■春迷(8)
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「夏休みには遊園地ツアーってやってたね」
「はい。コロナの終息宣言は出たけど、まだ警戒は弛めないほうがいいといって、野外なら比較的安全だろうからって遊園地を選んだんですよ」
「全国10ヶ所の遊園地でライブをしました」
「遊園地回りとか知らない人が聞くと駆け出しのアイドルみたいだけどね」
「私たちデビューした頃はその手のイベントが全然できなかったんですよね」
「コロナで全部規制されてたからね」
「まだ2〜3年は警戒したほうがいいよ」
「この夏にラピスは大型会場でライブしたけどあそこは特殊だからね」
「換気のために凄まじい資金が投じられてるんですよね」
朱美はそのあと制作中(収録時点では計画中)のアルバムのことなどを聞いた。ピアノ室の歌唱では『361回の伝言』を歌った。
12日の午前中にはストラトフールを迎えた。
「ストラトプールの皆さんです」
「こんにちはー」
「ストラトプールという名前の由来はもうどうでもいいよね」
「うん。ファンの間でも見解が別れてるし、うちのメンバーもみんな勝手なこと言ってるから。もう各自が勝手に考えたものでいいことにしよう」
※ストラトプール名前の由来の諸説
(1) フランスのストラスブールから来た。
アルフォンス・ドーデの小説『最後の授業』の舞台のモデルとも言われる町である。フランス領になったりドイツ領になったりを繰り返したが、現在はEUの機関が置かれ、ヨーロッパ統合の象徴とされる。
リーダーがバンドの名前を決めるのに参考にしようと地図帳に適当に鉛筆を立てたらこの町の所に立った。
と言われたのだが、リーダーはそんな話知らんと言っている。
(2) イギリスのストラトフォード・オン・エイボンから来た。
シェイクスピアの出身地である。ボーカルのアルザは卒論でシェイクスピアをとりあげた。
アルザはシェイクスピアは好きだけど、私に名前を決める権限があるわけ無いと言っている。
(3) フィンランドのバンド“ストラトヴァリウス”から来た。
リーダーがファンだと公言している。
でもそれとは関係無いはずと複数のメンバーが言っている。実際音楽の傾向はかなり違う。
(4) ストラディヴァリウスのヴァイオリンが都プールに浮かんでいる夢を見たから
初期の頃、メンバーが言っていたが現在は否定されている。きっと思いつきで適当に言ってみただけ。
(5) 携帯ストラップをプールに落としたから。
現在は否定されている。これもきっとただの思いつきを言ってみただけ。
「でも何とかコロナを乗り切ったね」
「うん。メンバー半分くらい死ぬかもと思った時期もあったけど、何とか全員生き延びたね」
「全員禁煙した効果があったかも」
「かなりのヘビースモーカーもいたけどね」
「女のほうが生存確率高いみたいだから全員性転換しようという意見もあったけど賛成多数とはならなかった」
「私は性転換したら男になっちゃうし」
とアルザ。
「性転換したい人は手術代出してあげるよとリーダーが言ったけど希望者は出なかった」
とタキト。
「マジなのかジョークかよく分からん話だ。でもライブハウスが使えなくなったのは痛かったね」
「うん。俺たちってライブハウスでの演奏が活動のメインだったから、それが使えなくなったのはつらかった」
「換気のいい所限定でツアーを再開すると言ってたね」
「うん。貴族組合さんとかムーランさんとかが所有している、凄く換気のいいホールを全国7ヶ所、この年末年始に回る予定です」
「換気と防音って両立させるのが難しいからね」
「ムーランさんとかは、莫大な資金を投入してそれを実現してるからね。それとネットライブを2つの軸にしてまたライブ文化を再構築していきたいですよ」
「頑張ってください」
彼らの演奏はいつものピアノ室では無く、津幡の火牛ホールに移動して収録した。
「地方にこんな衛生的なホールがあるというのは素晴らしいね」
と彼らは言っていた。年末年始のツアーの候補地にも入れたいとも言っていた。
ケイが説明した。
「全てはこの隣の火牛アリーナが出発点なんだよ。偶然にもそこが凄く換気の良い構造になってたから、それを参考に仙台クレールが若林2号館を作った。そしてそこをモデルにプラントン博多2号店とかも作られたんだよ」
「そうだったんですか!」
午後からは足立龍星君を迎えた。
朱美が興奮していた。
「日本中の女の子の憧れ、足立龍星君でーす」
「こんにちはー」
「なんかもうドキドキしてます。日本中の女の子を代表してインタビューさせて頂いている気分です」
「ありがとう」
「私もう恋人が居なかったらこのまま押し倒したいくらいです」
「朱美ちゃん冷静に」
「『黄金の剣』ほんとに格好良かったです。こういうかっこいい系の男性タレントさんが出てきたのって多分久しぶりですよね」
「あまり前例を思いつかないね」
とケイ。
「可愛い系統は時々あるんですけどね」
「羽田小牧ちゃんとか、の系統だよね」
「ぼく、よく羽田小牧君と比較されるんですよ」
「現在の男性二大スターですね」
(アクアは“男性”スターとは思われてない)
「女装させたくなるタイプと男装させたくなるタイプですね」
「ぼくは女装はしないよ」
「私が女装するから大丈夫です」
「ああ、君は男装も行けそうだね」
「よく男装させられます」
「初期の頃朱美性転換説なんてのもあったね」
「あれジョークで言ったのが広まっちゃって」
「噂は怖いね」
「でも『君待つ街角』たぶん1000回くらい聴きました」
「ありがとう」
「足立龍星君を待たせる女はぶん殴ってやると思いましたよ」
「ああ、白田恵里ちゃんもそんなこと言ってた」
とケイが補足する。
「2月からまた新しいドラマ始まりますね」(今回の分の放送予定は1月)
「うん。現代劇だけどね。『1/1000の動揺』って企業内の勢力争いを描いたドラマ」
「逆らう奴はぶった斬ってください」
「警察に捕まるよぉ」
ピアノ室の歌唱では昨年出演したドラマの主題歌を、はるこの伴奏で歌った。朱美は興奮しすぎて演奏不能だった!(始末書を書いた)
11月19日(日)、##放送で『男子アイドル大運動会』という番組が生放送でおこなわれた。生放送にしたのは、おかしな編集をしたのではという、疑惑を排除するためである。
この番組に、羽田小牧、足立龍星、岩本卓也、XETIMAの米山光男, などに混じって立山煌も招待された。
「女子運動会に招待されたらどうしよう?と思った」
「きららちゃん、女子運動会に招待しようか?」
「勘弁してください」
100m走、走り幅跳び、走り高跳びなどに加えて、400m走、5000m走などという結構ハードな競技もあり、羽田小牧は5000m走では3200m付近で「もう無理」と言って棄権した。5000mの完走者は僅か6名で立山煌が1位、2位が足立龍星、3位が岩本卓也だった。
足立君は煌と握手し、岩本卓也とはハグした!
「立山君、結構脚力があるんだね」
「登山とかウォーキングをやってますから」
「凄いね」
「毎日2kmのジョギングと8kmのウォーキングしてますよ」
「偉い」
400mトラックを12.5周するが、多くの子が4〜5周でギブアップした。
「情けない。ちんちんの無い小牧ちゃんでも8周まで頑張ったのに」
「ぼく、ちんちんあります」
「睾丸が無いんだっけ?」
「睾丸もあります!」
「いやきっと無い。煌ちゃんも、ちんちん・睾丸は無いよね」
「ありますよー」
「睾丸があったら、こんなに可愛くなるわけがない」
「うん。きっと代わりに卵巣がある」
立山煌の運動能力が高いことが証明されたが、番組後、足立君はなぜ煌とは握手で岩本君とはハグだったのかというのが話題になった。
「やはり女の子だから遠慮したのでは」
競技には800m競泳も入れる予定だったが「溺れる人が出たらまずいから」という理由で中止された。しかしネットでは
「水泳パンツになれない子が居るせいでは」
と書かれていた。
もっとも、男子アイドルの中には、煌以外にも女性ホルモン使用疑惑のある子が数人居るので、水泳はやめようということになったようである。
11月21日(火)、礼音は“生理予定日”なので、実際に生理は来ていないものの、学校でナプキンを手に持って女子トイレにはいり、ナプキンを交換したようなふりをした。次は12月19日だなと思った。しかし礼音の生理偽装は今回限りになるのである!
11月22日(水)、常滑真音と薬王みなみは一緒に舞音の専用機Honda-Jetorangeに乗って出雲空港まで飛んだ。そしてその日の夕方、出雲大社近くの稲佐浜および大社内の神楽殿でおこなわれる“神迎祭”を見学した。むろん撮影したりはしない。厳粛な神事なので撮影は禁止である。ふたりの目で見ただけである。
ふたりで来たのは実は誰の歌になるか未定だったからである。本当は立山煌も連れて来たかったのだが、彼は中学生なので授業があっている時間に連れ出すことは法律上不可である。翌23日(祝)の朝一番に連れてきて“神在祭”だけ、舞音・みなみと一緒に見学させた。
3人は、八雲神社・熊野神社・八重垣(やえがき)神社・玉作湯神社などを見てまわった。舞音とみなみは玉造温泉にも入った。
「レンちゃんも一緒にはいろうよ」
「ぼくはちょっと事情があって入れないので」
「私たち見たことは黙ってるよ」
「でも遠慮しておきます」
服装は、舞音は白いワンピース、みなみは青いワンピース(浄瑠璃ブルー?)、煌は登山ルック(山ガール風?)であった。
23日夜、3人は一緒の飛行機で熊谷に戻ったが、舞音は誘った。
「レンちゃん、私と同じE学園に進学しない?ファンがうるさいからナナちゃん(薬王みなみ)とは別の高校がいいだろうしさ」
薬王みなみはセレン・クロムたちと同じL高校、舞音は水谷姉妹・甲斐姉妹と同じE学園である。
「でも寮からは遠いから」
「女子寮に移ってくればいいじゃん」
「女子寮、怖いです」
「ああセクハラされそうね」
「ても、ちょうど私と入れ替わりになるから。私の制服あげるよ」
「女子制服は着たくないですー」
11月24日(金)の『霊界探訪』では、“迷わせおばさん”が出没していたが、ドイルが処理したので今後は出ないであろうことの報告(再現ドラマ付き)、立山煌と8月に富士山に登ったことの報告(希望が上手に撮したご来光の映像付き:希望は、きーちゃんに朝日の撮し方を指導してもらった)、9月の月山・羽黒山の報告、定点観測(人形美術館、ムーラン七尾、菓子神社、津幡組、墓場巡礼。琥珀、きつねうどんなど)、真珠の妊娠レポート(9ヶ月)、などを報告した。
菓子神社では、つーちゃんの手鞠で『鞠と殿様』をお送りした。歌は奈那が歌った。(すっかりアイドルと化す神様)
11月下旬、揚浜フラフラがデザインした“きららちゃん用セーラー服”ができあがったので、受け取り、フラフラさんと並んで記念撮影もした。この件については、出産したばかりの(?)コスモスが直接フラフラの所を訪問し、デザインしてくれたお礼を言う一方で、煌をジョークの範囲で女装させるのは構わないが、彼を“女装タレント”として売っていくつもりはないので、過度にはやらないでもらいたいと申し入れ快諾された。それでこの写真はブログなどにも公開されなかった。
11月25日(土)、煌は写真家の小木さんとふたりで郷愁飛行場から福岡空港まで飛び、福岡市内の愛宕山、櫛田神社・アクロス福岡・大濠公園などで写真撮影し、福岡市内のホテルに一泊した。
翌日の早朝、フラフラデザインのセーラー服を着て、博多駅で記念撮影した。そのまま朝一番の新幹線で新大阪に移動。新大阪駅でも記念写真を撮った。そして普通の(男物の)服に着替えてから大阪市内や周辺で、天保山、梅田スカイビル、大仙陵古墳(仁徳天皇陵?)、などでも記念写真を撮り、東京に戻った。
結局煌がセーラー服で新幹線に乗ったのは、博多〜新大阪の間のみである。しかもその間、ずっと上にコートを着ていた。
『ロミオとジュリエット』をやった翌週の『フラフラダンス』ではフラフラが「『赤ずきん』をする」と宣言した上で「配役はあみだくじで決める」と言って、途中を隠したあみだくじを立山煌、薬王みなみ、森田一正、大内小猫の4人に引かせた。その結果次のような配役が決まった。
赤ずきん:森田一正
おおかみ:薬王みなみ
お祖母ちゃん:立山きらら
猟師:大内小猫
煌は結局女装させられたものの、お祖母さんなので、まだマシかなと思った。森田君の赤ずきんはもう笑うしか無かったが、森田君もオオカミ役のみなみも熱演したので、視聴率は結構高かったようである。
森田君は「スカートなんて穿いたのは初めて」と言っていたが実際何度も転んで
「よく女の人はこんなんで転ばずに歩けますね」
と言っていた。
でも最後に4人とも赤ずきんの衣裳を着せられた!フラフラ軍団のメンバーも着せられて、健康バッドなど
「痴漢にしか見えん」
と言われていた!制服警官っぽい衣裳の人が入って来て、バッドを捕まえる・・・かと思ったら、デンデンを拘束していった!!
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