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■神様のお陰・高3編(1)

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(c)Eriko Kawaguchi 2012-06-02
 
これは星が生まれる前の前の年、命(めい)と理彩が高校3年の時の物語である。
 
ゴールデンウィークの4月29日から5月3日まで、命(めい)と理彩は兵庫県の温泉地で大手予備校の集中講座を受けて来た。そしてその帰りに阪大のキャンパスを見学して、ふたりとも本当にそこを受けようという気になってきたのである。
 
ふたりが大阪から戻った翌々日の5月7日(土)、命(めい)たちの集落では田植えが始まった。人手が必要なので、集落みんなで協力してやっていく。命(めい)の父は村の中心部にある電器店に勤めており、命(めい)の家では田畑は持っていないのだが、高校生という貴重な労働力を放っておいてくれるはずもなく、あちこちの家の田植えの手伝いに毎年駆り出されていた。それは父が保健所の職員という理彩の場合も同様である。高校を卒業した子がみんな都会に行ってしまう田舎の村で、中高生というのは男女関係無く村の中核戦力なのである。
 
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この集落では毎年田植えを始める時に、独特の「早乙女田植え神事」が行われる。昔はどこでもやっていたような行事らしいのだが、今でもやっている所は珍しいらしく、毎年テレビが取材に来ていた。
 
今年もまずはその田植え神事が行われ、理彩も早乙女として参加するというので、命(めい)もそれを見に行った。
 
理彩を含めて6人の中高生女子が白い早乙女衣装を着て古い田植え器具の前でスタンバイしてる・・・・と思ったら5人しかいない!?
 
「なんで5人しかいないの?」と命(めい)は声を掛けた。
「クーが来てないのよ」と理彩。
 
クー(来海)というのは理彩の従妹の高校1年生である。
 
「何やってんのかなあ、もう」と理彩が言っているが、理彩のお母さんがそばで電話を掛けている。様子を聞いているようだ。
 
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「あらあ・・・・それはお大事に」
などと言っている。
 
「クーちゃん、病気ですか?」と理彩のお母さんに尋ねる。
「だって。本人は行くと言ってたらしいんだけど、出ようとして玄関先で倒れて。熱を計ったら39度あるってんで、今風邪薬飲ませて寝せたところだと」
「ありゃー」
 
「困ったわねえ。誰か代わりの女の子を大急ぎで調達しないと」
とお母さんが言った時、理彩が
「代わりの女の子なら、そこにいるじゃん」と言う。
 
「へ?」と思って命(めい)は理彩と理彩のお母さんを見たが、ふたりとも自分を見つめている。
「まさか・・・・」
「命(めい)ちゃん、早乙女の衣装着たことないよね。着たいよね?」
「ええっと・・・・」
 
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「他の子を調達してたら時間が掛かるもん。その場にいる子は使っちゃえよ」
と理彩。
 
命(めい)は溜息をついた。
「了解。やります」
 
早乙女の衣装を出してもらい、理彩のお母さんのワゴン車の中で着替えさせてもらう。宮司の辛島さんが
「まあ、命(めい)ちゃんなら普通に女の子に見えるし神様も怒らないでしょう」
などと笑顔で言って、お祓いをしてくれた。
 
理彩の隣に行き、田植えの器具を手に持って、神事を始めた。
 

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その日の夕方、命(めい)は理彩の家に行って一緒に勉強していたのだが、居間にいたお母さんから「早乙女神事をテレビでやってるよ」と声が掛かったのでふたりで居間に出て行きテレビを見た。
 
わあ・・・・自分の早乙女姿。。。
「うふふ、可愛いじゃん、命(めい)」と理彩が言う。
「でも理彩の方が可愛いよ」と命(めい)。
「お、ナイスフォロー」と行って理彩が微笑む。
 
テレビはしばらく神事の様子を流したあと、奈良大学の教授が解説をしている。
 
「早乙女という女性が田植えをするというのはひじょうに大きな意味があります。稲作をはじめとする農業というのは植物の生殖により食物を生み出す技術です。そこで生殖の成功を祈願するのに、生殖の主たる担い手である女性が、農作業を行うという必要があるのです。自ら子供を生み出す力のある女性だから米という稲の種子を生み出す稲作の中核作業である田植えをするんですね」
 
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それを聞いて理彩が
「へー。そういう意味があったのか。私はてっきり男は戦に行くから残った女が農作業するのかと思ってた」
などと言う。
 
「それは昔のフェミニズム系の思想家の考え方かもね。民俗学とか最近のペイガニズムとかの考え方では、女性の社会的な役割りは昔から大きかったんだと考えている」と命(めい)は補足した。
 
「子供を産む女だからこそ、種子を付ける稲の植え付けをするのね」
「だとすると、僕の分は悪かったなあ。僕、子供産めないし」
と命(めい)は言ったのだが、理彩は少し考えるようにしてから
 
「いや、命(めい)はその内、子供を産むかも知れん」
などと言った。
「まさか!」
 

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そう。ほんとにその時はまさかと思ったのだが、理彩は後でその時の会話を振り返って「あの時、何か目の前に命(めい)が赤ちゃん抱いて、おっぱいあげているイメージが浮かんじゃったのよねー」などと言っていた。
 
また命(めい)はずっと後で、神様(星の霊的な父:名前は理龍)から
「あの時、僕が現役神様だった訳だけど、早乙女の中にひとり男の子が混じっているのを見て、一瞬眉をひそめたんだよね。でもよく見たら、君の体内に卵子が1個あったので、あ、それなら神事の早乙女として問題なしと思ったんだよ」
などと言っていた。
 
(先代神様:理龍、現役神様:円龍、次代神様:星龍)
 
「どうして卵子が僕の体内にあったの?」
「その卵子は、理彩ちゃん由来のものだよ。あの年の真祭で理彩ちゃんが踊ったでしょ。その時にその卵子は神的に活性化した。もっとも理彩ちゃんは神様と結婚する年の踊り手じゃないから、その神的に活性化した卵子はふつうなら流れてしまって、通常の月経として排出される筈だったんだ。ところが、理彩ちゃんはある特殊な儀式を命(めい)としたんだ。その結果、その神的に活性化した卵子が、命(めい)の体内に移動しちゃったんだな」と理龍は説明する。
 
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「え?いったい何をしたらそんな移動が起きるんですか?」と命(めい)は訊くが
「説明してもいいけど、この話は男の子にしても翌日には忘れちゃうんだ。女の子にだけ記憶される」と理龍は答えた。
「ありゃ」
 
「でも、それは命(めい)が理彩ちゃんを守ろうとして、してあげたことなんだよ」
「へー」
「だから、あの早乙女祭りの時に命(めい)の体内に卵子があったのは、命(めい)と理彩ちゃんの愛の証だね」
 
「はあ・・・・じゃ、もしかして星の遺伝子上の母は実は理彩なんですか?」
「受精するまで1年半命(めい)の体内にあったことで、染色体が一部置換されて、理彩ちゃんの卵子をベースに命(めい)の遺伝子も混ざっている。星は命(めい)と理彩ちゃん、ふたりの子供だよ」
 
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「なんかいいこと聞いた」
 

早乙女祭りの翌週、命(めい)と理彩は進路指導のB先生に呼び出された。先に面談したのは理彩である。
 
「いやいや、前回の面談の時には僕も大学の名前もよく分かってなくて申し訳なかった」とB先生。
「いえ。突然進路指導になっても、なかなか覚えきれませんよねー」
と理彩も微笑んで答える。前回この先生は「阪大」が「大阪大学」の略と知らず「はんだい? 阪神大学か何か?」などと訊いて理彩を唖然とさせたのである。
 
「えっと、第一志望が大阪大学医学科、第二志望が奈良県立医科大学医学科か。お医者さんか看護婦さんになりたいのかな」
 
「えっと。看護婦になるには看護学科ですね。同じ医学部ですが医学科は医師になるためのコースです」
と答えつつ、今は「看護師」と言うんだということ知らないのか?と少し呆れる。
 
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「へー。お医者さんになるんだ。女の子でお医者さんって珍しいね」
「女性の医師はたくさんいますが」
「そうだっけ? で、医学科で4年間勉強すると、医師の資格が取れるの?」
「医学科は6年です」
「え?4年じゃ卒業できないの?」
 
理彩はこの先生と面談するのは時間の無駄のような気がしてきた。
 
「医学科と薬学科は6年です。それから卒業後国家試験に合格しないと医師・薬剤師の資格はとれません」
「へー。その試験に落ちたらどうなるの?」
「合格するまで頑張るか、あるいは他の仕事探すか」
「大変だね」
「医師の場合、医師の資格を取った後、更に最低2年間の研修が必要です」
「わあ、じゃお医者さんになるのに8年かかるんだ」
「そうですね。一応国家試験に通ればもう医師ですから、研修中であっても医療上の制限はありませんが」
 
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「でもそれだと研修が終わったら君26歳だよな。お嫁さんに行かないといけないから、すぐ医者を辞めることになるんじゃない?」
 
こいつセクハラって概念を知らんのか?と理彩はかなり頭にきた。
 
「私は結婚しても医者は辞めませんよ」
「そうなの? でも家庭との両立は大変じゃない?」
「家事は夫と分担してやりますから問題無いです」
「ああ、最近はそういう男性もたまにはいるかも知れないけど、実際にはなかなか、そういう男はいないよ。女性は家事に専念した方が幸せだよ」
 
こいつ殴っちゃろかと思うが、取り敢えず我慢する。
 
「ご心配なく。私は斎藤命(めい)と将来を言い交わしていますし、彼は私が結婚後も医者を続けることを勧めてくれていますし、家事もちゃんと分担してやると言ってくれていますから」
「ああ、斎藤君とそういう関係なんだ!」
 
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「ええ。ずっと前からの恋人ですから。双方の家族にも私たちの仲は公認です」
「へー。じゃデートとかしてるの?」
「よくしてますし、一緒に勉強してますよ。お互いの家に行って」
「家で? でも個室に若い男女が一緒に居ると誤解を招くよ」
 
ほんっとにこいつは・・・・・
 
「ええ。ですから双方の家族公認なので、キスしようがセックスしようが自由です。セックスの時はちゃんと避妊するようにというのだけ言われています」
「ああ、そうだったんだ。ちゃんと避妊してる?」
「ええ。彼ちゃんといつも付けてくれてますよ」
 

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面談を終えて教室に戻ってきた理彩は、命(めい)の肩をトントンと叩き「命(めい)の番よ」と言ってから、いきなり命(めい)を殴った。
 
「何するの?」
「B先生を殴りたかったけど我慢した。代わりに命(めい)を殴った」
「もう」
「私と命(めい)、もう結婚してるも同然ってことになってるから、よろしく」
「はあ?」
 
命(めい)は、全くどういう話になってるんだろ?などと思いながら面談室に入る。
 
「君は第一志望が大阪大学理学部、第二志望が奈良女子大学理学部。理学部ってそこ出たら何になるの?」
 
命(めい)は冗談で第二志望に奈良女子大学と書いたのに、そこには突っ込まれないので拍子抜けする思いであった。
 
「そうですね。企業の研究所などに勤めたり、システムエンジニアなどになったり、学校の先生になる人もいます」
「君は何になるつもり?」
「高校か予備校かの教師というのを考えています」
「おお、凄いね」
 
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「そういえば医学部って6年なんだってね。全然知らなかったよ。理学部は4年でいいんだっけ?」
 
ああ、理彩が先生を殴りたくなったというのがよく分かる、と命(めい)は思った。『医学部』でも看護学科は4年なんだけどなあ。。。たぶん理彩は『医学科』と言ったんだと思うけど、などと思いながら話をする。
 
「一応4年ですが、理学部の卒業生は大半が大学院に進学します。結果的には6年行くようなものですね」
「へー。大学院って2年?」
「修士課程が2年です。博士課程まで行くと5年掛かります」
「ひゃー、そんなに長く行くと、就職するまでにけっこうな年になるね」
「そうですね。一度も浪人留年しなくても、修士課程を出た時に24歳ですから」
 
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「じゃ、結婚するのも、その後2-3年経ってからになるのかな」
「そうですね。でも私は結婚相手はもう決まっているので問題ありません」
「ああ、君、奥田理彩と既に同棲してるんだってね」
 
何〜?それは初耳だ!と命(めい)は思い、おかしくて笑いたくなるのを我慢した。
 
「理彩とは子供の頃から言い交わした仲ですから」
「そういう関係を親も認めているならいいけど、高校卒業するまでは君、妊娠しないように気をつけろよ」
「そうですね、私自身は妊娠しないと思いますが」
「いや、その妊娠しないという自信はよくないぞ。確実に避妊して」
「はい、性交する場合はちゃんと避妊していますので」
 

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神様のお陰・高3編(1)

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