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■夏の日の想い出・3年生の早春(1)

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(c)Eriko Kawaguchi 2011-12-16  
この春の騒動のことは、やはりあのラジオ放送の話から書けば良いのだろうか。
 
発端はローズクォーツが前年10月に出演したイベントで、私と(たまたま一緒に来ていた)政子が、○○プロの浦中部長から、◇◇テレビの響原部長を紹介されたことから始まる気がする。その時になぜか古いアニメの話になってしまい、政子はやはり少女アニメって女の子にとって夢ですよね、などといってセーラームーンからおジャ魔女どれみからカードキャプターさくらから、熱弁を振るった。
 
その少し後で、◇◇テレビ系列のAM局で少女アニメのアニメソング特集をする企画があるので、そのナビゲート役を、ローズ+リリーでしないか?というお話を頂いた。ローズ+リリーはテレビには出演しないことを理解してもらった上でラジオ局の話を持ってきてくれたようであった。
 
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ローズ+リリーにしてもローズクォーツにしても、ラジオ局はFM局を中心に出演していてAM局にはあまり縁が無かったのだが、政子がけっこう乗り気だったのでその話を受けることにした。放送は12月に行われ、1時間の番組で1980年代から1990年代の少女アニメを中心にアニメソングを流しまくったのだが、するとその番組を聴いていた同じ◇◇テレビ系列で放送している人気少女アニメシリーズ「エンジェル・リリー」のプロデューサー諸橋さんが、次年度のそのシリーズのエンディングテーマを私たちに歌ってくれないかという話を持ってきたのである。
 
諸橋さんは「リリー」という名前に共通点があるので、一度歌ってもらいたいと以前から思っていたなどと熱烈に私たちを誘ってくれたので、お受けすることにした。
 
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2月から始まる新シリーズでオープニングテーマはAYAが歌うことになっていた。『花のリリー・マクラーレン』という軽快なマーチ風の曲(上島先生の作品)をAYAが歯切れの良い歌い方で歌っていた。リリー・マクラーレンは無論リリー・マルレーンのもじりで主人公の(変身後の)名前だが、自動車の「マクラーレン」
にも掛けてある。今年のシリーズでは、主要登場人物の名前が自動車関連から取られているということだった。
 
私たちが歌うのはやはり上島先生の作品で静かな感じのバラード『天使の休息』
という曲で、ローズクォーツの伴奏で録音し、番組が始まる2月5日の1ヶ月前の1月初旬に、AYAの『花のリリー・マクラーレン』と両A面扱いでCDが発売された。このCDはアニメのテーマ曲としては異例の高い売り上げを見せ、諸橋さんも驚いていた。また、私たちふたりと更にAYAも、このエンディングに出演することになった。
 
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最初にAYAの姿が映り、彼女が首に付けているロケットを開くと、その中にマリとケイの姿があって、ふたりがそこからキラキラする星とともに飛び出してくる。そしてAYAを中心に左にケイ、右にマリが並んだ所から実写がアニメにモーフィングして、そこにアニメの登場人物がリリー戦士たちも、敵のシャドウ幹部たちもごちゃ混ぜに現れて踊るという趣向であった。AYAは「熱々のふたりの間に割り込んじゃっていいのかしら」などと言っていたが。
 
そして「その事件」は第1回放送の前日、2月4日土曜日の夜に起きた。
 
私は前日の金曜日にローズクォーツの那覇でのライブで歌ったが、その日はライブツアーの合間を縫ってAYAの新曲レコーディングにコーラスで参加することになっていたので、私だけ朝から飛行機で東京に戻っていた。ローズクォーツの他のメンバーは日曜日にローズクォーツの福岡公演が行われるため、その日は那覇から飛行機で福岡入りし、福岡で臨時の休日を過ごしていた。
 
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私はその日東京に着いてから、羽田まで迎えに来てくれていた政子と一緒にAYAのレコーディングが行われているスタジオに行き、コーラスを収録。録音作業が終わった後、夕方食事に出て串焼きの店で2時間ほどガールズトークをして、そろそろ今日は上がろうかということになり、お店を出てタクシーを拾えそうな所まで、夜の町を私たち2人とAYA、AYAのマネージャーさんの4人で歩いていた。
 
その時、向こうの方から思いがけない人物が歩いて来た。
「先生!」
「やあ、おはよう!」
 
上島先生が上島ファミリーのひとり、百瀬みゆきと一緒にこちらに歩いてきていた。
「私も先生と偶然そこで遭遇してタクシーを拾おうと思ってここまで来たんですよ」
と百瀬さんは言っていた。
「でも先生がこういう所に珍しい。ごちゃごちゃした所はあまりお好きじゃないのかと思っていた」とAYA。
 
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「うん、ちょっと人と会ってたもんだからね」と先生は言ったが、私は恋人と会ったなと思った。先生が奥さん以外に複数の恋人を持っている風なのは感じていたし、一度先生のお宅にお邪魔している時、恋人からの電話を受けてしまったこともあった。ただ百瀬さんはその場で見た感じでは、恋人という雰囲気ではなかったので、たぶん恋人と別れた後、偶然百瀬さんと遭遇したのであろう、と私は思った。
 
私たちはその場で少し立ち話をしていたのだが、その時走ってきた男性に私とAYAが連続して突き飛ばされた。私はそばにいた政子がキャッチしてくれたのだが、AYAは「きゃっ」と言って転びそうになり、上島先生がそれを抱き留めてくれた。
 
その瞬間、フラッシュが焚かれた。
 
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私たちはえ?と思い、AYAのマネージャーさんがフラッシュの来たと思われる方向に走っていったが「だめ。誰が撮ったか分からない」と戻って来て言った。
 
「今の完璧に盗撮されたよね」
「さて、撮られたのは、抱き合ってる私とマリか、それとも」
「私と先生かしら・・・」とAYA。
 
もう19時すぎではあったが私と政子は美智子に連絡し、何かがあった時のために事務所に向かったが、事務所に着いた時、美智子が「やられたのは向こう」
と言った。
 
美智子が魚拓を見せてくれた。
「元の掲載ページには速攻で削除を申し入れて既に削除済み。でもこの写真の分散はもう停めようがない。こんな感じのページが恐らく100以上はできてる。掲載サイトの中には管理側の反応が遅いところもあるし」
 
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上島先生とAYAが抱き合っている写真がそのページには載っていた。
「上島雷太とAYAが熱愛!」などというタイトルが付いている。これがまた、ちょうど2人がキスしているようにも見えるのである。
 
「さっきからAYAの事務所や上島先生の所とも相互に連絡取ってるんだけどね。この写真は、そばにあなたたちや百瀬さんもいたので、単なる事故ということで弁明できるんだけど、実はもっと困った写真があって」
 
と言って美智子はAYAのマネージャーさんから送られてきたメールに添付された1枚の写真を開いて見せてくれた。
「え!?」
 
それは明らかに上島先生と分かる男性がひとりの女性と本当に熱烈に抱き合ってキスをしている写真であった。ただ、暗い中でフラッシュ無しで撮影し、Photoshopで増感したようで、画質はかなり荒い。女性の方は顔が向こうを向いているので誰か分からないが、先生の方はきれいに判別できる。
 
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「奥さんとは背丈が明らかに違うのよね」
「春風アルト(上島先生の奥さんの現役時代の名前)さん150cmくらいだもんね」
「この女性は170cm以上あるね。モデルさんか何かかなあ・・・」
 
「上島先生、今夜は実際恋人と会ってたみたいなんです。そちらと別れたあと百瀬さんと遭遇して、タクシー拾えるところまで一緒に歩いて来ていた所で私たちとまた遭遇したみたいで」と私。
「え?そうなの?」と政子。
「あの時の会話から、そういう状況だなと思った」と私。
 
「ということは、この写真はその本来の恋人との熱愛ショットか」
 
「でさ、この暗闇の中の写真が、困ったことに明日のスポーツ新聞朝刊に載っちゃうのさ」
「えー!?」
「もう停められない。あと3〜4時間もしたら配送が始まる。この写真だけだったら握りつぶせた可能性もあるんだけど、AYAとの写真がネットに出回ってしまったので、新聞はやる気満々で」
「わあ・・・・」
 
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「まあ、上島先生はいまさらこの程度は大したスキャンダルにはならないし、AYAの方のは、あなたたちの証言で誤解もすぐ解消するだろうけど、この件を知った、おもちゃ会社の広報部長さんから緊急に連絡が入ってさ」
「へ?」
「まさか、スキャンダル渦中の作曲家の作品を、そのスキャンダル相手の歌手の歌で、子供向けのアニメのテーマとして放映しませんよね?と」
 
「エンジェル・リリーのテーマ曲の件ですか?」
「そう」
「でも停めるにしても、放映開始は明日の朝10時ですよ!」
 
「それに上島先生は仕方ないとしてAYAは被害者ですし」
「どっちみちAYAちゃんが歌っている曲も上島作品」
「あ、そうか!」
 
「そういう訳で、今どうするかというのを◇◇テレビで緊急会議している。0時前には結論を出すということだから、それまで悪いけどここで待機しておいてくれる?、AYAちゃんの件を証言する必要が出てくるかも知れないし、テーマ曲差し替えの可能性があると言われたんで、先程近藤さんに連絡して緊急にスターキッズのメンバーに招集を掛けてもらった」
「ああ!」
 
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本来ならこういう場合ローズクォーツを使いたいところなのだが、メンバーは今日は(明日のコンサートのため)福岡である。朝までに東京に戻る手段は無い。そこで、ローズ+リリーのアルバム制作をはじめ、いくつかの仕事で関わりができていた近藤さんに連絡したところ、たぶんスターキッズのメンバーは全員集められると思う、ということであったので、まだ電車が使える人は電車で、もう終電になっている人はタクシーででも、各々の愛用の楽器をできるだけ多く持って都内の某スタジオまで来て欲しいということを要請したのであった。
 
私たちはAYAの事務所や福岡にいるマキ、また移動中の近藤さんなどと連絡を取りながら、とりあえず待機していた。(私は仮眠しておいた)
 
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22時過ぎにテレビ局から連絡が入った。緊急会議をしたいから至急来て欲しいということだった。3人ですぐに駆けつける。上島先生、百瀬さん、AYAも来ていた。
 
「じゃ、AYAさんの件はローズ+リリーのおふたりと百瀬さんが証言してくださいますね?」
「はい」と私たち。
「じゃ、やはり問題はあちらの密会写真に絞られますね」と響原部長が言う。「いや、ほんとに面目ない」と先生。
 
「上島君、去年も1度似たことがあったよね」と響原部長。
「申し訳無いです」
「あの時はうまく報道を押さえられたのだけど、今回はAYAさんの写真と連動してしまったので無理だった。上島君、君の女性関係は、ある程度は業界でも知られてはいるけど、しばらくは浮気は慎んでくれる?」
「分かりました」
 
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上島先生にこういうきつい言い方できるのは、この響原さんか町添さんくらいではなかろうかという気がした。
 
「さて、エンジェル・リリーのシリーズも今年は放映開始5周年でね。その出だしをスキャンダルで飾る訳にはいかないということで『花のリリー・マクラーレン/天使の休息』は取り敢えず明日朝の放送では流さないことにした」
 
「歌無しにするんですか?」と百瀬さん。
「そういう訳にもいかない。5周年の第1回放送でそんなことしたら諸橋君の首が飛ぶのはもちろん、◇◇テレビの幹部も減給ものだね。それで代わりの歌を朝までに用意できないかということになっている」
「今からですか!」
 
「放送開始まで11時間ほどある。それから、エンディングの映像についても、AYAさんには申し訳ないが、明日の朝の版では、AYAさんを抜いて、マリさんとケイさんだけ出てくる映像にさせて欲しい。今その再編集の作業をしている。事後承諾で申し訳無いけど、了承して欲しい。AYAさんの件がクリアになったらすぐ本来の映像に戻すから」
 
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「私はOKです」とAYA。
「AYAがOKなら、こちらは異存ないです。ね?」と私。「うん」と政子。
 
「しかし、今から11時間の間に、オープニングとエンディングに使う代わりの曲を用意して録音もするんですね?」とAYA。
「できないことはない。スタジオを2〜3時間借りてシングルの収録をしちゃう歌手なんて、けっこういる」
「でも曲から用意しないといけないし」
 
「うん。その前に、そもそもその曲を誰が歌うかという問題なのだけど、最初オープニングを百瀬さん、エンディングをローズ+リリーのふたりにお願いしようと思ったのだけど、百瀬さんが今歌えないということで」
 
「ごめんなさい。こういう時にお役に立てなくて。先月ポリープの手術をしたばかりで、まだしばらく歌えないんです」
「そういうことで、オープニング、エンディング共に、ローズ+リリーにお願いしたい」
 
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「了解です。緊急に録音をお願いするかもと9時の時点でご連絡を頂いたので、今、伴奏してくれるバンドの人たちにスタジオへ急行してもらっています」
と美智子。
 
「でも、私たちが歌うのはいいとして、曲は誰が書くんですか?」
と私が言ったら、みんなの視線がこちらに集まった。
 
「それも、ケイちゃんとマリちゃんが書くしかないよ」とAYA。
「えー!?」
 
「君たち、曲作りが速いよね。君たちが30分ほどで曲を書いた所を見ている人が随分いるんだよね」と響原部長。
「わあ、どうしよう」
などと私と政子が顔を見合わせていた時、上島先生が
 
「ね、あれ使えない?こういうシチュエーションで使うの申し訳無いけど、『影たちの夜』と『天使に逢えたら』」
と言い出した。
 
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「あぁ!」
 

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