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■夏の日の想い出・コーンフレーク(8)

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私も浜松をすぎたあたりで眠ってしまった。起きるともう祐天寺のスタジオ前であった。政子を起こして降りるが
「気をつけてね。安全運転で」
と言って千里と別れた。
 
祐天寺のスタジオではアルバムに収録予定の曲『摩天楼』の制作が進行中であった。私はみんなに
「遅くなってごめんなさい」
と言って入って行く。
 
「早かったですね」
と七星さんが言う。
 
「葬儀がお昼前に終わって、それからこちらに移動してきたから」
と私は答えた。
 
作業中なのは、スターキッズ&フレンズの(山森さんを除いた)7人、風花、夢美、そして青葉である。本来夢美はKARION系のスタッフなのだが、山森さんが多忙であることもあり、ヴァイオリンもオルガンも上手い夢美は居てくれると助かる。夢美はCDは結構売れているのだが「まだまだ自分は勉強中」と言って演奏の仕事をあまり入れていないので、こちらも便利に使わせてもらっている。
 
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青葉は「新潟まで来たついでに東京にちょっと寄って私のマンションを見て欲しい」と言っておいたのだが、朝起きると私が京都まで行ったと聞いて困惑したらしい。それで七星さんから「ケイが戻ってくるまで音源制作手伝ってよ」と言われて、東京まで同行し、スタジオに入って曲作りに参加してくれていたようである。なお、青葉が同行していたフルート奏者2人は高崎から新幹線乗り継ぎで高岡に帰ったらしい。
 

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結局その日は深夜0時過ぎまで作業を続けて
「続きは明日」
と言って解散する。
 
もうほとんどの人が帰宅不能なので、男性陣にはホテルを用意し、女性陣はみんなで恵比寿の私のマンションになだれ込んだ。私と政子、七星さん、青葉、風花、夢美の6人である。スタジオのある祐天寺から私のマンションまでは2kmちょっとであるが、タクシー2台に分乗して移動する。
 
それでとにかくその日は適当に寝て、私は翌28日朝6時に目を覚まし、御飯を作り始めた。すぐに青葉も起きてきて手伝ってくれた。
 
それで御飯も炊きあがり、ミネストローネも仕上がったのだが、誰も起きてこない。どっちみち音源制作はお昼過ぎからなので(音楽関係者はだいたい午前中は寝ていて午後から始動する人が多い)、結局塩鮭を2人分焼いて、私と青葉の2人で朝御飯を食べはじめる。
 
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「ほんの一週間前に千里が来てくれたんだよ。それで明らかに怪しげな郵便物とか荷物というのを少し持って行ってくれたんだ。でも青葉に再度見てもらった方がいいと言って」
と私は説明する。
 
「千里姉からやばそうなものということで写真を送ってもらいましたが、本当にやばいものばかりでした。政子さんにこないだから立て続けに災難が起きたのは、その影響もありますよ」
「ほんとに!?」
 
と言いつつも、やはり先日私が思った《ひょっとして政子に呪いが掛かっているのでは?》というのが本当だったのかもと思った。
 
「たぶん変な念の入っているおやつを食べちゃったんじゃないかなあ」
「ああ、政子ならあり得る」
 
「まずそのあたりをチェックしましょうかね〜」
と言って青葉は朝御飯を食べた後、郵便物・宅配便の類いを見てくれる。そしてDMを2通取り出した。
 
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「ファンからの贈り物の類いはどこかでいったんチェックされているんでしょ?」
「うん。それは○○プロがやってくれているんだよ。あそこアイドルが多いからけっこう危険なものが送られてくるらしくて凄い検査機器持っているから」
 
「食物とか花とかの類いで怪しいものは念だけじゃなくて、中身も怪しいことが多いから大半はそこで処分されているかも知れませんね」
「なるほどー」
 
青葉はその「怪しいDM」を内側にアルミが貼ってある保冷バッグの中に入れた。
 
「保冷バッグ?」
「アルミのお陰で静電遮蔽されるので、外にほとんど影響が出ないんですよ」
「へー!」
 

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ローズヒップティーを入れ、クッキーを摘まみながら少し話す。そんなことをしている内に珍しく政子が起きてきた。風花・夢美・七星さんはまだ寝ている。
 
「こんなに早くマーサが起きるなんて珍しい」
「お腹が空いた」
「まあ食べて」
「食べる!」
と言って、ミネストローネを食べ始める。ああ、他の人の分は残らないなと私は思った。
 
「やはりローズ+リリーが人気絶頂だから、どうしても恨みや妬みを持つ人たちも増えているんですよ。これはちょっと本格的に誰かに定期的にチェックしてもらわないと、やばいな」
 
と青葉は困ったような顔で言う。
 
「でもチェックできる人って、そうそう居ないんでしょ?」
と私は言う。
「そうなんですよ。強力なものほど巧妙ですからね」
と青葉。
 
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「やはり青葉には東京に引っ越してきてもらって」
と政子。
 
「済みません。色々世間の義理で」
と青羽が言うと
 
「千里もよく『世間の義理』って言うね」
と政子。
 
「いや、ふたりって結構似たもの姉妹だよ」
と私は言った。
 

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「お値段少し高くてもいいですか?」
「いくらくらい?」
「月100万円+処分料というのでは?」
「うん。払っていい。今回みたいなことがあったら、桁違いの損害が出る。正直、今度の作り直したCDがせめて40万枚くらいは売れてくれないと町添さんは責任を問われるんだよ」
 
「たいへんですね、そういう立場の人も」
 
と言って青葉は電話を掛ける。
 
「どうもご無沙汰ばかりしておりまして。はい。ちょっとご相談が。ええ。ある人の霊的な防御のお手伝いをお願いできないかと思いまして。いえ政治家ではないです。歌手兼作曲家なんですよ。ええ。その人です。ですよね〜。お忙しいですよね。こちらは取り敢えず月100万円+処分料というのではどうだろうかと言っておられるんですが。ええ。月2回程度、マンションに来訪して怪しい郵便物や贈り物などをチェックしてもらえたらと。はい。単にお焚き上げするだけでは済まないものもあると思いますから、それは実費で。ええ、ですから月100万円は顧問料のようなもので。はい。月200万円ですか?」
 
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と言って青葉は私を見る。私は頷く。
 
「はい、それでいいそうです。ええ。それでは一度良かったらこちらにおいでいただけませんか? あ、今からですか? はい。いいそうです」
 

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「たぶん関東在住の霊能者の中では最強の1人だと思います。中村晃湖さんにお願いしました」
と青葉は電話を切ってから言う。
 
「すごーい。私が名前を知ってる人だ」
と政子。
 
「確か親戚か何かになるんだったっけ?」
と私は尋ねるが
 
「親戚ではありません。私の曾祖母の親友のお孫さんなんですよ」
と青葉。
 
「うーん。関係あるんだか、無いんだか」
「そして千里姉の高校の先輩でもあるんです」
「あ、そんな話も聞いた」
「バスケット部の出身で、千里姉が高校生の頃、毎年多額の寄付をバスケ部にしてくれていたそうです」
「へー」
「今でもあそこの高校の女子バスケット部への寄付額では3位らしいです」
「ほほお」
「1位が千里姉、2位が謎の人物、3位が中村さんです」
 
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「ああ、千里はやはり多額の寄付してるんだ?」
「千里姉はあそこの高校のバスケ部の特待生にしてもらえたから高校に行くことができたらしいです。高校進学の直前にお父さんが失業して、悪いけど高校に行かせてやれない、中学出たらどこか仕事先見付けてくれ、なんて話だったらしいんですよ」
 
「わぁ・・・・」
と政子が声をあげる。
 
「そういうことになっていたら、こないだのユニバーシアードで大活躍した千里も無かったわけか」
と私は言う。
「作曲家・醍醐春海も生まれていませんし、そもそも多分性転換手術を受けることもできなかったと思います」
と青葉。
 
「だよねー。お金掛かるもん」
 

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そんな話もしている内に、中村さんが到着した。
 
同じ霊能者でもテレビ好きな竹田宗聖さんとは違ってマスコミ関係への露出は少ない。噂を聞いていた感じでは50代かなと思っていたのだが、見た感じは40歳前後に見える。
 
名刺を交換してから、こちらの状況を話す。
 
「なるほど。不酸卑惨の件にも引っかかっていたんですか」
「あれはかなり本格的でしたよ。うちの姉が居なかったらやばかったです」
「千里ちゃんか・・・」
 
と言って中村さんは考えていた。
 
青葉は先ほど見付けたDM2通も保冷バッグの中から取りだして見せた。
 
「げっ」
といきなり声をあげる。
 
「何者〜? こいつ」
「まあ素人じゃないですよね」
「うん。ある程度神霊的なものに関する訓練を受けた奴の仕業だよ」
 
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「1月に私がここに来て、怪しいものを全部処分したのに先週、姉がここに来て、怪しいものを7つも発見したんです。でも姉は呪いの専門家ではないので、私に再度チェックして欲しいと言って、それで私がまたチェックして、この2つを見付けたんです」
 
「半年で9つか・・・・」
「物理的に怪しいものはプロダクションでチェックして廃棄しているんですよ。そのチェックをすり抜けた、モノとして怪しくないけど霊的に怪しいものがそれだけあるんですよね」
 
「その頻度なら月2回では危ないよ。じゃ、基本的に週1回私がチェックに来ます。でもできたらもっとチェックした方がいいから、私の弟子の船木冴子というのにも来させて私と船木で交互になりますが、4日に1度はチェックできるようにしたいと思います」
 
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「助かります。鍵を1本お渡ししますから、居なかったら勝手に入って下さい」
「了解です。私がどうしても手が離せない時は船木あるいは同等程度以上の力のある者に取り敢えず来させて、後日私がまた来させてもらうというのでもよろしいでしょうか?」
「ええ。それでいいです。お忙しい所申し訳ありませんヶ
 
それで私は予備の鍵を渡す。
 
「では料金は処理料込み・税込みで月200万円ということで」
「あ、処理料込みだったんですか?」
「頻繁に処理が発生しそうですから、もうそれいちいち計算するの面倒だから込みにしちゃいましょう、と」
 
「まあ確かに計算は面倒ですけどね」
 
そういうことで、私のマンションは中村晃湖さんと、そのお弟子さんに週2回程度チェックしてもらえることになったのである。
 
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午後からはまた6人でスタジオに行き『摩天楼』の制作を続ける。
 
この曲にはツインサックスをフィーチャーしているが、サックスの内1本は当然七星さんが吹くのだが、青葉にそのカウンターパートを吹いてもらうことにしたのである。ふたりの使用サックスは同じ製品なので音も調和しやすい感じであった。
 
一応28日中にはだいたい方を付けるつもりで、青葉もこの日の最終新幹線で帰るくらいのつもりでいたようなのだが、まだ実質制作2日目で譜面の変更が相次ぐ。結局9時を過ぎても全くまとまらない。
 
「青葉ごめーん」
と私は謝る。
 
「いや、こうなりそうな予感はありました」
と青葉。
 
「お、さすが霊能者!」
と政子。
 
「これ霊感とは関係ない気がします」
と青葉は言った。
 
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「まあ、ここまで付き合ったら、ちゃんと完成形を見てから帰りたいよね?」
などと七星さんも言うので、
 
「はい。ご一緒させて頂きます」
と青葉も開き直って言った。
 

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結局その日は夜中1時までやってから「続きは明日やろうか」と言って解散。男性陣は再度ホテルを取って休んでもらい、女性陣は青葉も含めてまたもや私のマンションになだれ込んで適当に寝た。
 
29日は午後からローズ+リリーの新曲記者会見がある。それでマンションでお昼御飯を食べた後、私と政子は★★レコードへ、青葉も含めて他の人は祐天寺のスタジオに移動した(マンションからスタジオまでは2.1kmほど、★★レコートへは1.8kmで、どちらも近い。私と政子はリーフで、他の4人はエルグランドで移動した)。
 
 
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