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■夏の日の想い出・南へ北へ(10)

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私は首を振った。
 
南の島まで行って、それで明日解放って、なんか無茶苦茶ハードスケジュールっぽい。
 
しかしなんで私の回りにはこんなに強引な人ばかりいるんだ!? 蔵田さんに雨宮先生に静花に。Eliseもかなり無茶言うよなあ・・・。
 
しかし静花が来いというのであれば行くしかない。私は風花に電話した。
 
「朝早くからごめーん。松原珠妃さんから急に呼び出されてさ、どこか南方に行ってこないといけないんだよ。うん。あの口ぶりからすると、もしかしたら沖縄か奄美付近かも。それで明日帰ってこられるらしいけど、それまで留守にするから政子のお目付役がいなくなるんで。うん。来てくれる?ありがとう。助かる。風花が外出しないといけない時は七星さんか窓香あたりを呼び出してもらえる?ああ。麻央はちょっと別件で用事を頼んでいて、今週いっぱいは手が空かないんだよ。最悪の場合は氷川さんに連絡して仁恵か琴絵を。うん。よろしく」
 
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政子の「おもり」は政子のわがままに振り回されない人物にしか務まらない。窓香ならいいが、気の弱い悠子だとダメである。うちの母や政子の母では全然抑えきれない。
 
それで後のこと(政子のこと)は風花に任せることにし、作戦行動中の麻央には自分に連絡が取れなかったら風花に連絡してというメールを送った上で、私は急いで荷物をまとめてマンションを出た。しかし福岡に行ったかと思ったら札幌、札幌から戻ったかと思ったら沖縄(かな?)。なんか移動距離がハンパ無い!
 

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恵比寿駅からJRで浜松町に行き、モノレールの駅まで登って行くと、改札近くに居たのはEliseである。
 
「やっほー!ケイ」
「おはようございます。もしかして、この件、Eliseさんも絡んでるんですか?」
「そそ。私と珠妃さんとケイと麻生杏華さんの4人で美味しいものを食べに行こうという企画。同行するのは##放送の高柳記者」
 
「高柳さんは何度かお会いしたことあるな」
「今回は彼はカメラ回すだけだから、トークは私たち女4人だけ」
 
そんなことを言いながら、私は麻生杏華って誰だっけ?と一所懸命考えていた。しかしその前に気になることがあった。
 
「彼って、高柳さん、男性でしたっけ?」
「ああ。妹さんも同じ##放送でレポーターやってるんだよ。あちらは高柳あつみ、お兄さんは高柳さとみだったかな」
 
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「何か男女がよく分からない名前だ」
 
「確かに確かに。高柳さんと珠妃さんはもう羽田に行っているから。私がケイを待っていた」
「ありがとうございます。じゃ行きましょうか」
 
「羽田までのチケットはこれね」
と言ってEliseが切符を渡してくれる。
 
「ありがとうございます」
 

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それで改札を通って、モノレールに乗る。
 
私はEliseと3月に生まれた瑞季ちゃんのことで話した。よく動き回るので今いちばん目が離せない状態らしい。今回の仕事中はLondaが見ていてくれるということだった。
 
「というか、ひょっとしていつもLondaさんが見てくれてますよね」
「うん。私、あまり子育てしてない感じ」
「ああ」
 
私はてっきり第1ターミナルか第2ターミナルに行くものと思っていたのだが、羽田空港国際線ビル駅に到着するところでEliseが
 
「さ、降りるよ」
と言う。
 
「え?ここで降りるんですか?」
「もちろん」
 
「外国に行くんですか〜?」
「聞いてなかったの?」
「何も聞いてません。どこの国です?」
「インドネシアだけど。チケットは先に行った高柳さんが買ってくれているはず」
 
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「ちょっと待ってください。私、パスポート持ってたっけ?」
と言って、モノレールから降りながら慌ててバッグの中を見る。
 
「あったぁ!良かったぁ!」
 
多分昨年イギリスに行った時のままここに入っていたのだろう。
 
「そのパスポートの期限はいつまで?」
「昨年台湾公演した時に作ったんですよ。ですから2018年3月まで」
「性別はどっち?」
「女です」
「じゃ問題無いな。たぶんケイのパスポートは女だったはず、と高柳さんには言っておいた」
 
「ああ。性別が違っていたら、乗れませんよね」
 

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カウンターの前で、珠妃・高柳さんと落ち合う。係の人にパスポートを提示し、航空券を受け取る。すぐ手荷物を預けた。
 
「あまり時間無いから、すぐセキュリティ行くよ」
「はい」
 
それで私とElise,珠妃、高柳さんの4人でセキュリティを通る。
 
「あれ?女4人と記者さんの5人と言ってませんでした?」
「杏華さんは直接現地で合流するから」
「ああ、そうなんですか!」
「彼女は先行して現地に行っているらしい」
「へー」
 
セキュリティを通過し、税関・出国審査を通って、搭乗口方面に行く。
 
「でもこれどういう組み合わせなんですか?」
と私は訊いた。
 
「2003年組かな」
「へ?」
「スイートヴァニラズも、松原珠妃さんも2003年のデビュー」
「あぁ」
 
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そうか。あれが2003年だったのか、と当時のことを私は懐かしく思った。あれから11年も経っているかと思うと感慨深い。
 
「麻生さんは2003年にデビューしたParking Serviceのプロデューサー」
「わっ」
 
と言ってから、その時、その麻生杏華という人のことを私はやっと思い出した。そうだ!その人って、XANFUSの事務所、&&エージェンシーの共同創立者・麻生有魅子さんの娘で、同社の大株主だ。
 
「彼女は90年代にポップピアニストとして人気を得たんだよね。歌もわりと上手いんだけど。お母さんが大歌手だったから、歌では勝負したくなかったみたい。どうしても比べられちゃうじゃん」
 
「そういうのって辛いですよね」
 
「でも2003年頃はもうあまり自身は音楽活動してなくて、何人かアイドル歌手の制作などをしていた。そんな時、Parking Serviceって4人組のボーカルを売り出したら、当たっちゃったんだよ」
 
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「あれ最初4人だったんですか?」
「うん。でもその後激しく人数が変動したし。メンバーも随分入れ替わったよね。その内、そのバックで踊る子たちをPatrol Girlsと命名して、結果的にそちらはParking Serviceジュニアみたいな扱いになって、そちらからParking Serviceに昇格した子も何人か出たね」
 
「ええ。でも正直、在籍したのが何人いたかも私分かりません」
「全員知っているのは、よほどのファンだけだと思う。短期間で辞めた子もいたしね」
「ですよねー」
 
「Parking Service, Patrol Girls はメンバーも入れ替わりが激しかったけどプロデューサーもその後、何人も交代している」
 
「あれもフォローしてません」
 
「でもParking Serviceがアイドル路線に行ってしまったことに麻生さん自身は不満があったみたいね。それで新たにもっと本格志向のユニットとしてXANFUSを作ったんだよ」
 
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「ああ、そういう経緯だったんですか」
 

「ところで、私が呼び出された理由は?」
 
「いや、実はもうひとり2003年組で、マリンシスタの初代リーダー辰巳鈴子が予定されていたんだよ。ところが今朝になって、熱が40度出てとても海外渡航できないと連絡があって」
 
「わっ」
「それで珠妃さんがじゃケイを呼び出すと言って」
とElise。
 
「私もケイさんなら今回の企画に出て頂くタレントさんのクラスとして全く問題無いと思いましたので、念のため部長にも確認の上、お願いすることにしました」
と高柳さん。
 
「私、2003年と何か関係あるんですか〜?」
「ケイがピコとしてデビューしたのは2003年だもん」
と静花(珠妃)は言っている。
 
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「あれデビューになるの〜?」
「まあ今年はピコという名前を多くの人が知ったからね」
と静花は開き直って言っている。
 
今年静花は『ナノとピコの時間』という曲を発表して大ヒットさせている。その曲のPVには、当時小学生だった私が、ビキニの水着を着て、ナノこと静花と2人で映っている映像が使用されている。それで多くの人が私はこの時点で既に女の子の身体になっていたんだ!と思うようになったのである。あの映像使用に関しては、私には事前打診が無かったので、私は静花に抗議したのだが、兼岩さんが「使っちゃえ使っちゃえ」と言ったらしい。私もさすがに大恩がある兼岩さんには文句が言えない。
 

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私たちは9:40頃、全日空NH855(B787-8)に搭乗、ビジネスクラスの座席に座った。ビジネスクラスなのは、やはりこの顔ぶれだからだろう。10:10に飛行機は羽田空港を離陸し、7時間45分の旅で15:55にジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に到着した(時差2時間)。
 
到着後、空港でビザ(VOA-Visa on Arrival)を取り、入国する。インドネシアは短期間の観光や商用の場合、到着後に空港でビザを取ることができる。
 
空港で現地放送局のスタッフさんと落ち合う。彼の運転する車でジャカルタ市内に入る。
 
高い塔が立っている公園のような所に来る。
 
「これモナスです」
と放送局のスタッフさんが片言の日本語で言う。
 
「何?これ?」
と私はそばに居る珠妃に訊いた。
 
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「私も知らん」
と珠妃。
 
高柳さんが説明する。
 
「モナスはモニュメント・ナショナルの略で、インドネシアの独立記念塔なんです。1階は歴史博物館になっています」
 
ということで、その歴史博物館に入り、駆け足で中を見る。これが本当に駆け足だった!
 
普通に見るとこの博物館だけで2時間くらい掛かるらしい。しかし私たちはわずか30分でこの博物館を見て回った。特に有名な展示だけ、高柳さんが解説してくれた。
 
その後、普通は最上階の展望台に行くのだが、それも省略!して、車で10分ほど移動し、パサラヤというデパートに行く。現地放送局の人の案内でそこの民芸品コーナーに行った。
 
「おお、これは凄い」
とEliseが声をあげる。
 
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それで私たちが見て回っている所を高柳さんが撮影している。ここの撮影許可は事前に現地放送局の人が取ってくれていたようである。
 
「ね、なんかこれエソテリックじゃない?」
と言ってEliseが指さしているのは、どこかで見た覚えのある人形である。
 
「その人形、ちょっとやばいです。本物の呪いの人形ですから」
「え〜〜!?」
「触ったりしない方がいいですよ」
と私は言ったのだが
 
「もう買っちゃったけど」
と言って珠妃がその人形を1個抱えている。私は頭を抱えた。
 
この他、私たちは全く無害な猫の人形、バティック(ジャワ更紗)のスカート、ガムランボール(装飾された鈴)、花の形の銀製ブローチ、陶器の湯飲みなどを買った。
 
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その後、モスクとかカテドラルとかを車中から外観だけ見て、ホテルに行く。車を降りて中に入っていくと、
 
「こんにちは」
と言って笑顔でこちらに挨拶をする女性が居る。ああ、これが麻生杏華さんなのか、と私は思った。
 

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今回のお仕事はジャカルタ近郊の観光地をいくつか訪問し、その感想などを話しながら、お食事をするという企画らしい。
 
でも私たちが実際に行ったのは、モナスと歴史博物館、パサラヤ・デパートの民芸品コーナーだけである。しかし麻生さんは1日早くインドネシアに入り、丸一日観光してきたらしい。そもそも麻生さんは過去に何度もインドネシアに来ているということで、インドネシア語もできるし、今回は解説者役らしい。
 
ホテルのレストランで食事となる。
 
「結構お腹空いた」
「時差が2時間あるからね」
 
ジャカルタが18時ということは日本は20時である。
 
テーブルにはスプーンとフォークが置いてある。
 
「右手でスプーン、左手でフォークですので」
と麻生さんが説明した。
 
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「そういうのは知らないと間違えて、現地の人に顰蹙を買いそう」
という意見が出る。
 
「食事マナーって難しいですよね〜」
と彼女は言っている。
 
最初に出てきたのは、納豆のフライのような料理である。
 
「テンペですね。インドネシア式の納豆です」
と麻生さんが説明する。
 
「やはり納豆なんですか!」
 

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その後出てきたのは、御飯のようなものとスープである。
 
「こちらはナシ・ウドゥク、ココナッツミルクで炊いた御飯、こちらはソト・アヤム、鶏肉のスープ」
と麻生さん。
 
「ほほお」
 
「インドネシアではわりと庶民的な料理なんですよ」
 
「へー」
 
「牛肉のスープだったら、ソト・ベタウィになりますね。ただジャカルタでは本当はあまりお肉は使わないんです。最初に出てきたテンペとか後は豆腐とか日本でいえば精進料理が多いです」
 
「それ宗教的な問題ですか?」
「そうです。インドネシアはイスラム教徒が多くて豚はNGですが、仏教徒やヒンズー教徒も結構多いし、結果的にあまり殺生をせずに、植物由来の食べ物だけを食べる人たちも多いんですよ」
 
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「ああ」
 
「ただこれはジャカルタ付近の事情で、パダンの方だと、じゃんじゃんお肉を使いますね。牛肉とか山羊の肉とか。ただし、パダンはほぼ全ての料理がカレー味です」
 
「ほほぉ!」
 

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■夏の日の想い出・南へ北へ(10)

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