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■女の子たちのベビー製造(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2014-07-13
 
2007年4月。千里は高2になった。
 
1年生の時のクラス分けは、1−3組が福祉・ビジネス・情報・外国語・音楽コース、4−6組が進学・特進コースという単純なものだったが(それプラス芸術の科目選択でクラス分けされていた)、2年ではもう少し細かく分けられる。
 
1組が福祉、2組がビジネス・外国語、3組が情報・音楽、4組が進学の文系、5組が進学・特進の文系、6組が進学・特進の理系となる。但し1組は女子クラスなので、福祉コースの男子は2組に組み込まれる。進路を優先した結果各クラスの人数が30〜50人程度に幅が出ている(教室は50個の机を並べても充分な余裕がある広さである)。
 
千里の友人たち、というよりDRK(Dawn River Kittens)のメンバーの中では、音楽コースの麻里愛は1年の時と同様に3組で、文系志望の智代・花野子・恵香・留実子が5組、理系志望の蓮菜・鮎奈・京子・鳴美・梨乃が6組となった。千里も理学部志望なので6組である。
 
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孝子は法学部を狙っているので本来は文系なのだが、理系クラスの方がレベルが高いので2年の段階では薬学部志望という「仮の志望」を提示して6組に組み込まれた。3年進級の時点で「文転」する予定である。留実子は昨年は旭川医大の看護学科と言っていたのだが、自分には看護婦無理かもと言って、北海道教育大の旭川校に志望変更し、文系の5組に入った。体育の先生を目指すということである。
 
「るみちゃん体育の先生は似合うかも」
「考えてみたらさ、ボクって荒っぽいから患者5〜6人殺しそうな気がするんだよね」
「腕力あるからなかなか言うこと聞かない困った患者を担当させられたりして」
「うん。それで暴れる患者を殴って死なせて訴えられたりとかしそうだもん」
と本人は言っていた。
 
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理系志望の子が集まった6組はやはり女子が少ない。35人の生徒の内、24人が男子で残る11人が女子なのだが、その内DRKのメンバーが7人であった。
 
「特進組は補習補習で忙しいのに、あんたたちよくバンドとかまでやるね〜」
と、梨乃と以前から親しかった芳香が言うが
 
「まあ練習は週に1回だからね」
と蓮菜は答える。
 
「その練習の出席率もだいたい半分以下だよね」
「こないだは私と花野子の2人だけで練習したよ」
「去年全員揃ったのってCD制作の時だけ」
 
「ところで先生が女子11人って言ってたけど、女子制服を着ているのは10人だけだね」
「千里が女子のくせに男子制服を着てるんだもん」
「頭は丸刈りにしてるし」
「いいかげん千里は女子としての自覚を持つべき」
「生徒手帳にも女と印刷されているし、バスケット協会の登録証も女子のIDだし、女子バスケ部の部員だし」
「体育も女子と一緒だし、女子トイレに女子更衣室を使っているし」
「それで男だったら、重大犯罪者」
 
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千里たちの高校は1学年6組で、各学年とも1組が女子クラスなので、体育は2組と3組、4組と5組が合同し、各々男女に分かれてやっている。そうすると6組が余ってしまう。それで1年生では6組はだいたい男女とも単独でやったり、サッカーなどの種目に関しては男子vs女子でやったりしていた。
 
しかし2年・3年の6組は進学・特進組の理系で、女子が少ないので体育については2年6組と3年6組女子の合同授業になっていた。合同授業になると当然更衣室でも一緒になる。
 
最初、千里が男子制服を着たまま女子更衣室に入ってきたので、一瞬
「きゃっ」
などと悲鳴をあげられるが
 
「すみませーん。この子、事情があって男子制服を着てますが、確かに女子ですから」
とそばに付いていた蓮菜が言って収まる。
 
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「びっくりしたー」
「でもなんで男子制服なんか着てるの?」
「髪は異様に短いし?」
 
千里の生態は同学年の女子には知れ渡っているものの、1学年上までは情報が浸透していなかったようであった。
 
「なんか本人は男だって主張してるんですけどね」
「どう見ても女にしか見えないので、昨年末に医学的検査を受けさせられて、やはり女子であることが確定しています」
 
「へー。でも丸刈り頭でも、女子にしか見えないよ」
などと3年生に言われる。
 
そして千里が制服の上下にブラウスまで脱ぐと
「なーんだ、男子を主張するというのに女子下着をつけてるじゃん」
と言われる。
「そうなんですよねー。全然徹底してませんよね」
と鮎奈。
 
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そして3年生の数人が千里に寄って見て
「ちゃんとおっぱいもあるし、ウェストもくびれてるし、やはりどう見ても女の子だよね」
「これ、わざわざ医学的検査を受けさせる必要もなかったのでは」
などと言う。
 
「ちんちんは付いてないんでしょ?」
「付いてたら、そのショーツに盛り上がりができるはずで、そんなのが見られないってことは付いてないはず」
「昨年末の検査では内診台にも乗せられたらしいですから間違い無いです」
「この子、生理用品入れを持ち歩いてるから、生理もあるはず」
 
「もしかして、男の子になりたい女の子?」
「それなら男の子下着をつけると思うんですよねー。この子、女の子下着しか着ないというから」
「一説によると、女の子になりたい女の子らしいです」
「よく分からない」
 
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ということで、千里は男子制服を着たがる、変な女の子ということにされてしまった。
 
なお、この2年生の体育の時間、千里はだいたい蓮菜か鮎奈と組んで柔軟体操をしていた。
 

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新学期始まって最初の週には、2-3年生の身体測定と内科検診が行われる。千里は今年はさすがに最初から何も抵抗せずに、ふつうに他の女子と一緒にこれを受けた。
 
「身長166.9cm」
「体重55.1kg」
 
保健委員の梨乃が記録してくれるそばで見ていた保健室の山本先生は
 
「千里ちゃん、ギリギリ、痩せすぎ体重ではなくなってるね。まあ本当はこの身長だと55.7kgが《美容体重》なんだけどね」
と言った。
 
「最近、練習で筋肉付いているし、頑張ってお肉も食べているので」
「うんうん。でももう少し体重付けてもいいからね。この身長の標準体重は61.2kgだから」
と先生。
 
「道大会、そして出場できたらインターハイに向けてもう少し筋肉付けるかも知れません」
「うん、頑張って。千里ちゃんは睾丸無いんだから、筋肉つく場合も女の子の付き方になるから、心配することないよ」
「あはは、そうですね」
 
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ちなみにこの日、千里はショートヘアのウィッグを付けている。そのウィッグが実は300gほどある。また、身長を測る時に千里はきちんと背筋を伸ばさず、膝も少し緩めにして身長計に乗っているので、実際の身長より低めに出ている。
 

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内科検診では上半身裸になってお医者さんの診察を受ける。昨年は「胸の発達が遅れているみたいだけど」と言われたのだが、今年は何も言われなかった。胸と背中に聴診器を当てられ「はい、OKです」ということになった。
 
それで後から
「千里、今年は胸の発達のこと言われなかったね」
と鮎奈からも言われた。(鮎奈と千里は出席番号が続きである)
 
「ちょっとバスト測ってみよう」
などと言われて、女子の後男子が検診に行っている間に制服とブラウスを脱がされ、ブラも外されてメジャーで測られる。結果的に6組女子全員に生バストを曝すことになった。初めて千里の上半身ヌードを見た子たちが「へー」という顔をしている。
 
「アンダーが72、トップが82」
「おお、ジャストAカップ」
「千里、それ付けてるブラはBカップだよね?」
「うん。A75ではきついから、B75付けてる」
 
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そんなことを言っていたら、そばで徳子が
「負けた〜。私、A70付けてるのに」
などと言っている。
 
「徳子ちゃん、自称男の子に負けちゃダメだよ」
「牛乳飲もう」
「納豆食べよう」
「私、納豆嫌いだけど、少し頑張ろうかなあ」
 
「千里は納豆食べてるよね?」
「うん。私、納豆は毎朝食べるし、牛乳も200cc飲むし、豆腐や油揚げの味噌汁飲んでるし」
「おお、さすが。やはり納豆効くんだなあ」
「そうか。豆腐も油揚げもお味噌も大豆製品だ」
 
「やはり朝はお味噌汁を食べるのが、おっぱいにもいいのか」
 
「でもやはり千里、タマ取ったからおっぱいの成長も良くなったんじゃない?」
「千里いつタマ取ったんだっけ?」
「9月にひとりで東京に行った時、手術したんでしょ?」
「銀座のクリニックって言ってたっけ?」
 
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なぜ、そういう話になってる〜?どこから銀座なんて話が??
 

1年生は翌週から部活開始なのだが2〜3年は既に春の大会のまずは地区大会に向けて練習をしていた。3年生の麻樹は2年後期・期末テストの数学で赤点を取ったものの追試で可にしてもらい、何とか留年を免れて練習に参加している。どっちみち3年生は今回のインターハイまでで部活終了なので、彼女にとっても、キャプテンの久井奈にとっても、これが最後のインターハイ挑戦になる。
 
その久井奈にしても、穂礼・みどり、千里や暢子・留実子にしても気合いが入りまくりで激しい練習をしているので、ベンチ入りボーダー組もそれにつられるように気合いが入っていた。特に2月の秋田行きに自費ででも行きたいと志願した夏恋と睦子は物凄い気合いの入りようで、レギュラー組がたじたじとなる場面もしばしばあった。その様子を宇田先生は微笑ましく眺めていた。
 
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この時期は毎日最後の30分くらいに「高さ対策練習」をしていた。セネガル出身で旭川在住のマリアマさんという人に協力してもらい、彼女のジャンプにもめげずシュートする練習、彼女とリバウンドを争う練習をしていたが、暢子・留実子以外は、みなシュートは止められるし、リバウンドでは歯が立たないしで、最初の内は「どうやったら勝てるの〜?」と音を上げる子も続出であった。しかし、そこで諦めたら全国では勝ち進めないので、みんなタイミングを外してシュートしたり、バウンドパスで下を抜いたりというのを覚えていく。
 
それでもリバウンドはなかなか難しいようであった。高さで負けていても何とかいい勝負をしていたのは(留実子以外には)暢子と揚羽だけである。
 
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「揚羽ちゃん、リバウンドの勝率が高い。3割取ってる」
「単に落下地点を予測してそこで飛んでるだけですよー」
と揚羽は言う。
 
「ああ、私のやり方と同じ」
と暢子は言うが、それを聞いて試してみた麻樹は
 
「落下地点が予測できないよー」
と嘆いていた。
 
「実際の試合ではその絶好の場所を相手ディフェンダーが簡単には譲ってくれないだろうけどね」
と暢子は付け加えていた。
 

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月曜日に、新入生向けの部活紹介(デモンストレーション)があり、バスケ部では、男子の真駒さん・白滝さん・北岡君、女子の久井奈さん・千里・暢子の6人がステージに上がり、全員目隠ししてボールをパスしあうというパフォーマンスをしてどよめきが起きていた。最後は留実子と氷山君で抱えてきたゴールにめがけて、千里(ショートヘアのウィッグを付けている)が目隠ししたままシュート。それが入ると物凄い拍手が起きる。
 
「昨年バスケ部はインターハイ予選、男女とも3位で惜しくも全国行きを逃しました。今年こそ君の力で全国に行こう」
と久井奈さんが勧誘の口上を述べた。
 

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