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■夏の日の想い出・そして誰も居なくなった(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2015-03-06

 
10人の女の子が並んでいた。
1人がお家に帰って9人になった。
 
9人の女の子が門にぶら下がっていた。
1人が落ちて8人になった。
 
8人の女の子が男の子たちと遊んでいた。
1人が寝てしまい7人になった。
 
7人の女の子がトランプをしていた。
1人が夢中になりすぎて6人になった。
 
6人の女の子がはしゃいでいた。
1人がバケツを蹴飛ばして5人になった。
 
5人の女の子が倉庫の前にいた。
1人が中に入って4人になった。
 
4人の女の子が宴会をした。
1人が酔っ払って3人になった。
 
3人の女の子がカヌーに乗った。
1人が泳いでいって2人になった。
 
2人の女の子が銃で遊んでいた。
1人が発射して1人になった。
 
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1人の女の子が寂しくしていた。
お嫁さんに行って、そして誰も居なくなった。
 

「マーサ、何見てんの?」
 
私は珍しく朝から政子がちゃんと起きていて、パソコンで何か見ていたので声を掛けた。
 
「バーチャル性転換ってサイト」
「ああ、そういうの好きだよね〜」
 
「これね、いろんな歌手とか俳優さんが性転換したら、こんな顔・スタイルになるというのが見れるんだよ」
「ああ」
 
「基本的には眉毛を削って細くして、顔にナチュラルメイクを施して、ドレスとか着せるんだよね。蔵田さんが凄く可愛いセーラー服美少女になるってので騒然としている。ネットに出回っている本物の女装蔵田さんの写真よりきれい」
 
「まあ蔵田さんはMTFじゃないから、あまりお化粧とか勉強してないと思う」
 
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「上島先生もきれいになるよ、ほら」
と言って見せてくれた画像は確かに美女だ。
 
「それで昨夜から騒然としていたのがこれなんだよ」
「Eliseじゃん」
「と思うでしょ?」
「違うの〜?」
「これ、福留彰さんの女装姿」
「うっそー!?」
 
「ふたりは実は兄妹ということはないか?と話題になってる」
「特に親戚関係は無いと思うけど。そんな話、聞いたことない」
 
「でもリアルで福留さんを女装させてみたくならない?」
「なる!」
 
しかしこの女装写真サイトは肖像権を侵害しているという警告を受けて翌日には閉鎖されてしまった。
 

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ローズ+リリーのアルバム制作は実質的には8月から11月くらいに掛けて行われた。その中で私と政子は7月下旬に新潟県で苗場ロックフェスティバル、8月上旬に三浦半島でサマーロックフェスティバルに出演したが、そのサマーロックフェスティバルの後で、08年組合同の打上げをした。
 
参加したのはローズ+リリー、KARION、XANFUSはもちろんそのパックバンドのスターキッズ、パープルキャッツ、トラベリング・ベルズ、バックコーラスのVoice of Heart, ほか伴奏やパフォーマンスに参加してくれた風花・千里・水野さん、近藤うさぎ・魚みちる、事務所関係者でローズ+リリーのお世話役・甲斐まどか、KARIONのお世話役・北嶋花恋、XANFUSのお世話役・横浜網美、そして★★レコードの加藤課長、氷川さん(ローズ+リリー担当)、土居さん(KARION担当)、福本さん(XANFUS担当)、更に作業の手伝いに来ていた★★レコードの若い男性が3人成り行きで連れてこられていた。一畑さん、八雲さん、八重垣さんという人たちである。3人とも女性アイドルを複数組担当しているらしい。また音羽が「まあまあ」などと言って連行してきたチェリーツインの紅ゆたか・紅さやか・桃川さんも居た。
 
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「え?紅さやかさんって女性じゃなかったんですか?」
と驚いたような声を挙げたのは音羽だった。
 
「それは『櫛紀香さんって女性じゃなかったんですか?』と言うのと類似の話だ」
と小風が言うと
 
「え?櫛紀香さんってまさか男性なの?」
と音羽。
 
「こういう人がやはりいるんだ!」
と政子が感心していた。
 
「櫛紀香(Kusi Norika)はKARION好き(KARION suki)のアナグラム」
と言って小風が紙に書いてみせる。
 
「おぉ!」
と音羽は感心している。
 
「だけどチェリー・ツインって女の子2人なのかと思ったら、結構ぞろぞろ居ますよね」
 
「基本的には前で歌っている星子・虹子の2人がツインです。ただ彼女たちは言語障碍で声が出せないので、後ろで少女X・少女Yが代理歌唱するんですよ。僕と紅ゆたかと春美ちゃんはバックバンドということで」
と紅さやかさんが説明する。
 
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「結局7人編成か」
「作詞作曲は紅ゆたか・紅さやかのおふたりの名義になってますけど」
「本当は春美ちゃんがけっこう修正してくれてるんです。ぼくらは音楽理論に詳しくないので」
「あ、桃川さんは音楽大学とか出てるんですか?」
「いえ、教育大学の特設音楽課程というところなんですけど」
「それってそこら辺のどうかした音楽大学よりずっと鍛えられている気がする」
 
「僕らは、先にチェリー・ツインという名前が決まったので、さくらんぼの品種の名前から、紅ゆたか・紅さやか、というのを採ったんですよ」
と紅ゆたかさんが説明する。
 
「紅てまり・紅きらりとかもあるよね」
 
「てまりだと、しゅごキャラ!のてまり、きらりだときらりんレボリューションとぶつかるからと、事務所の会長が言って、ゆたかとさやかになったんです」
 
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「事務所ってどこだっけ?」
「ζζプロです」
「会長って兼岩さん?」
「そうそう」
「兼岩さんにはお世話になっているなあ」
と政子は言う。
「ついでに兼岩さんって、ケイの昔のことたくさん知っているみたいだけど、あまりしゃべってくれない」
 
「いや、この世界ってアーティストの個人的な情報は、みんなお互いにあまり話さないでしょ? 特に宣伝とかに使うことがない限り」
 
「そうそう。AYAのゆみに妹がいたなんて全然知らなかったし」
と小風。
 
「知ってたのは誰々?」
と政子が訊くと、私、千里、パープルキャッツのnoirの3人が手を挙げた。
 
「レコード会社関係者は知っていても手を挙げてないよね」
と小風が言うと、福本さんが笑っている。
 
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「冬はなんで知ってたの?」
「以前上島先生の家で一緒になった時に聞いたことがある」
 
「千里はなんで知ってたの?」
「守秘義務で詳しいことは話せないけど、実はAYAとはインディーズ時代から関わりがあったんだよ」
 
「どうも千里は秘密の部分が大きい」
と政子が言うと千里は笑っている。
 
「noirさんはなんで知ってたの?」
「ちょっとリュークガールズ時代の人脈で」
 
「noirさん、リュークガールズに居たんだっけ?」
「XANFUSのプロジェクトに参加するのに辞めたんですよ」
「へー!」
 
「ああ、その時期に辞めたのか。元リュークとは聞いてたけど、確か、私とマリが2008年の8月にリュークガールズと会った時は居なかった気がしたから」
と私が言うと
 
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「ケイちゃんって、そういうのしっかり覚えてますよね」
とnoirは言っていた。
 
「あれ? Purple CatsってXANFUSと一緒に作られたんだっけ?」
と小風が訊く。
 
「元々、Purple CatsはXANFUSの一部」
と音羽が言う。
 
「え?そうなの?」
「だから正確には私と光帆、それにPurple Catsの4人を合わせてXANFUSだったんだけど、2009年以降は営業政策上、私と光帆の2人だけでXANFUSを称している。原則として6人一緒だけどね」
と音羽。
 
「もっとも私も音羽も、神崎・浜名を含めて8人でXANFUSという意識が強いんだよ」
と光帆が補足する。
 
「ボーカルの2人を自立させようというのは、実は南君の提案」
と加藤課長が説明する。
 
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「要するに6人編成のバンドのボーカルと紹介するより、女の子2人のデュオ歌手と紹介した方が、営業政策上得なんで、そういう言い方をするようになった。だけど印税はずっと6分割してたんだよ」
 
「そうだったのか」
 
「XANFUSのCDジャケ写をはじめとしてXANFUSを紹介する写真では必ずPurple Catsの4人も入れることを必須条件にしています」
とマネージャーの横浜さんが言う。
 
「まあ写真のサイズは問わないから私たちは小さく映ってるけど」
とyukiが笑いながら言う。
 
「それと、音羽ちゃんと光帆ちゃんがラブラブになっちゃったから、私たちは別行動になることが多くなってるけどね」
とnoirも笑って説明した。
 
「でもホテルはいつもふたりと同じホテルの同等クラスの部屋を当ててもらってるし、移動はプレミアムクラス、グリーン車ですよ。なんか申し訳ないんだけど」
とmikeも言う。
 
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「あ、いいなあ。俺たちはワンランク落とされてるから」
とKARIONのバックバンド・トラベリングベルズのHARUが言う。
 
「ごめんなさい。予算節約で」
と土居さんが恐縮している。
 

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「そういえば今日は白浜さんはいらっしゃらなかったんですね」
と北嶋花恋が言ったのだが
 
「済みません。白浜は退職したんですよ」
と横浜さんが言う。
 
「あらら」
「実は白浜さん、結婚したんです」
と光帆が言う。
 
「そうだったんだ! おいくつでしたっけ?」
「35歳です。本人はもう結婚は諦めていたみたいなんだけど、高校時代の同級生にプロポーズされて。向こうはバツイチなんですけどね」
 
「でもそれはめでたい」
「年齢が年齢なので結婚式は内輪だけでこじんまりとしたみたいです」
 
私は白浜さんには随分お世話になっているので御祝儀を光帆に託して贈ったのだが、それで彼女は現在、愛媛県の今治に住んでいるのである。
 
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「この業界、忙しくてデートする時間もない人多いから、ついつい行き遅れるケースも多いみたい」
と土居さんが言う。彼女は白浜さんと同い年だが、2007年に結婚していったん会社を辞め、その後2010年に滝口さんに誘われてまたこの業界に入ってきた。
 
「僕たちも行き遅れるかも」
などと一畑さんが言っている。
 

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「一畑さん、八雲さん、八重垣さんはどういうアーティスト担当してるんですか?」
と小風が訊いた。
 
「僕はだいたい20歳以上のアイドルを多く担当してるんですよ」
と一畑さん。
 
「篠田その歌も担当してましたよね?」
と私は言った。
 
「ええ、一時期担当してましたが、あれは前の担当者が退職した後のつなぎみたいなものでしたね。数ヶ月で次の担当にバトンタッチしましたから」
 
「一畑さん、美男子ですね」
と唐突に政子が言う。
 
「そうですか?」
と本人は言いながらも照れているので、どうも結構言われ慣れているようだ。
 
「女装したりしません?」
「しません!」
 
「マリちゃんは、すぐ男の人を女装させたがるから」
と言って千里が笑っている。
 
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「八雲さんにはチェリーツインの事務を一時扱ってもらったこともありました」
と紅ゆたかさんが言う。
 
「僕はデビュー間もないアーティストを任されることが多くて。だから担当したアーティストの数だけで言うと、100組を超えてますよ」
 
「八雲ちゃんって、その100組を全員覚えてるよね。バックコーラスの子とかも含めて」
と八重垣さんが言う。
 
「そういう子たちは、僕が名前で呼んであげると何だか喜ぶんだよ」
と八雲さん。
 
「そりゃ嬉しいよ。前で歌っている子でも、なかなか名前覚えてもらえないもん」
と一畑さんが言うと、近くで和泉と話していた氷川さんが頷くようにしてこちらを見ていた。
 
「八重垣さんはどういう人たちを担当されてるんでしたっけ?」
「僕は八雲とは逆だな。過去の栄光を抱えている人たちの担当が多い」
 
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「八重垣ちゃんは相手のプライドをうまく立ててあげるのが上手いんだ」
と一畑さんが言う。
 
「八雲が担当してる歌手はこれから売れる歌手、僕が担当している歌手は過去に売れた歌手ですよ」
と八重垣さん。
 
「なるほどー」
「でもこの話はベテラン歌手の間にはけっこう浸透しているから僕が担当になると、凄く嫌な顔をする歌手、どうかすると青ざめる歌手まで居て」
と八重垣さんは苦笑している。
 
「だけど八重垣君に文句を言う歌手はほとんど居ない。むしろ前の担当者より話が分かるから好きだ、と感想を言う人が多い」
と横から加藤課長がコメントした。
 
すると
「はーい!私も八重垣さんに担当してもらってます。大満足してます」
と魚さんが手を挙げて言う。
 
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「魚さん、CD出してたんでしたっけ?」
「乗せられて作ったのがあるんですけど、累計でも数百枚、今や年間20-30枚しか売れてないです。でも律儀にレポートを送ってくださるし、ライブしたいと言ったらちゃんと会場取ってイベンターの手配もしてくれるし、電話したら忙しくても話に付き合ってくださるから」
 
「そりゃレポートは送りますし、ライブの手配はメインの仕事だし、話くらいしますよ」
と八重垣さん。
 
「みちるちゃんって、現役メジャー歌手だもんね」
と近藤さんが言う。近藤さんは一応引退している身だ。
 
「一応ね。でも実際には新たな企画が出ることは無いだろうけどね」
と魚さんは笑いながら言った。
 

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■夏の日の想い出・そして誰も居なくなった(1)

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