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■女子大生たちの新入学(6)

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ということで千里は自動車屋さんに引っ張って行かれることになったのである。
 
「車のメーカーの好みは? ポルシェ?フェラーリ?BMW?」
「国産メーカーがいいです!」
 
「BMWとか格好良いのに。女の子が振り向くわよ」
「私、女の恋人は要りません!」
「レスビアンも楽しいわよ」
 
「・・・先生って、女の子とHする時、レスビアンの感覚なんですか?」
「そうだけど」
「そうだったのか」
「お互いにおっぱい弄り合っていたら興奮してくるわよ」
「・・・・・」
 
千里はこないだ貴司と会った時に貴司からたくさん乳首をいじられたことを思い出していた。千里にとってもHは1年ぶりだったから、あれは快感だった。ただああいう状況でのHは不本意だった。
 
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それで結局、中古車を扱っているお店に行った。千里がどのメーカーがいいか良く分からないと言うので、色々なメーカー・車種が見られた方がいいし、それであらためて新車を買ってもいいしということにしたのである。電車で移動して都内に入り、江戸川区内である。
 

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「これなんか格好よくない?」
と言って雨宮先生が言ったのは、マツダRX-8である。140万円の表示になっている。
 
「それ、後部座席が狭いという噂が」
「あら、良く知ってるじゃん。まあ事実上の2シーターだよね。後部座席は緊急用みたいなもの」
 
次に先生が示したのは日産スカイラインGT-Rである。320万の表示。
 
「さすがに予算オーバーです」
「いくらくらいの予算を考えているの?」
「そうですね〜。4〜5万とか」
「それだとタイヤ1個だけだね。一輪車みたいにして乗る? それで100km/h出せたらオリンピックに出られる」
「何の競技ですか!?」
 
その後雨宮先生は、三菱ランサーエボリューション、ホンダNSX、トヨタ・クラウンマジェスタと見せて行く。さすが雨宮先生が連れて来たお店だけあって、何だか高級車種、特にスポーツタイプのものが充実している感じだ。さすがに見ただけでパスしたがポルシェやフェラーリまであった。
 
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「あんたAT限定免許じゃないよね?」
「違います。MTもATもどちらも乗れます」
 
その時、斜め後ろで《りくちゃん》が『千里、あそこの右斜め前』と声を掛けた。その声につられてそちらに行く。雨宮先生も続く。
 
「ほぉ。面白いのに目を付けたね」
「60万円って素敵ですね」
と千里は言った。
 
「いやに安いな。これ事故車じゃないよね? ちょっと来て〜!」
と雨宮先生がスタッフを呼ぶ。
 
それで千里が目を付けたインプレッサ・スポーツワゴンが、事故車ではないかの確認をする。
 
「前のオーナーが一度壁にぶつけてボンネットとかヘッドライトとかを交換しています。でもフレームに響くような事故ではありませんので、事故車にはなっていません」
とスタッフは説明する。
 
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「なるほどね。どうする?」
と雨宮先生が訊く。
 
「これ気に入りました」
と千里は言う。
 
「よし。これ、50万円に負けてよ」
と雨宮先生。
 
「無茶言わないでください。このお値段でもかなりの出精価格です」
とスタッフさんは冷静である。
 
「今キャッシュで払っても?」
「ちょっと待って下さい」
 
とスタッフさんが店舗の方に行く。
 
「キャッシュで50万お持ちなんですか?」
と千里が訊く。
「100万持ってるけど」
「凄い!」
 
「女の子何人か呼び出してドンペリ開けてどんちゃん騒ぎしようかと思ってたんだけどね。あんたをおちょくる方が楽しそうだし」
「お手柔らかに」
 
それで店長さんらしき人と一緒にスタッフさんが出てくる。
 
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「今キャッシュでお支払いになるということで?」
「うん。だから45万に負けてよ」
 
さっきより更に値切るつもりだ!
 
「54万円というのではいかがでしょうか?」
と店長さん。
「そうだね。じゃあんたの顔を立ててそれで」
と雨宮先生。
 
それで千里はこのインプレッサ・スポーツワゴンを買うことになったのである。
 

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手続きをするのに店内に入り、千里が書類に記入していたら、
 
「あれ?未成年さんですか?」
と言われる。
「はい」
「申し訳ないのですが、未成年さんでは車の所有者になれないのですが」
「あっと・・・」
 
「あら。だったら私が所有者になるわよ。それで千里ちゃんは実質的な使用者。それでいいわよね?」
「はい、それなら問題ないです」
 
そういう訳で、この車は登記上は雨宮先生の所有車として登録されることになった。なお駐車場に関しては、車を雨宮先生の名前で登録してしまったので、駐車場も雨宮先生の御自宅ガレージで登録した。(その後の毎年の税金等も雨宮先生の所に振込票が送られてくるのを千里の所に回送し千里が払う方式である)
 
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「実際の駐車場は適当な所を探して契約すればいいわよ。あ、それも私がしてあげるね。多分未成年では契約できない」
「あ、そうですね。じゃよろしくお願いします。明日取り敢えず60万ほどそちらの口座に振り込みます」
「あ、いいよ。今月末に印税振り込む時、その分相殺するから」
「それでいいんですか?じゃ、よろしくお願いします」
 

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それでタクシーで赤坂まで行き、なんと赤坂プリンスホテルに入る。
 
「これはまた凄いホテルですね」
と千里は言うが、あくまで冷静である。
 
「あんた面白くない。普通の女の子なら、キャーとかすごーっとか騒ぐのに」
「さすがに2年以上先生とお付き合いして、先生の流儀にもかなり慣れました」
 
高校時代、先生に何度突然呼び出されて飛行機に飛び乗ったろうかと千里は考えていた。
 
「ふふ。それでどう? 今夜このホテルのお部屋に付き合ったりしない?ここお部屋も豪華だよ。一度見ておいて損は無いから」
「先生のその誘い文句がジョークというのも承知してますから」
 
「全く面白くない。面白くないから、これゴールデンウィーク明けまでに曲を付けて」
と言って雨宮先生は、歌詞をプリントした紙を3枚渡す。
 
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「分かりました」
と冷静に言って千里はそれを自分のバッグにしまった。
 
「今気付いた。あんた上品な香りしてるね。何の香水?」
「叔母から卒業祝いにもらったエリザベス・アーデンのサンフラワーです。香水じゃなくてオードトワレですけど」
 
「ふーん。あんたもセンスいいけど、あんたのおばちゃんもセンスいいんだね。嫌みのない香りだよ」
「結構気に入ってます」
 

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「ところであんた実際の所、もう身体は直してるんだっけ?」
「まだです」
「おっぱいはあるよね?」
「ええ。小さいですけどね」
「あんた女性ホルモンまじめに飲んでないでしょ?」
 
「女子バスケ部部員として活動していた時期は、ちゃんとホルモン的に女の子でなければいけないだろうと思って本来飲むべき量を飲んでいました。でも、引退後はまた少ない量に戻しました。今飲んでいるのは、普通の人が飲んでる量の3分の1くらいです」
 
「だから声変わりが来たってことにしてるのね」
「声変わりは本当に来たんですけど」
「うそうそ。あんたちゃんと女の声も出るはず」
「練習はしてますけどね」
「男の声を出す練習でしょ?」
 
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「先生は女性ホルモン飲んでおられるんですよね?」
「もちろん」
「それで立つんですか? 去勢も両方ともなさってからだいぶ経つし」
 
雨宮先生は2006年に睾丸を片方除去し、翌年には残る1個も除去してしまった。
 
「毎日しっかりオナニーしてればちゃんと男性能力は維持できるのよ」
「それは多分レアなケースだと思います」
「だって女の子の中に入れる快感ってすごいもん。ハマるわよ。あんたも一度経験してみるといいよ」
「立ちませんよー」
「立たないというより、実はもう存在しなかったりして?」
 
雨宮先生の意味ありげな視線に千里も意味ありげな視線で答える。
 
でも貴司は私の身体にハマっちゃったのかな、などと千里はふと思った。私ってしばしば貴司には踏み台にされてる気もするし、私としたことで彼女ともセックスしちゃったりしてね、などと考えたりした。
 
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しかし・・・・貴司が他の女の子とHしてる所を想像したら・・・・
 
嫉妬しちゃう!!
 
そんなことを考えていたら後ろで《こうちゃん》が千里に話しかける。
『大阪に飛んでって邪魔してこようか?』
『勝手なことするな』
『はーい』
 

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「取り敢えず飲まない?」
と言って雨宮先生が千里のグラスにワインをそそぐ。何やらフランス語が書かれている。赤ワインだ。
 
「頂きます」
と言って千里はワインを一気飲みした。
 
「よしよし。そうこなくちゃ」
 

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その日は赤坂プリンスホテルのレストランの素敵なディナーを頂いたのだが、ふたりでワインを3本開けた。料理も美味しかったが、ワインも美味しかった。
 
「私、しばらく禁酒します」
と千里は別れ際に言う。さすがに脳の感覚が遠い。
 
「ふふふ。また飲もうよ」
「じゃ20歳になってから」
「私、そんなに待たないからね」
 

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