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■夏の日の想い出・アルバムの続き(10)
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§§ミュージックの“地方ガールズ”のシステムは、各地方単位で1つだったのを、各地方を統括する“支部”と主要都市に置いた“音楽教室”との2段階組織に再編してきていたのだが、ここまで次の地方を再編した。
4.19 関東・関西
6.18 東海・北海道
8.11 北陸・九州・沖縄
そして10月1日(土)、残りの中国・四国・東北でもこの体制に変更した。また初期の段階では“音楽教室”は各県に2〜3ヶ所しかなかったが、これも主として大手の音楽教室に場所を借りる形で数を増やしており、全国の音楽教室の数は現在200を越えている。
また講師も募集しているがこれは特に、結婚や出産で現場を離れていた元音楽教師がこれに応募してくるケースが多く、§§ミュージック音楽教室はそういう元講師たちの受け皿に成りつつある。
音楽教室の設置と同時にリモートレッスンも増やしており、日本中のどこにいても指導が受けられる体制が整いつつある。
10月19日(水).“北里ナナ”の11枚目のシングル『若草の少女』が発売された。
『若草の少女』国立カナン作詞・鴨乃清見作曲
『進まない時計』加藤珈琲作詞・琴沢幸穂作曲
『雅な朝に』夢倉香緒梨作詞・醍醐春海作曲
北里ナナのCDは『少年探偵団』の劇中歌として歌われたものが発売されるケースが多く、発売時期は12-5月が多かった。それ以外の時期に発売されたものは過去に2例しか無かった。
今回『少年探偵団』と全く無関係に発売されたのは実は“紅白用”の歌を出しておきたいというのがあった。昨年に引き続き今年アクアは“北里ナナ”として紅組から紅白に出場するが、その時に歌う歌の選定に昨年は結構悩んだのである。
北里ナナの曲は概して劇中歌として作られていて、アクア向けの曲ほどは力(りき)が入ってないものが多い。しかしせっかく出してもらうのにそれでは申し訳無いので、今回新たに歌を用意したのである。
CDは発売と同時に100万枚を突破し北里ナナ11枚目のミリオンとなった。(アクアは「誰もボクの歌を聴いてくれてない(*36)」と文句を言うが贅沢な悩みだと思う)
しかしこの曲はむしろ紅白の後でじわじわと売れていくことになる。
(*36) つまりみんな“アクアのCD”だから買ってくれているだけで、いい歌だからと思って買ってくれてるわけではないということ。ただ集団アイドルなどと違って買った後はちゃんと再生してくれている人が多いと思われる。
『若草の少女』国立カナン作詞・鴨乃清見作曲
国立カナンというのは、国立市に住む佐々木川南(旧姓)のことである。小学1年生の時、大手術を受ける前日の龍虎(アクア)と
「お姉ちゃんたちと明日頑張る約束」
と言って指切りをした本人であり、
その後も龍虎がすくすくと可愛く!育って行くように、いつもそばに居て見守ってきた。龍虎にとっては実姉にも近い存在である。
その川南が中学生頃の龍虎をイメージして書いた詩に千里1が曲を付け、最終的には千里6が調整した。“鴨乃清見”の名前を使っているようにかなり本気で作った曲である。
龍虎Fはこの歌詞を最初見た時泣いていた。Mも“少女”というのには少し文句があるものの涙を浮かべていた。
「いや彩佳ちゃんたちに選んであげたマンションが数ヶ月で崩壊しちゃったからさ、どこかで埋め合わせをと思っていた」
と本人は言っていた。
PV制作でアクア役を務めたのは、春野わかなで、撮影場所は隅田川の近くである。関東信濃町ガールズの面々が友情出演している。セーラー服での演技である。
え?アクアって中学はセーラー服着て通ったんでしょ?
『進まない時計』加藤珈琲作詞・琴沢幸穂作曲
田代蓮菜(普通のペンネームは葵照子)と千里の普通のコンビで書いた作品。実際には松本花子に書かせた上で3日くらい掛けて調整している。これは千里3の作品。
母親から出掛けるまで30分待ちなさいと言われた子供。それで待っているのだけど、時計は全然進まない。
人気スターのライブの開場を待つ観客。「6時から開けます」と言われてから何度も時計を見るのだけど、時計は全然進まない。
恋人との待ち合わせ時間を前にして何度も時計を見てしまう。でも時計の針は全然進まない。
1番の出演者は千里とその子供の京平である。
2番の出演者は広瀬みづほで“人気スター”はもちろん北里ナナ。周囲の他の観客は、都城の友人達で、広瀬を宮崎空港まで日帰り往復させて撮影している。
3番の出演者は北里ナナ本人である。そして待っていてやがて愛用のポルシェ Porsche 996 40th anniversary edition (ナンバーはモザイク)に乗ってやってきたのは(男装の)アクアである!2人は駆け寄って熱く抱きしめ、キスしている。
(このキス、リアルでしてるよね?とファンの声)
実はFが舌を入れようとしたのをMが阻止した。ちなみにいつものように、Mが北里ナナを演じ.Fが男アクアを演じている。つまりポルシェを運転したのはFである。なおこのシーンを撮影したのは山村マネージャーである。
『雅な朝に』夢倉香緒梨作詞・醍醐春海作曲
呉服屋さんの振袖のCM曲である、先方はこの時期に出してもらえると聞いて感激していた。CMのために撮影した映像を元にこの曲のPVも構成している。それで成人式を迎える信濃町ガールズたちの映像も一緒に流れる。
10月26日(水).
高崎ひろかのシングル『橋を作る人々』が発売された。
『橋を作る人々』室蘭氷渡海作詞・すずくりこ作曲
『紺碧の空』森之和泉作詞・水沢歌月作曲
『昇天』柴田邦江作詞・琴沢幸穂作曲
タイトル曲は11月に4回に渡って放送されるNHKのドラマ『橋を作る人々』の主題歌である。最近ではめったに自分で作詞なさることはない室蘭氷渡海大先生を担ぎ出してきたのはさすがNHKである。すずくりこ先生は室蘭氷渡海と聞いて震えたと言っていた。(NHKが東郷誠一さんに持って行ったら『自分は量産作家だから』と言って、すずくりこを推薦したらしい)
すずくりこでクレジットしているが、実際には相棒の“耳の聞こえる”ゆきみすず先生と2人で1ヶ月かけて作曲し、親しい何人かのミュージシャン(雨宮三森・後藤正俊・香住零子・ケイ!)にも意見を聞いたりして完成させている。音感の良い大崎忍に試唱係をしてもらったが、忍はゆきみすず・すずくりこ大先生(彼女にとっては大先生である)の前でかなり緊張したと言っていた。
高崎ひろかの音源制作もこの曲だけで2週間掛けている。ほぼできたところで室蘭氷渡海大先生に聴いてもらったら
「うん。私のイメージ、ぴったり。ひろかちゃんは情緒性のある歌手だと思ってたよ」
と褒められたので、ひろかも、ゆきみすず・すずくりこペアもホッとした。
「1年分の仕事をした気分」
とゆき先生・すず先生は言っていた。
この曲の伴奏はピアノ・ヴァイオリン2本・ヴィオラ・チェロ・フルート2本・クラリネットとなっているが制作時には正確なリズムキープのためクリック音を聴きながら(ピアノの人が)演奏している。
後でライブ演奏したりするのにギター・ベース・キーボード・ドラムスで演奏したバージョンも室蘭先生にお聴かせしたところ
「ああ、こういうのもいいね」
と快諾してもらえた。(持って行って聴いてもらっただけで疲れた!)
曲は3コーラスから成るが、メロディーは1番・2番・3番で微妙に異なる。これは歌詞のイントネーションを大切にしたためである。瀧廉太郎の『花』などと同じ方式。
この曲のPVにはドラマのシーンは使用されていない。あらすじだけを聴いて雨宮三森が構成した作品になっている。
細く曲がりくねった道をコンパクトカーで走る緊張した顔の老夫婦が映る。やがて橋を渡るが車一台通るのがやっとの橋である。真下は深い谷になっている。向こうに待つ車と交互に通行する。
やがて橋の工事が始まる。若い人が多数働いている。両岸に鉄塔が建てられ、その間にケーブルがわたされる。そのケーブルから吊して橋の部品を設置していく。そして橋が完成すると上位のケーブルと鉄塔は撤去される。
この工法はケーブルエレクション工法と言って深い谷などで“下から組み上げる”方法が使えない時に使う工法らしい。映像はNHKの本番組制作に協力した建設会社から提供して頂いたが「番組の工法とは違いますよ」とは言われた。
そして橋ができたあと、幅の広い快適なバイパス道路を走り、新しい橋を渡って橋上で対向車とすれ違う笑顔の老夫婦の車が映る。
出演しているのは秋風コスモス社長の両親・伊藤太郎(68)・花子(65)夫妻であるが、乗っている車は本人の車(ノート)ではなく§§ミュージック所有の車(ヤリス)である。
曲がりくねった道も快適なバイパス道も埼玉県某所で撮影しているが橋はCGである!(イメージに合うところが無かった)
『紺碧の空』森之和泉作詞・水沢歌月作曲
この曲は上記の曲とカップリングするために室蘭先生の弟子である和泉が指名されて歌詞を書いたものである。室蘭先生のご指名で和泉が張り切って書いたのに私が頑張って曲を付けた。音源制作に入る前に室蘭先生に見てもらったが
「ああ、OKOK」
とあっかる〜く言っておられた。
伴奏は普通のバンド構成だが、ヴァイオリンとフルートをフィーチャーしている。ヴァイオリンは風のイメージ、フルートは空でさえずる小鳥のイメージである。
『昇天』柴田邦江作詞・琴沢幸穂作曲
これは『竹取物語』で使用された曲である。柴田邦江は高崎ひろかの本名。
「こんな凄い曲2つと私が書いた曲とをセットにしていいものなんでしょうか」
と高崎ひろかは不安そうに言っていたが
「この曲も名曲だと放送の時言われていたよ」
と言って彼女を励ましておいた。
なおこれで『竹取物語』で使用された曲はビンゴアキの『邂逅』以外全て各々のアーティストのシングル(一部アルバム)としても、発表された。 ビンゴアキは12月21日に発売するシングルにその曲を収録することを表明している。
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