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■夏の日の想い出・南へ北へ(2)

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「アクアと申します。よろしくお願いします」
と龍虎は挨拶している。
 
樹梨菜は
「可愛い子だと思った。あんた売れるよ」
と言っているが、蔵田さんは
 
「女の子アイドルには興味ねー」
 
と言っているので、千里が苦笑している。龍虎は困ったような表情である。彼女、もとい、彼は今日は明らかに女物のチュニックにスリムジーンズを穿いている。スリムジーンズであってもお股の所に盛り上がりが無いのはガードルを穿いているのか、あるいは何かの処理をしているのか。政子も「ふーん」という感じなので、その様子を見て私は、政子もこの子を女の子と思ったなと思った。
 
しかし蔵田さんの“毒牙”から守るには女の子と思われていた方がいい!
 
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なおプレマシーという車は、2列目が3席、3列目が2席で7人乗りの車である。但し2列目の中央の席は「からくりシート」と呼ばれてふつうは折りたたんで6人乗りとして使い、7人乗りたいときは座席にするもので、要するに補助席のようなものであり、あまり乗り心地は良くない!
 
「3列目の右側はXANFUSを解雇された音羽こと桂木織絵さん」
と私が言うと
 
「解雇されたの!?」
と樹梨菜が驚いている。
 
「その話で朝から★★レコードは騒然としていた」
と蔵田さんが厳しい顔で言う。
 
「すみません。私も何が起きたのかまだ事態を把握していなくて」
と織絵は言っている。
 
「そして3列目左側は、作曲家の醍醐春海さん」
と私は紹介した。
 
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「あんたが醍醐春海か!」
と蔵田さんが声を掛ける。
 
「どうもお世話になっております」
と千里が挨拶する。
 
「阪元アミザが歌ってる『ラストコール』、俺気に入った」
「ありがとうございます。7万枚も売れたようで、事務所の社長から金一封まで頂きました」
「あれ、たぶん今年の新人賞にノミネートされるよ」
「だといいのですが」
 
「でもそれで見た記憶があったのか。どこかのパーティーか何かで顔を合わせたかな」
などと蔵田さんは言っている。
 
「お顔は何度か拝見しましたが、名刺などは交換しておりません。よろしかったら」
 
と言って千里が自分の醍醐春海の名刺を出すので、私はそれをリレーして助手席の蔵田さんに渡した。蔵田さんも自分の名刺を女物のバッグから出して渡すので千里にリレーしてあげた。
 
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「確か、あんた何度かチェリーツインの曲を書いているよね?」
「はい。書かせて頂きました」
 
千里は2010年に出た『雪の光/命の光』というチェリーツインのCDでは鴨乃清見の名前をクレジットしているが、それ以外でも何度か醍醐春海の名前で曲を彼女らに提供している。またクレジットとしては出ていないものの『雪の光』と同時発売された『スクリーム』というアルバムの編曲は、半分が私で半分が千里である。
 
「だったら、あんたも1曲書いてくんない?俺2曲頼まれたんだけど、今松原珠妃のアルバム制作もしてて正直余力が無いと思ってた。1曲は俺が書くからさ。兼岩さんには話しておくから」
と蔵田さんが言う。
 
「いいですよ。1曲書きます」
と千里が答え、それで今回の北海道行きでは、蔵田さん(半分は私)と千里が1曲ずつ書くことになった。
 
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30分ちょっとで調布飛行場に到着する。樹梨菜が車を近くの駐車場に駐め、全員降りて空港建物内に入る。
 
蔵田さんが
「こんにちは!」
と声を掛けた女性を見て、政子が
「あっ」
と声を出した。
 
「あら、また一緒かな」
と向こうの女性も笑顔である。
 
「あれ?知り合い?」
と蔵田さんが言う。
 
「江藤さんのジェット機には以前も乗せて頂いたことあるんですよ」
と私は言った。
 
「へー!」
 
実はこの8月に沖縄のKARIONライブ会場からから大宮のローズ+リリーライブ会場まで2時間半で移動するということをやった時に、江藤さん(の夫)が所有するビジネスジェット、ガルフストリームG650(定員11名)に乗せて頂いたのである。
 
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「今回の乗客は?」
と江藤さん。
 
「この7人なんですが、いいですか?」
と蔵田さん。
 
「蔵田先生以外はみな女性ね。OKですよ。蔵田先生も女性には興味無いでしょうし」
 
「女の子には興味無いはずだし、万一色目使ったら私が即去勢しますよ」
と樹梨菜が言っている。
 
「あら、去勢したいの?牛の去勢器具なら飛行機に積んでるけど」
「なんでそんなのがあるんですか!?」
「俺は牛並みですか!?」
「このメンツで睾丸付いてるのはコーだけのようだし」
 
去勢と聞いて政子が興味津々な様子。龍虎は嫌そうな顔で、千里は苦笑している。
 
しかし江藤さんにも龍虎は女の子と思われているようだ。
 

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江藤さんと空港スタッフの案内でセキュリティも通らずに空港内に入る。ここは小さな飛行場なので歩いて飛行機まで行く。8月に乗ったのと同じガルフストリームG650が駐機しており、既にエンジンは掛かっている。
 
「お邪魔しまーす」
と言って乗り込む。
 
「こんにちは〜」
とパイロットの森村さんが笑顔で挨拶する。
 
「またお世話になります」
 
「誰か特等席のコーパイ席とか座ってみません?」
などと森村さんが言う。
 
「ああ。じゃ、織絵ちゃん、座ってみない?結構気分転換になると思うよ」
と千里が言う。
 
「確かにコーパイ席なんてまず座る機会無いかも」
と言って織絵は副操縦士席に座った。
 
なお、飛行機の操縦席は左側が機長(キャプテン)席で、ここに森村さんが座っている。右側が副操縦士(コーパイ)席で、織絵はここに座った。
 
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全員シートベルトを閉める。離陸許可が出るので滑走路に移動。16:10にGulfstream G650は快適に調布飛行場を離陸した。
 
水平飛行に移ったところで、席を立ちラウンジに集まる。江藤さんがワインとサイダーを出して来た。如才ない千里がさりげなくグラスを配り
 
「私が注いでもいいですか?」
と言って全員に注ぐ。
 
蔵田さん、江藤さん、政子、そして織絵にはワイン、私と龍虎、樹梨菜、そして千里自身にはサイダーを注いだ。それで乾杯する。
 
「美味しい!」
と織絵が声を挙げた。
 
「ボルドーのマルゴーワインの赤、2005年物よ」
と江藤さんが言う。
 
「歴史的な当たり年と言われた年のものですね」
と自分ではワインを飲んでいない千里が言う。
 
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「そうなのよ。あなたはサイダーなの?少し飲んでみない?」
「済みません。私、この後運転しなければならない可能性があるので」
と言って千里は断ったのだが、後で思うと、千里はこの後起きることを予測していたのかも知れないという気もする。
 
「実は私もこの後運転しないといけないからサイダーにしてる」
と樹梨菜。
 
「あら残念。だったら1本ずつあげるから持って行かない?」
 
「では頂きます」
 
と言って千里はワインの瓶を受け取り、自分のバッグに横にして入れた。樹梨菜も受け取ったが、彼女は瓶を立ててバッグに入れてしまった。江藤さんは一瞬、あら?という顔をしたが、特に咎めたりはしなかった。まあ数時間後に飲むのであれば、縦でも問題ないだろうと私は思った。
 
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「ちょうど蔵田先生と丸花社長とお会いしていた時に、札幌行きのお話が出たのよね。それでうちのジェット機で飛ぼうという話になって」
と江藤さんは言う。
 
「丸花さんが北海道行くなら美味しいジンギスカンの店あるよと言って松尾を紹介してくれたんだよ」
と蔵田さん。
 
「丸花社長ご自身は僕は男だから遠慮するけど、蔵田先生は、女性が着替えていても何も性的な関心を持たないから、乗せてあげてとおっしゃるし」
と江藤さん。
 
「ああ、このジェット機は基本的に女性専用なんですね?」
と私は尋ねる。
 
「そうそう。うちの旦那を乗せる時は女装させる。スカート穿かせてガードルも穿かせる」
「マジですか?」
と樹梨菜が驚いている。
 
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例によって龍虎が困ったような顔をしているが、まあこの子も自分は男ですとは言い出さないだろう。
 
「去勢してもいいよ、と言って牛の去勢器具を乗せてるけど、まだ男は辞めたくないと言っている」
 
「それで去勢器具があるんですか!?」
 
「これなのよ」
と言って江藤さんはそれを持って来た。
 
「この先の鈎状になっている所を精索に引っかけて睾丸を取り出して切断するのよ。私、一度実際に牛でさせてもらったことあるよ」
 
「実体験済みですか!」
 
「それ痛くない?」
 
「牛の去勢するには、去勢ペンチとかゴムとかで睾丸へ行く血管を遮断して壊死させる無血去勢法もあるけど、牛はかなり辛いらしい。それよりスパッと切って、これで取り出して切り落とした方が身体への負担も小さいんだって」
 
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「それ麻酔とかするんですよね?」
「しないしない。麻酔剤とか打ったら、肉質に影響するし」
「じゃ麻酔無しで切っちゃうんだ!」
「ゴムで締め付けて苦しむのよりはずっと楽」
 
「確かに睾丸をゴムで締め付けるのは、かなり痛そうだ」
と蔵田さんは言っている。
 
「小学生の頃やったことありますけど、数時間で痛さに我慢できなくなって解放しました」
と私は言う。
 
「ああ、ケイちゃんって小さい頃は男の子だったんっだっけ?」
「そうですよ。結局大学生になってから性転換しましたが」
 
「さりげなく嘘つかないように。ケイが小学生の内に性転換したのはもう確定済み」
と樹梨菜が言っている。
 
「小学生に性転換手術してくれる病院なんて無いよ!」
「おおっぴらにはしないだろうけど、こっそりならやってくれる所あるよ」
「半陰陽だったことにして、手術してくれる所はあるかもね」
「昔はそれが多かったと思う。それで半陰陽だったのでといって戸籍も直してしまう」
「うん。それで性別の変更にまんまと成功した人って結構居たと思う」
 
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「日本での性転換手術の第一号は、陰茎癌という名目で手術したらしいよ」
「ほほお」
「陰茎を全部切断するんじゃなくて、一部はクリトリスにするために残したらしいけど、初めてのケースでどのくらい残したらいいか分からず、実際には残しすぎで、性的に興奮した時に大きくなりすぎて結構困ったらしい」
 
「加減は難しいだろうなあ」
 
「でも基本は女体で、性的に興奮すると大きくできるのは便利な気もする」
などと政子は言っている。
 
「普段は小さくてインサートできるくらいまで大きくできたら便利かもね」
などと織絵は言っている。こういう与太話で結構気が紛れているようだ。
 
「『逢魔がホラーショー』の菊千代みたいなのは一種の理想」
「そうそう。完璧女体だけど、性的に興奮すると栗ちゃんが、おちんちん並みに大きくなる」
 
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「でも菊千代って女の子としてヴァギナでセックスする場合は栗ちゃん、大きくならないんだよね?」
と織絵が尋ねる。
 
「性的な興奮の仕方って、男モードで興奮する時と女モードで興奮する時は違う」
と蔵田さんが言う。
 
「ほほぉ!」
 
「確かにコーは入れられてる時はチンコ小さいままだよな」
と樹梨菜。
 
こらこら。
 
「入れられている時に前が興奮してしまうと後ろの快感が弱くなるし抜けにくくなる」
と蔵田さん。
 
「私は男の子に入れたことないな」
と織絵。
 
お前ら、ちょっと待て。
 
「でも入れるのって気持ちいいよね」
と樹梨菜。
「うん。あれは気持ちいい。入れられるのより入れる方が好き」
と織絵。
 
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政子や江藤さんは興味津々な様子だが、龍虎が当惑したような顔をしていた。
 

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夏の日の想い出・南へ北へ(2)

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