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■夏の日の想い出・第四章(8)

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2014年3月5日。『Rose Quarts Plays』シリーズの第8段『Sakura』が発売された。このシリーズとしては昨年6月に『Easy Listening』を発売してから約9ヶ月ぶりの作品である。今回もサマーガールズ出版が制作費を出し、私がプロデュースをしているが、大半の曲のバンドスコア作成は下川工房のイリヤさんに投げて、イリヤさん本人が書くか監修する形で作成してもらった。
 
(なお、これまでのPlaysシリーズは 2012.02 Rock, 05.Jazz, 07.Latin, 10.Classic, 12.Minyo, 2013.03 Girls Sound, 06.Easy Listening)
 
前作の『Easy Listening』は本当にグランド・オーケストラを編成して演奏したので、30万枚を越えるセールスを上げて2013年度のRC大賞企画賞を頂いてしまった。賞を頂いたことで、更に売上が伸びる勢いであった。
 
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今回のアルバム『Sakura』に収録したのは下記のような曲である。
 
『さくら』(日本古謡)以前ローズクォーツのシングルに収録したこともあるが、その時と同様に日本音階で演奏している。日本音階に設定したキーボードをヤスが弾き、サトは尺八を吹いて、私が箏を弾き、マリが篠笛を吹いている。そしてタカは三味線を弾いたのだが、実は★★レコードが所有していたフレット付きの三味線をギターピックで弾いている! 音は三味線でも演奏はギターである。なおマキはお休み。私とマリが三度唱で歌う。
 
『花は桜、君は美し』(いきものがかり)
『sa・ku・ra』 (Girls Next Door)
『桜並木道』 (Whiteberry)
『さくら』(森山直太朗)
『桜』(コブクロ)
『チェリーブロッサム』(松田聖子)
『SAKURAドロップス』(宇多田ヒカル)
 
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このあたりはだいたい原曲とあまり変えずに演奏している。
 
『桜の栞』(AKB48)元々のAKBの曲では合唱がとても美しいので、こちらも私たちの出身校、◆◆高校のコーラス部に出演してもらってコーラスを入れてもらった。
 
『Cherry Blossom Falling』(XANFUS)元々は格好良いダンスナンバーで、XANFUSのPVでは桜が舞い散る中でふたりが振袖を着て踊っているが、作曲者の浜名さんから「ローズ+リリーが歌うなら大きく変えてみて」と言われたので、私自身の手でアコスティックなアレンジにした。ドラムスを入れずに私とタカのアコスティックギターの二重奏、ヤスとサトのグランドピアノ二重奏、私とマリのヴァイオリン二重奏、私と七星さんのフルート二重奏を入れている。マキはお休みである。
 
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『桜咲く日』(KARION)こちらは逆に森之和泉・水沢歌月さんから「コピーしてみて」と言われたので、原曲にできるだけ忠実に演奏した。下川工房で高校卒業見込み・4月専門学校に進学予定の超若いアレンジャー細川さんにKARIONのCDから「耳コピー」してスコアを作ってもらった。
 
「3声と思ったのに良く聴いたら4声だったのでびっくりしました」
と細川さんは言っていた。イリヤさんも4声とは気付かなかったらしい。
 
グロッケンはマリ、サックス・トランペット・ヴァイオリンはスターキッズの七星さん・香月さん・鷹野さんにお願いし、歌は私とマリが2回ずつ歌った。(私が和泉と蘭子のパート、マリが小風と美空のパート)
 
そしてアルバムの最後にはローズ+リリーの曲を入れた。
 
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『桜のときめき』(ローズ+リリー)昨年のローズ+リリーのアルバム『Flower Garden』に収録されていた曲で、そちらではクラシックっぽいアレンジだったが、今回はギター・ベース・ドラムス・電子キーボード(チェンバロ音)で演奏している。長い冬に別れを告げ新しい季節の旅立ちを歌った曲である。ただこの曲のピアノパートは元々友人で音楽大学のピアノ科トップの成績である美野里を想定して書いたものなので非常に難しい! この曲を弾きこなすのに、ヤスは一週間の特訓をして「俺10年ぶりくらいに本気になった」などと言っていた。
 

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さて、私たちは四季おりおりにふさわしい曲を演奏しようというので、春は『桜』、夏は『花火』、秋は『紅葉』、冬は『雪』あたりをテーマにした曲を演奏しようという漠然とした考えで、最初に『桜』を出したのだが、発売後、思わぬ反響が来て、私たちは驚いたし当惑した。
 
それは「これはケイちゃんがローズクォーツを卒業する記念のアルバムですか?」
というものであった。
 
確かに桜の歌というのは、別れを歌っているものが多い!
 
森山直太朗の『さくら』では「さらば友よ」なんて歌っているし、ホワイトベリーの『桜並木道』ではたくさん「バイバイ」と歌っている。ガルネクの『sa・ku・ra』
では「あの言葉、さよならの代わり」と歌い「ぼくは歩き始める」というのは、まるでローズクォーツがケイと別れて独自の道を歩き始めるみたいだ。松田聖子の『チェリーブロッサム』でも「新しい私」と歌っていて、新生ローズクォーツみたい。
 
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更にいきものがかりの『花は桜、君は美し』では「冬が終わり」と歌い、アルバム最後に入れたローズ+リリーの『桜のときめき』でも「冬に別れを、新しい出会い」
などという歌詞がある。《冬》は私の名前だから、解釈のしようでは、私と分かれて新しいボーカルをローズクォーツに迎えるという意味にも取れる。
 
そこで私たちは、その問題について(私の休養期間明けの)4月1日に記者会見を開いて「発表します」という見解を3月24日・月曜日に出した。
 
この時期、ケイがローズクォーツを辞めるのか、ということについてはネットでも「やはり辞めるのは既定路線だよ」という意見と「いや、きっとケイは辞めない」
という意見が拮抗していた感じであった。
 
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当日。4月1日。私はマリ、花枝、タカとサト、★★レコードの氷川さんと加藤課長、更に町添さん! そしてOzma Dream のふたりと一緒に記者会見に臨んだ。
 
記者さんたちは、この記者会見にわざわざ町添部長が同席したことでかなりざわめいていた。加藤課長が同席することはしばしばあるものの、制作部長が同席するというのは異例である。更には別の女性が2人いる。
 
この時点でかなりの記者が「やはりローズクォーツはボーカルが交替するんだ」
と思い込んだようであった。
 
それで記者会見の冒頭、照明を落としてビデオを上映する。ローズクォーツのデビュー曲『萌える想い』が流れる中、上島先生が登場してメッセージを述べる。
 
「ローズクォーツの結成に関しては元々営業サイドと制作サイドの意思疎通のズレがあったよね。2010年夏の時点で制作サイドではもうローズ+リリーの復帰作を制作する気が満々だったのに、営業サイドでは復活は当面無いと思ってケイちゃんを他のバンドと組ませてしまった。結果的にローズクォーツの活動によってローズ+リリーの復活が遅れて、それがファンの反発を招いた。でも、ケイちゃんはここまで何とか両方のユニットをうまく回すように良く頑張ったと思う。これ以上頑張り続けるのは消耗してローズ+リリーとローズクォーツを共倒れさせるだけ。そろそろ決断の必要があったね」
 
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雨宮先生も登場する。
 
「まあケイは何でも言われたことをそのままやろうとする癖がある。良く言えば頑張る子、悪く言えば流されやすい子。ケイにローズクォーツのこと聞けば絶対『そちらも10年やります』とか言うだろうけど、それって絶対無理だから。こういう子の場合、やはり周囲が気をつけてあげてオーバーフローしないようにしてあげないといけないんだよ」
 
この他、○○プロの丸花さん、元クリッパーズのnaka、スイート・ヴァニラズのElise, サウザンズの樟南、スカイヤーズのYamYam, 渡部賢一さん、保坂早穂、更にはAYA, XANFUSの光帆、KARIONのいづみ、富士宮ノエル、坂井真紅、花村唯香、スリファーズの春奈まで短いメッセージをくれていた。
 
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そしてビデオが終わって、記者たちがとっても発言したそうにしていた所で、私は笑顔で言った。
 
「お集まり頂きありがとうございます。それからメッセージをくださった方々にもこの場を借りて御礼を言いたいと思います。それで本日の記者会見の内容ですが、これをわざわざ4月1日という日付で開いたというので、趣旨をご理解頂きたいのですが」
 
私の発言に爆笑が起きた。
 
「やはりケイさん、卒業しないんですね?」
と某写真週刊誌の記者さんが言う。5年前に私の「正体」を暴露した雑誌の当時の編集長で、今は社長になっている人だ。わざわざ来てくれたようである。マリの「呪いの人形」で骨折した人である。
 
「私もマリも大学は卒業しましたが、私はローズクォーツからは離れません」
と私は明言する。
「ケイは多分あと5年はローズクォーツのボーカルを続けると思います」
と町添さんも発言した。
 
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私は常々20年と言っていたのだが、そこを町添さんの感覚で取り敢えず5年に修正してくれたんだろうと思った。将来本当に卒業することになった場合の布石だ。
 
数人の記者が部屋から出る。第一報を流すためだろう。
 
「そちらの2人の女性を紹介して頂けますか?」
と大手音楽雑誌の記者さん。この人はOzma Dreamを知っている筈だが、他の記者さんたちのために敢えて質問したのだろう。
 
「はい、ご存じの記者さんも多いと思いますが、Ozma Dream というデュオです。こちらがジュリア、こちらがミキ。実は私の古い友人です」
 
ひとりの記者から質問が出る。
 
「私はOzma Dreamの取材をしたこともありますが、ケイさんと知り合いという話は聞いていませんでした。いつ頃からのお付き合いなんですか?」
 
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「2008年の1月に、実は私とジュリア・ミキの3人で、KARIONの全国キャンペーンのコーラスを務めたんです」
 
記者の間でざわめきが起きる。
 
「当時ケイちゃんの歌を聴いて、なんでこんなに歌のうまい人がバックコーラスなんかやってるんだろうと思いました」
と珠里亜が発言する。
 
「でもいづみちゃんから、私たち3人ともすぐに歌手デビューできるよ、なんて言われて、ちょっと頑張ろうかなと思いました」
と美来子も発言する。
 
「ちなみにその時、途中から私がヴァイオリンに回ったので補充のコーラスとして参加したのが後にスリーピーマイスでデビューした、エルシーさんですね」
 
と私が言うと、また記者席にざわめきが広がる。
 
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(記者会見の後で当時の写真が無いかと報道各社も探したようであるが、当時KARIONはそんなに注目されていなかったため、どこも写真を見つけることはできなかったようである。KARIONのファンサイトでも捜索が行われたが写真は全く出てこなかった。記念写真などを撮ったケースでも、みんないづみ・みそら・こかぜの3人と撮っており、バックバンドやコーラスの人まで撮影していないのである)
 
「それで、今日の記者会見の趣旨ですが、ローズクォーツでは昨年の8月から休養中の私に代わって《覆面の魔女》のおふたりが、代理ボーカルを務めてライブハウスなどに出演していたのですが、私が休養は明けても、多忙なのはむしろ前以上なので、引き続きどなたかに、ライブハウスやイベントなどでの演奏の際に代理で歌って頂けないかということで、探していました所、古い友人でもある、このふたりが引き受けてくれたので、1年間、お願いすることにしました」
 
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と私は説明した。加藤さんが補足する。
 
「そういう訳で、ローズ+リリーが本格的に活動再開するのに加えて、マリ&ケイが他の歌手などに提供する楽曲の制作もたくさんあることから、ケイのスケジュールが非常に厳しく、ケイをボーカルとしたローズクォーツでは、ほとんどふだんの演奏活動ができない状態なので、ケイは音源制作とホール以上のコンサートでの演奏だけに限定して、代わりにOzma Dreamのふたりを代理ボーカルとしてフィーチャーしたバージョンで、来年の3月までローズクォーツは主としてライブハウスやお祭りなどでの演奏をさせて頂くことになります」
 
「そうすると、来年はもしかしてまた別のデュオをフィーチャーするのですか?」
「私の多忙状態が続いていたら、そうなるかと思います」
 
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「それも1年限定ですか?」
「Ozma Dream は本来の自分たちの演奏活動をしながら、こちらも兼任でしてくれますので、結構負荷が高いです。1年以上はさすがにお願いするのは気の毒だと思っています。それで来年はまた他の方にお願いし、その場合も1年限定になると思います」
 
そこでタカが発言する。
「覆面の魔女をフィーチャーしたローズクォーツはローズクォーツFM, 昨年の夏フェスでやった鈴鹿美里をフィーチャーしたのはローズクォーツSMでしたが今年はローズクォーツOD だね、と言ったら、Mを付けるのが面白そうだから、ローズクォーツOMにしようという話になりました。OzmaでOMですね」
 
サトも言う。
「マリによれば、ケイとマリが入ったローズクォーツは、ローズクォーツKMなんだそうです。やはりMで終わる」
 
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「Mには何か意味があるのでしょうか?」
「マリが、ローズクォーツの影のプロデューサー、マリのイニシャルと言っていました」
「マリちゃんは、ローズクォーツのプロデューサーだったんですか?」
 
「はい、私は《影のプロデューサー》と自称しています」
とマリが笑顔で答えた。
 
「それで私がローズクォーツの次のシングルのタイトルを決めました。『セーラー服とさくらんぼ』です」
 
記者席がざわめく。
 
「このシングルでは、覆面の魔女をフィーチャーした曲と、Ozma Dreamをフィーチャーした曲も1曲ずつ入れる予定です」
と私。
 
「あの〜、そのタイトルですが、もしかして演奏者が全員セーラー服を着るなんてことは?」
「期待していてください」
とマリは笑顔で言う。
 
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タカも笑っていたが、サトが凄く嫌そうな顔をしていた。
 

「でもあの会見で、Mがリーダーのマキさんのイニシャルではという意見は出なかったね」
と後で政子は言った。
 
「あ、それ、俺も忘れてた」
とタカ。
 
「でも、また女装なんですか?」
とサトが本当に嫌そうに言う。
 
「今回はスタジオの中だけにしようか」
と私が提案する。
 
「ま、それでもいいか」
と政子。
 
「タカさんは中学か高校の時に着たセーラー服持ってきてね」
「そんなの持ってないよ!」
「じゃ、私が見繕ってあげるよ」
「えーーー!?」
 
 
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■夏の日の想い出・第四章(8)

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