■夏の日の想い出・ある所に(6)

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8月16日(水)、立山煌7枚目のシングル『白山にたくさんで来た』が発売された。
 
『パーキングしてハイキング』(平野鉄郎作詞・峰京子作曲)
『白山にたくさんで来た』(蜂矢仁美作詞・南海妃呂作曲)
『おおブレネリ』(スイス民謡、松田稔ほか訳詞)
 

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『パーキングしてハイキング』(平野鉄郎作詞・峰京子作曲)
 
どこかの拠点まで車で行き、駐車してからハイキングに出発する様子が描かれている。実際に車を運転したのは、山本マネージャーで、駐めた場所は福井県若狭町で行われたウォーキング大会の駐車場である。煌は実際にこのウォーキング大会に参加した。日頃から鍛えているだけあって、美事に30kmコースを歩ききったが、「きれいな所ですね」と感心していた。
 
 

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『おおブレネリ』(スイス民謡)
 
スイス民謡『O Meiteli, liebs Meiteli(お嬢さん、素敵なお嬢さん)』がアメリカで『O Vreneli』と歌われるようになり、日本でよく知られている歌詞はこの英語版の1番を松田稔が翻訳したもの。2〜4番は原詩とは無関係に日本で誰かが追加した歌詞である。
 
ちなみに“Vreneli”は“Vrene(フレーネ)”の愛称である。スイスではよくある女性名。“ブレネリ”と濁音で読むのは英語読み。
 
なお「ヤッホーホートランランラ」の部分は古い時代のプログラミング言語FORTRANにひっかけて「ヤッホーフォートランランラン」と歌う替え歌もあるらしい。
 

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『白山にたくさんで来た』(蜂矢仁美作詞・南海妃呂作曲)
 
ダジャレで全国名山を回るシリーズ、今回は白山(はくさん)に来た。
 
これまでの名山シリーズ
2nd『北岳に来ただけ』
3rd『阿寒をなめたらあかん』
4th『槍ヶ岳やりほーだい』
5th『立山(たてやま)だってや、まぁ』
6th『恐山(おそれざん)におそれ入りました』
 
※北岳は日本第2位の高峰。3位は穂高(奥穂高)。
 

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今回は石川富山で「ここ10年以内に白山に実際に登ったことのある人限定」で参加者を募集し、30名の同行者と一緒に白山に登った。この限定を入れないと、登る体力の無いファンが殺到してしまう。白山に登ることができるのは、登山靴などのちゃんとした装備も調える前提で、ある程度の体力がある人に限られる。入山届けと、保険への加入も必要である。その付近の400-500mの山に登るのとはわけが違う。(最近の百名山ブームで充分な体力が無く装備も貧弱な入山者が増えて困っているらしい)
 
(白山は登山ガイドなどては“初心者向き”に分類されるが登山の世界でいう“初心者”とは一般の感覚でいうとかなりの健脚)
 
この登山には、アクアの山村マネージャーと「北陸霊界探訪」の取材陣として、千里、希望、明恵も同行した。山本マネージャーが「僕には無理」とギブアップしたので山村を連れてきた。明恵は立山・富士山にも登っていて、“3名山制覇者”である。奥穂高にも行ったことがあるらしい。この様子は“シーズン終了後に”という山岳会との約束があったので、たぶん10月くらいの「霊界探訪」で放送される。
 
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山小屋で千里・明恵・希望は女性が多い付近で寝たが、山村は男の多いエリアに行かされた。ちんちん没収されてから久しいのに!(見た目問題)。でも好都合なので、煌のガードを命じた。
 
煌は、おじさんたちから
「君、女の子はあの付近で寝たほうがいい」
と言われ
「ぼく男の子ですー」
と答えていたらしい。
 
「男の子なの?こんなに可愛いのに」
 
「もったいない。女の子になればいいのに」
「最近は女になる手術は国内でも受けられるらしいよ」
「昔はモロッコとかまで行かないと受けられなかったよね」
「そんな手術受けたくないですー」
「最近じゃ女になる手術受けたらお嫁さんにもなれるんだよ」
「君いいお嫁さんになりそう」
 
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彼はトイレも男子トイレに入れてもらえなかったらしい!
 

最近§§ミュージックでは女の子にしか見えない、レベルの高い男の娘が多すぎて目立たないが、煌もかなり可愛い部類である。
(彼は第1回ビデオガールコンテストの優勝者!)
 
彼は料理もできるし、優しい性格だし、ほんといいお嫁さんになれるかも?
 
彼はバラエティ番組でドレスを着せられていた。
「可愛い!」
「私のお嫁さんにしたい」
と好評だった。
 
本人は「恥ずかしかった」と言っていたが。
 
でもお母さんが時々買ってくれていたのでスカート自体は小さい頃から結構穿いていたらしい。オーディションの時もスカート穿いてたし!
(可愛い子にはスカート穿かせよ)
 
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彼は先日出した写真集でも1枚セーラー服写真を公開していた。
 

「レノンちゃん、部屋に和服着た小さい女の子が出て来たりしてない?」
と男子寮寮長の花園裕紀は訊いた。
 
礼音(れのん)は煌の本名で彼は信濃町ガールズの本部生たちからは本名で呼ばれる。
 
「ああ、“魔女っ子ちーちゃん”とかいう子でしょ?あの子寮母さんの親戚か何かですかね?よく来るから、おやつとかあげてますよ」
「何かされなかった?」
「女の子にしてあげようかと言われたけど、ぼくは女の子にはなりたくないって言いましたよ」
「うん。女の子になりたい気持ちが無いのならはっきり断らなきゃダメだよ」
「何かごっこ遊びですかね」
「いやあの子は実際に男の子を女の子に変える能力を持っている」
「え〜?そうなんですか?」
「睾丸取ってあげようか、とかおっぱい大きくしてあげようかとか色々言うから」
「言われたけど断りました」
「うん。しっかり断りなよ」
 
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「あとドアノブにレジ袋とかが時々かかってない?」
「よく掛かってますよ。あれって副社長とかからのプレゼントですかね」
「あれは怪人X」
「何ですか?それ」
「外部の人間は入れないはずの男子寮を自由に歩き回りプレゼントを置いていく謎の人物」
「色んな人が出没しますね」
 
そういえば“魔女っ子ちーちゃん”はどうやって部屋の中にはいってくるのだろう?と煌は思った。
 
「お洋服とかおやつとかは無害だからもらってていいから」
「もらってます」
「栄養剤と書いてあるのは女性ホルモンだから飲まないほうがいい」
「飲んでません。女性ホルモンだったんですか!」
 
「機械類は危険な物が多いから捨てたほうがいい」
「機械類は見たこと無いです。どんなのあるんですか」
「自動性転換機とか自動去勢機とか」
「なんか凄いですね」
「自動オナニー機というのも射精後にペニスを切断されるらしい」
「怖っ」
「迷ったらぼくの所に持って来てみて」
「そうします」
 
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8月19日(土)、“銀の昔話”はアクア主演で『炭焼長者』を放送した。“かまどの神様”に関する不思議な縁起の物語で、全国に類話が伝わるものである。
 
主な配役
塩の女:アクア(2001)
竹の男:岩本卓也(1994)
東の長者:鞍持健治(1963)
西の長者:藤原重蔵(1968)
塩の女の母:雨梨美貴子(1977)
炭焼き五郎:アクア(2001)
 
塞の神:今井葉月(2002)
しゃもじの神様:麻生ルミナ(2008)
ほうきの神様:入瀬ホルン(2008)
なべしきの神様:入瀬コルネ(2006)
金貨の神様:鏡家トマト(2009)
銀貨の神様:氷川チャイム(2009)
茶碗の神様:坂口芳治(2005)
塩の神様:津島啓太(2007)
 
女たち:○○プロの練習生たち
元の村の者:松田理史・鈴本信彦・山崎東吾
塩の女が農作業に雇った人たち:三国舜・沢村明美・早幡そら
 
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流しの三味線弾き:川泉パフェ(2007)
祝言を挙げる僧:佐久間泰山(1972)
両替商:江藤レナ(2000)
炭の商人:山崎忠史(1983)
その他:快傑ゾローズ
語り手:内野涼美(2003)
 
途中で会った神様:藤原中臣(1950)
 
※入瀬姉妹は妹のホルンのほうが背が高い。だからこの家では妹のお下がりを姉が着ていた。コルネはインターハイに行っていたが早めに終わったので!(2回戦で優勝候補に当たってしまったらしい)、開催地の札幌から熊谷にホンダジェットで飛んできてドラマに参加した。
 
神様たちはだいたい貫頭衣のようなものを着ている。藤原中臣さんはテレビドラマの黄門様みたいな衣裳を着た。これは神様が人間を装っていたという設定のため。
 
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藤原さんは「特別出演にしましょうか」という話を断った。
「特別出演なんて主役級の役者に付けるクレジットだよ。ぼくは端役一筋50年だから」
と言っていた。蛍蝶さん(葉月の祖父)には別の見解がありそうだが。
 

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語り手が背景を説明する。
「昔ある所に、東の長者と西の長者が住んでいました(*6)。ふたりはとても仲が良く、一緒に釣りに行ったり、カルタとか囲碁をしたりしていましたが、ある時一緒にお伊勢参りに出掛けました」
 
映像ではふたりか釣りをする様子、カルタとか囲碁をする様子、お伊勢さんの宇治橋を渡る様子などが流れる。使用しているカルタは天正年間の古いカルタを復元したものである(福岡県のカルタ美術館に提供してもらった)。碁盤と碁石は千里が持ち込んだもの。お伊勢さんは実際にロケに行って来た。お疲れ様である。
 
(千里は碁盤碁石の製造販売をしている。鞍持さんが「これ日向榧(かや)の碁盤に蛤(はまぐり)碁石じゃん」と驚いていた。千里はブラジルで蛤の養殖もしているらしい)
 
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「帰り道、村の近くの峠まで来た時、日が落ちてしまったので、ふたりは無理をせず、峠にあった塞の神(さいのかみ)のお堂で夜を明かすことにしました。昔は旅館とかは大きな町にしか無く、旅は野宿が基本でした。また街灯とかも無いので日が暮れると真っ暗闇になりました」
 
「塞の神(さいのかみ)様、失礼します。今夜ここに泊めて下さい」
と言って、ふたりはお堂に入っていきました。
 

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西の長者は旅の荷物を枕に寝ました。東の長者は適当な枕が無かったので、お堂の祭壇の寄木を枕に寝ました。夜中、何か気配がするので西の長者が目を覚ますと、しゃもじの神様、ほうきの神様、なべしきの神様(*7)が来ていました。
 
「塞の神どん、東の長者と西の長者の所でお産がありますよ。行って運命を授けてきましょ」
しかし塞の神は言いました。
「あいにく私は人間に枕にされていて動けないのです。あなたたちだけで行って来てください」
「分かりました。行って来て報告しますね」
 
それで半時(はんとき:1時間)くらいすると、しゃもじの神様達が戻ってきました。
 
「西の長者の所は男の子で青竹3本の位(くらい)を授けました。東の長者の所は女の子で、塩一升の位を付けました」
「塩一升は付けすぎじゃないですか?」
「いえ、あの子はそのくらいの器量を持っています。あの子と結婚する男は幸福になるでしょう」
 
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西の長者は、これはいいことを聞いたと思いました。それで翌日、朝になって2人で村へ降りて行く道で言いました。
「東の旦那、私の所も、あなたの所も、そろそろ子供が生まれる頃ですよね。もし産まれた子供が男と女だったら、結婚させませんか」
「ああ。いいですね」
 
それで2人は子供たちを結婚させる約束をしたのです。果たしてふたりが村に戻ると、神様達が言っていた通り、西の長者の所には男の子、東の長者の所には女の子が生まれていました。男と女だったので、ふたりは結婚することになり、ふたりが16になった時、立派な結婚式を挙げました。西の長者は息子夫婦のために家を建ててあげました。東の長者は娘夫婦のために高価な大陸渡来の青磁の夫婦茶碗(めおとぢゃわん)を買ってあげました。
 
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映像では赤ちゃんが産まれた所、結婚式の様子、家を建てる所などが映る。さりげなく、青竹3本、塩一升(約1.8kg)の映像も流れる。塩は三方に載せている。
 
結婚式は仏式で“しきみ”を供え、僧がお経をあげている。みんなお焼香をする。神式の結婚式が普及したのは明治期で、江戸時代までは仏式が多かった。
 

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(*6) この話はふたりの長者とするパターンと長者の息子と小作人の娘とするパターンがある。また前半の話が無く、炭焼五郎のもとに旅の女が訪れる所から始まるものもある。
 
小作人の娘とする方式では、五郎に渡す小判の出所が説明できないので、長者の娘とするパターンを採用した。
 
(*7) 出てくる神様は地方により様々なバリエーションがある。龍宮の神・潮の神というのもある。今回は貫頭衣にしゃもじ・ほうき・なべしきの絵を描いた。
 
“しゃくし”の神とするものもある。“猫もしゃくしも”の“しゃくし”だが、食べ物を盛るのに使う道具一般のこと。現代では、しゃもじとお玉に分かれた。
 
“猫もしゃくしも”とは、一見無関係に思えるものまで一緒になってという意味。
 
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娘がお嫁に行くとき、お母さんは言いました。
「結婚って色々思い通りにならないこともあるけど、少々のことは我慢するんですよ」
「はい」
 
「西の長者さんは金持ちだから、何も不自由は無いだろうけど、あんたのお気に入りの服だけは持って行きなさい」
そう言ってお母さんは娘が気に入っていた服を数点、龕(がん:今で言うとリュックのようなもの)に詰めてあげました。母は念のためと言って小判を10枚ほど、絹の財布に入れて龕の底に入れておきました。娘はその龕を背負ってお嫁に行きました。
 
西の長者の息子が訊きました。
「その背中に背負ってるのは何?」
「私の服ですのよ」
と言って、何枚か取りだして見せるので、息子も納得しました。
 
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長者の息子と長者の娘の結婚式だけあって、出席者は多数ありました。料理も人を頼んで10人がかりで作りました。果物とかも多数用意しました。歌や踊りを披露する者もありました。ただ、宴の途中で玄関に立てていた提灯が片方消えてしまい、花嫁の父が点け直す一幕もあり、娘は何かやな感じだなと思いました。息子は飲まされすぎで、酔い潰れてしまい、その夜は“初夜”ができませんでした。
 
夫婦の交わりは翌日しましたが、女は「なんか痛いな」と思いました。でも男が満足そうなので、いいのだろうと思いました。
 

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ふたりは、しばらく一緒に暮らしていましたが、妻は夫が少々金遣いの荒いのを案じていました。でもお金持ちだからいいのだろうと思いました。ばくちが好きなようでしたがよく負けていました。
 
またしばしば女の人を家に引き入れてましたが、「浮気は男の甲斐性」とお母さんが言ってたなと思い、我慢しました。ただ相手が嫌がっている時は
「あんたやめなさい。嫌がってるじゃん」
と言って、やめさせ、逃がしてやりました。そういう時は夫から殴られましたが、我慢しました。
 
そして結婚して半年ほど経った、麦の収穫祭「あらまち」の日のことでした。
 
麦の収穫祭なので、妻は麦の飯を炊いて神様にも供え、夫にも「一斗の麦を一升になるまでついた麦です。今日はあらまちの祝いですから、これを食べてくださいね」と言って出しました。しかし夫は「俺は米の飯しか食ったことない。麦飯など食えるか」と言ってお膳を蹴って、ひっくり返してしまいました。麦飯を入れた茶碗も割れてしまいます。
 
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(昔は今でいうちゃぶ台のようなものは無く、一人一人用の“銘々膳”が使われていた。関東大震災の後“倒れにくい”としてちゃぶ台が普及した)
 
妻はそれを見て言いました。
「食べ物を粗末にするような人とは一緒に暮らしていけません。この家はあなたのお父さんがくださった家ですから、あなたが自由にしてください。私か出て行きます」
 
それで女はこぼれた麦飯を全部集めると、おにぎり2つにして割れた茶碗と一緒に持ち、お嫁に来た時に持って来た龕(がん)を背負って、家を出ていきます。出て行く時、夫に言いました。
 
「良かったら離縁状を書いてもらえませんか」
「ああ。せいせいするわ」
と言って夫は半紙に縦線を3本書くと、もう一本半分くらいの線を書き足しました。そして親指の先に墨を付けて押し(拇印)、女に渡しました。これで“三行半(みくだりはん)”として離縁状(*8)になります。昔は字の書けない人はこういうので、離縁状に代えていました。ただ、日付及び本人の名前と宛名となる女の名前は、女がお手本を書き、それを真似て書かせました。
 
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(*8) 離縁状の標準的な内容
 
離別一札の事
 
今般双方勝手合を以及離縁。
然ル上者其元儀、何方縁組致候共、
私方に二心無、依之離別一札如件。
 
(離縁するので再婚しても異論無いということ)
 
(日付)夫の名前・拇印
 
宛名(妻の名前)殿
 
長者の息子なら字くらい書けても良さそうだが、不勉強なので書けない!
 
一般的には離縁状と共にある程度の金銭を渡すことも多かったという。(離婚慰謝料?)
 
昔は現代のように片方の死亡では婚姻が終了しないので、重い病に罹った者は遺言状で離縁に言及する場合もあった。
 
離縁状がもらえなかった場合は、女は縁切り寺に行って一定期間修行するしかない。但し侍の場合は藩主などの裁定で離縁できた。
 
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きちんと離縁せずに再婚したら、重婚罪・姦通罪で重罪になる。
 

家を出てから、女は思いました。実家に戻ったら「我慢が足りん」とか叱られそう。どこに行こう?
 
その時、道端で金貨の神様と銀貨の神様が話をしていました。
 
「麦の奴さえも蹴飛ばされるとはな。我々もこの家に残っていると何されるか分からん。大北の炭焼五郎は心も美しく働き者だというからそこへ行こう」
と語っていましたので、女は良い話を聞いたと思い、大北村に向かいました。
 

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女が峠を越えて行くと、草鞋(わらじ)の緒が切れてしまいました。困っていると通り掛かりの三味線弾きの女が手持ちの紐で結び直してくれました、女は感謝し、お礼に服を1枚あげました。すると三味線弾きは「紐を結んだだけなのにもらいすぎ」と言って、湿布薬を足に貼ってくれました。また替えのわらじまでくれました。
 
女は歩き疲れると木陰などで休みましたが、そういう時は、茶碗の神様や塩の神様が守ってくれました。
 
峠を下りて道を歩いていると、道からそばの田んぼに落ちて、上にあがれずにいるお年寄りが居ました。女は手をのばして、お年寄りを助け上げました。
「ありがとう」
「いえ。通り掛かった縁ですよ」
「お前は優しい性格をしているな」
「そうでしょうか」
「わしは実は神様である。そなたは炭焼五郎の所に行くのであろう」
「はい」
「五郎の家はこの先の分かれ道を右に進み、まっすぐ行った突き当たりじゃ」
「ありがとうございます」
 
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