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■女の子たちのベビー製造(6)

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『右でも左でもいいと言われたけど、この道、どっちに行っても、ここに戻ってくるんだよね?』
『そうそう。ぐるっと一周1時間くらい』
『どちらから回った方がいいの?』
『右からがいいよ』
『ありがとう』
 
ということで千里は四の辻から右手に歩いて行く。やがて三ノ峰に至る。その瞬間的に霊鎧を身にまとう。
 
『ひゃー!これは凄い!』
『変なものに目を合わせるなよ』
『ここまでも目は合わせないようにしてたよ』
 
お参りしていると足下をちょろちょろする子や、視界の端をサササっと走っていく子が、ふだんは視覚的なものを見ない千里にさえ見えてしまうが、注視したり視線を合わせたりしないように気をつけた。
 
「お姉ちゃん、ひとり?」
と声を掛けられた。
 
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振り向くと小学3−4年生くらいの男の子だ。いや、こんな子がいたらこちらが「坊やひとり?」と声を掛けたくなるぞ、と思ったが、千里が振り返った瞬間後ろで《りくちゃん》が天を仰いでる。
 
しまったぁ!
 
「うん、ひとりだけど。君は?」
「僕は地元だから慣れてるんだよ。お姉ちゃん、まだ人が少ない時間に女の子ひとりじゃ、物騒だよ。僕が付いていってあげるよ」
「そう? 君はどちらから来て、どちら回りに歩いてるの?」
「これから一ノ峰を通って四ツ辻に行くよ」
「じゃ、同じ方向だね。一緒に行こうか」
 

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それで千里はこの《男の子》と一緒に、お山巡りをすることになった。
 
「お姉ちゃん、しっかり歩くね。何か運動とかしてる?」
「うん。バスケットボールしてるよ」
「へー。それどんな運動?」
「えっとね。28m×15mのコートって、メートルって分かる?」
「分かんなーい」
「じゃ縦15間・横8間なら分かるかな?」
「あ、だいたい分かる」
「そういう広さのコートというところで、敵味方5人ずつで直径8寸くらいの球を取り合うんだよ」
「へー」
 
「コートの両端の高さ10尺のところにバスケットという籠があってね。そこに球を投げ入れたら点数になるの」
「じゃ、玉入れみたいなもの?」
「一種の玉入れだね。ただし球は1個しかないから、それを取り合う。球を持ったまま3歩以上歩いたらいけないから、球を地面に撞きながら走るんだよ」
 
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「なんか面白そう」
 
それで千里は歩きながらバスケットの色々なルールやテクニックの説明をしてあげると、男の子は随分興味を持っている感じであった。
 
やがて間ノ峰を通り、二ノ峰に到達する。ここで千里は男の子を見失ったので「あれ?帰ったのかな?」と思っていたら、二ノ峰を出て少し石段を下り鳥居の列に入ったところでまた姿を表す。
 

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「ところで、お姉さん、なんで、おちんちん付いてるの?」
などと男の子は訊く。
 
「うーん。なんでだろうね。きっと何かの間違いなんだよ」
と千里。
 
「へー。間違いなら取っちゃってもいいのかな?  あ、ダメだって言われた」
「ふふふ」
「でも、もうすぐ無くなるみたいね」
「・・・・そうかもね」
「僕前にも見たことあるよ。小さい頃はおちんちん付いてたのに、おとなになると無くなって、ちゃんとお母さんになった人」
「ふーん」
「へー。お姉さん、子供が4人もできるんだ。 あ、それも言っちゃダメって叱られた」
 
千里は中学生くらいの頃、誰かに「あんた子供は2人産むね」と言われたことがあった気がした。何だか増えてる!? もしかしたら自分の運命に変化が生じているのかも知れないという気がした。
 
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一ノ峰に到達する。
 
「ここが頂上かな」
「うん。お山としては。ここまでお姉さんが歩いてきたのが、いわば表参道。まあどこが頂上なのかは鳥居の向きを見れば分かるよね」
 
「でもここは優しい神社じゃないんだね。つい身構えてしまう」
「山の中にある寺社、断崖とかにある寺社はみんなこんな感じらしい。先輩が言ってたよ」
 
「君の名前、教えてよ」
「僕、名前まだ無いんだ。お姉さんが付けてよ。あ、お姉さんの名前は?」
「私は千里。村山千里(むらやま・ちさと)。君の名前はそうだなあ。京平(きょうへい)とかどうかな?」
「あ、格好いいかも」
「気に入ったのなら、それで」
 
「ね、ね。僕、あと8年くらいしたら生まれるんだって。お姉さん、僕の母さんになってくれない?」
「8年後なら、私も大学卒業してるかな。だったら、いいよ」
「わぁい。じゃ、母さんって呼んでいい?」
「いいよ」
「やったー!」
 
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何だかはしゃいでいる京平君を見て、千里は心が緩んだ。
 

その後、千里と京平は、一ノ峰の向こうへと、また鳥居の列を歩いて行く。春繁社・御剱社(長者社)を経て薬力社まで来ると、道が2つに別れている。
 
「これ、どちらに行けばいいの?」
「僕はいつも左側を行くよ。でもたくさんお参りしたければ右がいいよ」
「じゃ、右で」
 
ということで右手に折れて階段を降りていく。すると傘杉社・清明社と通っていく。
 
「ここは静かだね」
「あまりこちらまで来る人居ないから」
 
それで千里が橋を渡って左手に行こうとしたら
 
「ここ右に行くと滝があるよ」
と京平が言うので、そちらに行ってみる。小さな滝だが、これが清滝であった。
 
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既に四ツ辻から1時間半ほど歩いている。千里は滝を見ながら、束の間の休息を取った。
 

その後は道を戻って御膳谷・眼力社の所で、薬力社からの直通路(春日峠)と合流する。そこから下っていくと大杉社を経て四ツ辻に戻って来た。
 
「母さん、田中社の方は見た?」
「それどこにあるの?」
「そちらだよ」
 
と右手を指すので、気を取り直して京平と一緒に歩いて行く。
 
「わぁ」
 
そこは四つ辻以上に絶景のポイントであった。
 
「ここ見に来る人少なかったりして」
「うん、そうみたい」
 
その後、四ツ辻まで戻って京平とは別れた。
 
「母さん、またね〜」
「京平も元気でね〜。8年後に会おうね」
 
三ツ辻からは熊鷹社の方には戻らず、まっすぐ降りて行く道を通る。麓の拝殿近く、食堂などのある所まで戻って来たのはもう7時半であった。
 
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それで雨宮先生に連絡すると
 
「お疲れ様〜。で、稲荷のお山を一周してきた感動を曲にして」
「そんなことだと思いました。ところで、どこか屋根のある静かな場所で作業がしたいのですが」
 
と言うと
「そうだね。こちらも徹夜だったから、一緒にどこかで休まない?」
「Hなことしなければ」
「さすがに今日はその気力ない」
 

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それで30分ほど暖かいコーヒーなど飲みながら待っていたら、雨宮先生が車で迎えに来てくれた。修学旅行の時に乗せてもらったフェラーリ612スカリエッティである。
 
「ほんとに何にもしないからファッションホテルに行こう。この時間帯は普通のホテルにはチェックインできないんだよ」
「先生のことは信頼していますから」
 
それで本当に伏見区内の妖しげな外装のホテルに入った。
 
「私は寝てる。あんたは仕事してて」
と言って雨宮先生は本当にベッドに潜り込んで眠ってしまった。
 
千里も眠かったが、先生が起きるまでに形にしなければと思い、五線紙を出して書き始める。メロディー自体は、こういう展開になることを予想して、お山を歩きながら考えていたので、まずは考えていたメロディーいくつかを書いてみて、それから構成や歌う人のことを考えて、取捨選択する。
 
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いちばん魅力的と思ったモチーフを元に展開して行き、間奏を入れた後サビを入れる。
 
で、そのサビをまだ考えていないので、これから考えることにする。
 
窓際に椅子を持って行って座り、レースのカーテンを通して外の景色を見る。予備で買っておいた缶コーヒーを開けて飲む。その内、笛を吹きたくなった。荷物に入れていた篠笛を取り出す。修学旅行の時に嵯峨野で江与子ちゃんという女の子と、千里の練習用龍笛と交換にもらった笛である。
 
思うままに吹く。
 
しばらく吹いていたら、何だか素敵なメロディーラインが見つかる。
 
よし!
 
それを早速譜面に書き留める。それで楽曲を構成するが、ここから調整を掛ける。自分で一回通して歌ってみる。それでまた調整する。やがてかなり修正の跡が多くなったので、きれいに清書する。清書しながらまた調整していく。
 
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これらの作業は2時間近く掛かった。
 
ひととおり仕上がった曲を篠笛で吹いていたら、雨宮先生が目を覚ました。
 

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「あ、済みません。起こしてしまいましたか?」
「いや、結構よく寝た。それ変わった笛だね。篠笛?」
「そうです」
 
「私、横笛系は得意なのよ」
「そうか。先生はそもそもサックスが御専門ですしね」
「ちょっと貸してくれる?」
「どうぞ」
 
それで千里が雨宮先生に笛を貸すが、雨宮先生が吹いても全く音が出ない。
 
「そんな馬鹿な」
 
「あれ、変ですね」
と言って千里が手に取り吹くと、とても美しい音が出る。
 
「それ、あんたしか吹けない笛だったりして」
「そんなこと、あるんですかね」
「世の中には色々不思議なことがあるものよ」
「そうですね」
 
と言いながら千里は京平のことを思い出していた。
 

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千里は蓮菜に電話して、また詩を付けてくれと頼む。それで今日書いた曲を電話口で歌ってみせる。
 
「昨日1曲書いたばかりでよくまた書けるね」
「この後1ヶ月くらいは何も書けないと思う」
 
蓮菜が詩を考えている間千里は眠らせてもらう。雨宮先生は先生で、別の曲を書いていた。千里が寝たのと入れ替わりに起きて作業をしておられたようであった。
 
1時間半後に蓮菜からメールがある。千里はそれを譜面に書き込んでいき、音符の拍の調整をして、雨宮先生に渡した。
 
「ありがとう。これタイトルは?」
「えっと。じゃ『My Little Fox Boy』とかでは」
「ああ、いいかも。でもこの曲、まるでホントにキツネの子供と遊んでいるかのような楽しい曲だね」
「はい。キツネの子供と遊んできました」
「へー。さすが巫女さん」
「私、その子を産むことになるかも」
「ふーん」
と言って雨宮先生は不思議な表情で千里を見た。
 
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「最近は男の娘でも妊娠するのね」
「現実は科学を越えるんです」
「だったら私も一度男の娘を妊娠させてみようかな」
「私以外でよろしく」
 
雨宮先生と《男の娘》である桜クララとの間の子供、桜幸司が生まれるのはこの2年後である。(本当に産んだのはクララの姉だが、クララの子供として入籍してしまったらしい)
 
「でも詩を書く人と随分やりとりしてたね」
「ええ。大変なんで、もし今後こういうことがあったら、彼女も一緒に呼んでくれると助かります」
「了解。次からは2人とも呼ぶよ」
 
やはり、こういうことが今後もあるのか!
 

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