■夏の日の想い出・ある所に(5)
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8月1日(火・なる)、小浜市のミューズエリアの麓から、小浜駅までの新交通システム“若狭ライナー”が開業した。郷愁ライナー、ウィングライナーに次ぐムーラン交通3本目の新交通システムである。若葉は、ミューズエリアから敦賀までの路線を計画したが、JRと競合するから、そんなの認可取れるわけないと反対されて、競合の無い、小浜駅までの路線を作ったのである。この区間はバス会社も採算が取れるとは思えないとして路線バスを作っていなかった。
(JR小浜線があまりに貧弱なのでミューズヒル(鏡迷宮)を訪れる観光客の多くは自家用車で来るか、敦賀からの観光バスを利用していた。鏡迷宮にはその後、観覧車、メリーゴーラウンド、コースターなどが追加され、プールにもスライダーが設置されている。また若狭湾遊覧飛行も人気がある)
若葉は、やむを得ずこれまでは小浜駅との間は、チャーターしてシャトルバスを運行していた。ほぼ空で運行されているバスを見て若葉は「お金が減るのはいいことだけど、地球にやさしくないなあ」と思っていた。若狭ライナーはミューズセンターの余剰電力で動かしている。元は原子力発電と太陽光発電である。電力会社から専用線を引いて来ている。スパコンの休止中などは“揚石発電”でストックしている。
ミューズエリアは元々、AI-Nuseの作曲用スーパーコンピューター《夢紗蒼依》(むさ・あおい)を設置するための場所として確保したものである。スーパーコンピューターが無茶苦茶電力を使うので、原子力発電所が近くにあり、電力の都合が付くこの地を選んだ。スーパーコンピューターが出す凄まじい熱を使って、お風呂を沸かし、温泉旅館“藍小浜”も運用している。
当初は凄まじい電気代が掛かる中、どうやって採算を取るかが課題だった。最初は印税で10万円程度の売上になる曲を作るのに50万円くらい電気代が掛かっていた。太陽光パネルで電気を自給する一方で作曲ロジックの効率化を進めた結果、3年目くらいから黒字になり始めた。
最初は電力会社の電気代が安い夜間にだけコンピューターを動かしていたが、太陽光パネルが動き出してからは昼間にも動かせるようになり、納期と採算が改善された。
2018年の上島事件の後、芸能界では、夢紗蒼依、もうひとつの自動作曲システム《松本花子》、作曲家集団“望坂拓美”が三大勢力となり、多数の楽曲を生産している。

(↑でロープーウェイと書いた所は現在ケーブルカーに置換されている)
8月1日、二子玉川の新男子寮の厨房が稼働し始めた。当初は調理担当は2名である。これまでは寮母の門脇純江さん(大崎忍の母)が御飯を作っていたが、今後は寮母さんは寮生達に「いってらっしゃい」「おかえり」を言ったり、寮生達の母親代わりとして色々相談相手になったりするのが仕事になる。
御飯は7月中に引っ越した寮生には旧寮から車で運んでいたが、この日以降は逆に新寮から旧寮に車で運ぶ。寮母さん(とフロント係の篠田姉妹)は中旬に移動する予定で、それまでは大崎忍が新寮の寮母代理を務める。(純江さんが移動した後は、大崎忍が旧寮に8月末まで滞在する。忍の妹の門脇瀬那は母に付いていく)
8月2日(水)、ラビスラズリ17枚目のシングル『クリスタル・レボリューション』が発売された。
『クリスタル・レボリューション』(花園光紀作詞作曲)
『リセエンヌの悩み』(水野歌絵作詞・阿木結紀作曲)
ラピスラズリが出演する『占い女子高生みつる』の主題歌およびエンディング曲である。
水野歌絵はむろんアクアのペンネーム。リセエンヌとは女子高生のこと(*5).(男子高校生はリセアン)
「アクアはまるで自分が女子高生であったかのような詩を書くな」
「アクアは確かに女子高生してたはず」
(*5) フランス語では、小学生、中学生、高校生、大学生、というのをこう呼ぶ。(名詞に性別があるので男子と女子で形が変わる)
小学生 écolier / écoliere エコリエ・エコリエール
中学生 collègien / collègienne コレジアン・コレジエンヌ
高校生 lycéen / lycéenne リセアン・リセエンヌ
大学生 étudiant / étudiante エテュディアン・エテュディアント
フランス語のêtre動詞(英語のbe動詞相当)では主語と補語の性を一致させる必要があるため、英語なら I am a high-school student となる所がフランス語なら話者が男性か女性かにより
男→Je suis un lycéen.(アン・リセアン)
女→Je suis une lycéenne.(ユヌ・リセエンヌ)
と形が変化する。またフランス語では単語の末尾子音文字は読まないので étudiant は最後の t を読まずに「エテュディアン」と発音するが、これを「エテュディアント」と読んでしまうと、女子学生(étudiante)の意味になってしまう。女の子になりたい男の子?とか思われるかも。
8月初旬、セレンとクロムは花ちゃんに相談した。
「男子寮が新しくなって部屋数増えたのなら、ぼくたち男子寮に戻ってはいけませんか?」
ふたりは既に去勢済みなので「睾丸が無いのなら女子に準じていいよ」
と言って、女子寮の部屋をアサインしていた。この春進学した高校が女子寮からのほうが近いので、男子寮がもう満杯になっていたこともあり、進学を機会に女子寮に移動してきたのである。
「せっかく女子寮に昇格したのに男子寮に出戻りなんて前例が無いが」
「女子寮に来るのって昇格なんですか〜?」
「一般には女の子のほうがたくさん売れるからな」
「女子寮に居るとぼくら“解剖検査”されるんですよ」
「ああ」
「もう女の子になったの?」
「まだだよ。性転換のお許しは親からもらってない。睾丸取っただけ」
「見せて」
「そんな見せるほどのものではない」
「あれ?ショーツに膨らみ無いじゃん。もうちんちん取ったのでは」
「小さいだけで付いてるよぉ」
「どれどれ」
「あ、ほんとに付いてる」
「フェラしてあげようか」
「嫁入り前の娘がそんなことしてはいけない」
「でも摩擦しても大きくならないね」
こらこら、お前ら何やってんだ?
「睾丸が無いと大きくならないよー」
「へー、そういう仕組みなのか」
「パンティまで脱がされるのか」
と花ちゃんは呆れた。
「コロナで遊びに行けなくて、みんなストレス溜まってますし」
「しかし男子寮からは今の高校に通うのは大変だぞ」
「それはあるんですけどね」
「転校する?」
「今の学校は制服が無いから、女子標準服着ててもいいのが気に入ってるんですよねー」
それで結局2人は女子寮の近くにある、本来はスタッフや寮生の家族を一時的に泊めるためのマンション“メゾン・ドゥラ・カデット”に移ってもらうことにした。ATMなどを使ったり、音源制作をするには女子寮に来る必要はあるが、寝る時の安全性!は高まることになる。また最近カデットと女子寮の間の地下通路もできたので利便性は高まっている(カデットに入れるidカードを持ってない限り女子寮からこの通路には入れない)この通路には食事配送のルートも設定されている。
8月13日(日)、常滑真音のネットライブが行われた。会場は白鳩ホールである。CAT SISTERSを従えた舞音は2時間のステージで20種類ほど(CAT SISTERSを入れると150種類くらい)のコスプレをして全国のファンを楽しませてくれた。
前座として薬王みなみが浄瑠璃姫のコスプレで20分ほど歌った。(何かきれいな和服着てたーと言われた!/夕波もえこが義経のコスプレをした)
バックダンスには信濃町ガールズ九州の子たちがエアバスで飛んできて参加した。
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夏の日の想い出・ある所に(5)