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■夏の日の想い出・仮面男子伝説(7)

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少し時間を戻して、この年の秋、政子は唐突に免許を取りたいと言い出した。
 
それまで自分はしばしばボーっとしているから運転には不向き、免許は取らないと言っていたのだが、突然その気になったようであった。
 
きっかけが、若葉の友人が所有するマイバッハ57に乗せてもらい、いかにもお嬢さん然としていたその友人が華麗に超高級車を運転しているのを見て少し憧れてしまったのがあったようである。若葉も当時妊娠中だったので運転はしていなかったものの、車が好きで、光岡のヒミコを所有している。大学生時代は私も何度か乗せてもらったが、覚悟を決めて、目をつぶっていた!!若葉は免停の常習犯である。
 
政子は12月頭まで2ヶ月ほど自動車学校に通って免許(MT可)を取得したのだが、最初は自分もマイバッハがいいな、などと言っていた。しかしAYAのゆみがポルシェ・カイエンに乗っているのを見たら、今度はカイエンもいいねなどと言い出す。ところがその内、日産ノートもいいねなどと言い出した。
 
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これは、政子が自動車学校に通うのに近藤妃美貴ちゃんのモコに乗せてもらっていたら、そのモコもいいな、などと言い出し、それで日産のお店を覗いてみたら、モコもいいけどノートも内部が広くていいね、ということで気に入ってしまったらしい。
 
政子が免許を取ったのが12月11日で、12-14日はローズ+リリーのライブをしていたので、私と政子は12月15日に、一緒に日産の販売店を訪れた。
 
「試乗してみられますか?」
とスタッフさんが訊くので「じゃちょっと運転してみようかな」などと言い、試乗車が駐めてある方にいく。ところがノートに乗ろうとしたら、隣にそれと似たようなサイズの車が駐まっている。
 
「あれ?これは何ですか?」
と政子が訊く。
 
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「そちらはリーフでございます」
とスタッフさん。
 
「形が似てる」
と政子。
「そちらは電気自動車だよ」
と私。
 
「あ、電気自動車があるんだ! こないだステージで使った車は?」
「あれはトミーカイラZZ-EV。限定生産だから入手はかなり困難だよ」
「そっかー。でも電気自動車って、ガソリン要らないんだよね?」
「電気で動くからね」
「地球に優しいよね?」
「まあ財布には優しくない。これノートの倍の値段するよ」
「きゃー」
「でも政子の経済力なら気にしなくてもいいだろうけどね」
と私。
 
「タイプによってお値段に幅はありますが、このノートは154万円、このリーフは379万円でございます」
とスタッフさん。
 
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「2.46倍じゃん!」
と政子。
 
この細かい数字が一瞬で出るのが政子らしい。
 
「例のトミーカイラは?」
「あれは800万円」
「凄い」
「それ以上に人気殺到で競争率が激しい」
 
「そっかー。でもこのリーフも乗ってみたい」
 
と言うので、結局両方を試乗してみた。政子が運転席に座り、私が助手席、スタッフさんが後部座席に乗った。
 
「リーフって静か〜」
と政子が言う。
 
「エンジンが無いからね」
「エンジンが無かったら、どうやって走るの?」
「だから電気の力でモーターを回すんだよ」
「モーターって電気で動くんだ?」
「左手の法則って習ったでしょ? 左手の人差指方向に磁界がある所に中指の向きに電流を流すと、親指の向きにローレンツ力が発生する」
 
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「あれ、どれがどの指か分からなくなる」
「中指から順に電・磁・力だよ」
「左手ってこうすればいいんだっけ?」
と言って、政子は人差指を曲げ、中指を伸ばしている!
 
「それ人差指と中指の方向が逆! なぜわざわざそんな指の形にする?」
「まあいいや。どっちみちすぐ忘れるし。でもガソリン代が要らないんだよね?」
 
「その代わり電気代が掛かるけどね」
「マンションの部屋のコンセントから延長コードで駐車場まで引けばいいの?」
「そんなことしたら叱られるよ。それに200V電源だし。駐車場にコンセントが必要」
「じゃ工事してもらうの?」
「うちのマンションはそもそもコンセント付きの駐車枠があるから、そこの枠を借りたら使えるよ」
「駐車枠今のに加えてもう1台取れる?」
「今はまだ空きが結構あるから借りられるはず」
 
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「だったら、いいじゃん。じゃ、冬、これ買って」
 
「私が買うの?」
と私は政子に聞き直す。
 
「あ、私が買えばいいのか」
「充分お金持ってるでしょ」
「じゃ、これ1個くださーい」
 
と政子らしい言葉である。
 
スタッフさんは笑顔で「かしこまりました」と言い、事務所で手続きをしましょうと言って、そちらに案内する。
 

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それで事務所の方に向かっていたら、政子は今度は別の車に目を付ける。
 
「これなんか凄く大きな車だね」
「それはエルグランドでございます」
「座席がたくさんある」
「そのタイプは8人乗りでございます。2列目がベンチシートになっておりますが、2列目をキャプテンシートにした7人乗りもございます」
 
「へー。そんなにたくさん乗るっていいね。私たちに子供ができたら8人乗りって便利じゃない?」
「6人も産むつもり?」
「11人産んでサッカーチーム作るのもいいけどなあ」
「マイクロバスが必要かもね」
 
「ね、ね、冬。私がリーフ買うから、冬はこの車買わない?」
「なんで〜?」
 
「だって今乗っているカローラフィールダー、最近エンジンの調子おかしいとか言ってたじゃん」
「うーん。既に20万km越えてるからなあ。でもこれ大きいよ」
 
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「似たような車で少し小さいセレナというのもございますが」
とスタッフさん。
 
「どう違うんですか?」
と政子が尋ねる。
 
「エルグランドより少しだけ小さいのですが、その小さくなることで5ナンバーになるんです。ただセレナでもハイウェイスター仕様はエアロパーツの分が微妙にはみ出して3ナンバーになりますが」
 
「あ、税金が違うんだっけ?」
「そうそう」
 
「じゃそれも乗り比べてみようよ」
「ちょっとぉ〜、買い直す前提なの〜?」
「子供6人くらい産んであげるから」
「種は〜?」
「適当に調達する。それとも冬が2人くらい産む?」
「私は産めないよ」
「本当かなあ。でもエンジンの調子がおかしい車に乗ってて事故ったらまずいよ」
 
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そういう訳で、私たちはエルグランドとセレナにも試乗した。私が運転席に座り政子が助手席、スタッフさんが2列目である。
 
「エルグランドの方がパワーがある気がした」
と政子が言う。
 
「今試乗なさいましたエルグランドは3.5Lでございますので。もう少し小さい2.5Lのものもございますが。セレナは2Lでございます」
とスタッフさん。
 
「数字が大きいほうがパワーがあるの?」
と政子が私に訊く。
 
「そうそう。ガソリンも食うけどね」
と私。
 
「じゃこちらは大きい方にしようよ。リーフで化石燃料節約するから、こちらは少し使ってもいいよね?」
 
「変な論理!」
「都内に出かける時は私がリーフを運転して、遠出する時は冬がエルグランドを運転すればいいんだよ」
 
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「まあ、理にかなった使い分けだね。というか、結局買い換えるの〜?」
と私。
 
「私がそちらも買ってあげるよ」
と政子。
 
「へー!!」
 
「だって冬は、こないだみっちゃんにあれを出してあげたでしょ?」
「まあね」
 
光帆が事務所を辞めるのに1億円要求されたので、私がそれを建て替えてあげたのである(この後、更にプラス2億5000万を光帆には貸すことになる)。
 
しかし、そういう訳で私たちはリーフ(G.Aero style)と8人乗りのエルグランド(350 Highway Star 4WD)を買うことになってしまったのである。代金約800万円は政子が自分の口座からまとめて振り込むと言い、その操作だけ私がした。納期はどちらも1ヶ月半くらいではないかと言われた。現金で払ったのでオプションを色々サービスしてくれた。
 
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なお、カローラフィールダーについてはエルグランドが納車された時点で保険をそちらに移して売却することにし、そのあたりの手続きは実質的な義兄でもある友人の佐野君に頼むことにした。リーフの方は政子の名義であらたに保険を設定する。
 

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12月16日。
 
その日私はΦωνοτον(フォノトン)というユニットのアルバム制作現場に顔を出していた。Φωνοτονというのは、XANFUS + Purple Cats のメンバー全員が何段階かに分けて結果的に全員解雇されてしまい、その解雇されたメンバー全員が集まって新たに作ったユニットである。
 
要するにΦωνοτονのメンバーというのは実際には 
 
Vocal 音羽・光帆 Gt.三毛(mike) B.騎氏(kiji) Dr.白雪(yuki) KB.黒羽(noir)+神崎美恩・浜名麻梨奈
 
という8人である。この日曲のアレンジを検討している内に
「ちょっと横笛の音が欲しいね」
 
などという話になる。
 
「ケイちゃんちょっと吹いてみる?」
と浜名さんから言われるが
 
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「遠慮しとく。フルートならyuki(白雪)ちゃんも吹けたよね?」
と私は答える。
 
「うん。一応持って来たはず」
と言って白雪はスタジオの隅に置いているバッグを開けた。
 
「あれ?」
と言って彼女が取り出したのは、男物の背広である。更にネクタイとか背広と同じ柄のズボンとかが出てくる。
 
「由妃(白雪の本名)、男装に目覚めた?」
と三毛が訊く。
 
「これ、お父ちゃんの鞄と間違って持って来ちゃったみたい」
 
「お父さんと同じバッグ使ってるの?」
「そうなのよ。偶然同じもの買っちゃったのよね。でもファスナーに付けてるストラップで区別してたのに。これ私の使ってるハートのストラップが付いてるけど、私が使ってるバッグはこの外側のポケットの所にコーヒー掛けちゃって出来たシミがあったのよね。これ無いから、バッグ自体がお父ちゃんのだ」
 
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「ストラップが外れて、間違って逆に付けたのでは?」
「かも〜」
 
「フルートはスタジオの楽器を借りよう」
と浜名さんが言って内線を取りフロントに電話した。
 
「でも同じバッグ持ってて、入れ替わって混乱するって映画が昔あったね」
 
「ライアン・オニールとバーブラ・ストライサンドが主演した『おかしなおかしな大追跡』かな。結構テレビのロードショーで流してるよ」
 
「『ポリス・アカデミー』(マイアミ特別勤務)でもそのネタやってた」
 
「だけど由妃、自分のバッグには何入れてたの?」
 
「フルートと篠笛とLumix(カメラ)。それに着替え用の下着とかトレーナーとかスカートとか」
 
「きっと今頃、お父さんも背広に着替えようとして、女物の服が入ってるんでびっくりしてる」
 
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「そのまま女装に目覚めたりして」
 
「うちのお父ちゃんが私のトレーナーやスカートを着られることは確認済み」
 
「着せたの?」
「お母ちゃんが唆して着せてた」
「面白い家庭だ」
 
「だけど由妃ちゃん細いのに、よくお父さんがその服を着られるね。由妃ちゃんウェストいくつだっけ?」
「W63だよ」
「それを着られるお父さんのウェストが凄い」
 
黒羽が笑いをこらえている感じだった。
 

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