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■夏の日の想い出・南へ北へ(11)

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この鶏肉のスープが物凄く美味しかった。御飯の方もリゾットの一種と思えば結構行ける感じだった。
 
その次に出てきたのが串焼き料理である。
 
「サテです。インドネシアに来るとこれが楽しみという人もいるみたい」
「これ、何のお肉ですか?」
 
「食べてから教えますから、ひとりずつ食べてみてください」
と麻生さんは意味ありげに言う。
 
私たちは顔を見合わせる。
「ケイ行ってみよう」
「はいはい」
 
適当に1本取って食べる。
 
「柔らかくて美味しいお肉ですね。何かの鳥の肉かな?」
「ケイちゃんは大当たりを出したね。それコブラね」
 
「コブラって蛇ですか〜?」
「そそ。美味しいでしょ?」
「あはは」
 
いきなりコブラが出たので、次のEliseはおそるおそる1本取って食べる。
 
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「これは・・・羊かな?」
「惜しい。それは山羊の肉」
「ああ、わりとまともなので良かった」
 
次に食べた珠妃は
「あ、これは牛肉だ」
と言ったが
「近いけど、水牛だね」
と麻生さん。
 
また私の番になる。うーん。もういいや、何でもと思って1本取る。
 
「それはビアワッ」
「どういう動物ですか?」
「別名アルー、日本語ではミズオオトカゲ」
「トカゲですか!?」
「体長が2mを越えるでっかいトカゲだよ」
「それはすごい」
 
次にEliseが食べたのはウサギ、珠妃が食べたのは貝であった。
 
私の番になる。
 
もうどうでもいいやと思って1本食べる。
 
「それは亀」
「なんか今までのに比べたらまともな気がする」
 
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そのあとEliseはさっき食べたテンペ、珠妃は硬い豆腐に当たった。
 
もう目を瞑って1本取る。これは食べている最中に分かった。
 
「カタツムリですよね? エスカルゴと食感が似てる」
「大正解!」
 
その後Eliseはパイナップル、珠妃は馬肉であった。
 
「ここまではお試しなので、ここまで食べた中で各人ベスト1を言ってもらったら、それをもう少しお出しします」
 
「あのぉ、私は若輩者なのでパスしていいですか?代わりに珠妃先輩が2つ推すということで」
と私が言うと、Eliseと珠妃も笑って頷いている。
 
「まあいいよ」
と麻生さんも笑って言った。
 
それでEliseは山羊、珠妃は馬と豆腐を推奨したので、その3種類をその後は味わうことができた。
 
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「山羊美味しい、馬美味しい」
と私が言うと
「良かったね」
と言って珠妃が笑っていた。
 

サテの後、ミーゴレン(焼きそば)を食べ、最後に揚げバナナとマンゴーアイスのデザートを食べて食事は終わる。
 
「おごちそう様でした」
「お疲れ様でした。では空港に行きましょう」
と高柳さん。
 
「まさかもう帰るんですか?」
「羽田行きは21:35です。また全日空。来た時に乗った機体です」
「なんて慌ただしい!」
 
麻生さんはまだ数日インドネシアに滞在するらしいが、空港までは付き合って見送りしてあげると言った。
 
私はこの場にテレビ局の人がいるのは気になったものの、空港に向かう車の中で麻生さんに言った。
 
「麻生さん、場違いを承知でお話ししたいことがあります」
「何?ケイちゃん」
 
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「麻生さんは、&&エージェンシーの大株主さんですよね。XANFUSの件はお聞きになっていますか?」
 
すると麻生さんはたちまち顔を曇らせるので、まずかったかなと思ったのだが彼女は思いがけないことを言った。
 
「音羽が妊娠したので、中絶させるのに休養させたんだって?」
 
私はびっくりした。
 
「それは違います。彼女は妊娠していません」
「ほんとに?」
「だって彼女はレスビアンで、男性と付き合ったりしませんから、妊娠するはずもありません」
 
「え〜〜!?」
「妊娠って誰から聞いたんですか?」
「朝道君。新社長になった」
「それは事実とは違います。もし日本に来て頂けたら、直接音羽と話してもらうこともできるのですが」
 
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「もしかして、あんたが音羽を保護しているの?」
「そうです」
 
これにはEliseと珠妃、それに高柳さんもびっくりしていた。
 
「高柳さん、私も日本に行きたい。チケット取れる?お金は私が出すから」
「電話してみます」
 
それで高柳さんはすぐに旅行代理店に電話していた。
 
「1枚取れました。1席離れてしまいますが、機内で近くの席の人に交渉すれば、交換できるかも知れません」
 

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私たちは出国手続きをして慌ただしく全日空機に搭乗したが、幸いにも私たちの隣の席にいたビジネスマンっぽいイギリス人男性が席を替わってくれたので、私たちは全員近くの席に座ることができた。
 
B787-8型機のビジネスクラスは左側2席、中央2席、右側2席の座席配置で、中央の座席は左右の座席に対してずれている。座席番号は左からA,C,D,G,H,Kで、ビジネスクラスは1-7列である。私たちは6A:珠妃, 6C:Elise, 7A:麻生, 7C:私, 6D:高柳 のように座った。私が左前に少し身を乗り出して小声で話すと、この5人だけに聞こえて、他の客にはほとんど聞こえない。更に幸いにも周囲に他に日本人が居ない。この状態で私はこの秋以降の&&エージェンシーの動き、そして音羽を保護した経緯について説明した。
 
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「え?斉藤さん、病気で辞めたんじゃないの?」
と麻生さん。
「ピンピンしてますけど。さすがに内容は言えませんが、今アメリカで秘密の作業をしています」
 
「秘密の作業って性転換でもするとか?」
とEliseが茶々を入れる。
「斉藤さんは性転換する趣味は無いと思いますが」
と私は言ったが
「私、斉藤君の女装見たことあるよ」
と言って麻生さんが笑っている。
「ひどかったけどね」
「ああ」
 
「でも恋愛禁止なのを恋愛して同棲までしていたことは言い訳できん」
と珠妃は厳しいことを言う。
 
「それでもXANFUSに関する制作方針の変更はおかしいと思うんです。これまでXANFUSの曲は連続14曲ゴールドディスクでした。それが今回は4000枚しか売れていないんです」
 
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と私は言い、
 
「取り敢えずこれを聴き比べて下さい。最初に入っているのがXANFUSが5月に出した『Rolling Gum Gathers Any Dust』、2番目に入っているのが先日出た『DANCE HEAVEN』」
 
と言ってmp3プレイヤのイヤホンの左右を1本ずつ、まずは珠妃と麻生さんに渡す。それを聴いている珠妃は最初は頷いていたものの2曲目に入った付近で顔をしかめ
 
「何じゃこりゃ」
と言った。麻生さんも
「これは酷い」
と言う。
 
「これ動画サイトの『歌ってみました』レベルじゃん。それに何よ、この素人っぽい打ち込みは?楽器やったことのない人が作ったデータだよ」
と珠妃。
 
「90年代はこのレベルでも売れたんですよ。****とか****とかが、ガラクンさんがプロデュースした歌手です」
と私は言う。
 
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続いて聴いたEliseと高柳さんも顔をしかめた。
 
「ケイさん、その件、事が落ち着くまで一切内容を公開しないという条件で僕たちに取材させてもらえませんか?」
と高柳さんが言う。
 
「音羽の意向を聞く必要がありますが、すぐには公開しないのであればOKしてくれる可能性があると思います」
と私は答えた。
 

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そういう訳で、私達は水曜日の朝7:00、羽田に到着すると、そのまま9時の新千歳行きに乗り継いで、5人で一緒に札幌の玲羅のアパートを訪れたのであった。
 
織絵も玲羅も物凄い顔ぶれの突然の来訪に驚愕していた。
 
織絵は高柳さんの取材申し込みに対して、今回自分をかばってくれた人に迷惑が掛からないように、自分以外は映さないという条件で取材をOKした。
 
それで全員であらためて音羽の説明を聞き、途中で何度か珠妃が光帆に電話して彼女の説明も聞いた。珠妃は玲羅のパソコンを借りてネット上のファンの声なども見ていた。
 
結果的に、珠妃も、Eliseも、そして麻生さんも、音羽たちに同情してくれたし、また朝道社長のやり方に疑問を呈した。
 
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「誰か&&エージェンシーの社員の話が聞けないかな。白浜さん、私になら少し話してくれないだろうか?」
と麻生さんが言う。
 
「白浜さん、6月いっぱいで退職したんですよ」
「え〜〜!?」
 
「正直、白浜さんが居てくれたら、もう少しどうにかなってたんじゃないかという気もして」
と私は言ったが
 
「いや、朝道君の流儀なら、たぶん白浜さんも解雇されてる」
と麻生さん。
「そうかも知れません。一応白浜さんの後任は横浜網美さんという人なんです」
「ああ、あの子は知ってる。あの子と話せるかな?」
 
それで織絵が美来に連絡し、美来が横浜さんにメールしてくれた。30分ほどして本人から織絵の電話に掛かってくるので、少し織絵が話した後、麻生さんに代わった。
 
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麻生さんはかなり突っ込んだことを横浜さんに聞いていた。
 
「え?ドームツアーするって?」
「7大ドームツアーです」
「誰が歌うのさ?」
「光帆さんだけで歌うことになります」
「伴奏は?」
「カラオケになると思います。ガラクンさんの作った伴奏って人間には演奏不能なんですよ」
 
「でもそんなのチケット売れるの?」
「悲惨なことになりそうで。麻生さん、何とか社長を停められませんか?」
と横浜さんは言う。
 
「いや、私が言っても聞かないだろうな。それにドームは予約済ませている訳だよね?」
「ええ。そうです」
「だったらキャンセルすると恐ろしい金額の違約金が発生する。予約してしまった以上、やった方がマシな気がする」
 
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この時点では麻生さんも、まさかあそこまで悲惨な動員になるとは思ってもいなかったし、チケットが売れないのに焦って費用も考えずに大量のスポットを打ち更に赤字を拡大するというのも想定外だった。
 
結局麻生さんは、しばらく日本に滞在して、情報収集すると言っていた。
 
「そうだ。珠妃ちゃん、呪いの人形を買ってたね」
と麻生さんが言う。
 
「はい?」
「私にくれない?」
 
「いいですよ〜」
それで珠妃は人形を荷物から取り出すと彼女に渡した。
 
「でも何するんですか?」
「内緒」
と麻生さんは悪戯っぽく笑った。
 

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私と珠妃はその日の最終便で東京に戻った。九州行きから始まって合計18000kmの旅であった。地球約半周だ。
 
さて、政子は先週仮免試験を2回落としたのだが、私がインドネシアに行っていた水曜日に再挑戦したものの、また落としていた。
 
「前の試験車が脱輪したから、それ避けようとして、こちらまで脱輪してアウトだったんだよ。そういう時はまずブレーキ踏めって叱られた」
「緊急時の対応は慣れてる人でも焦るからね」
 
しかし木曜日に再度見極めしてもらった上で、金曜日に4度目の挑戦でとうとう合格。土曜日からは第2段階に進んだ。
 
「やはり北海道で織絵に見てもらって少し練習したので自信付いたのよね」
などと政子は言っていた。
 
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「ああ、やはり練習したんだ?」
「うん。車なんて全然通ってない道で、交差点曲がる練習とか、方向転換の練習とか頑張った。右よし・左よし・巻き込みよし」
「なるほどねー」
 

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そして以下は麻央たちのレポートである。
 
日曜日の夜、私たちと分かれた千里はバス乗り場ではなく、羽田空港の駐車場の方に向かった。麻央は電話連絡で佐野君に車を出すよう言う。それで駐車場の出口の付近で待機していたら、私から聞いていたナンバーの真っ赤なインプレッサ・スポーツワゴンが出てくる。それで麻央たちは、その後を付け始めた。
 
「ナンバーも冬から聞いていたのと同じ。この車で間違い無いね」
「千葉に戻るのかな?」
 
千里の車が首都高に乗るので、佐野君たちも乗る。千里の車はそのまま千葉方面に湾岸に沿って走り出した。ところがすぐにウィンカーを付ける。
 
「あれ?分岐する?」
「千葉に戻る訳じゃないのかな?」
 
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離されたらおしまいなので、多少尾行に気づかれるのも覚悟で近づいて付いていく。千里の車は大井JCTで分岐して中央環状線・五反田方面に分岐、少し走って渋谷近くの大橋JCTで3号渋谷線の東名高速方面に乗る。
 
「東名に行くのか!」
「満タンにしといて良かった!」
「これは結構ハードになりそう。麻央寝ててくれ。これ途中で交代しなきゃ」
「うん」
 
それで麻央が仮眠している間に千里の車はやがて東京ICを通って東名に乗った。佐野君の車もそれに続いた。
 

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■夏の日の想い出・南へ北へ(11)

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