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■娘たちの1200(8)

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「ただいま戻りました」
「おお、もう帰ってきたか」
「ニポポ人形です。5個買ってきたので、1個は室田さんに、1個はYさんに」
と言って、網走で買ったニポポ人形を2つ渡す。
 
「ありがとう。さっきまでそのYも居たんだよ」
と彼は言う。
「ちょうど入れ違いになっちゃったね」
とマスターも言っている。
 
「じゃその内」
 
「でも大変だったでしょ?」
「これが北海道で使用したバイクですよ」
 
と言って特製バイクの写真を見せる。
 
「これが?何かこのバイク凄いね!」
 
「結局冬の雪道を走るにはスパイクタイヤが必要なんですが、スパイクタイヤは125cc以下のバイクにしか許可されないから、110ccにしたんです。これは雪上走行能力に定評がある、郵便配達のバイクSuper Cub MD90 をエンジンを110ccにボアアップしてターボも取り付け、燃料タンクも6Lのを取り付けて、それでスパイクタイヤを装着したものなんですよ。それでも日勝峠ではチェーンを使いました」
 
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「チェーンが要るだろうね!」
 

「125cc程度のパワーがあれば日勝峠は越せるというので、何人か経験者の方のお話も聞いたんですが、冬だし不安だなと言ってターボを付けたんですよね〜」
「よくターボのバイクとか使うなあ。俺はそちらが恐い。独特の癖があるでしょ?」
「このバイクはプログラムもいじってあるので、立ち上がりが早いんですけど、普通は立ち上がりが遅いしブレーキも利きにくいと言いますね」
「それそれ」
 
「普通の人は250cc以上にした方がいいですよ。これはテレビで公開されるから250ccにスパイク付けて走行したと言ったらクレームが押し寄せるので、仕方なく110ccにしたんですけど」
 
「今は何か嫌な時代だね。みんな心の余裕を無くしていると思う」
と室田さんは言っていた。
 
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「雨宮先生からこの冬に北海道の道を走ってもらうよと夏頃言われたんで、北海道のバイク好きの友人に頼んで1台マシンを改造してもらったんですよね」
 
「ねぇねぇ、その改造の詳しいこと聞きたい」
 
「じゃ友人に連絡しておきますよ。北海道以外では使えないバイクだから、こちらには持って来られないので。お時間の取れる時に実際に旭川に行って実物をご覧になった方がよいかも」
 
「そうしよう」
 
結局彼は北海道まで行き、《こうちゃん》から実物を見せてもらい、実際に走行してみて感激し、このバイク譲ってくれない?と言ったらしいが、色々“怪しい改造”をしているので、さすがに他の人には渡せない。それでもう一台、同様のスペックのバイクを作って渡すことにした。
 
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その際、エンジンは素直に250ccに換装した。結果的にアスファルトやコンクリートの路面は走れないことになる。タイヤを交換すれば走れるが、交換したタイヤをどこに置く!?という話になる。四輪なら荷室に乗せればいいのだが、バイクではそんなものを収納できる場所は無い。
 
なお千里が乗ったカブが“砕駆ロン”、室田さんに売ったバイクは“針ケーン”と《こうちゃん》は言っていた。
 

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千里は1月16日夜に室田さんと会った後は、横須賀のホテルに1泊し、17日朝にZZR-1400を運転して千葉に戻った。
 
この行程が98kmである。その前に大阪から横須賀まで10日の昼間に走った距離が510kmあるので、これも加えると今回の旅は合計2562km(1592mile)ということになった(その内ZZR-1400は1770km=1100 mile)。
 
この旅に出る前にこのバイクで走っていた距離は日々の練習で800km、房総半島一周が230km、遠刈田温泉と国道459号の旅が900km、千葉→大阪が540kmで合計約2500km程度走っている。今回の旅は単独でこれまでの走行距離に相当する大きな旅となった。
 
1月17日は午前中は寝ていたが、午後、宝石店から婚約指輪の内側に刻む絵と文字の図案ができているという連絡があったので、見に行った(貴司は任せると言っていた)。実際の18金の指輪に刻印した様子をシミュレーターで見てOKを出した。それで作業を進めてもらう。
 
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1月16日、青葉は母と一緒に射水市に新しくできた病院を訪れた。昨年青葉のGID診断書を書いてくれた鞠村先生、婦人科の増田先生、泌尿器科の前川先生、そして外科の松井先生の診断を受ける(むしろほぼおしゃべり)。それで正式には倫理委員会の決定を経てからになるが、青葉は15歳の誕生日を過ぎたあと、7月くらいにこの病院で性転換手術を受けさせてもらえることになった。その倫理委員会の許可が下りた時点でアメリカのX病院の方はキャンセルすることにする(実際には申し込みも15歳になった後ということだったので、まだ申し込んでいる訳ではないが青葉が電話してそのことを伝え、謝った)。
 
松井は「男の娘のおちんちんを切って女の子に変えてあげるの大好き」とか「手術でちんちん切り落とす時は興奮して濡れちゃう」などと発言する、ちょっと危ない感じの先生だった。アメリカでは「おちんちんを120本切り落とした」などとも言っていた。自分でちんちんを切断してしまい救急搬送されてきた小学生をちゃんと女の子の形にしてあげたこともあるらしい。
 
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「以前盲腸で入院してきたMTFの高校生がいてね。盲腸のついでにおちんちんまで切ってあげたかったけど、我慢した」
 
などと言っているし(ちんちんを切るのは我慢したが、本人の懇願によって?タマタマは取っちゃったらしい)、鼠径ヘルニアの20歳のMTFさんの睾丸をその付近を手術するついでに?除去してあげたこともあるらしい。
 
「本物の睾丸を除去してダミーのシリコンボール入れる手術は数百件した。本人が言わない限りばれないもんね。手術は30分で終わるし料金は学生割引1000ドルにしてたし、男性化を止める確実な手術だよ」
 
などともいう。どうもニュアンス的に中高生の内緒の去勢手術っぽい。
 
更には青葉はこんなことまで言われた。
 
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「青葉ちゃん、何なら今すぐちんちん切ってあげようか?書類上、夏休みに手術したことにしておけばいいじゃん」
 
これはさすがに鞠村先生から注意されていたが、青葉は「今すぐ切ってあげようか」と言われて、かなりドキドキした。
 

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「でも7月に手術ということになると、千里ちゃんと同じような時期になるかもね」
と帰り道、朋子は青葉に言った。
 
「うん。向こうが1週間くらいでも早いといいんだけどな。そしたら手術後のヒーリングをしてあげられるから」
「無理しちゃダメよ」
「うん」
 

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1月18日。千里は朝からインプレッサに乗ると東名/伊勢湾岸道/東名阪/名阪/R24/R370/R480/R371、更に県道?/林道??/私道???と怪しげな道を走って、高野山★★院まで行った。
 
到着したのはもう夜22時すぎである。
 
千里は何も連絡していなかったのだが、千里が到着した時には瞬醒さんが玄関の所に立っていて
 
「瞬里ちゃん、お疲れさん」
と言ってくれるのはさすがである。
 
「これを出羽山の守り人から瞬嶽師匠にと預かりました」
と言ってビニール袋に包んだ数珠を渡す。
 
「なんか凄いものだね、これは」
「春になってからでいいので、渡して頂けますか」
「OKOK」
と言って受け取ってから
 
「観音経が聞こえるね」
と言う。
 
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「この数珠の持ち主がたぶん亡くなる時にずっと観音経を唱えていたのではないでしょうか」
「もしかして震災で亡くなった?」
「どうもそのようですね。亡くなる時に願を掛けたみたいです」
 
その時、瞬醒はハッとしたようにして言った。
 
「俺は・・・・この数珠の珠を全て、然るべき人たちに配り終えるまで死ねない」
「良かったですね。これであと6年くらい生き延びられますよ」
 
「あんた俺の寿命を・・・」
「少なくとも師匠より先に死んではいけません」
「・・・・・」
「医者から勧められている手術受けた方がいいです」
「分かった・・・・でも君、何者?」
 
千里は「あれ〜〜?」と思いながら言った。
 
「今、私、変じゃありませんでした?」
「何か降りてきていたのか!?」
 
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「そうみたいです。私、よくこれがあるんですよ」
と千里は困惑した顔で言った。
 
「でもひとつだけ」
「うん?」
「手術を終えて退院したら、玉置に一度おいでになってください」
「分かった」
 
「と言われた気がしたんですが、何の手術を受けられるんですか?」
と千里は訊いた。
 
瞬醒は苦笑しながら答えた。
「諸悪の根源を取り除くんだな」
 
「魔羅ですか?」
「あんた凄いこと言うな」
「青葉は今年の夏に魔羅を取り除くようですが」
「ああ、あの子はそれで清浄になるだろうね」
 
お茶と菓子を持ってきてくれた若い修行僧が不安そうな顔をしていた。
 
「大丈夫だよ。君たちに魔羅を取れとは言わないから」
と瞬醒は念のため言っておいた。
 
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「でも昔は羅切とかした人もあるんでしょう?」
「まあ希望する人には医者を紹介するが」
「希望しません!」
 
「現代でもあるんですか?」
「自分で切ったら死ぬから、切りたかったら病院で切ってもらいなさいと指導している、と瞬嶺は言ってたな」
「美容整形の一種ですかね?」
「昔は優生保護法で禁止されてたから陰茎癌の名目で切ってたみたいだよ」
 
「ああ。私の中学時代の友人が陰茎腫瘍でちんちん切りましたよ」
と千里は言う。
 
「ちんちん取っちゃったの?」
「最初に掛かった医者は全部取りましょうと言ったのですがセカンドオピニオンで別の医者に診せたら、腫瘍の部分だけ切って、前後をマイクロサージャリーで繋ぎ合わせる手術をしてくれたんですよ」
「良かったね!」
「まだ中学生なのにちんちん失ったら辛いでしょうし」
「いや70過ぎてもちんこ無くすのは辛い」
「あ、そういうものですか?」
 
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「で、結局、瞬醒さん、ちんちん取るんですか?」
「取らねぇよ!俺は胃癌だよ!」
「ああ、そちらでしたか」
 

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千里はこの夜は★★院に泊めてもらい、翌19日には大阪に寄ってから20日に1日掛けて千葉に戻った。
 
1月23-24日(月火)にはクロスロードのメンツで再度伊豆に行き、また温泉を貸し切って一緒に女湯に入り、そのあと前回は食べることのできなかったキンメダイを食べた。
 
今回参加したのは11人である。
 
桃香・千里・美緒・紙屋清紀、和実・淳、冬子・政子、あきら・小夜子・みなみ
 
胡桃は美容室の開店準備が忙しくて欠席。青葉・春奈は平日で学校があるので欠席である。3人減るので誰か誘う?などと大学で桃香と“千里”が話してたら、
「温泉?行く行く」
と美緒が言い、近くに居た紙屋にも
「清紀も行くよね?」
と言って、本人は何のことか分からないまま参加登録してしまった。
 
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紙屋は温泉で女湯に入ると聞いて仰天したようだが、周囲は女ばかりと聞いて
「だったら問題無いか」
と言ったらしい。
 

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彼はふだん銭湯の男湯に入るが、実は裸の男ばかりの所にいると、誰かに押し倒されないだろうかと妄想してしまい、すごく居心地が悪いらしい。彼は髪はかなり女性的な髪型だし(美容室で「岸本セシルさんみたいな髪型にして」と頼むらしい)、足のむだ毛はきれいに脱毛済みだし、バストは無いものの腰のくびれ具合とかが女性体型なので、男湯にいると結構ギョっとされるらしい。ちなみに女湯に入ったことは(幼稚園の頃を除けば)無いと本人は言っていた。
 
今回は貸切なので男の身体のまま女湯に入っても問題無いのだが“マナー上の問題”でタックをしてもらった(おっぱいが無いのは勘弁してあげた)。タックは毛を自分で全部剃ってもらった上で、接着剤方式で千里がしてあげたのだが
 
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「凄い!まるでちんちんが無くなったみたい」
と言って嬉しがって?いる感じだった。
 
あまり嬉しそうなので
「ちんちん無くしたいならお医者さん紹介しようか?費用は分割払いもできるよ」
と聞くと
「無くしたくはない」
と言っていた。
 
「でもセックスでは使わないんでしょ?」
「使わなくても無いのは困る」
「よく分からないなあ。タマタマだけでも取る?」
「いやだ」
 

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むろん部屋は美緒と同室で一緒の布団に寝たようであるし、美緒が男役、紙屋が女役だったようである。紙屋はその後、一週間くらいタックをしたままだったらしいが、(美緒に強引に連れて行かれた)スーパー銭湯でお股に何も無いのを見られて仰天され「病気で取ったんです」と言い訳したらしい。
 
ちなみに紙屋は女湯に美緒が連行しようとしたが逃げだし、男湯の脱衣場で従業員さんに見とがめられたものの胸が無いのを確認してもらって男湯に入ったらしい。
 
「でも次あそこに行けないよお」
と紙屋は言ったが
 
「次もタックして行けばいい」
と美緒から言われ、悩んでいたらしい。
 
「ちなみにおっぱい大きくしたら女湯にいつでも入れる」
「ボクはおっぱいの大きな男の娘とするのが理想だから、自分におっぱいがあっても、どうしようもない」
 
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そんなことを言いつつ、美緒が自分の胸に触らせると、羨ましそうにしていたらしい。
 
「女性ホルモンの注射してくれる病院知ってるけど」
「要らない!」
「既に錠剤で飲んでるんだっけ?」
「飲んでない」
「だって私が触ってもあまり大きくならないよ」
「だからボクはゲイだから、女の子に触られても気持ち良くないんだよ」
「男の子の身体って複雑だね」
 
 
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