議しようとしたが、先に朱美が言う。
 
「熊本は、山鹿の灯籠娘のコスフレも入っているよね?」
「不本意ながら入ってます」
「なんかあのポスターが欲しいという希望者がたくさんあったとか」
「ええ。それで送料・手数料の300円で希望者にはお分けしたんですよ」
 
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(テロップで3月末まで配布していますと表示された)
 
「浴衣も振袖も凄い似合ってた」
「お恥ずかしい」
「成人式には振袖着るよね?」
「ぼくは紋付き袴着たいんですけど、振袖も着せられそう」
「そりゃ当然着てもらわなくちゃ」
「あはは」
 

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「でもだいぶ山に登ったね」
「自分の足で登山道を登ったのは、白山、富士山、月山だけですね。あと月山から湯殿山への縦走もしましたけど。他に大阪の天保山(4.5m) も登りました。大雪は旭岳も黒岳もロープーウェイですし、恐山・阿蘇山・博多の愛宕山は車で行きました」
 
福岡市の愛宕山は市の西部にある小さな山。日本で2番目のロープーウェイが設置されたことで知られる(日本初は三重県の矢ノ川峠(やのことうげ))。なお、ロープーウェイは、矢ノ川峠のも愛宕山のも現在は存在しない。
 
「しっかり山ガールになったね」
「ぼくはガールではありません」
「いや、きっとガールだ」
 
拍手が聞こえたが、拍手したのは薬王みなみである!カメラは再度一瞬みなみを映した。
 
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「でも秋の運動会では5000mで優勝したね」
「あれ足立さんがトップでぼくは周回遅れだと思ってたんですよ。あんたが1位と言われてびっくりしました」
「普段からだいぶ鍛えてるよね」
「そうですね。毎日4kmのジョギングと10kmのウォーキングしてるから」
「偉い偉い」
 
ピアノ室の歌唱では『白山にたくさんで来た』を歌った。煌は白いスーツを着て、20人の白いセーラー服の子たちと一緒に出演した。出演したのは、北陸信濃町ガールズの子たちである。
 
でも視聴者からは「きららちゃん、ドレス着ればよかったのに」と言われた。
 

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取材後、薬王みなみは氷見漁港に行き、氷見うどんと、名物のブリをはじめとする海の幸を味わった。立山煌のほうは、彼の出身地・南砺市に行き、大牧温泉の遊覧船とか、合掌造りの家などの前で記念写真を撮った。
 

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