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■夏の日の想い出・第四章(7)

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更にメンバーには「少しでも迷ったら、花枝か夢花か私に相談しろ。夜中でもいいから電話を入れろ」というのだけ徹底させている。実際は花枝は結構怖いし、私は「忙しそうで申し訳無い」などと言って、夢花に電話するケースが多いようである。夢花も自分まで厳しく当たったらメンバーが相談しなくなるからと言って、優しく色々指導してあげているようだ。花枝と夢花はこういう点についてとても良いコンビになっていた。花枝も「夢花が仏になってくれるから私は鬼になれる」などと言っている。
 
「でも相談相手に私やみっちゃんが挙げられてないのはさすがだね」
などと政子は言った。
「みっちゃんは他人の話を聞くのが下手だし、マーサは変な事言うに決まってる」
と私は答える。
「やはり適材適所って奴?」
「まあ、そうだね」
 
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そういう訳でバレンシアのデビューシングルは、夏フェスなどでの告知に加えてローズ+リリーのアリーナツアーに帯同したのが功を奏して8万枚売れて、制作費を上回る収益を得ることができたし、11月には全国8ヶ所のホールツアーを敢行したが、1500-2000人クラスの会場をほぼソールドアウトにすることができて、おかげで何とかメンバーの給料分も稼ぎ出すことができたのであった。
 

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12月13日(金)。政子が午後から道治君とデートに出かけた。本当は翌週デートするつもりだったようだが、21-23日にライブの予定が入ったので一週早いクリスマスデートになったようであった。
 
私はきっと月曜の朝まで帰らないのだろうと思い、のんびりとその晩はグランドオーケストラのアレンジ譜を書いていたのだが、政子は金曜日の24時すぎにマンションに戻ってきた。
 
「どうしたの?」
「別れちゃった」
「なんで!?」
 
「なんでかなぁ。色々話してたら、いつしか別れることになってた」
「彼と結婚するつもりじゃなかったの?」
 
「うーん。その点については、少し前から意見が食い違ってた」
「ふーん」
「彼、一応結婚した後も歌手や楽曲制作を続けてもいいとは言ってくれてたんだけどね」
「うん」
 
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「やはり私と一緒に暮らしたいみたいだったんだよね」
「普通そうだと思うけど」
 
「私には『奥さん』なんて出来ないもん。私は結婚してもいいけど、同居はしないと言っていた」
「それ絶対変だと思う」
 
「やはり、そんなこと認めてくれる男の人はいないのかなあ」
「まあ、日本に男は6000万人くらい居るから、その中に6人くらいはいるかもね」
「1000万人にひとりか・・・・私、そういう人を探そうかな」
「見つかるといいね」
「ちょっとシャワー浴びてくる」
 
政子はその晩、私を強く求めたので、私もしっかりと抱きしめ、しっかりと愛した。
 
「じゃ、マーサ、貴昭君と恋人になるの?」
「ううん。彼とは今まで通りだよ」
「なんで?道治君がいたから、貴昭君とは恋人にならずにいたんじゃないの?」
「・・・・貴昭とはね、もっとゆっくりと思いを暖めたいの」
 
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ローズクォーツの4月からのライブハウスでの代替ボーカルは結局、Ozma Dream で決まってしまった。町添さんが直接∴∴ミュージックを訪れて話をしたら即OKしてくれたということだった。
 
それで翌日私と政子はタカと一緒に∴∴ミュージックに行き、珠里亜・美来子と会った。
 
「久しぶり〜」
などと言って、私がふたりとハグする。
 
マネージャーの花恋がびっくりしたように
「ケイさん、Ozmaのふたりとお知り合いだったんですか?」
と訊く。
 
「まあ昔一緒にお風呂に入った仲だよね」
「あの時、まさか、男の子だとは思いも寄らなかったけどね」
「いやあの時点で既に女の子の身体だったよね?」
「あはは」
政子もタカもにやにやしている。
 
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「でもケイちゃんの代理だというので、私たちも凄くリキが入っちゃうよ」
「よろしく〜」
 
という感じで、私たちの会談は和気藹々と進んだ。畠山さんも楽しそうだった。
 
でも私の昔の実態がタカに知られそうで、こちらは気が重い!
 
「私もふたりと仲良くしたいなあ」
などと言って政子も何だか楽しそうであった。
 

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さて、ドイツに渡ったアスカたちであるが、12月8日に行われた有名コンクールに参加。美事優勝に輝いた。これまで数々のコンクールに優勝してきたアスカだが、このコンクールの優勝で「上がり」という感じになる。今後はコンクールの審査員に魅せる演奏ではなく、世界中の多くの聴衆に魅せる演奏が求められることになる。
 
アスカは12日(木)早朝に帰国したので、私は政子を連れてこの日は羽田に迎えに行った。私たちが9月にイギリスに行った時、帰国に使った便である。
 
「忙しいのにお迎えありがとう」
「いや、トッププレイヤーの門出を祝福しないと」
「うん。これが出発点だよね」
「これからが大変だから頑張って下さい」
 
私たちは4人で握手をしあった。
 
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「で、紹介、紹介」
と言って、私は同伴してきた男性を紹介する。
 
「課長、こちらがそういう訳で***コンクールで優勝した蘭若アスカです」
「初めまして、蘭若アスカです」
「アスカさん、こちらは★★レコードのクラシック部門の大高課長です」
「初めまして。大高と申します。この度は優勝おめでとうございます」
 
ふたりで名刺を交換している。
 
「なるほど、会わせたい人って、こういうことだったのね」
とアスカ。
 
「制作部長の町添さんが、アスカさんが私の従姉だってこと知ってたから、優勝のニュース見て即、私に連絡して来たんだよ」
「それで、ぜひ蘭若さんのCDを当社で出させて頂ければと思うのですが」
 
アスカの演奏CDは一応過去に自主制作してディストリビュータで販売したものが数枚の他、ドイツのレコード会社とスポット契約で制作したものが1枚あるだけである(日本国内にはほとんど出回っていない)。アスカは国内のコンクールにはあまり出ていないので、国内レーベルの反応が遅れた。
 
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「まあ立ち話も何だし、アスカさんたち長旅で疲れてるだろうし、お茶でも飲みながら」
 
ということで、アスカとお母さん、美野里、私と政子、大高さんの6人で空港の喫茶店に入った。CDの制作に関しては費用負担や条件面などを双方で定期的に会って話していくということで、基本的には前向きに考えることになった。
 

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アスカが帰国した3日後、12月15日(日)。5回目となる、私とアスカの年末ライブを開催した。従来は1000-1500人クラスの会場を使っていたのだが、今年初めて3000人クラスのホールを使用した。チケットは先週の段階では1200枚くらいしか売れていなかったのだが、コンクール優勝の報道で残りが一気に売れてソールドアウトした。
 
冒頭は恒例となっている『美しきロスマリン』で幕を開ける。例によってこのオープニングの曲だけは私のヴァイオリン《Rosmarin》で演奏する。
 
その後、司会の政子が曲を紹介しながら、前半は親しみやすい曲を演奏していく。今年はクリスマス系の曲や日本国内のヒット曲をたくさん演奏した。『星の界』
『まきびとひつじを』『王様の行進』など、そして音楽の教科書に載っているような歌で『荒城の月』『サンタルチア』『花の季節(長い道)』そして、KARIONの『アメノウズメ』、XANFUSの『Infinity Inaccessible』、ローズ+リリーの『花園の君』など、テクを要求する曲を華麗に弾いて観客をうならせた。
 
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休憩をはさんだ後、今回のコンクールでピアノ伴奏をしてくれた美野里がビアノソロ演奏でリストの『愛の夢(Liebestraume)』第三番を弾いた。その後、アスカと凜藤更紗、私の3人で出て行って『パッヘルベルのカノン』を演奏する。
 
アスカは当然5億円の《Luciana》を弾いているが、私はアスカから借りた6000万円の《Angela》を使っている。そして更紗も2億円の《Tuala》という名前の楽器を弾いている。3台とも作者は違うが18世紀の銘器の競演である。
 
演奏の後で更紗と私を紹介した政子が「今弾いた3人の楽器のお値段が恐ろしいです。でも楽屋に盗みに来たら体格のとっても良い警備員さんに捕まりますからね」とコメントして笑いを取る。更紗が下がり、私は楽器をアスカの母に渡してピアノの所に座り、後半の曲目に行く。
 
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後半はまずコンクールで弾いた曲、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲5番を全楽章演奏するが、これで2割くらいの観客が寝てしまう。そこで、その後、サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』、ファリャの『スペイン舞曲』と激しい曲を弾いて、モーツァルトで寝ていた観客を起こす!その後、『Amazing Grace』
『Andante Cantabile』『金婚式』『トロイメライ』などおなじみの曲を演奏し、最後はグノーの『アヴェマリア』で美しく締めた。
 
幕が降りてアンコールを求める拍手が来る。
 
また私と更紗とアスカの3人で出ていくが、ヴァイオリンを持っているのはアスカと更紗だけで、私はピアノの所に座る。そして黒うさPの『千本桜』を演奏する。客席から「えー!?」という声があがる。これでまだ眠っていた客がほぼ全員起きる。「アスカー!」「サラちゃーん!」ついでに「ケイちゃーん!」
なんて声まで飛んでくる。手拍子まで入る! 戸惑っている様子なのは多分純粋なクラシックファン。
 
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熱狂の中で演奏が終わった後、アスカが自分で再度更紗を紹介し、更紗は下がる。最後の挨拶をした後、セカンドアンコール曲『タイスの瞑想曲』を私のピアノ伴奏で弾く。その甘いメロディーに聴衆が酔いしれて、ライブは終了した。締めのアナウンスを政子が入れた。
 

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ライブの後でネットの書き込みを見ていたら、にわかアスカファンが大量に出来ているので私は微笑む。こういう一般向けのコンサートだけでなく、クラシックファン向けの本格的なコンサートも計画したいなという気分だ。
 
更紗に注目した人もかなりいたようだったし、「ケイのヴァイオリンも本職みたい」などという書き込みまであった。
 

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さて、今年は休養中ということで年末年始の挨拶回りも基本的には遠慮させてもらい、振袖も新調していないので普段着(と言ってもイギリスで買ったお揃いの本場ローラアシュレイ)で上島先生の所に顔を出したほかは、★★レコードに行ったくらいだったのだが、松前社長から声を掛けられて、応接室で話をすることになる。町添さんも付いてくる。
 
「実は提携しているFMIレコードから『Flower Garden』の英語版を出せないかという話が来ているんだよ」
「英語版ですか!?」
 
「向こうの販売担当役員がFMIの親会社の関連で12月に来日して、その時、偶然『花園の君』を移動中の車内で掛かってたFMで聴いて何だこれは!?と思って、すぐアルバム買って聴いてみたら『砂漠の薔薇』に衝撃を受けたと言うんだよね」
と社長。
 
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「『砂漠の薔薇』は、売れてはいないけど、ネットでも音楽雑誌でも論評の数が凄まじいですね」
と私も言う。
 
「『花園の君』は聴かれる曲、『砂漠の薔薇』は論評される曲だよね」
と町添さん。
 
「先方は英語版とスペイン語版を出したいと言ったのだけと、やるなら取り敢えず英語版かな、と」
 
「英語詩を作るのは問題無いと思います。マリは暇そうにしてるので。ただ録音にXANFUSが必要なので、彼女たちのスケジュール次第ですね」
 
この件では、政子は張り切って一週間で全曲の英語詩を書き(上島先生と雨宮先生の詩の訳についてはご本人たちの了解を取り)、XANFUSのスケジュールの空きを何とか確保してもらって録音。3月にアメリカ・ヨーロッパ・オセアニアで同時発売されることになった。ローズ+リリーの初海外発売アルバムとなった。
 
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(プレオープンしたばかりの★★チャンネルや他のダウンロードストアgSongs,nora, Artemis などでも購入できるので国内でも結構ダウンロードされていた)
 
なお、XANFUSとのセッションでは念のためスペイン語バージョンも一緒に収録した。
 

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