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■夏の日の想い出・君に届け(11)
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目次 8
時間索引 #
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7日の午前中はアクアのライブが北区の研修所から中継される。
司会役を命じられた白鳥リズムが楽曲を紹介し、アクアと会話もしながら楽しく進行させていく。
安全のため、エレメントガードがメインスタジオで演奏し、アクアは1人第1練習室で歌唱している。司会役のリズムは第2練習室で話す。3つの部屋はお互いにモニターで向こうの部屋の様子が分かるようになっている。メイン技術者の山元凛奈さんはアクアと同じ部屋に入っており、エレメントガードを映すメインスタジオには、サマーガールズ出版の則竹さん(“今日だけ女子”パス使用。ついでに女装!)、リズムを映す練習室には、★★チャンネルの秋元さんという女性技術者が入っている。
(翌日は秋元さんがフラワーフォーの中継のために残り、則竹さんと山元さんは仙台に行く予定)
“声援アプリ”を使用しているので、この中継をネットで見ている人たちが声援ボタンを押すと、それが声援の形になって、歌っているアクアや演奏しているエレメントガードなどにも伝わるようになっている。
それでアクアは
「みんな応援ありがとう!」
などと言って歌っていた。
ちなみにこの日研修所で歌唱したのはFである。
午後からは§§ミュージックの歌手たちが交替で歌唱した。司会は前半は、研修生ではあるもののテレビのバラエティにも出て顔が売れており機転も利く大崎志乃舞(門脇真悠 )、後半はラピスラズリの町田朱美にやらせた。ふたりとも振袖を着せたが、特に大崎志乃舞が振袖を凄く嬉しがっていた。
12:40リセエンヌ・ドオ 13:10今井葉月 13:30ラピスラズリ 13:50桜野レイア、14:10山下ルンバ、14:30原町カペラ、14:50石川ポルカ 15:10桜木ワルツ、15:30花咲ロンド、16:00白鳥リズム、16:30姫路スピカ、17:00西宮ネオン、17:30高崎ひろか、18:00品川ありさ、18:30川崎ゆりこ (19:00終了)
使用する度に部屋を消毒しなければならないので、歌唱する部屋は第1練習室と第2練習室を交互に使用し、前半の大崎志乃舞は第3練習室から司会をした。
(部屋割前半 3=MC)
M.リセエンヌ・ドオ 1.葉月 M.ラピスラズリ 1.レイア 2.ルンバ 1.カペラ 2.ポルカ 1.ワルツ 2.ロンド
リセエンヌ・ドオとラピスラズリは練習室では狭すぎるのでメインスタジオを使用した。それで本来は先頭が葉月の予定だったのを、次のリセエンヌ・ドオと順序を入れ替えている。
後半司会の町田朱美は第1練習室を使用し、後半は第2と第3を交替で歌唱に使用する。
(部屋割後半 1=MC)
M.リズム 3.スピカ 2.ネオン 3.ひろか 2.ありさ M.ゆりこ
後半トップのリズムは部屋の消毒の都合でメインスタジオを使用した。最後のゆりこがメインを使用したのは、締めだからである。ここには最後にはこの日歌った全員を各々の寮の個室から映した液晶パネルをメインスタジオ内に並べ、最後に全員で日野ソナタさんのヒット曲『いちごの想い』を歌った。
(ネオンもこの日だけ特例で女子寮の空き部屋に入れた。性転換したらこのままこの部屋をリザーブするけどと言われたらしいが、辞退したらしい!)
なお、歌唱の伴奏は全て録音された音源を使用した。アクアに生バンドを使ったのは、あくまで特例である。楽器の得意な桜野レイア、山下ルンバ、白鳥リズム、西宮ネオン、は各々ピアノやギターを弾きながら歌唱した。またラピスラズリは朱美のピアノ伴奏で、はるこがメロディーを歌い、朱美もピアノを弾きながら三度唱するスタイルで歌った。
なお、ルンバはここまで終わった所で、バイクで仙台に移動した。
仙台では7日の午前中は休憩(マリは当然熱心にアクアの歌唱中継を見ていた)。そして午後からは、東京で§§ミュージックの子たちが歌唱している間に、マリナの代理司会により、明日のリハーサルが行われた。歌唱・演奏だけではなく、消毒もリハーサルになっている。
3月8日は午前中は昨日のアクアの歌唱を再度ストリーミングで流した。もちろんマリはまた熱心に見ていた。
同じ映像を流すのだから、視聴者もどちらかだけ見るのではないかと思われたのだが、実際には多くの人が2回見たようで、両日の課金売上は均衡していたし、idを分析すると、7割ほどの人がわざわざ2度課金して2度とも観覧したようである。
そして2度鑑賞した人たちの中からこういう声があがった。
「7日のストリーミングと8日のストリーミングは同じ物ではない気がする」
実はマリも同じことを言った。
このストリーミングは基本的に暗号化しており、パケットをオールキャッチして記録したとしても、公開鍵にアクセスできないと視聴できないようにしている。つまりリアルタイム以外では見ることができない。画面キャプチャするソフトでもキャプチャ自体ができないように表示している。しかしパソコンの画面をビデオカメラで撮影するなどの手法で、強引に録画した人たちは存在する。その人たちが2回のライブを見比べて
「やはりこれは違う」
と言い出した。
「結局アクアは2度歌ったのでは?」
これについてはコスモスが1週間後に謝罪声明を出した。
「震災復興支援のためのライブで、片方を録画で済ませるのは寄付して下さる方たちに失礼なので、負荷は掛かるけど2度歌いたいとアクア本人が言ったので2回演奏しました。しかしそれを事前に発表すると、2度とも見ようとする人が増えサーバーに負荷が集中してダウンする事態も考えられました。それで同じ映像を2回流すという発表をさせて頂きました」
確かにアクアの中継では★★チャンネルのサーバー負荷が80%近くまで達していたのである。アクアが2度歌うことが告知されていたら本当にダウンしていたかもしれない。★★チャンネルでは、サーバーの増強をすることになった。
なお1度目の歌唱はFで2度目の歌唱はMだったが
「1度目の方が女の子らしくて良かった」
という声が圧倒的だったので、Mがそういう声を見て悩んでいた。
「M、性転換しちゃう?」
「それ絶対嫌」
8日午後は08年組+αが登場する。
アクアの演奏のストリーミングが終了したのが11時である。午後の部が始まる13時までの2時間の間、会場の風景が映されていたが、スクリーンと書き割りの観客の写真が10000席を埋めている様子は壮観だった。
映像だけでは寂しいからと言って、ローザ+リリンが仙台市内若林区のクレール本店のスタジオから、今日の出場者の代表曲を各々のものまねを交えて歌う様子も流された。これは無料で流されているのだが、これがなかなか好評だった(音羽と光帆など、自分たちのものまねを見て笑い転げていた)。
これが結果的には午後の部の(有料)視聴者を増やす効果も出たようであった。
(ケイナは7日は東京でピンの仕事をしていたのだが、それが終わってから、ドライバー会社の矢嶋春花さんが運転するオーリス(千里の車)で仙台に移動してマリナと合流した。
そしてみんながマリナの妊娠を知っていて
「パパになるのね?おめでとう」
とたくさん祝福されたので、恥ずかしがっていた。
司会の花ちゃんがステージにマスクをした振袖姿で登場し、最初の出演者ゴールデンシックスを紹介して、午後の部は始まる。
彼女たちは55分の枠を元気に乗りまくって演奏した。声援アプリからたくさん声援がかかり、その声援もストリーミングに流れるので、ほんとに観客のいるライブを中継している雰囲気で、視聴者もかなり興奮したようであった。
10分間のステージ消毒作業の間は、またクレールからローザ+リリンの映像が流れる。2人がラピスラズリの『亜麻い雨』を歌うと
「けっこう可愛く歌うじゃん」
とわりと好評だった。
「さすがに女子中生には見えないけど、女子大生くらいでは通るかも」
「ほんとに2人とも若いよな」
消毒が終わったところでオリーブレモン(Gt.丸山アイ B.鹿島信子 KB.フェイ Dr.ヒロシ)が登場する。むろんヒロシは女装である!ヒロシの女装はハイライトセブンスターズのライブでは割とおなじみなのだが(アンコールに女装で出てきたりする)、初めて見た視聴者もかなりいたようで、中にはヒロシが男子であることに全然気づかなかった人もあったようであった。
(このバンドは実はヒロシ以外の3人が各々別の意味で半陰陽のバンドである)
その後は、東京のスタジオからフラワー・フォー(ウドゥン・フォーの4人にそっくりな女の子4人のバンドという建前)が登場する。
今回はこの素性を知らない視聴者もかなりいたようで「随分声の低い女の子たちのバンドだね」などという感想も見られた。
私は亮平と別れたばかりの政子は彼らの演奏は見たくないのではと思ったのだが、楽しそうに見て居る。
「もうわだかまりはないの?」
と訊いてみた。
「可愛く女装するよね。このまま性転換してもいいと思うけど。手術してくれる病院勝手に予約しちゃおうかな」
などと政子は言っている。
「やめなよー。それ病院にも迷惑かけるから」
「ちょっとちんちん切るだけじゃん。あんなの無くてもいいでしょ?」
「男の子は無いと困ると思うよ」
「ちんちんが無かったら、女の子とセックスする時は指を入れればいいじゃん」
「指からおしっこはできないし」
「おしっこ用にはゴムホースでも付けとけばいいよ」
などと政子は言っている。少し離れた所で控えている竜木マネージャーが顔をしかめている。
「あ、そうそう亮平がさ」
「うん」
「週明けにも、冬と話したいことあるらしいよ。時間取れる?」
「亮平君の話なら何とか時間を作るよ」
と私は答えた。
政子のお腹の中の赤ちゃんに関する話かな、と私はその時思った。
なお亮平君は既に政子の承認を取って胎児認知の届けを済ませている。従って大輝の出生届が出されれば、その父親欄には大林亮平の名前が記載されるはずである。
次がKARIONである。今回のステージではステージの消毒に10分ほどの時間がかかるのだが、フラワー・フォーだけ東京からの中継だったため、演奏時間は次のように調整されている。
13:00-13:55 Golden Six
(13:55-14:05 消毒/Rosa+Lilin)
14:05-15:00 Olive Lemon
15:00-15:55 Flower Four
15:55-16:50 KARION
(16:50-17:00 消毒/Rosa+Lilin)
17:00-17:55 XANFUS
(17:55-18:05 消毒/Rosa+Lilin)
18:05-19:00 Rose+Lily
私たちはパーソナルカラー(和泉:垢、小風:黄、美空:青、蘭子:ピンク)の振袖を着て55分間の歌唱をした。
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