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■夏の日の想い出・コーンフレーク(9)

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(C)Eriko Kawaguchi 2015-10-19
 
2015年7月29日(水)。ローズ+リリーの21枚目のCD『コーンフレークの花』が発売された。
 
私たちはお昼過ぎから★★レコードで新曲発表の記者会見をすることになっていたので、午前中電話で氷川さん・大宮副社長と簡単に打ち合わせしてから、10時頃、マンションを出ようとしていたら∴∴ミュージックの畠山社長から電話が掛かってくる。来月のツアーの件で私の方のスケジュールの再確認だったのだが、話がだいたい終わったところで、社長が思い出したように言う。
 
「そうそう。蘭子ちゃん、ギターとベースが見付かったよ」
と言う。
「苗場で紛失したものですか?」
 
「うん。一昨日会場の後片付けをしていたら、控室があったエリアでギターとベースが放置されているのが見付かって、所有者が分からなかったものの、Aizawa, Kidzuki という署名がされていることから該当者を向こうでもかなり調べたらしくて、もしかしてうちのKARIONのバックバンドの方のものでは?と言われて、確かにギターとベースを紛失したのでそれだと思うと言って、こちらで把握していたメーカーとタイプを伝えたら、確かにそれだということで。今日、東京方面に戻る関係者がいるから、ついでに持って来てくれることになった」
 
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「良かったですね! でも紛失ということで、代わりのを買うという話は」
「うん。こちらの事務上は事故による破損で補償したとして既に処理が終わっているんだよね。彼らには相当額の現金を渡したし、彼らも既に新しいギター・ベースを注文していた。でも戻って来たものも単純に彼らにそのまま返却するということで」
 
「補償金は返さなくてもいいんですね?」
「もちろん返却は不要。帳簿上は無価値品だから」
 
「だったら良かった。でもどこにあったんでしょうね?」
「それはもう今となっては分からないね。スタッフの誰かが親切か誤ってか移動したのが連絡がされてなかったのか、あるいは盗まれてそのまま放置されたのか」
 
「多数のスタッフが動いてましたからね。バイトさんも多かったし」
「そうなんだよ」
「でも出てきて良かったです」
「うんうん」
 
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12時すきからのローズ+リリーの記者会見では、★★レコードからは氷川さんと加藤課長、そしてUTPの大宮副社長まで付き合ってくれた。
 
この記者会見にはこれまでのローズ+リリーの新曲記者会見史上最高ではないかと思えるほどの人数の記者が詰めかけた。先日の熱愛報道をした雑誌の記者は入場拒否覚悟で来ていたようだが、あっさり入れてもらえて拍子抜けしたようである。もっとも今日来ている人は私たちとも顔なじみの記者であった。
 
新しいCDに収録されている5曲を各々のPVカラオケ版を流しながら私とマリで生で歌う。こういう発表の仕方はKARIONとも同じであるが、ローズ+リリーの新曲記者会見に初めて来た記者さんの中には、口パクではなく生で歌っていることに驚いている風の人もあった。
 
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最初に歌ったのが『コーンフレークの花』で、ローザ+リリン、ゴース+ロリー、そして男の娘疑惑のある?豚ちゃんたちが出演しているビデオを流す。動画サイトに上げたのは90秒のショートバージョンなので、今日初めて公開したフルバージョンで豚くんたちがゆっくりと脱いで行く様子に結構歓声があがっていた。フルバージョンでは、ローザ+リリンもゴース+ロリーも繰り返し何度も出演している。
 
ここでいったん質問を受け付ける。
 
記者たちの第1の質問はやはり、なぜ直前に曲を差し替えたのかという点である。それについては『内なる敵』の反応が悪かったこと、制作陣の中にもこの曲に不安を感じる人があったことなどから、同じく三角関係を扱った曲ではあるものの曲調が明るい『コーンフレークの花』に変更したのだということを説明する。
 
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「反応が悪かったのはマリさんの恋愛疑惑があったからじゃないんですか?」
という質問が入る。例の熱愛報道をした雑誌の記者さんだ。なかなか厚顔であるが、この人とのやりとりは慣れているのでこちらも笑顔で答える。
 
「まあ世の中には火の無い所に煙を立てたがる人もあるようですが」
と私が言うと、笑い声が起きる。
 
この件に関しては、おおかたの見方はほんとに何でも無かったのをああいう報道をされてしまったので、渋紙さんがつい本音の気持ちを語ってしまっただけではないか、渋紙さんも実はマリのファンのひとりなのでは、という線に落ち着いたようである。
 
「でも確かにケチが付いた形になったので、新たな気持ちで歌いたいというのもあるにはありましたね」
 
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「ではやはり曲の変更を決められたのは一週間前なんですか?」
と別の記者さんが訊く。
 
「そうです。21日の夜に決定しました」
「それで実際に新しいCDはどのくらい用意できたのでしょうか?」
 
これについては氷川さんが説明する。
 
「封入するパンフレットの印刷を10ヶ所に分けて頼みまして、CD本体のプレスも最終的に2つの工場で同時進行してもらいました。それで今日の夕方までには全国で40-50万枚は揃うと思います。週末までには70-80万枚くらい用意できる見込みです。大手通販のアルテミス, HNS, Direct-CDでは金曜日までに予約を入れてくださった方には一部の離島を除いて昨日届くようにお送りできたということです。土曜日以降昨日までに予約してくださった方にも日曜日くらいまでにはお届けできるのではないかと思います。一時的に品薄になっても、すぐ増産しますので、少しだけお待ちください」
 
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今日発売するCDの予約は新しいPVを流した7月22日以降凄まじい勢いで入り、直販サイトと大手チェーンの集計だけでも、金曜日までに15万件に及んだのである。★★レコードでは急遽工場側と話し合い、同社の大阪工場にもデータを転送して2つの工場でフル生産体制を敷いてくれた。町添さんは社長・専務・常務、それに営業部長との緊急会議をして製造枚数を50万枚から100万枚に増やしたが、その後も予約が増えているので、状況次第ではもっと増産することになる可能性もある。
 
「パンフレットの印刷を10ヶ所でしたということですが、その印刷した中身はどこで印刷したものも同じなのでしょうか?」
 
「最初全部同じデータを渡すつもりだったのですが、何か印刷上の問題が起きた場合に、それを把握しやすくすること、交換などに応じやすくすることを目的に、印刷した工場のマークをジャケット表紙に入れています。右下の方にA-Jのマークが入っています」
 
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と氷川さんが説明する。
 
「我々が頂いたものはJになっていますね」
と配った献納品のCDを見ながらひとりの記者が言う。
 
「それは熊本市の印刷屋さんでプリントしたものです」
「随分遠いですね!」
「大都市の印刷屋さんは忙しくて急な対応ができなかったんです。それでだいたい地方都市が多いです」
 
「違うのはそのマークだけですか?」
「表ジャケットについてはそうです」
 
記者たちがざわめく。
 
「表ジャケットについてはということは、裏ジャケットは?」
「実は裏ジャケットは4種類あります」
 
「それも印刷屋さんの違いですか?」
「そうです。そちらは右下にK-Nの文字が入っていますが、裏ジャケットについては実は写真も違うんです」
 
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「それって、4種類集めようとするファンが出ることを期待した訳では?」
 
「とてもそこまでは考えられません。あの場は制作現場がもう殺気立った状態で全く余裕が無くて。裏ジャケに関しては最初1ヶ所だけに頼むつもりが後でやはり1ヶ所じゃ間に合わないから別の所にも頼むという話になり、更にあと1ヶ所、更にもう1ヶ所となりまして。混乱していたものですから、その度にうっかり別の写真のバージョンを渡してしまったんです」
 
と氷川さんは説明した。
 
「楽曲の差し替えが決まったのが16時くらいでして。工場に印刷データを渡したのが18時から20時頃までになりましたので、本当に混乱の極致だったんです。申し訳ありません」
と加藤課長が付け加えた。
 
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質疑応答は20分くらい続いたが、何とか落ち着いてきたので次の曲に行く。またカラオケ版PVに合わせて私たちが歌う。
 
『∞の後』はSFっぽい動画である。まるで人類が滅亡したかのような荒廃した風景。枯れた森林、朽ちたビル群。そこには何も動くものの姿は無い。しかしそこに1人の男性(高橋和繁)と1人の女性(丸山アイ)が現れ、どちらも何かを探すかのように歩き回る。ふたりとも着ている服はボロボロである。フラッシュバックするかのように、ふたりが各々スーツとドレスを着てワイングラスで乾杯して素敵な白亜の屋敷を背景にキスするシーン。
 
そして曲のクライマックス。ふたりは各々、モンスターのようなものに襲われ、必死に逃げる。両者つまずいて倒れて絶体絶命というところで曲は物悲しい和音のままフェイドアウトしていく。
 
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そして音が全て消えてしまった時画面もブラックアウト。歌っていた私とマリも目を瞑って無言・直立不動である。
 
これで曲は終わりかと思い拍手しかけた記者もあった。
 
しかし突然新たなメロディーが奏で始められる。PVではふたりを追っていたモンスター同士が互いを認識して戦い始め、結局相打ちになってしまう。
 
モンスターが倒れたのを見て、ふたりはおそるおそる出てきてお互いを発見。大きな声をあげて駆け寄り、抱きしめあう。そして、廃墟の前でキスするシーンで終わる。
 
「あのキスは真性ですか?」
などと、また例の雑誌社の記者さんから質問が出る。
 
「寸止めです」
と私が答える。
 
「あの体勢で寸止めって大変だと思うんですが」
「高橋さんが20歳の女の子アイドルと本当にキスしたらファンから殺されるから、と言っておられました」
「ああ、確かに最近は怖いですね」
 
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「アイちゃんも人気急上昇中のようですからね」
と言って私は加藤課長を見る。
 
「丸山アイに関しては秋にも本格的なホールツアーをする方向で検討中です」
と加藤さんは言って、記者が一様にメモしていた。
 
「丸山アイちゃんですが、男の娘疑惑が一部で囁かれているようなのですが」
と発言した記者が居る。
 
「女の子だと思いますが。私、彼女と温泉で遭遇したことありますよ」
と氷川さんが言う。
 
私は「へー!」と思った。ということは、少なくとも「元々女の子」なのか、あるいは「手術して女の子になった」かどちらかなのであろう。
 
「それって女湯で遭遇したんですか?」
「そうです。私は男湯に入る趣味は無いので」
 
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笑い声があちこちで聞かれた。
 

『黒と白の事情』のPVはひとりの男性(月物語の佐伯和弥)がふたりの女性(プリマヴェーラの諏訪ハルカと夢路カエル)と二股している物語に仕上げてある。ハルカが黒い衣装、カエルが白い衣装を着ている。しかし男性側がうまく立ち回っていることにより、双方ともハッピーで何となく全てうまく行っているような雰囲気なのである。
 
PV内に半分から左右が黒と白に色分けされたチュチュを着た女性がピルエットを連続で踊る映像が織り込まれるが、これをしているのは若手バレリーナの赤迫理奈さんである。
 
『ペパーミントキャンディ』には現役女子中生の森風夕子・春野キエ・松梨詩恩の3人が出演してくれている。緑の衣装の森風夕子、青い衣装の春野キエ、赤い衣装の松梨詩恩が楽しく語り合い、サッカーボールを華麗にリフティングしている高校生男子の先輩に憧れている様子を描いている。このリフティングをしている男の子は後ろ姿だけが映っており顔が出ていない。
 
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この男の子は誰ですかという質問が出た。
 
「品川ありさちゃんです」
と私が答えると
 
「え〜〜〜!?」
という声が上がる。
 
「男の子かと思った!」
と多くの声。
 
「彼女背が高いですからね。背が高いからモデルさんとかになったら、などと言われてオーディションに応募して。でもあの子、物凄い方向音痴なんですよ。指定された会場にたどり着けなくてウロウロしていた時に、何かオーディションやってると思ってそこかと思って入って行ったら、それが§§プロのフレッシュガール・コンテストだったらしくて」
 
「それで優勝しちゃったんですか」
「ですね。売れる子って、そういうもんですよね。彼女それまではサッカー部にいたんですよ。それでリフティングも上手いんです。身体が大きいのを買われてゴールキーパーだったんですけどね。PK阻止連続20回の記録を持ってるそうです」
 
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「凄い」
という声が出る。
 
「そんなにうまければ、いっそサッカー選手を目指すとかは無かったんでしょうかね」
などという声も出るが
 
「彼女リフティングとかドリブルは上手いけど、自分が蹴ったボールが全然思う方向に飛ばないらしくて。PK連続30回失敗という記録も持っているなどと自慢してました」
 
それで笑い声が出ていた。
 

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最後に『虹を越えて』を演奏する。PVはオズの魔法使いっぽく作られている。ただし嵐にあって虹の向こうに飛ばされるのではなく、楽しく歩いて虹の下を通過していく。出演しているのはチェリーツインの星子・虹子姉妹である。最初お父さん・お母さんに見送られて家を出て森や草原を歩いている内に虹の下を通り過ぎてしまう。
 
可愛い衣装を着けて本当に楽しそうに歩いているのが良い雰囲気を醸し出している。ふたりはいつも笑顔だ。そこにショッカーの戦闘員みたいな黒いマスクをかぶった2人が出てきて姉妹を拉致し、強制労働させるが、魔女の衣装を着けたチェリーツインのドラマー・春美さんが現れて、戦闘員ふたりを倒し星子・虹子姉妹を解放する、という物語仕立てであった。
 
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「あの黒いマスク付けてるのは、やはり少女X・少女Yですかね?」
という質問が出るが
 
「訊いてみたのですが、出演依頼に彼女たちが普段お仕事をしている農場に行った時、たまたま近くにいた女の子ふたりを徴用したので事務所でも名前とかは知らないそうです」
と私は答えておく。
 
少女X・少女Yというのはファンが勝手に付けた名前であって、彼女たちはCDやライブのパンフレットにも決してクレジットされない。名も無き存在というのをもう8年ほど持続させている。
 
「最初に出てきたお父さん・お母さんですが・・・・」
「まあお父さんはチェリーツインの紅ゆたかさんですね」
「お母さんは?」
「チェリーツインの紅さやかさんですよ」
 
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「やはり」
 
「何か凄い美人になってますよね。やはり紅さやかさんって女装趣味があるのでしょうか?」
 
「それ訊かれるかも知れないけど、しっかり否定しておいてくださいと本人は言っていました」
 
何だか記者たちがメモしてる!
 
そんな感じで、この記者会見は「男の娘疑惑(?)」で終了した。
 

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