広告:Back-Street-Girls(12)-ヤングマガジンコミックス-ジャスミン・ギュ-ebook
[携帯Top] [文字サイズ]

■女の子たちの冬山注意(7)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

そんな騒ぎもあった所で、そろそろあがって寝ようという話になる。それでみんな浴槽から出て脱衣場の方に行く。薫も手でお股を隠して浴槽から出て、近くに置いているタオルでお股を隠し、身体の後ろ半分を他の子に見せないように気をつけながら、みんなと一緒に脱衣場に歩いて行っていた。
 
そして浴室から脱衣場に入った直後のことであった。
 
「あっ」
と薫が声をあげるので、みんなそちらを注目する。
 
寿絵がたくみに死角から近づいて薫のタオルを奪っていた。
 
きれいな割れ目ちゃんが薫のお股にあるのをその場にいた全員が見た。薫は足を広げていたが、そこには何もぶらさがっていない。
 
「薫・・・」
「やはり、もう性転換手術してたのね?」
 
↓ ↑ Bottom Top

薫は頭をポリポリしている。
 
「ごめーん。今日はタックしてたんだよ。昨夜、千里に教えてもらった」
と薫が言う。
 
「それ、タックなの?」
と言ってメグミが近づいて、薫のお股を覗き込む。
 
「ほんとだ!これ接着剤でくっつけてあるよ」
 
「なーんだ」
「びっくりした」
「残念」
「女の子になってるなら、女子チームに入れると思ったのに」
という声があがる。
 
「寿絵、今の死角からの忍び寄り、試合でやったら相手選手からボールを盗れるよ」
 
と薫から言われて、寿絵も
「よし、明日の試合でも頑張ってみよう」
 
と言っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

 
そして最終日は男女の決勝戦が行われる。この決勝戦に勝たないとウィンターカップには行くことができない。
 
男子の方は貴司たちの留萌S高校と昨年のウィンターカップ代表でもある札幌Y高校の対戦が11:30から予定されている。両校は今年のインターハイ代表の2校でもある。そしてその前に10:00から千里たち女子の決勝がある。
 
N高校の相手は札幌P高校である。準決勝で旭川L女子高に快勝して上がってきた。L女子高は準々決勝で強豪の札幌D学園(銀山さんたちのチーム)を破って準決勝に進んだものの札幌P高校の壁は厚かった。
 
そのL女子高に千里たちN高校は先週の練習試合で4連敗している。不安は大きいものの、全力を尽くすしかない。
 
↓ ↑ Bottom Top

試合前。2階の客席から視線を感じたので見ると、貴司がこちらを見ていた。貴司とは一昨日は電話で少し話したのだが(それで部屋に帰る途中に危ない部屋に魅入られている薫を発見して救出した)、昨夜は消耗していてこちらが寝ていたので話せなかった。短いメールのやりとりをしただけである。しかし貴司と目が合って「視線で会話」して千里は気力が新たに湧いてくる気分だった。
 

↓ ↑ Bottom Top

整列して挨拶し、スターティング5がコートに散る。P高校は、PG.竹内 SG.尾山 SF.片山 PF.宮野 C.佐藤 というメンツ。インハイ予選の時は佐藤さんが怪我で欠場していてセンターには河口さんが入っていた。N高校は PG.雪子 SG.千里 SF.寿絵 PF.暢子 C.揚羽 というラインナップ。こちらは留実子が怪我による欠場をしている。
 
第1ピリオド。札幌P高校は最初から全開で来る。
 
司令塔役の竹内さん以外、全員が得点要員であり、一瞬たりとも気を抜くとすぐ突破される。尾山さんもフリーになれば即スリーを撃つ。尾山さんが撃った後は長身の佐藤さん・宮野さんが飛び込んで行ってリバウンドを取る。
 
佐藤さんも宮野さんも、あるいは彼女たちと交替で入る河口さんも180cm以上だが、揚羽も、交替で入るリリカも174-175cmで、向こうが全力ジャンプすると、こちらの到達点より上でボールをコントロールされてしまいどうにもならない。しかしこの第1ピリオドではそれ以上に、気合い負けしている感もあった。佐藤さんにしても宮野さんにしても物凄い気魄である。結果的に揚羽はこのピリオド、リバウンドを1本も取れなかった。
 
↓ ↑ Bottom Top

N高校はこれまで何度もP高校と対戦しているが、ここまで本気のP高校を見るのは、初めてであった。第1ピリオドは28対15と倍近い得点差である。
 
「強すぎる」
「とてもかなわない」
などと弱音を吐く者もいるが暢子がカツを入れる。
 
「あんたたち何言ってるの? 相手は愛知J学園や岐阜F女子高といつも全国優勝を賭けて戦っているチームだよ。強いの当たり前じゃん。でも試合は強い方が勝つとは限らない。実力で負けててもいい。勝負に勝てばいいんだよ」
と暢子は言う。
 
「相撲に勝って勝負に負けるという言葉があるけど、私たちは相撲に負けても勝負に勝てばいいんだ」
と千里も言う。
 
「あんたたちは充分強いよ。J学園をあそこまで苦しめたし、こないだの親善試合でも福岡C学園に勝ったじゃん。C学園はこないだの遠征でP高校には58対62で負けてるけど、N高校には60対67で負けてる。私たちの方が得点差が大きいんだよ」
と南野コーチも言った。
 
↓ ↑ Bottom Top

その時、ベンチに向かい合う側の客席で試合を見ていた薫がユニフォームを大きく広げてこちらに見せた。6番の背番号が見える。
 
それを見て
「私、リバウンド頑張ります」
と揚羽が唇を噛み締めて言った。
 
「頑張るんじゃない。取れ」
と暢子。
「取ります」
と揚羽。
 
「行くぞ!」
と円陣を組んで気合いを入れてコートに出て行く。
 

↓ ↑ Bottom Top

やはり第2ピリオドはこちらが気合いを入れ直したので、第1ピリオドほど一方的ではなくなる。リバウンドも前ピリオドでは負けまくっていた揚羽が、簡単には宮野さんにポジションを明け渡さない。向こうもそう簡単には負けないのでいい勝負にはなったが、このピリオドでは揚羽がリバウンド勝負で3割くらい勝った。
 
リバウンドを必ずしも全部は取れないとみると、尾山さんもあまり遠くからはスリーを狙わないようになる。できるだけ近づいてから撃つが、そうなると、こちらのガードも堅くなる。何度か暢子が尾山さんのシュートをブロックした。しかし佐藤さんも宮野さんも、こちらがゾーンで守っていても構わず強引に制限エリアに進入してはディフェンスの隙間からシュートを撃つ。
 
↓ ↑ Bottom Top

一方N高校側も貪欲に得点する。千里は正確にスリーを放り込むし、暢子は強力なディフェンスを拭き飛ばさんばかりの勢いで押しのけてシュートを撃つ。
 
それで第2ピリオドは24対24の同点であった。前半終わって52対39で点差は変わらない。
 

↓ ↑ Bottom Top

「なんか行けるかも知れないという気がしてきた」
という声が出る。
 
「最初からこのペースなら、ここまでリードされなかったな」
と暢子。
 
「だけど、第2ピリオド競ったから、向こうは何か仕掛けてくるよ」
「こちらも変化球で翻弄しよう。夏恋・リリカを出すぞ」
 
それで雪子/千里/寿絵/夏恋/リリカというメンツで出て行く。夏恋はN高校では本来のポジションはスモールフォワードなのだが、身長が170cmあり、中学時代はパワーフォワードあるいはセンターに入っていた。しかし元々器用なので(スモールフォワードには器用な人が多い)最近はシューティングガードとして千里のバックアップに使われることも多々あって今回の道予選ではシューティングガードとして登録している。しかしこのピリオドでは暢子の代わりにパワーフォワードのポジションに入れた。
 
↓ ↑ Bottom Top

一方P高校は1年生の歌枕さんを宮野さんの代わりに投入してきた。
 
向こうも多分リリカや夏恋についてはあまり研究していないだろうが、こちらも歌枕さんについては未知である。それで最初のうちはお互い探るような感じの動きになった。
 
歌枕さんは背丈では、P高校の長身トリオ(佐藤・宮野・河口)より低いが、動きが素早い。瞬発力があって、ボールを受け取ってから中に進入してシュートするまでの時間が短いので、ボールを受け取る前からこちらも動き始めていないと停めきれない。そして勘がいいようで、ボールが落ちてくる場所にピタリといることが多く、背丈ではリリカと大して変わらないのだが、要領でリリカを圧倒していた。
 
しかしリリカも気合いでは負けていない。しばしばいったん歌枕さんが取ったボールをリリカが奪い取る。またリバウンドを取った後、仲間にパスする段階で、しばしば千里や雪子がボールをカットして奪い返す場面もあった。結果的に歌枕さんの取ったボールの8割くらいしか味方に渡らない。
 
↓ ↑ Bottom Top

それで尾山さんもあまりスリーは撃たず、中に進入して制限エリア内での攻撃拠点になるプレイが多かった。佐藤さんもあまり無理せずできるだけ近づいてからシュートしている。
 
一方、こちらでは千里が正確にシュートを入れていくし、リリカもライバルの揚羽に負けていない所を見せようと積極的にゴールを決めていく。また夏恋がしばしばリリカとのコンビネーションでスクリーンプレイを上手に決めていた。ふたりは普段の練習では双方Bチームなので、いつも一緒にやっている分、息が合うのであろう。
 
「リバウンドが結構微妙になってるから、尾山さん、スリーを控えているけど、千里さんはどんどんスリー撃ってますね」
「まあ千里はスリーの成功率が異常だから」
「まあ千里はそもそも異常だから」
 
↓ ↑ Bottom Top

などと雪子や寿絵たちは好きなことを言っている。リバウンドを留実子が居る時ほど圧倒的に取れなくても、その前のシュート自体の精度が良ければ、どんどんシュートすることができる。このあたりは今年の2月以降、外人対策で随分鍛えたのが生きている。
 
佐藤さんと千里がマッチアップする場面が多数あったが、お互いに半分くらい停められて、勝負は痛み分けという感じであった。
 
「千里、今回は佐藤さんをかなり抜いてるね」
「まあ私も少しは進化したから」
 
このピリオドでN高校側はリリカの頑張りで暢子が休んでいるにも関わらず頑張って追い上げ、このピリオドだけ見ると20対25。累計で72対64と、点差が13点から8点まで縮んだ。
 
↓ ↑ Bottom Top


「インターハイの時、強豪校相手に大量リード許したら負け確定なんて言ってたけど、少し追い上げてきたね」
という声が出る。
 
「それは君たちも強豪校になったからだよ」
と宇田先生が言う。
 
暢子や雪子の顔が引き締まる。
 
「インターハイ男子の決勝見たでしょう? 王者R工業に対して福岡H高校は第1ピリオドで大きくリードされたけど、その後、必死で追い上げた。最終的には届かなかったけど、福岡H高校だって強豪だから、そういう勝負もできる。私たちも充分強豪。福岡H高校は届かなかったけど、私たちは最終的に逆転勝ちを決めて東京体育館に行こうよ」
と南野コーチも言う。
 
暢子も千里も頷く。雪子や揚羽が無言で宇田先生を見詰める。
 
↓ ↑ Bottom Top

「先生、あれやってください」
と寿絵がリクエストする。先生も微笑む。
 
「君たちは強い!」
 
「よし。行くぞ!」
と気合いを入れて、最終ピリオドに出て行く。
 

↓ ↑ Bottom Top

第4ピリオド。こちらも気合いが入っているが、向こうも無茶苦茶気合いが入っている。ただしどちらもファウルを取られるようなプレイはしない。ここまでファウルは双方1個ずつしか取られていない。
 
時々客席に視線が行く。昨日敗退したので帰っても良かったはずのZ高校の松前さんが見ている。同じく昨日で敗退した旭川L女子高の溝口さんも見ている。貴司の姿を探してしまったが見当たらない。やはり自分たちの試合前なのでどこかで軽く汗を流しているか、あるいは精神集中をしているか。
 
千里は松前さんや溝口さんの熱い視線を自らの糧としてプレイしていた。
 
しかしファウルが全く無く、プレイが停まらないので選手交代ができない!
 
↓ ↑ Bottom Top

第4ピリオドは最初敦子/千里/夏恋/暢子/揚羽、と敦子・夏恋を出して、途中で雪子・寿絵に変えるつもりだったのだが、交替できず、敦子がポイントガード、夏恋がスモールフォワードをずっとしていたが、特に敦子が強力なP高校のディフェンス相手に疲労が目立ってくる。
 
そこで千里はコート上で暢子と少し話した。暢子も頷き、千里が夏恋に、暢子が敦子にささやいて、ふたりのポジションを交換する。
 
それで4分すぎ頃から、夏恋がポイントガード、敦子がスモールフォワードのポジションでプレイした。夏恋は元々器用でドリブルもうまいし機転も利く。彼女は第3ピリオドではパワーフォワード、第4ピリオドの最初はスモールフォワード、そしてここからはポイントガードと、めまぐるしくポジョンが変わる(ポジションを変わる時は頭の中のスイッチを変更するのだと彼女は言っていた)。こういう色々なポジョンが出来る便利屋さんがいると編成を考える時にとても助かる。
 
↓ ↑ Bottom Top

この「コート内選手交代」に向こうは最初戸惑ったようであった。夏恋がボールを運んできて、敦子にパスするので、そこを起点に誰かを使ってシュートするのだろうと思っていたら、敦子はパスをもらうとすぐ中にシュートして得点を奪う。
 
敦子は言ったら悪いが、今オンコートしている選手の中ではいちばん下手だ。だから、敦子にはマーカーが付いていなかった。それで敦子は完全にフリーにシュートを打てた。
 
すぐに向こうはこちらのポジション交換に気付き態勢を変更するが、この交替初期の混乱に乗じてN高校は得点を重ねて、残り4分の所で88対84と4点差まで詰め寄っていた。千里のスリーが入れば1点差に詰め寄ることのできる点差であり、試合の行方は予断を許さなくなる。
 
↓ ↑ Bottom Top


↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
■女の子たちの冬山注意(7)

広告:月刊熱帯魚-ニューハーフ界トップクラスの美女たち[DVD]