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■女の子たちのお勉強タイム(8)

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その後千里は先生の情事を邪魔した罰などと言われて、今夜一緒に夜を過ごしている恋人を電話口に出させて刺激的な言葉をしゃべらせる。千里はそれをずっと聞いていろと言われた。どうも先生が予め用意していた台本を読ませているようだ。
 
「私は今まで男の子でしたが、これからは女の子になります」
「I have been a boy until now, but I will be a girl from now」
「I was male when I was born, but I will be female for the rest of my life」
「I have been sorrowful being a man, but I will be happy being a woman」
「私はこれまで母の息子でしたが、これからは娘になります」
「私はこれまで姉の弟でしたが、これからは妹になります」
「私はこれまで弟の兄でしたが、これからは姉になります」
 
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うーん。母はもう私を娘と思ってくれているし、妹も私を姉と思ってくれているけど父はまだ息子と思っているんだよなあ。
 
「来週私はおちんちんとタマタマを取って、割れ目ちゃんとヴァギナを作って女に生まれ変わります」
「私のお股には突起物がありますが、来週には無くなってスッキリしたお股になります」
「私はこれまで立っておしっこをしていましたが、来週からは座ってしかおしっこできなくなります」
 
うん。お股はスッキリしている方がいいよ。あそこにぶらぶらするものが付いているなんて悪夢!
 
「私はこれまで背広を着て会社に行っていましたが、年明けからはスカートを穿いて出社します」
「私はこれまでプールで海水パンツを穿いていましたが、今度からはビキニの水着を着ることになります」
「私はこれまで男湯に入っていましたが、年明けからは女湯に入ります」
 
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この人、今男性として生活してるの〜? おっぱいまだ大きくしてなかった訳?しかし男性社員と思われていた人が突然スカート穿いて出社して大丈夫か???
 
「私のおちんちんが大きくなるのはこれが最後です。来週にはもう大きくなるようなものは私の身体からは無くなります」
「私はこれまでセックスで入れる側でしたが、これからは入れられる側になります」
「私はこれまで手で掴んでオナニーしていましたが、これからは指で押さえてオナニーすることになります」
 
こんなのずっと聞いていたら、こちらまで変な気分になってしまう! えーん。貴司、私今貴司としたいよぉ。
 
もっともそんな妖しい通話は列車が青函トンネルに突入して切れてしまった。
 
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向こうは多分それから、きっとこのあとたくさん言葉責めをして熱い夜を過ごすのだろうが、付き合わされたこちらは精神状態が宙ぶらりんである。ちょっとぉ。この気持ちどうしたらいいのさ?
 
そんなことを思っていたら、呆れたように《いんちゃん》が
『千里もオナニーしちゃったら? 生娘でもあるまいし。トイレに行ってしてきなよ』
 
などと言った。
 

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千里は北海道に上陸したあたりから札幌駅に着く直前まで寝ていた。スーパーカムイに父と一緒に乗り継ぐが、父は深川で降りて留萌線に乗り換えた。千里は旭川駅まで乗り、駅からタクシーでアパートに戻る。そして美輪子が洗濯してくれていた体操服を持って練習に出ていった。それで千里が練習を休んだのは金曜日1日だけである。昨日のシューター組の練習は、南野コーチが見てくれていたらしい。
 
千里は土日もたっぷり練習をし、シューター組の指導もした。この時期はフォワード組vsシューター組の試合も毎日20分ほどやった。フォワード組はゴール近くからのシュートしかしない、シューター組はスリーしか撃たないという勝負である。これで結里や昭子にしても、ソフィアや晴鹿にしても、かなり実践的なマッチングを鍛えられた。
 
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12月12日(金)。
 
お昼にH教育大旭川校の推薦入学の分の合格発表があり、暢子も留実子も合格していた。これで2人は来春からはまたチームメイトとしてバスケットに情熱を燃やすことになった。
 
そしてこれで教頭先生から課された課題は4人の内3人クリアである。千里が万一□□大学医学部に落ちても、来年も3年生を3人まで限定でウィンターカップに出すことが認められることになった。しかし千里としては、ここまで来たらちゃんと全員合格で教頭先生の課題をクリアしたいと思った。特に千里は入学以来教頭先生には何かと目を掛けてもらい、配慮してもらってきた恩を感じている。
 
そしてこの日は晴鹿と絵津子の交換留学最終日であった。
 
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この日はシューター教室の生徒全員に練習用ゴールを1つずつ使わせてスリーを各自150本撃ってもらった。1年生6人(可穂子・一恵・紫苑・鶴代・亮子・安純美)に計数係兼ボールを返す係をしてもらったが、彼女たちはシューター教室の生徒たちがみんなぽんぽんスリーを放り込むのを半分呆れるように見ていた。
 
(計数は予め印刷しておいた150個のマス目のある紙に○か×かを記入していきあとで○を数える方式であるが、実際にはみんな×を数えたほうが早かった)
 
結果は、結里105本、昭子114本、ソフィア102本、智加88本といったところで、今回の講座を始めた時のレベルからするとそれぞれ進化しているが、特に結里がかなり進歩し、ソフィアがそれに負けじと頑張った雰囲気の数字になった。
 
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そして晴鹿は134本と、ほぼ9割入れることができた。
 
「晴鹿ちゃん、だいぶ進歩したね」
と千里は褒める。
 
「おかげさまで。毎日ロードを走ったので、やはり下半身が凄くしっかりした感じがします」
「この感触を忘れないように頑張ってね。ウィンターカップのスリーポイント女王を争おうよ」
と千里は言ったが
 
「来年狙います」
と晴鹿は言った。
 
「いや、千里さんは凄まじすぎます」
とソフィアも言う。
「私、計数する必要が無かったです」
と千里の計数係をしてくれた紫苑も言う。
 
千里は150本中149本入れたのである。わずか1回、127回目のシュートがリングを回ったものの外にこぼれてしまったのみである。
 
「まあフリーで撃ったら本当は全部入れなきゃいけないんだけどね」
と千里は笑って言った。
 
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最後に実戦形式で試合をした。
 
A 雪子/千里/薫/暢子/留実子
B 不二子/晴鹿/ソフィア/揚羽/リリカ/
 
という組分けで、志緒が「第1レギュラー対第2レギュラーですね」と言った。どちらもスターターを任せられる強烈なメンバーである。
 
雪子−不二子、千里−晴鹿、薫−ソフィア、暢子−揚羽が各々本気でマッチングして、激しい勝負になった。
 
試合は上級生の貫禄でAチームが勝ったものの、最後はどちらも精根尽き果てた感じであった。晴鹿は千里のシュートをかなり叩き落としたし、何度か美事に千里からスティールも決めた。
 
練習が終わった後、一応参加できる人だけということにして、女子寮の食堂でジンギスカン(晴鹿の希望による)を食べて打ち上げとした。女子寮を使ったのは、疲れて眠くなった人は(寮生以外も)適当な部屋に入って寝ていいという趣旨である。実際空いている部屋いくつかに布団をたくさん置いておいた。
 
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女子寮で男子禁制ではあるのだが、特例で宇田先生・白石コーチ・教頭先生も入ってこの1ヶ月の晴鹿の頑張りをねぎらった。
 
なお、打ち上げが終わった後、女子寮のお風呂で「打ち上げ第2弾」が行われたらしいが、千里は帰ったので様子は聞いていない。しかし昭子は「まあまあ」と言われて女子寮のお風呂に一緒に入ってから帰宅したようである。
 

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晴鹿は土曜日は同学年の不二子・ソフィアに案内されて旭川の観光をした上で(でも土曜日も日曜午前中も自主的に練習していたようである)日曜日15:10のセントレア行き飛行機で帰ることになる。旭川空港とセントレアとの便は1日1往復で、14:35にセントレアからの便が着いて、それが折り返しセントレア行きになる。そのセントレアから来た便で絵津子が1ヶ月間の留学から戻って来た。
 
絵津子が荷物を受け取って出てきたのは14:50すぎで、晴鹿が手荷物検査場に入って行ったのは14:30くらいなので、ふたりは顔を合わせていない。暢子たちも、晴鹿を見送ってから、絵津子を迎える形になった(留学開始の時も絵津子を見送った後で晴鹿を迎えた)。
 
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「あれ?髪が少し伸びた?」
とみんなが指摘する。
 
「また丸刈りしようかなとも思ったんですけど、お母さんが可哀想だからやめときなよと言われて放置です。取り敢えずウィンターカップが終わるまでは伸ばそうかな」
と絵津子。
 
「うん。女子の丸刈りは校則違反かもという説があるから」
「ああ、千里も1年生の時、随分生徒指導の先生から注意されていたね」
「へー。千里さんも丸刈りにしてたんですか?」
「この子、自分は男だと主張して丸刈りにしてたけど、みんな君は女だろうと言って伸ばさせた」
「なるほどー」
 

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一方千里はこの日の晴鹿の見送り・絵津子のお迎えはパスさせてもらった。午前中に、朱雀で汗を流していた晴鹿と最後の1on1をした後で、ウィンターカップでの健闘を誓い合って別れる。そして、お昼過ぎから市民オーケストラの公演に出て行った。これが千里にとってはこのオーケストラでの最後の活動ということになる。
 
12月なので前半はクリスマスっぽい曲を随分演奏した。アデステ・フィデレス、ホワイトクリスマスで今日多い中高生の客の関心を引いた上で、主よ人の望みよ喜びよ、アルビノーニのアダージョ、ヘンデルのメサイア、くるみ割り人形から行進曲・金平糖の踊り・花のワルツ。
 
後半のトップに千里の木製フルートをフィーチャーしたメルカダンテのフルート協奏曲《ロシア風ロンド》を演奏する。クラシックに疎い人にも割とメロディとしてはなじみのある曲なので、あまり睡眠客を作らずに無事終えることができた。
 
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そのあと千里は金属フルートに持ち替えて、今回この曲のためだけに特別に出演をお願いしたDRKの仲間・L女子高の布留子と布浦さんと3人でパッヘルベルのカノンのフルート・バージョンを演奏した。本来はヴァイオリンの三重奏で演奏する曲である。
 
最後は友情出演してくれたA大学の混声合唱団の人たちと一緒にベートーヴェンの第九交響曲第四楽章を演奏して公演を終えた。
 

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「この拍手はアンコールだよ」
「誰か出ていこう」
「誰が行くの〜?」
 
「そりゃ千里だな。最後の出番」
「え〜?」
 
「千里龍笛吹いてもいいよ」
「じゃ、例の曲を吹きます」
 
それで千里はひとりで出て行き龍笛で『アクア・ウィタエ』を演奏した。例によって落雷付きである。これにはまた凄い拍手が起きる。
 
「再度アンコールのようだ」
「どなたかお願いします」
「ここはフルート三人娘で」
 
「私、娘じゃなくて主婦だけど」
と布浦さん。
「千里も実は結婚している」
などと浅谷さん。もう!!
「一応私は未婚かな」
と布留子。
 
ともかくもその3人で出て行く。布浦さんがアルト・フルートを持つ。千里と布留子でメインメロディーを担当して『グノーのアヴェマリア』を演奏した。
 
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「グノーのアヴェマリア」とも「バッハのアヴェマリア」とも呼ばれる作品であるが、元々バッハの平均律クラヴィーア曲集の中の曲にグノーが主旋律を加えて作った作品である。これもクリスマスにふさわしい、美しい作品だ。
 
演奏は美しく終止し、大きな拍手が沸き起こった。
 

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終わった後は、千里の他にも数人今年いっぱいで辞める人がいたので送別会を兼ねた食事会をした。布留子も同行する。
 
「じゃ今回送られる3人とゲストの大波さんの分はタダということで」
とリーダー格の人が言っていた。
 
「千里ちゃん、東京の方の大学に行ってもオーケストラ活動続ける?」
とクラリネットの人から訊かれる。
 
「いやさすがに引退です。そもそも大した腕じゃないし」
「いや、千里ちゃんは充分うまいよ」
 
「千里さん、大学に入ったらバスケットに専念でしょ?」
と布留子が言う。
 
「うーん。そもそもインターハイで引退するつもりだったのを国体、アジア選手権、ウィンターカップと引退延期してきたから、さすがにウィンターカップで私のバスケ人生は終了かな」
と千里は言うが
 
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「いや、千里さんの実力で、それは許されない」
などと布留子は言う。
 
「そもそも来年のU19世界選手権に招集されるでしょ?」
「うーん。国外逃亡でもしようかな」
 
「千里ならきっと世界の裏側に行っていても、ちゃんと代表に顔を並べている気がするね」
などと美輪子は言っていた。
 

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「そういえばN高校に凄いシューターが成長しつつあるという噂もあるんだけど」
と布留子。
 
おそらく晴鹿のプレイを偶然目撃した誰かが「なんか凄い人居る」と噂を立てたのだろう。彼女はL女子高やM高校との普段の練習試合は見学だけにしてコートには立たせていない。
 
「最近伸びてきたのはシューター組では昭ちゃんかなあ。結里は伸びそうで伸びきれないんだよ。実はウィンターカップの代表枠からも漏れてしまったんだ」
 
「あらら。でも昭ちゃんは出場資格無いんでしょ?」
「まだ身体が男性だから」
「性転換する気は無いの?」
「ご両親からは手術するのは高校を卒業した後にしなさいと言われているらしいんだよ」
「まあ、それが常識的かもね」
「うん。私は非常識」
「じゃ、昭ちゃんが女子選手になるのは高校を卒業して2年経過して3年後くらいになるのかな」
「たぶんそんな感じだろうね。その前に高校出たら多分速攻で去勢するだろうから、地区大会とかには限定的に出してもらえるかも」
 
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「え?あの子、去勢は済んでいるよね」
「取り敢えず本人は否定している」
「だってお風呂で見ても付いてないじゃん」
「ね?」
 
と言いつつも、タックのことは説明しなかった。あまり知られると自分もちょっとやばい感じはある。本来はタックしていても男性器がまだ付いている人が女湯に入ってはいけないのだ。
 
「診断書取っておいた方がいいんじゃないの?」
「うん。それは本当にそうだ。ちょっと本人に再度強く言ってみようかな」
 
 
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