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■夏の日の想い出・3年生の早春(7)

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この日はその後、コミュニティFMからお声が掛かったのでちょっと行って出演しトークをして生で歌ったりした後、酒造メーカーの本社に戻り、社長に挨拶してから、私たちは自分たちの車に戻って帰途に就いた。
 
政子が「少し休みたい」というので、市郊外のファッションホテルに入って2時間「休憩」した。
 
その後、近くのショッピングセンターに行き、食料などを買い揃えてから高速に乗った。その日はめかりPAで車中泊。翌日中国道をひたすら走って夕方、西宮名塩SAで長めの休憩。その後、新名神から東名に進み、仮眠しながら夜通し走って朝7時頃に海老名SAに到着。政子を起こして朝御飯にした。
 
「なんか大きいね、ここ」
「足柄も大きいけどね」
「ああ、あそこはショッピングセンターとかに来た気分だった」
「もうここが東名の最後のSAだよ」
「あ、じゃもうすぐ帰り着くんだ」
「うん。ここから1時間で帰れるよ。13時にFMに出演するから朝までに帰着しないといけなかったからね」
「お疲れ様−。私は帰ったら寝てるね」
「えっと、マンションの方でいいんだよね」
「もちろん。でないと御飯にありつけないもん」
「はいはい」
 
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「ねえ、FMってトークだけ?」
「えっと。『影たちの夜』を歌うよ。マイナス1で」
「私も行っていいかな。マイナス2で歌う」
「全然問題無いよ。出る気があったら、連絡するよ」
「よし、出る」
「じゃ、みっちゃんにメールしとく」
私は携帯から美智子にメールを入れた。ほどなく笑顔のアイコンだけの返信があった。
 

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九州から戻った翌日、私は政子・AYAと一緒に◇◇テレビに響原部長に呼ばれて、アニメ関係のイベントの件(ゴールデンウィークに遊園地でイベントをするらしい)で打ち合わせに行き、用事が済んだところで局内の喫茶コーナーでお茶を飲みながら、しばらくおしゃべりをしていた。その時、私たちの後で喫茶コーナーに入ってきた20歳前後の女性がこちらを見て「あっ」という声を出した。こちらも彼女に気付いた。
 
「絵里花!」
「冬子だよね?」
「うん、久しぶりー。あ、良かったらこちらに一緒に座って」
「しばらく会ってなかったもんね。雑誌に載ってる写真とかでは見てたけど、やっぱり実物の方がずっと可愛い。私の目に狂いは無かったなあ。あ、でもお仕事だったんじゃ?」
「お仕事終わったところ」
「誰々?」と政子。
 
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「私の中学の時の陸上部の先輩」と私。
「えー?ケイちゃん陸上部だったんだ!」とAYA。
「足の遅い陸上選手だったけど」
「でも、駅伝では5人抜きしたじゃん」と絵里花。
「おお、すごい」
「あれは上り坂区間だから。中学の駅伝じゃ上り坂のスペシャリストは少ないからできたわざだよ」
「へー、ケイちゃん、上り坂のスペシャリストだったんだ?」
「肺活量だけは当時からあったから。というか陸上の練習で肺活量が画期的に増えたんだけどね」
「なるほどケイちゃんの歌唱力って陸上部で鍛えたのね」
 
「でも冬子、売れてるよねー。ミリオン連発凄いじゃん」と絵里花。
「いやあ、たまたま運が良かっただよ。絵里花はテレビ局のお仕事か何かに関わってるの?」
「いやちょっと見学に来ただけ」
 
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「へー。あ、そうそう絵里花のおうちケーキ屋さんでね。お父さんの作るケーキ、美味しいんだよ」
「ありがとう。でも最近売り上げ落ちてて。お店苦しいみたい」
「どこの何というお店?」とAYA。
絵里花が場所を簡単に説明する。
「あ、そこ私、ケーキ買ったことある」
「え?ほんと?」
 
「うん。美味しかったよ。また今度寄らせてもらおうかな。でケーキ買って写真をブログにアップしちゃう」
「お、AYAのブログは視聴率高いから、宣伝になるよ」と私。
「わあ、嬉しいって、あ、AYAさんだったんですね!今気付いた。私なかなかタレントさんの顔を覚えきれなくて」
「あ、私あまりテレビに出てないから、顔が分かる人少ないです」
「私ほどじゃないけどね」と政子。
「マリは今やってる『エンジェル・リリー』のエンディングがほぼ唯一の出演だよね」と私。
「あぁ。ローズ+リリーのマリちゃんだったのか!ごめんなさい。冬子と並んでるからもっと早く気付くべきだった」
「マリの顔が分かる人こそレアだよ」
 
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「ああ、でももっとさっと顔を覚えられないとアナウンサーなんて無理かなあ」
「絵里花、ここのアナウンサー受けるの?」
「無理無理。キー局のアナウンサーなんて超狭き門だもん。この局も受けて一応1月に最終面接までは残ったけど落ちた。合格したのはみんな凄い才媛ばかり」
「でも最終面接まで行ったって凄いじゃん」
「うん。でも落ちたら結局一緒。もう先月大阪の準キー局も受けて、そちらも落ちて、これから地方行脚はじめる所。今日は地方行く前に再度見学に来たんだ」
「へー。あ、絵里花、私携帯の番号変えちゃったのよね。新しいの教えておく」
「あ、私も以前から変わってる。じゃ、番号とメールアドレスと交換しよう」
「うんうん」
 
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私たちがそのあともしばしおしゃべりしていた時、喫茶コーナーの傍を響原部長が通りかかった。
「あ。ケイちゃん」
と声を掛けて寄ってくる。
 
「それでさ、さっき言い忘れたけど、そのゴールデンウィークのイベント用にできたら1曲、楽しい感じの曲を書いてくれないかと・・・、あっとこちらは?」
「あ、大丈夫です。私の古い友人で、彼女アナウンサー志望だから、こういう話を聞いても外に漏らしたりはしません」
「おお、じゃ大丈夫か。ということでケイちゃん、お願いしていい?」
「OKです。何か書いておきます」
 
「うん。頼む。。。。で、あれ?君はこないだの面接の時にいたよね?」
と絵里花に話しかける。
 
「はい。ありがとうございます。その節は部長からもお声を掛けて頂きましたが、今回は縁が無かったようで」
「うーん。。。。落ちちゃったのか。で、この子、ケイちゃんのお友達?」
「彼女、私の中学の時の陸上部の先輩で、副部長してたんですよ。卒業した後も時々会ってるんです」
「ほほお」
「インターハイでは優勝しましたし」
「ああ、面接の時そんな話もしてたね。君、ラジオにも興味ある?」
 
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「あります!」
「※※ラジオとか興味ある?」
「はい。※※は私の母の実家があります」
「おお、それは縁がありそうだな。こないだ、いい子がいたら紹介してと言われてたんだよね。うちの最終面接まで残った子なら、向こうも文句あるまい。名刺あげるから行ってみない?電話も入れとくよ」
「ありがとうございます。すぐお伺いします」
 
絵里花は響原部長が名刺の裏にさっと紹介文を書いたのをもらうと、御礼を言ってすぐに飛び出して行った。部長も手を振って去って行った。
 
「面接うまく行くといいね・・・」
「ところで、さっきさ、絵里花さんが気になること言ってたね。『私の目に狂いは無かった』って」と政子。
 
「えっと・・・」
「それに冬のことふつうに『冬子』と呼んでたし。彼女中学の時の先輩なんでしょ?当時どういうことがあったか自白しなさい」
「いや。別に何も無いって」
「何?何?ケイちゃんってもしかして中学時代から女の子だったの?」とAYA。
「その疑惑が高まったね」
「いや、ほんとに何もないから」
と私はその日はひたすら言い逃れに徹した。
 
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九州から戻った日の翌々日(テレビ局に行った翌日)の夕方。私と政子は一緒に車で首都高から東名を走り、沼津ICから下に降りて、三島駅前でひとりの女性を拾った。そして、国道136号を南下して、とある温泉郷に行き、ひなびた温泉旅館に投宿した。
 
温泉に到着するまでの間、彼女はひたすら泣いていた。政子が後部座席に座ってずっと彼女の手を握り話を聞いてあげていた。
 
到着した時刻が遅かったので、まずは食事を出してもらい(部屋まで持ってきてもらった)、それから温泉につかってきて、部屋に戻る。あらかじめ仕入れておいたおやつなどを出して、また話していると、彼女はかなり落ち着いてきた様子であった。
 
「昨日、先生から茉莉花さんの行き先に心当たりが無いかって電話があった所だったんですよ。その時点でもし既に茉莉花さんから連絡があっていても『知りません』と言ったとは思いますが、その後で連絡があったから、こちらも嘘つかずに済んで助かりました」
 
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「ごめんねー。でもあなたたちにかなりグチこぼしたんで、かなりスッキリしちゃった。歌手時代の知り合いとかの所に行くとすぐ見つかると思って、半月ほど、あちこちのホテルを渡り歩いていたんだけど、ひとりでいると、どうしても頭の中が煮詰まっちゃう感じで」
 
「でも先生、本気で心配してましたよ」
「心配もしてくれないんだったら、もう離婚する。今回はもう我慢の限界を越えちゃった」
 
上島先生の奥さん(茉莉花さん)は先月下旬に、誰にも行き先を告げないまま突然家から居なくなった。というより、実は私が先生宅に電話した夜にいなくなった。つまり私が電話したのは茉莉花さんが出かける寸前だったらしい。先生は帰宅したら奥さんがいないので最初は買い物にでも出ているのかと思ったもののいつまでも帰って来ないし、メールにも返事がないので、ただならぬ事態であることを認識した。
 
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最初は彼女の友人や現役時代に親しかった人、高校時代の同級生などに問合わせたりしていたようだが、どうしても居場所を掴めないので、とうとう自分が関わっている歌手などにも奥さんの事を尋ね始めたということであった。昨日その話を先生からの電話で知り、こちらも少し心配していた所、今朝、突然私の携帯に奥さんから電話が掛かってきのであった。今日は木曜日で午後にFMの生番組(ローズクォーツの番組)があったので、ラジオ局の近くに車を駐めておいて(政子は局内で待っていて)、番組が終わってすぐ車に飛び乗って三島まで走ってきたのである。
 
「昨日三島まで来て、次は熱海かなあ、それとも山中湖の方にでも行こうかなとか思ってたんだけど、もう半月、時々実家に定時連絡入れる以外はほとんど誰とも話してなかったから、何だか誰かと話したくなっちゃって。その時、ふと家を出がけに持ってきていたケイちゃんの電話番号のメモを見たのよね」
 
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「私たちで良かったらいつでもグチこぼしてください」
「うん。どうしても上島ファミリーの人たちには話しにくいのよね、この手の話。みんなもう上島を崇拝している感じで。AYAちゃんとかは、結構冷めてるけど、今回は彼女も巻き込まれちゃったしね」
 
「でも、あの状況は、ケイが上島先生と抱き合ってしまってそのショットが広められててもおかしくはなかったよね」
「でもその場合はアニメの方は万事休すだったね」
「私たちが抱き合ってる写真だったら、いくらネットに貼られても平気だったけどね」
「ほんとほんと」
 
「あなたたち・・・・・ビアンってのはホントなの?」
「はい」と私と政子は声を揃えて言った。
「私たちの関係は4年前のデビューの時以来、ずっと噂にされてるから、今更だもんね」
「うんうん。公式ホームページに明記しちゃってもいいくらい」
「へー。仲が良さそうだなというのは思ってたけど」
「私たち、実は各々ボーイフレンドもいるので」
「えー!?」
「どちらかというと、そちらをあまり騒がれたくないから、私たちの関係自体の方は逆にビアンということで構いません」
 
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「・・・・ひょっとして、ふたりとも彼氏とも付き合いつつ、ふたりでも付き合ってるの?」
「私たち自身は実質ビアンの夫婦のつもりです。でも、私たちの間の愛と、各々の彼氏への愛がなぜか両立しちゃうんですよね」
 
「結局は二股じゃないの?などと友人から批判を受けてはいますが」
「愛の次元が違うのよね」
 
「あ、そういえば『愛の次元』って歌をこないだスイート・ヴァニラズが歌ってたね。あれ、あなたたちの曲だったね」
「ええ、私たちのことを歌った曲なんです。Eliseから虫のいい歌詞だって笑われましたけど」
 
「そっか・・・・・もしかして、あの人も私への愛と他の恋人への愛が両立しちゃうのかな」
「男の人の気持ちって、よく分からないけど、けっこう複数の人を同時に愛せる人はいるみたい」
「ケイちゃん、昔男の子じゃなかったっけ?男心分からないの?」と政子。「えー?私は昔から女の子だよ」と私。
 
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「でも恋人をたくさん作る男の人にも、浮き草みたいに節操なく次から次へってタイプと、自分のホームポジション持ってる人がいるよね」
「たぶん、上島先生にとっては茉莉花さんがホームポジションなんだろうね」
 
「私って・・・食事で言えば御飯なのね」
「そうですね。先生っておかずばかり食べるタイプじゃないから」
「でも御飯ばかり食べ続けることもない・・・か。あの人の浮気ってやはり治らないのかしら」
 
「治らないと思います」と私も政子も断言した。
 
「先生がプレイボーイなのは、私やケイは承知の上で付き合わせて頂いてるんですけどね」
「先生から『今度デートしない?』なんてささやかれるのは完璧に聞き流してるもんね。AYAもそんなこと言ってたし」
 
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「私もそんな人かもなってのは承知の上で結婚したんだどね。ただ結婚したら女性関係はもう少し控えてくれるかなって期待をしてたんだけど」
「無理です」と私と政子。
 
「結局は、気にしないことにするか、別れるかの選択ね」
「ええ。我慢したらダメですよ。我慢できるものじゃないから。別れないんだったら、もう気にしないことです。先生が茉莉花さんを捨てることはないですから」
「そうだね」
 
私たちはおやつを食べつつ、またお酒を飲みつつ、その夜は遅くまで奥さんの話に付き合ってあげた。
 
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■夏の日の想い出・3年生の早春(7)

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