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■春遊(5)

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7月8日(月)、今年のインターハイ・バスケットの組合せが発表された。
「3回戦が勝負だな」
と春貴は思った。
 
選手登録に関しては、ポイントガードの五月、優以外の10人を学年関係無しに“5分間得点大会”で得点数の多いほうから10人で決めた。
 

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4 原田河世(3) 166 C(キュー)
5 綾野美奈子(3) 158 SG(ビナ)
6 鶴野五月(3) 152 PG(メイ)
7 津田秋奈(3) 162 PF(タム)
8 水森彩(2) 162 SG(アヤ)
9 間鳥雅(2) 165 SF(マド)
10.金子百合(2) 170 PF(リリー)
11 中沢優(2) 162 PG(ナカ)
12.琵琶恵美(2) 167 PF(エミ)
13 島田琴実(1) 168 PF コト
14 愛宕優樹(1) 164 SG ユキ
15 花田瞳美(1) 165 SF ハナ
 

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昨年「来年は選手にするから今年は我慢してくれ」と言われた秋奈は温情ではなく、実力で選手枠をもぎ取った。
 
県大会では応援団に回った瞳美が12枚しかないインターハイ行きチケットの1枚を獲得した。瞳美は5分間に次々と100本くらいミドルシュートを撃ち、内20本決めて美奈子・河世に次ぐ3位だった。
「下手な鉄砲、数撃ちゃ入る」
とか言っていた。作戦勝ちだ。こういう子はラッキーガールになったりする。
 
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-- 高田晃(3) 167 PF(ルミ)assistant coach
-- 藤永弘絵(3) 154 SF(イド)manager
-- 竹下叶(2) 153 SF(カナ)trainer
 
客席から観戦
16 金井翔絵(1) 167 PF フライ
17 丸山志乃(1) 166 PF シノ
18 加藤夢見(1) 159 PG ユメ
19 橋本和世(1) 163 SF カズ
20 深田浩美(1) 162 SF ヒロ
21 平野窓香(1) 161 PG ラー
22 北川文美(1) 160 SF フミ
-- 村上美鈴(2) 158 (スズ)sub-manager
 
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春貴は今回も県予選で優勝してインターハイ出場を決めてすぐ、女子部員全員を小矢部市のスポーツ用品店に連れて行き、オーダーのバッシュを注文した。
 
「え?選手以外の私たちにも作っていただけるんですか」
「底が傷んだバッシュでプレイしてて捻挫とかしたら、いけないからね」
 
これを7月9日に受け取った。みんな
「プレイしやすーい」
と感動していた。
 
「新品なのにまるで履き慣れた靴みたい」
「“履き慣らす”というのは合ってない靴を履きつぶして無理矢理足に合うようにしてるんだよ。ちゃんとその人の足に合わせて作られた靴は最初からフィットする。NBA選手は毎試合新品のオーダーバッシュを使うよ」
「へー」
 
オーダーのスポーツブラも作った。それで動きが見違えた子もいた。
 
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「道具で結構プレイが変わるんですね」
「練習するのは君たちだけど、環境は私が整備するよ」
と春貴は言った。
 
「雨の日もジョギングできたらいいのに」
という声もあったので、春貴はトレーニングルームにトレッドミル(ランニングマシン)を3台導入した。1年生の優樹・琴実・瞳美の3人が熱心に使っていた。
 

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7月8日(月)、春日部の北里ナナ邸ではミュージシャンアルバムの取材が行われた。この日最初に迎えたのは白鳥リズムである。北里ナナことアクアの時間が取れないので、この取材は早朝4時からおこなわれた。そのため、ナナ、ラピスラズリ、リズムともに前夜からここに泊まり込んでいた。変則的な体制なので取材対象も身内を使っている。
 
「白鳥リズムさんでーす」
「こんにちはー」
「初期の頃、北海道生まれ、新潟育ちの秋田でーす、というのをだいぶやりましたね」
「はい、私は北海道の弟子屈町(てしかがちょう)の生まれで、新潟県の十日町市で育ったんですが、苗字は秋田なんですよ」
 
リズムの本名は秋田利美(あきた・りみ)である。
 
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(十日町市は新潟県、十日市町は広島県)
 
「弟子屈も十日町も雪の深い所ですね」
「ええ。だから雪の中で遊んでましたね」
 
「2015年のロックギャルコンテストの優勝者ですね」
「ええ。ロックギャルコンテストって、2014年の優勝者がアクアで性別違い、2015年の優勝者が私で年齢不足と2年連続で優勝者が失格したんですよ」
 
「§§ミュージックのオーディションって優勝者の失格が多いんですよね。最近では2021年の立山煌も性別違いで失格したし」
 

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「アクアにしても、きららにしても、川泉パフェにしても、水着審査とかまでやってるのに、それをパスして男の子が優勝するって常識では考えられないよね」
 
「アクアにしても、きららにしても、パフェにしても、水着姿が女の子にしか見えなかったってことだけどね」
 
北里ナナが笑っている。
 
ナナが
「リミちゃんと朱美ちゃんには見せてあげるよ」
と言って写真を渡した。
「すげー!」
 
カメラが寄ろうとしたが、朱美が制する。
「ごめんなさい。これカメラに映したらコスモス社長に叱られます」
と言った。
 

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「アクアのセクシーショット?」
とケイが訊くので朱美が説明した。
「アクアのビキニ写真です」
と言ってナナに確認する。
「これナナさんの写真じゃなくてアクアの写真ですよね」
「そそ。眠っているアクアにビキニ着せてぼくが撮影した写真」
「なるほどー」
 
ケイが困ったような顔をしているが、千里は笑っている。
 

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視聴者の声
「アクア姉弟の私生活が想像付くな」
 

「でもリズムさんスポーツ少女ですよねー」
「小学生の間はサッカー部に入って男子たちと一緒にプレイしてましたから」
 
ここで朱美が解説する。
「サッカーって“女子”というカテゴリーはあるけど、“男子”というカテゴリーは無いんです、多くの人に“男子サッカー”と思われているのは実は“一般”カテゴリーなんですよね。だから男女とも参加できる。それで男子主体のチームに混ざって活躍している女子選手は多いんです」
 
「そうです。それでぼくも一般カテゴリーのチームで活動していました」
「それから何年か経ちますけど体力は衰えてませんよね。昨年の女子アイドル運動会では、3000mで、七浜宇奈さんに次いで2位だったし」
「宇奈君はぼくの兄貴です」
「ああ、兄弟の契(ちぎり)交わしたんでしたね」
「はい。ぼくが彼の弟です」
 
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視聴者の声。
「§§ミュージックって女の子にしか見えないような男の子も多いけど、凄く男らしい女の子も多いよね」
「うん。品川ありさも少しその傾向もあるけど、白鳥リズム、川泉スピン、月城たみよ」
「夕波もえこも割りとそういう傾向」
「川泉スピンとパフェは性別逆だったら良かったのにと小さい頃から言われていたらしい」
「そういうきょうだいは割りとよく居る」
 
「事務所も、男とか女とかいう型にはめない方針なんだろね」
「社長のコスモス自身結構男の子っぽかった」
「コスモス以外にはアクアを大スターにすることはできなかったと思う」
「うん。普通なら色物にしかなってない」
 

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「リズムちゃんのバックバンドが醍醐先生と関わりが深いとか」
と朱美が言うと
「深くないです」
と千里は否定する。
「旅先で偶然遭遇しただけです」
 
「醍醐先生ってその手の“偶然遭遇”とかいうのが凄く多いです」
と朱美。
「彼女たちがデビューできるように色々したんですけど、その時はうまく行かなかったんですよ」
「それで日銭稼ぎに私の伴奏をしてもらって、それが何度も重なったんで、結果的に私のバックバンドになっちゃったんですよね」
「だから多くのバックバンドは事務所に雇われているんだけど、リズムちゃんのバックバンドって初期の頃はリズムちゃん個人が雇っていたね」
とケイ。
「だから当時、中学生がおとな5人を雇っていた」
と千里。
 
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視聴者の声。
「そういうことができるだけのギャラをもらってたということでもあるな」
「ここの事務所は還元率が業界最高だから」
「逆に言うと搾取の酷い事務所が多いよな」
 

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「パリ五輪にもレポーターで行って来られるそうですね」
 
テロップで『この番組は7月8日に収録されました』というのが流れている。
 
「はい。取材陣の一員として行って現地の興奮をお伝えしたいと思っています」
 
現地では日本から来た観客の声を多数伝えると共に、柔道、サッカー、水泳などをレポートし、引退記者会見した直後の青葉へのインタビューにも成功した。
 

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7月19日(金)、“立山きらら”の最初の写真集“きららin熊本”が発売された。物凄い売れ行きで、この時点での今年の写真集売り上げトップとなった。
 

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立山煌は7月20-21日に岩手山に行って来て、東京に戻ると自動車学校にはいって、バイク免許の取得を目指した。第1段階9時間、第2段階10時間の教習をこなし、8月2日(金)に卒業試験に合格、8月5日(月)に運転免許試験場で学科試験に合格して青い帯の運転免許証を獲得した。
 
この後“時間が取れる限り”いつも朝のウォーキングにも付き合ってもらっている、千里さんの知人、時子さん(愛称?はアリス)と一緒にバイクの練習をすることにした。問題は時間が取れるかかも?
 

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パリ五輪の競泳競技は8月4日に終了した。他の競技はまだ続いているが、滞在費も掛かるので、競泳陣は5日に帰国の途に就いた(6日帰国)。水連会長への報告、スポーツ庁長官とかへの報告、表彰、記者会見などがあり、7日に解団式をして解散した。津幡組はその日の夕方、津幡に帰還した。
 
ジュニア・パンパシフィック組は既にオーストラリアに渡航している。オーストラリアに行かず、お留守番していたのは、月見里姉妹・ジャネ・筒石さんと竹下椎羅・桜池裕夢(+百合花)である。これに五輪組がお留守番に加わる。なお、南野里美や桜池布恋はパリに付いて行っていた。
 

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津幡組の多くは8月7日(水)に津幡に帰還したのだが、青葉は7日は春日部の北里ナナ邸で、ミュージシャンアルバムの取材をおこなった。青葉は思わず「鬼!」と叫びたくなった。
 
北里ナナ邸に行くと、ナナが「大宮先生、お帰りなさい。金メダルおめでとうございます」と言ってケーキを渡した。
「ありがとう」
それで三ツ矢サイダーも開けて乾杯し、しばし、北里ナナ、ラピスラズリ、コスモス、ケイ、千里で慰労会となった(ゆりこは事務所でお留守番)。フライドチキン、ローストビーフ、トンカツ、肉団子、ウィンナー、テリーヌとかもあった。パーティー仕様である。青葉はこの慰労会では金メダル3枚を掛けておいたが、朱美が
「金メダル同士がぶつかり合う音なんて貴重なものを聴かせて頂いております」
と言っていた。
「2枚以上金メダルを取った人が居ないと聴けないからね」
とナナ。
 
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それで、インタビューに移った。ここからは青葉はもうメダルは外している。紗織と一緒に布恋に預けた。
 
この日迎えたのは、Δ△(ドリームトライン)である。
 
「ドリームトラインの皆さんでーす」
「こんにちはー」
 
「誰が誰だか分からないので自己紹介お願いします」
と朱美は言った。
 
「姫路スピカでーす」
「従姉の竹中花絵でーす」
「無関係の南田容子でーす」
「よく似てますねー」
 
「私と花絵ちゃんは従姉妹で、小さい頃から似てるねとよく言われてたんですよ」
「スピカちゃんのデビュー前、同じモデルクラブに所属してて、『君たち双子?』とか言われて、よく“双子役”で撮影されてました」
 

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南田容子は言う。
「私はよくスピカちゃんのリハーサル役してたんですが、『姫路スピカのリハーサル役で参りました南田容子と申します』とか挨拶すると本人と誤解されて『スピカちゃん、何ふざけてんの?』とか言われてました」
 
「最近ではドラマとかに三つ子役で出ることもあるね」
「そういう特殊なニーズにお応えしてます」
「いや双子タレントはよく居るけど、三つ子は少ないから需要があるよ」
「推理ものとかで時々ありますね」
 
「最初に殺される役はだいたい私です」
と南田容子?が言っている。
 
「だいたい容子ちゃん→私→スピカの順に殺されますね」
と花絵?。
 
「ドリームトラインがうまくカナ漢字変換できないという声もあるんですが」
「最初の文字は“でるた”で変換して、2文字目は“さんかく”で変換してください」
「ということだそうです」
 
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「バックバンドの乙女地区って§§ミュージック最古参だよね」
「そうなんです。元々は桜野みちるさんのバックバンド“チェリーズ”として発足したんです。でもみちるさん本人が結婚して引退してしまったので、名前を乙女地区と変えて私のバックバンドに横滑りしたんです」
 

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