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■夏の日の想い出・空を飛びたい(8)

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《こちらは那覇だよ〜。沖縄暑いくらい。蘭子は何時に来るの〜?》
と書いてあるので
《明日は大阪公演だから無理。ごめーん》
と返信する。すぐ返信が来る。こんな夜中なのに起きているのか。いや多分連日の疲れで熟睡できずに夜中目が覚めてしまったのだろう。
 
《じゃ蘭子の写真公開決定》
《勘弁してよー。今度肩揉んであげるから》
 
《蘭子のマッサージ気持ちいいもんなあ。じゃ似顔絵で勘弁してやろう》
 
どういう似顔絵を公開するんだ? と思う。
 
そのまま小風と30分近くメールチャットを楽しんだ。
 

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小風と
《さすがにそろそろ寝ようよ》
というやりとりをしてから部屋に戻り、パソコンの方のメールチェックもしたら和泉からメールが入っていた。
 
「またいい詩が出来たから曲付けて〜」
というもので、『恋のクッキーハート』という可愛らしい詩だった。私は微笑んだがさすがに眠いので、その夜はそのまま寝た。
 

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翌日私と政子は須藤さんと一緒にサンダーバードで大阪に行った。この日の公演は18時開演である。終わった後、新幹線で東京に戻られるスケジュールである。この日もまたリハーサルをおこなった。
 
この日、和泉たちは沖縄で公演をしている。先日の神戸ではキーボードの所に花瓶を置いていた小風だが、この日は等身大のフィギュアをキーボードの所に置いていた。最初の内観客もそこに演奏者がいるのかと思ったようであった。後半では更にそのフィギュアにヴァイオリンを持たせていたらしい。
 
私たちの方は大阪公演が終わったら新幹線で帰るが、私は先日大阪でKARIONの公演をして新幹線で横浜に移動したばかりなので、なんか記憶が混乱しそうな気分だった。(実際この頃の私の記憶はあれこれ混乱しているし矛盾している)
 
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この新幹線の中で政子が寝ていたので、昨夜和泉からメールしてもらった詩に曲を付け、東京駅に到着する前に返信した。
 

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22日はKARIONが鹿児島、ローズ+リリーは岡山であった。
 
この日、小風はキーボードの上に黒縁の写真立てを置いておいた。それで鹿児島公演が終わった後、
「まさか、柊洋子さん、亡くなった?」
という書き込みがネット上にあったが、神戸・沖縄の公演を見ていたファンから
 
「それ、こかぜちゃんの悪戯」
というコメントが入っていた。
 
なお、私と政子は岡山公演の後、夕食を食べてから福岡に移動し、福岡のホテルに泊まった。この日、私は政子に唆されて、またまた女湯に入ることになる。1月のKARIONキャンペーンで泊まった福岡のホテル(今回のホテルよりはずっと安っぽい所)、2月に行った東北の温泉、9月の熱海の温泉以来、4度目の女湯だ。
 
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しかし私は女湯に行くなんて無茶〜と言って抵抗しながら、政子に強引に連れられて、深夜の大浴場に行ったのであった。政子とは自宅のお風呂で一緒に入ったこともあるが、大浴場で一緒に入ったのは、これが初めてとなった。
 
なお、この日政子は「マスカット」という詩を書き、私はそれに曲を付けた。
 

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そして翌日11月23日は、KARION, ローズ+リリーともに福岡である。私は○○プロからの指示なのでと須藤さんに断り、朝からホテルを出て天神に出る。お昼前に鹿児島から移動してきた和泉たちと合流する。そのままアクオスに入って、リハーサルに臨んだ。
 
「小風、なんか色々悪戯してるみたい」
「公演に出てこない蘭子が悪い」
 
「小風たちは今夜は福岡泊まり?」
「そうそう。明日新幹線で高松に移動する。蘭子は?」
「今日は最終の飛行機で東京に戻る。それで明日また仙台に新幹線で行く」
「信じられない。福岡に泊まって明日直接仙台に飛べばいいのに」
「あまり泊まると、お母ちゃんのお小言が」
 
「・・・・ね、まさか、蘭子ってこういう仕事をしていることを親に言ってないとか」
 
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「うん、やるならちゃんとお父ちゃんに言ってからやれとお母ちゃんに言われてたのに、お父ちゃんと全然話ができない状態が続いてるもんだから、そのことをお母ちゃんにも言えなくて」
 
「それ絶対揉める!」
 
「だよねぇ。政子の方もやばいんだけどね」
「何か問題あるの?」
「あの子、今年の春にお父さんがタイに転勤になって、付いてこいと言われたのを、△△△に行きたいから勉強頑張りたいんで日本に残ると言って、今ひとり暮らししてるんだよね」
 
「それで歌手やってたら、普通親は怒るね」
「うん。だから困ってる」
 
「でもそれバレるの時間の問題だよ」
「そんな気がする」
 
「蘭子、性転換しちゃったことも、親に言ってないでしょ?」
「・・・性転換はまだしてない」
 
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「私たちにまで隠さなくてもいいじゃん!」
 

そういう訳でこの日は13時から15時までKARIONの公演に出て、すぐに築港のムーンパレスに移動し、ローズ+リリーのリハーサルを簡単にやった後、公演を18時から20時までして、その後福岡空港を21:30のANA最終便で東京に戻った。
 
さすがに疲れて飛行機の中で爆睡していた。
 
そして翌日24日の振替休日は政子と一緒に朝から仙台に移動し、仙台でリハーサル+公演をして、夜の新幹線で東京に帰還した。
 
その日KARIONの方は福岡から新幹線とマリンライナーで高松に移動し、公演をする。この日はキーボードの所には、葬儀屋さんから借りてきた?という感じのスタンド花が立て掛けられていた。
 
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そして私はこの25日から28日まで高校の修学旅行が入っていた。(25日長崎・26日菊池温泉・27日別府に泊まる)
 
ここ毎週週末に全国を走り回っているのに、新幹線で九州往復である。さすがに私は新幹線の中でもパスの中でもひたすら寝ていたので、この修学旅行で見学した内容は全く覚えていない。
 
ただ、阿蘇の米塚の所で『天使に逢えたら』という美しい曲を書いた。
 
この修学旅行では、別府で早朝、目の不自由なお婆さんを誘導して女湯に入ることになる。また、琴絵にとうとう、私と政子がローズ+リリーであることがバレてしまった。
 

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修学旅行から帰った日は自宅でとにかくひたすら寝ていたが、翌日29日は仕事が待っている。今日は横浜からである。
 
朝から横浜に出て行き、KARIONのリハーサル、そして公演をする。この日の公演も13時開演で15時くらいに終了。新幹線で名古屋に移動し、18時頃にローズ+リリーの会場に入った。駅と会場との距離の関係で8日に大阪から横浜に移動した時より時間が掛かったが、間に合うので問題無い。それで19時から21時までローズ+リリーのライブをして、新幹線で帰宅する。
 
何だか1日でKARIONとローズ+リリーの両方の公演に出るのに慣れてしまってもうこれが日常のような気分になってくるのが恐ろしい。
 
そして両方のツアーの最終日、30日はどちらも東京である。
 
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その日は13時から新宿の文化ホールでKARION。これが15時頃に終わって、16時頃には中野のスターホールに到着。ここでリハーサルもした上で19時から21時までの公演に臨み、1ヶ月間の怒濤の「ダブルツアー」を完了した。
 

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12月7日(日)。私と政子はローズ+リリーの『その時』がYS大賞の新人賞を受賞したので、授賞式に出るため出かけて行った。秋月さんが可愛いミニスカの衣装を用意していたので、それに着替えて出席する。
 
このYS大賞新人賞も後の08年組の中で受賞したのはAYAとローズ+リリーのみである。私たちはこの時初めてAYAのゆみと声を掛け合った。
 
「AYAさん、受賞おめでとう。最優秀新人賞取れるかと思ったのに惜しかったね」
「ローズ+リリーさんもおめでとう。まあ、どうしても演歌の方がこの賞は強いから」
 
この年のYS大賞最優秀新人賞は27歳の新人演歌歌手が取った。27歳で新人というのがさすが演歌の世界である。
 
「でもRC大賞の最優秀新人賞は行けるんじゃないですか? 少なくともCD売上枚数では今年の新人の中で最多のはず」
と言うと、ゆみは声を潜めて
 
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「ここだけの話、私あれ取りたくない。RC大賞の最優秀新人賞を取って、そのあと大成した歌手が少ない」
「確かにね〜」
と私も小声で応じる。
 
この時期はお互いに半ば儀礼的な挨拶に留まっているが、この話だけはお互い本音トークだった。RC大賞は最も権威のある賞なのに、最優秀新人賞にしても大賞にしてもどうもゲンが悪く、大賞を取った歌手はその後たいてい不調に陥り、最優秀新人賞を取った歌手の多くが短命に終わっている。
 
「でも私、2月の頭にAYAのライブを人に誘われて見に行って、その時に凄い!と思ったんですよー」
と私が言うと
 
「わぁ、インディーズ時代から見て頂いてたなんて感激です」
などと、ゆみは言う。
 
「でもローズ+リリーは『その時』惜しかったですね。あと少しでプラチナディスク達成だったのに」
 
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「次で頑張ります。AYAさんは今回40万枚くらい行っているし、次はダブルプラチナ行くといいですね」
と私も答えた。
 

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ところで10月頃、ローズ+リリーのプロフィールがよく分からないことからKARIONの仮面ユニット説というのがあった。ローズ+リリーの『遙かな夢』で声が3つ聞こえることから、これが実はKARIONの3人の声なのでは? というのがひとつの論拠になっていた。小風の声がマリの声と声質が似ているという背景もあった。
 
しかしもうひとつ、KARION別働隊説というのがあり、ローズ+リリーはKARION準メンバーの柊洋子と小風のデュオなのではという説もあったのである。それは小風の声とマリの声が似ているというのと、柊洋子の顔とケイの顔が似ているというのが論拠にあった。
 
柊洋子にしてもケイにしても、公式の写真が存在せず、遠距離から盗撮したようなものしか無かったものの、両者を見比べると、似ていると言われていた。
 
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ここで、この「柊洋子」がドリームボーイズのバックダンサーの「柊洋子」と同一人物なのか同姓同名なのかというのも意見が別れていた。実はドリームボーイズのファンサイトで、柊洋子と誤って別の子の写真を掲載しているサイトもあり、それが更に混乱を引き起こしていた。
 
実際当時、柊洋子さんとケイさんは同一人物ですか?という問合せはよく★★レコードにあったらしいが、実は同一人物であることを知る人自体が存在せず、把握していないが多分別人では?という回答をしていたらしい。
 
またKARION準メンバーの柊洋子とドリームボーイズのバックダンサーの柊洋子がもし同一人物であれば、それは絶対ケイでは有り得ないという意見も多かった。蔵田派の柊洋子(2009年1月のドリームボーイズ・関東ドーム・ライブにも出ているからこの時期蔵田孝治と円満な関係であることは確実)が、ライバルの上島雷太から楽曲をもらってデビューするなんて有り得ないという主張である。
 
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そして柊洋子とケイが別人であるという意見が大勢になったのがこの11月のライブツアーであった。このツアーで柊洋子はKARIONのツアーに登場し、ケイはローズ+リリーのツアーに登場していて、その掛け持ちができるとは思えなかったというのがある。
 
KARIONの札幌公演の日はローズ+リリーは公演していないが、関東のローカルFM局の「生番組」に出演していた。ただこの「生番組」は実は録音が結構混ざっているのではないかという噂が以前からあった。そして23日の福岡と30日の東京は日程と場所がダブっているので無理すれば掛け持ちできないこともない。
 
29日の横浜と名古屋に関しては、洋子が横浜の会場を出たのを15:15に目撃されているのだが、それから新幹線で移動すると18:45くらいに会場に入れるという計算になった。何か少しでも予定外のことが起きたら開演に間に合わないので、そんな危険は冒さないのではという意見が多かった(同感!)。
 
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更に8日の大阪と横浜については、15:10に洋子は大阪の会場を出ていて18:00に横浜の会場に姿を見せているので、どういうルートを使っても間に合わないという結論になったようである。
 
そして決定的だったのが15日である。15日午後のKARION名古屋公演で柊洋子はアンコールでピアノを弾いている。これが終わったのは15:20で、そのあと他の3人と一緒に15:40頃楽屋口でタクシーに乗るところを目撃されている。ところがケイは16:50頃に金沢音楽堂のロビーに姿を現し、ファンに手を振ったのを目撃されている。名古屋市中村区のZホールから金沢市駅前の音楽堂までわずか1時間10分で移動する方法が考えられないので、やはり柊洋子とケイは別人という説が主流となる。
 
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ただ、推理小説的トリックがあるのではとか、双子説・従姉妹説などのバリエーションはくすぶっていた。
 
 
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■夏の日の想い出・空を飛びたい(8)

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