【夏の日の想い出・アルバムの続き】(8)
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少年探偵団VI初回エピソード2時間スペシャル(2023.1.9放送) 主な出演者
レギュラー
小林芳雄:Mr.アクア(2001)【主役】
北里ナナ:Ms アクア(2001)
少年探偵団
花崎マユミ:元原マミ(1998)第1期
井上一郎:鈴本信彦(2000)
溝口洋平:松田理史(1998)
山口あゆか:今井葉月(2002)
河野令子:内野涼美(2003)
堂本流馬:坂口芳治(2004)第2期
新庄祐司:津島啓太(2006)第3期
藤本友也:福山長洋(2005)第5期
城山春樹:浦野俊徳(2007)
山本五月:田代晴美(2007)
朝倉紗希:栗原リア(2004)
北山レイ:三陸セレン(2007)
西山ラン:山鹿クロム(2007)
沢田恭子:月城たみよ(2008)第6期
中居美奈:佐川治美(2009)
別働隊・黒豹(Panther)
清川なぎさ(2000)
地久あきら(1999)
明智探偵事務所
明智小五郎:本騨真樹(1992)
赤石助手:同上
葛西助手:森原准太(1989)(友情出演)
森田助手:木取道雄(1990)(友情出演)
怪人二十面相:大林亮平(1987)
二十面相の部下:山崎恵光(2000)、羽沢陽太(1997)、谷口武士(2002)
中村係長:広川大助(1976)
デパートの客・ライブの観客:解決ゾローズ
語り手:元原マミ
ゲスト
細川洋介:東堂千一夜(特別出演)
細川聖知:羽鳥セシル
細川洋造:木下春治
細川洋高:城村滝雄(友情出演)
細川島子:しまうらら(友情出演)
ラビオ月子:カサンブランカ由美
花田小梢:安原祥子
細川洋一:雛形敬一
細川貞子:甲斐美枝子
アメリカのお金持ち:Michael Sanders
小林少年が化けた女子店員:立花紀子
二十面相が化けた女子店員:太田芳絵
四谷デパートの社長:神崎寛士
四谷デパートの店長:横田直樹
高石主任(店長の息子):佐渡金銀
イベント係の店員:桜井真理子
花屋さん:中村桂助
「妖怪体操第2だ」と言った子供:城岩秀俊@劇団桃色鉛筆
風船を取ってもらった子供:金野博美@劇団桃色鉛筆
警備員:里島満雄、山本筧光、国崎春也、松本裕晃、斎藤次光、香取泰裕、内田実則、野口直衞、黒沢政俊
女性警備員:新田青依
警備会社の課長:広沢涼太
二十面相の部下が化けた警備員:高橋元輔
ニセ警察官:頼本大士
守衛室のガードマン:島袋勇司
オープニングアクトのバンド
JoHoos:三田雪代、斎藤恵梨香
ドリーム・トライン:姫路スピカ・南田容子・竹中花絵(友情出演)
小林以外に15名の少年探偵団員が出ていたがこれが今期の少年探偵団の総出演である。2回目以降はこの中の2〜3人が出演する。普段は30分番組なので、なかなか出番が回ってこない。花崎マユミでさえ4回に1回くらいしか出ない。
「北里ナナはレギュラーなの〜?」
とアクアMは言った。
「実際問題として毎回出てるし」
とアクアF。
「まあ本当に毎回出てるのは、小林少年・北里ナナ・二十面相の3人だけだよね」
と美高監督。
「話の筋に絡まなくても通行人として出てたりする」
「ナナちゃん出さないとクレーム来るから無意味に登場する」
「よけい“素顔の”小林少年より多いかも」
「小林少年はたいてい誰か女の子に変装してるし」
「素顔を一度も見せなかった回もあった」
「二十面相は終始“怪盗マスク”かぶってて顔を見せず実は別の人が演じていることもある」
「結構山村マネージャーが代理してる」
「だから実は北里ナナは唯一の皆勤賞だったりして」
「でもMr.アクア、Ms アクアと書いてある」
「映画でもそうクレジットしてるし今更」
「そこは綾小路翔とDJ OZMA、あるいはマーヴェラス西川とT.M.Revolution みたいなものということで」
と美高さんは2人のアクアに言っていた。
「でもアナグラムの関係で Mr.AQUA がマクラで、Ms AQUAがサクマなのね」
「まあマクラもサクマも世を忍ぶ仮の姿ということで」
「実体はどちらもアクアだからね」
「うーん・・・・」
とMは悩んでいた。
「大林亮平さんも今期で卒業したいと言ってる」
「だったら来年は大幅に出演者が変わりますね」
「だから視聴率維持のためにもアクアちゃんは小林少年以外の役でまた出てほしいということで」
「僕、明智の奧さんの役とかはしませんからね」
「ボクはしてもいいけど」
「ちょっとぉー」
「まあその辺は2人で話しあってもらって」
「でも本当に来年もやるんですか」
「小林少年役をある俳優さんに打診している。彼次第」
「誰ですか?」
「ボクだいたい想像が付く」
「きっとFちゃんの想像した人」
「誰だろう?」
とMは見当が付かないようである。
「ただアクアちゃんたちのギャラはその人より低くさせてほしいんだけど」
「それは当然です」
「主役よりギャラの高い人が居ては、いけません」
と2人とも言うので美高さんは頷く。
「アクアちゃんたちは特別出演にしようか」
「それは40歳すぎてからにしてください」
「OKOK。じゃ普通の出演で」
(うやむやの内にアクアMも来期の出演に同意している)
ドラマで使用された3本のフルートセットは“標準再放送”が行われた1月15日の翌日1月16日(月)から2月27日(月)までΛΛテレビ内の特別展示室で展示された(入場無料だが予約制)。
イミテーション(B)と(C)には売約済みの札が掛かっていた。これは実際には(B)は来年の番組でも使うかも知れないので放送局で保管し(C)は山村星歌が記念に買い取ることになっている。
ロマノフの小枝の本物には“所有者よりレンタル中”の札が掛かっており火の鳥には“売約済み”の札が掛かっていた。買ったのは実は“北里ナナ”である!
12月下旬、アクアはΛΛテレビの鳥山編成局長の許を訪れた。アクアがスカートを穿いているので「姉の方だな」と鳥山は思った。
「展示会が終わった後でいいので“火の鳥”の本物を買い取らせて頂けませんか」
とアクアは単刀直入に言った。
「アクアちゃんが買ってくれるのなら実質原価で譲渡するよ」
「フェイさんが買い取った2年前のロマノフの小枝が悲惨なことになりつつあるみたいだし」
「いやあれは僕も誤算だった、あんなに荒っぽく扱うとは思わなかった」
「フェイさんって愛情が分からないからヒロシさんが他の女の子とデートしててもニコニコしてお茶出してあげたりするらしいけど、お金の価値も分からないから1000円と1000万円の差を何も感じ無いんですよね」
「ああ、なるほど」
「あれ多分来年までには折れてますよね」
「そんな気がする」
「その時のために私が費用出しますから“ロマノフの小枝”のコピーも1本作りませんか?」
鳥山氏はしばらく考えているようだった。
「来年からは配役とかも大幅に変わって話がいったんリセットされるからさ」
「はい」
「セシルちゃんが持つフルートは何もロマノフの小枝でなくてもいいと思うよ」
「ああ」
「だからアクアちゃんが持つFirebird、安原祥子ちゃんが持つGolden Fox、もうひとつは例えばセシルちゃんが演じる別のお金持ちのお嬢様、たとえば佐倉絵奈ちゃんとかが持つBlack Dolphinとかね」
「ドイツ国旗だ!」
(ドイツ国旗は黒赤黄と思っている人が多いが実は黒赤金である)
「まあロマノフの小枝は次は登場しなくてもいいんじゃないかね。それにフェイさんに売り渡したものと同じ物をもう1本作るというのは失礼だし」
「あ、そうですよね。ごめんなさい」
「いやいいんだよ。アクアちゃんが色々心配してくれるのはありがたい」
「でも確かに次は白じゃない方がいいかも知れませんね」
「うん。そんな気がするよ。でも火の鳥はアクアちゃんが買い取ってくれるならもの凄く助かるよ」
「それを“北里ナナの家”に飾っておこうかなと思って」
「それも物凄く大歓迎」
ということで、アクアは“火の鳥”を3000万円で買い取り、展示会が終わったら“北里ナナの家”に飾っておくことにしたのであった。そういう訳で展示会では“火の鳥”の方にも売約済みの札が掛けられていた。それで北里ナナの家に火の鳥が置かれている様子も3月の放送で流れることになる。
売り渡し価格は放送局側は2200万円でいいと言ったのだが、フェイがロマノフの小枝を買った金額より大きくしましょうとアクアが提案し3000万円になった。
ところで2年前には“ロマノフの小枝”のレプリカを10本限定12万円で販売したのだが、放送後「今回は火の鳥のレプリカは販売しないんですか?」という問合せが多数寄せられた。
それで放送局は火の鳥のレプリカを10本限定で発売することにした。またそれ以外に“小枝風フルート”“火の鳥風フルート”を数量無制限・注文生産方式で販売することにした。ここで各々の仕様は下記である。
本物
小枝:管体:プラチナ、キィ:銀、宝石:合成コランダム
火鳥:管体:23金の赤塗装、キィ:銀の赤塗装、宝石:合成コランダム
キィの塗装は何度も演奏に使うと剥がれる恐れがある。剥がれた場合メーカーの技術者にしか修理できない。(基本鑑賞用)
イミテーション(B)
小枝:管体:洋銀のプラチナメッキ、キィ:洋銀、宝石:ダブレット
火鳥:管体:洋銀の赤塗装、キィ:洋銀の赤塗装、宝石:ダブレット
イミテーション(C)
小枝:管体:白銅のプラチナメッキ、キィ:洋銀、宝石:ダブレット
火鳥:管体:白銅の赤塗装、キィ:白銅の赤塗装、宝石:ダブレット
レプリカ
小枝:管体:洋銀のプラチナメッキ、キィ:洋銀、宝石:ブルークォーツ・レッドクォーツ
火鳥:管体:洋銀の赤塗装、キィ:洋銀の赤塗装、宝石:レッドクォーツ
小枝“風”・火の鳥“風”フルート(演奏可能)
小枝:管体:洋銀/銀、キィ:洋銀/銀、宝石:シール
火鳥:管体:洋銀/銀の赤塗装、キィ:洋銀/銀、宝石:シール
これは宝石は単にシールであるから音には影響を与えない。キィは丈夫な洋銀製または銀製なので実際の演奏に使用できる。
価格はレプリカは2年前に販売した“ロマノフの小枝”は12万円で゛販売している。今回の“火の鳥”は20万円での販売になった。原材料の高騰(正確には円安)に加え、宝石が1個多いのでこうなった。
“風”フルートは管体を洋銀・銀の選択、キィもカバードキィとリングキィ、更にインラインとオフセットを選択可能である。全てEメカ付きである。洋銀・カバード・オフセットの場合、小枝が9万円、火の鳥が10万円となっている。
そして宝石は単なるシールである!“公式”が発売したのは青・赤のシールのみであるが、他社から多数の“互換シール”が発売され、ブルガリア(白緑赤)、ドイツ(黒赤金)、エストニア(青黒白)、などに改変する人たちが出た。更にはオリジナルのみでも順序を変えてオランダ(赤白青)にしたり“向きを変えて”並べてフランスの旗にする人などもあった。
この“風”フルートは要するに普通のフルートの特殊外装なので、普通のフルートとして買った人も多かったようである。2023年の吹奏楽コンクールにフルート奏者のひとりが火の鳥“風”フルート(管体銀)で出場して全国大会にも駒を進めたところがあり話題になっていた。
なお展示会は2月末まで実施されフェイにはすぐ返却されたのだが・・・・4月のゴールデンウィーク前にはフェイが自分のブログで
「折れちゃったぁ!」
と写真付きの書き込みをしていた。
「丈夫なプラチナのフルートを折るとはどういう使い方してんだ?」
「2500万円を折るとは」
「これでもうロマノフの小枝の話の続きを制作するのは不可能になった」
「二十面相が泣いてるな」
「フェイには2500万円のプラチナフルートじゃなくて2500円のプラスチックフルートを渡すべきだったな」
と“呆れる”声が多数殺到した。
なお、このドラマ関連のCD/DVDは下記の日程で発売された。
1.4 少年探偵団の主題歌シングル/アクアのミニアルバム(6星座2)
1.9 ドラマの放送
1.18 ドラマのサウンドトラック
1.25 ドラマのビデオ(DVD/download/BD)
なお『少年探偵団VI』の放送は1/16 1/23 にもあるが通常版は30分番組で小さな事件を取り扱ったものである。(さすがに30分でまとめるのは難しいので前編・後編の2回分割放送も混ざっている)
なお本放送は月曜日の夕方だが、再放送が6日後の日曜にも行われる。ただし一部の地方放送局では再放送は行われない。
3月27日はまた2時間スペシャルでアクア版少年探偵団のラストエピソードとなる。
12月5日(月)、アクア主演『竹取物語』の劇場版が公開され、また同時にDVDも発売された。この作品はモンド・ブルーメ社の手により、ドイツ語版・英語版・フランス語版・スペイン語版・イタリア語版・ウクライナ語版も現地時間の12月9日までに公開された。
また中国語版・タイ語版・ベトナム語版・タガログ語版、ヒンズー語版なども各国の映画会社により制作・公開された。インドでは英語版DVDの方がヒンズー語版より多数売れたらしい!(多分宗教的な見地からヒンズー語版でカットされたシーンも見られるから)韓国語版は・・・途中で挫折したらしい。韓国のファンは結局輸入された日本語版か英語版のDVDを見ていたようであった。
この映画版ではドラマ版と比べて細かい間違いの修正(石作皇子の満月問題など)が行われたほか、人気の高かった“車持皇子の大冒険”の部分をわざわざ追加撮影まで行って拡大している。
・元々制作されていたものの尺の関係で本放送ではカットされていた鬼ヶ島編:犬・猿・雉を演じる常滑舞音と水谷姉妹の熱演!再放送版で少しだけ放送されたがフルバージョン(10分ほど)が入っている。
・揚浜フラフラ軍団のメンツが海賊を演じた“海賊島”編(10分)
・Havai'i 99 およぴ タヒチアン・ダンサーズが出演した“団須島”編(7分)
・多数の亡霊たち(演:東青山少女合唱団:顔は映らず!)が現れる“亡霊島”編(5分)
といったものが挿入された。海外では“ダンス島”編がとても受けた。Havai'i 99の演奏には「これは本物だ」と評価が高かった。
初回放送時には30分ほどだった“車持皇子の大冒険”はこれで1時間ほどに膨れあがり、これだけで充分中編映画1本分のボリュームとなった。
船頭役の広瀬のぞみも9月下旬に(川中島の制作で)東京に来たときにこの追加撮影に参加してもらっている。なお彼女は3月に高校を卒業したら東京に出て来て女子寮に入る(妹の広瀬みづほの部屋に同居予定)ことになっており現在既に信濃町ガールズである(10/4契約)。それまでに法的な性別も女性に変更する予定という話であった。
このところ私(ケイ)はだいたい朝から夕方まで恵比寿のマンションで主として作曲活動をして、時々電話やメールでコスモスや代理のゆりこ・花ちゃんなどと話していた。そして夕方くらいに佐良さんの運転するアコードで小平市にあるマリの家の隣に建つスタジオでマリと一緒にアルバム制作作業をしていた。
マリの方はだいたいお昼頃に起きてからお昼?の後、午後一杯練習しており、夕方晩御飯の後から私と一緒に歌う。そして夜中0時頃夜御飯?を食べ、それからもう少し頑張って夜中3〜4時に朝御飯?を食べてから寝ている。
(1日4食という気がする)
しかしその日私が行くとマリは寝ていた。
「そろそろケイが来てお仕事だよと言ってたんだけどね」
と午後の練習パートナーをしてくれている詩津紅が言った。仕方無いので風邪を引かないように母屋から毛布を借りてきて掛けていたという。
「ここで眠ると悪夢を見やすいんだけどね」
「でも政子ちゃんの夢って元々凄い悪夢のような気がする」
「それがあの子の場合普通だからね〜」
結局政子を放置して!私と詩津紅は母屋で寝た。
この時期の部屋配置
1F LDK
1F MBR 両親+かえで(2022.8)
1F 10J work room, マリ・ケイ
2F 6J あやめ(2019.2)・夏絵(2018.8)・大輝(2020.10)
2F CL
2F4.5J 詩津紅
離れ1F Garage
離れ2F 佐良
Studio Piano(S6B) 楽器類
(2F4.5J+CL はwork roomの真上にある)
以前はwork roomにピアノも置いていたがスタジオを作ったのでそちらに移した。
子供たちには私たちが使ってない時にはスタジオに来て自由に弾いていいよと言っているので、あやめは自分で色々弾いて遊んでいるようである。
子供たちは。6畳の部屋に、夏絵・あやめ・大輝の順に3つの子供布団を敷いて寝ている。政子の母が3人を寝かせ付けている。お母さんの位置はあやめ・大輝の間である。男女混じっているので政子の母の意見で布団の“微妙な”順序は決められた。あやめ・大輝は同母異父姉弟だが、夏絵と大輝には血縁関係は無い。でも大輝は2人を「あやめお姉ちゃん、夏絵お姉ちゃん」と呼んでいる。だから大輝にとっては夏絵も普通に姉である。
そして大輝は2人の“ほぼ妹”である。大輝は自称が“わたし”又は“あたし”だし、よくスカートを穿いている。下着もお姉ちゃんと同様のキャミソールとショーツである。しばしばお揃いのプリキュア柄を着ている。水着も女の子水着である。ちんちんは政子がタックしちゃった!見ただけでは女の子にしか見えない。
[わたし女の子になっちゃったの?]
「一応ちんちん付いてるから男の子だよ。でも見えないようにしちゃったから女の子と似たようなものだよ。これからは女の子パンツ穿いてスカート穿いてね」
「うん」
と本人は何だか納得?しているようである。むしろ姉たちと同じ服を着られるので喜んでいるようだ。最近では“大奈”(たいな)と呼ばれている。それを聞くと人は「ああ、月の女神のダイアナから取ったのね。可愛い女の子ね」と言うようである。実際彼の容貌はかなり女性的である。父親の大林亮平も20歳頃までは女装の似合う男の子だっから遺伝かも知れない。亮平は月に一度ほど亮平に会いに来るが「おお可愛い可愛い」と喜んでいる。一緒に写真を撮ったりしている。亮平も大奈が「わたし」という自称を使うのは容認している。
タックしているので、おしっこも女の子とほぼ同様の位置から出る。もちろんトイレは座ってする。かえでも含めて「“4姉妹”なんですね」「ええ女の子ばかり生まれて」などとやっているようである。政子の母は「まあ小さいうちはいいか。そのうち男の子の自覚が出てくるだろう」と思っているようである。
政子は結局朝まで寝ていた。そして4時頃母屋に来ると
「お腹空いたぁ」
と言うので結局いつもと似たような時刻に“朝御飯”を食べると、何か詩を書き始めた。
「ふわふわのお布団」
と書いている。何だかよく分からない詩である。
「私がふわふわのお布団で寝てたらね。悪魔がやってきて私を起こそうとするの。でも私のお友達の宇宙人さんが悪魔と戦ってくれてUFOからビーム出して悪魔たちのちんちんを焼いちゃって。そしたらちんちん無くなった悪魔はみんなおとなしくなって素直に帰って行ったのよね。だから私はずっと安眠を続けられたの」
「マリちゃんらしい夢だね」
と詩津紅が微笑んでいた。
政子は宇宙人さんたちといつも仲良くしているらしい。
詩津紅は「また昼頃来ますねー」と言って帰って行った。彼女は昨年12月27日に結婚しており、もうすぐ結婚記念日である。夫は八雲真友子の弟・氷川来瞳である(*85).
しかしこの詩が“Xデー”前のマリの最後の詩になった。
この詩には私がその日のうちに曲を付けたが、詩の中で「ちんちんを焼いたのでおとなしくなって退散」というのだけは「光線銃を怖がって退却」というのに変えさせてもらった。マリは不満そうだったがその歌詞では発売できない。
それで七星さんに伴奏制作の依頼をしておいた。詩津紅がそちらで取られるのでこのあと2〜3日、政子の練習には妃美貴(詩津紅の妹)が付き合ってくれた。
(*85) 詩津紅の夫?妻?来瞳(らいどう)は普通の?天然男子だが姉たちに教育され小さい頃から普通に女の子の服を着ていた。本人としては特に女の子になりたい気持ちは無いと言っているが、スカートを穿いたり女の子ショーツを穿くことに心理的な抵抗は全く無いらしい。
詩津紅と交際を始めた頃既にスカートを10枚くらい持っていた。パンツは女性用しか持っていなかったのを詩津紅と交際するのに偽装で?少し男子用を買った。でも「無理しなくていいのに」と言われて結局女性用に戻してしまった。ブラの着け方もかなり練習させた。今ではよく“女同士”でお出かけしている。化粧品も結構シェアしている。顔や足のむだ毛はレーザー脱毛してしまった。喉仏も削っちゃった!
どんどん女性化しつつある気がするが彼の母親に言われて冷凍精液を作ったので万一彼がこの先男性能力を失っても(時間の問題という気がする)子供は作れる。
会社には男物のスーツを着て出掛けているが、家庭内は完全女装という二重生活になっている。性生活上も詩津紅が男役らしいので妊娠するとしたらきっと彼の方である!?取り敢えず御飯は彼が作ってくれているらしい。実際詩津紅の方が仕事は忙しい。
2022年12月2日(金).
§§エステイトは現在埼玉県の岩槻に§§ミュージックグループの社員寮を2棟所有し3棟目を建築中だが、それと別に三鷹市に“三鷹寮”を建築した。岩槻が独身者中心なのに対して三鷹寮は家族のいる社員を前提としている。朝夕はシャトルバスで都内数ヶ所に運ぶ。千葉県内にも寮を建築予定である。システム部や清掃部門が千葉県内に拠点があるので、それらの社員を想定している。
物価の急激な上昇で住宅費の負担をかなり感じている社員がおり、寮ができるなら入りたいという希望はかなりある模様である。
なお§§エステイトというのは§§ミュージックの不動産関連の事業が増えてきたので、分社化したものである。(実は更に経営危機に陥っていた不動産会社を吸収している)
2022年12月9日(金).
§§ホールディング(秋風コスモス社長)とσσプロモーション(日隈五郎社長)は宝珠美玲氏(後述)と3人で記者会見をし、σσプロモーションが莫大な債務超過状態(推定負債額10億円/資本金は500万円)にあること、そして下記の手続きにより、σσプロモーションのミュージシャンと社員を§§ホールディング傘下の新会社に移籍することを発表した。
・§§ホールディングが100%出資して株式会社“接着音楽”を設立する。
・現σσプロモーションの原則全ての契約ミュージシャンの契約を新会社に移転する。各ミュージシャン関連の原盤権・出版物の版権なども一緒に移転する。接着音楽はσσプロモーションにその対価を支払う。
・引退したミュージシャンでその版権などをσσプロモーションが保有していたものも接着音楽が買い取る。(コンゴザイルの版権を含む)
・σσプロモーションで不正行為に関わっていなかった社員は(希望すれば)接着音楽に移籍する。
・σσプロモーションは1年程度以内に特別精算する。
通常会社を合併する場合、その株式を全て取得したり、あるいは既存株式を100%減資した上で新株を発行してそれを引き受けたりするのだが、今回そういう手続きを取らなかったのは、旧会社の経理実態があまりに悲惨だったためである。
調査に入ったSN監査法人の会計士は
「これは帳簿とは言えない」
と言った。しかも一部抜き取り調査してみたところ、交際費とは認定困難な飲食代、ゲームアカウントの料金、などもありまた「上様・品代」などという訳の分からない領収書が大量にあった。しかも“上様”という宛名書きと金額が明らかに別のインクで書かれているものがあり不正領収書の疑いが濃厚だった。“帳簿らしきもの”には大量の挿入痕跡が見受けられた。調査チームは経理担当役員を詐欺罪で告発すべきと主張した。
借入金にしてもきちんと金融機関から借りた債務以外に個人間で貸し借りしたもの、ヤミ金っぽいところから借りて明確な書類の無いものなどが凄まじく多い。経理担当者は「督促があったら払え」と言われていたらしい(←架空請求し放題)。
社員から借りていたお金も多く、田船智史は会社に3億円貸していたらしいが
「悪いけどそれは諦めて」
とコスモスから言われたという。彼以外にも会社に数百万単位のお金を貸していたというミュージシャンが多数居たが、全て債権放棄してもらった。
この状態では債務を調査するだけでも数年かかると思われた。それで新旧会社方式を採用することにしたのである。
新会社の社長には、σσプロモーションの中堅バンド、バインディング・スクリューのプロデューサーである、宝珠美玲氏(1979旧姓田船)が就任する。§§ミュージック関連会社♪♪ハウスの社長・高岡亀浩(1960“白河夜船”)が会長となる。このほかコスモスは副会長となる。
σσプロは元々副社長を務めていた山下氏が主宰するバンド“コンゴザイル”の独立により設立された事務所である。日隈氏はその時のマネージャーである。最盛期には60を越えるロックバンドを抱えていて業界でもかなり大手の事務所に分類されていた。
しかしバンドブーム自体が下火になり売上は落ちていき、所属バンド数も減った。そこにコロナ禍が起きてライブができない状態になり、特にこの事務所が足場にしていた都内のライブハウスが軒並み営業停止や廃業に追い込まれた。
生ライブの代替として急速に普及した有料ネットライブにしても、名前の通ってないバンドには集客的にも費用的にも厳しかった。
それで今年の6月には事実上活動していないバンドとの契約を解除するとともに社員を半分に減らすリストラを行った。しかし債務があまりにも巨大でどうにもならなくなった。
今回の話は∞∞プロの鈴木一郎社長から持ち込まれた。
「これは人間関係的にコスモスちゃんとこで助けてやるしかないよ」
「仕方無いですね」
実は現在σσプロの屋台骨を支えているバンドであるバインディング・スクリューのリーダー田船智史は、コスモスの姉・秋風メロディーの夫なのである。
以前にも掲載したが、このような“人間関係のデイジーチェーン”がある。名前はコスモス姉妹以外、出生名。
槇村博司1981(同級生)近藤嶺児1981(夫妻)宝珠七星1984(妹兄)宝珠北斗1980(夫妻)田船美玲1979(姉弟)田船智史1981(夫妻)秋風メロディー1988(姉妹)秋風コスモス1991(妻夫)木取道雄1990
銀行団が詐欺罪でσσプロモーションの全社員・全ミュージシャン・会計士を告発したので、全員が検察庁で取り調べを受けた!取り調べされるというので、若い女性社員などかなりびびっていたが、女性社員は概ね女性の検察官が対応しみんな「優しい人で良かったぁ」とホッとしていた。
結局、役員全員とごく一部のマネージャーそして会計士が起訴されたが、それ以外は不起訴・起訴猶予になった。コスモス(新会社では副会長)と白河夜船はこの全員と話しあって社員契約・ミュージシャン契約を結んだ。ただし経理部門に居た人は全員経理以外の部門に配属した。社員にはこの機会に郷里に帰るという人もあり、再雇用したのは約7割である。辞める人には規定の退職金を支払った。
田船姉弟も東京地検の取り調べを受けたがむしろ“被害者”と認定され不起訴になった。他のミュージシャンも概ね被害者とみなされた。しかし彼らが債権放棄してくれたので債務は半減した。更にアーティストの移籍金によって更に半分になって残りは2億円程度になり、特別精算できる見込みが立った。それでも特別精算するまでに実際は5年掛かった。
日隈社長と経理部長、山下副社長と会計士、2人のマネージャー(いづれもコンゴザイルのマネージャー)が有罪とされた。社長と経理部長は実刑判決を受けて収監された。会計士は執行猶予付き有罪判決になり会計士の資格喪失は免れたが廃業を表明した。副社長の山下氏(コンゴザイルのリーダー)は執行猶予になったが、ヤクザから銃撃されて重傷を負った。他の役員は無罪になった
コスモスは新会社に移行するミュージシャンのために川崎市にマンションを建てた。そこに全員住んでもらおうというのである。これはとても歓迎された。あまり売れてないと家賃負担がとても苦しかったし、深夜帰宅することや楽器の音を立てることで周囲からクレームを多数受けていた。
結局新会社への移籍に同意したバンドは18+10で、人数的には102人であった(同意できなかったバンドも数件あるが仕方無い +10は今夏に契約解除になっていたバンドの復活)。その内の入居希望した80人ほどを、3-9Fの7つのフロア(約120室)に収納する。
最上階の9階には田船美玲・宝珠北斗一家、田船智史・秋風メロディー一家まで入居した。この2世帯は役員特別待遇・実質家賃無料とする。オーナーハウスに近いが、これまでどちらも賃貸に住んでいたのが信じられない。7-8Fは女性専用になっている。男性機能喪失済みなら男の娘も女性フロア入居可とする(*86).
(*86) 「去勢手術受けますから女性フロアに入れてください」と言って本当に手術を受け手術証明書を提出してめでたく女性フロアに入った人もいた。
B1,2Fには多数のスタジオを設置してここで思う存分練習してもらう。1階は事務エリアである。またここにはネット中継設備を導入したのでネットライブを行うことが可能である。
彼らのために“あけぼのテレビEチャンネル”を創設し、ここは当面接着音楽専用チャンネルとする。ここに接続するといつも接着音楽の誰かのライブが流れている。結構深夜の無料放送枠:ノーギャラ!が人気となる。
A:本放送
B:信濃町ガールズ(24h自動放送)
C:(内部使用:帯域固定)
D:§§ミュージック音楽教室
E:接着音楽
深夜や平日午後(14:00-16:00) にある無料放送枠はノーギャラだがフィードバックシステムに接続してくれた観客の“まばらな拍手”が励みである。
「ライブハウスと似た感覚。いつも観客4〜5人だったし」
とこの枠の常連さんたちは言っていた。
“接着マンション”はマスコミに公開されたので多数の取材陣が訪れた。ビルを見上げるとビル自体は四角いのに、最上階(10F)だけ円形なので
「あれは展望レストランか何かですか」
とマスコミが訊く。
「行けば分かりますよ」
とコスモスが言うので記者達は首を傾げた。
1階には事務関係の部屋や調理室・食堂や喫茶室・売店(五線紙やギターの弦などが売られている。“破壊用ギター”まで売られている)、2階のスタジオなど見学し、5階の居室のひとつ(現時点では空き室)の2DKも取材させてもらう。
このマンションは2DKが基本だが下の階には1DK, 上の階には3LDK,4LDKなどもある。実はバンドメンバー4人が4LDKに一緒に暮らしているケースもある。
そして最後に10階に行ったが記者たちは呆気に取られた。
このフロアだけ丸かったのだが、その丸いビルのいちばん外側に円形のレールが敷かれ、遊園地にあるような猿が運転する電車が走っている。ただし猿は実際にはロボットである。そして電車に乗っていたのは・・・
ナイルローブのメンバーたちである。
旧事務所を設立して運営の中心に居たコンゴザイルが会社を離脱したので代わって最高齢バンドになったのが彼らである・平均年齢は50代のはずである。その“男の子”たちが楽しそうに電車に乗っている。
「ああ、記者さんたちもどうですか?乗りません?お代は要りませんよ」
とメンバーは言っている。
誘われて何人かの記者が電車に乗った。
「楽しいでしょ?」
「童心に戻ったようです」
「いやあ、何か欲しいものありませんか?と訊かれたから『電車が欲しい』と言ったらコスモスちゃんが作ってくれたんだよ」
「いいオーナーさんですね」
「うん。コスモスちゃんはとてもいい子」
線路にはトンネル・鉄橋などもあり本当に楽しそうである。
このフロアには砂場があって砂遊びしているバンドメンバーもいるし、ボールプールではしゃいでいる子たちもいる。滑り台を楽しそうにすべっている子たちもいれば楽しそうにジャングルジムをしている子たちもいる。
他に雲底、鉄棒、シーソー、飛び箱、体操用マット、などもある。これらは全て子供サイズの1.5倍スケールで作られている。“大きなお兄さん・お姉さんたち”のために作られたものである。鉄棒は1.3m-2.5mの高さで並んでいる。身長180cmの人が腕を伸ばして220cm程度になるので長身の人でも一番高い鉄棒にはぶら下がることができる。低身長の人でも一番低い鉄棒には飛び付くことが出来る。身長155cmの人の肩の高さは126cmくらいである。
記者たちが取材していた時はストラトプールStratpool (*87) の女声ボーカル・アルザが懸垂をしていた。記者たちから「すげー」という声があがっていた。
「懸垂気持ちいよ。君たちもしない?」
と彼女に声を掛けられ
「よし」
と言ってひとりの女性記者が別の鉄棒に飛び付き、2回だけ懸垂して
「だめだー。ここまで」
と言って降りたが、それでも拍手が起きていた。
この他に腹筋運動用の高さ15cm程度の鉄棒もある。
また長〜い滑り台などもあって、これも列が出来ていた。
一方で、パンダ、象、きりん、鹿、馬、牛、羊、うさぎ、などの形をしたプラスチックの椅子に座り詩を書いているふうの人たちも居る。
また中央にある丸いビニール製のお城の形をしたハウスは遊技用の温水プール(深さ50cm) で、ここだけ気温が常時28℃以上に保たれている。
プールの注意書き
・水着で使用のこと。着衣・裸体での使用禁止。
・飲酒しての利用禁止。
・遊ぐの禁止。
・写真撮影禁止
・セックス・オナニー禁止!
・暴行・殺人禁止!?
アヒル隊長やクジラさん・お魚さん、ビニール製の5cmサイズのボートやお船、などが大量に持ち込まれている。魚釣りゲームをしている子たちもいる。
幼稚園のスモックみたいなのを着た監視員のお姉さんたちが必ずプールに1人とその他に2人以上居るようにしている。夜間はプール使用禁止で施錠され、外側に監視員1人のみになる。つまりここ自体は24時間使える。
この部屋は“お遊戯室”と呼ばれている。
なお本格的に泳ぎたい人のためにB2に10レーンの25mプール(つまり25m×25m)もあるということで、そちらは完全予約制ということだった。あとで記者たちも案内してもらったが本気で泳いでいる人たちがいたし、プールサイドのジョギングコース(1周約120m)を走っている人もいた。
また1階には理容室・美容室がある。住人は8割が男性だが、美容室の利用者が圧倒的に多く面積も2倍である。美容室の隣には“ビジュアル系研究室”などという妖しげな?所もある。講習室・女装室!・サロンに別れている。サロンには美しく装った“お姉様たち”が紅茶など飲みながら野太い声で歓談していたりする。結構突っ込んだ音楽論などもしているようである。
でも女装は結構ストレス解消になるとみんな言っていた。
服は下着は買ってもらうがアウターはレンタルもできる。サロンにはオナニー用個室(フィッティングルームサイズ)もあるがセックスは禁止にしている。セックスしたい人は自室に帰ってからにしてとしている。女装のままこの部屋の外に出てもいい。講習室では女性の服やアクセサリーなどの講義、お化粧講座、女声ボイトレなども行っている。
(きっと男の子バンドがビジュアル系や男の娘バンドに変化するところが出そう)
(*87) ストラトプール Stratpool は、きっとフランスのストラスブール Strasbourg あるいはイギリスの ストラトフォード=アポン=エイヴォン Stratford-upon-Avon (シェイクスピアの出身地)のもじりかと思われる。(ファンの間ではその2つの説が大きい)
バンドの公式では「ストラディバリウス (Stradivarius) のヴァイオリンが都プール (to-pool?) に浮かんでいる」という夢を見たから。
でもベースのタキトは「ほんとにそんな夢見たんならきっとクスリやってる」という発言をしたことがある。
新会社の会長に就任した白河夜船に雑誌社がインタビューしていた。
「いやー、うちの会社よりずっと大所帯の会社を引き受けることになってまだ戸惑ってますよ」
と白河夜船は言う。
「でも営業成績では♪♪ハウスの1割くらいですよね?」
「まあうちは羽鳥セシル・坂出モナ・松梨詩恩の3人が稼いでくれているからね」
「元々バンドはCDセールスよりライブで稼いでいるところが多かったでしょうしね」
「そうそう。バンドはやはり生で参加して楽しむものだもん。指定された譜面通りに演奏するのでは詰まらないし、ライブビデオとかも今一。だってプロ野球の試合を録画したDVDなんて誰が買う?」
「ああ、そうですよね」
「そのあたりの感覚が自分では分からないからというのでコスモスちゃんに頼まれたんだよ」
「そのあたりが女性アイドルとは方向性がまるで逆でしょうね」
「そうそう。コスモスちゃんはあまりライブやらない子だったし」
「コスモスさんの“ライブ”ってほとんどトークショーだったらしいですね」
「うん。2時間のライブで2〜3曲しか歌わない。一度全く歌わなかったこともある」
「そんなのもあったんですか!」
「うっかり忘れてたと言ってた」
「あの人ならありそう!」
「そういえば白河夜船さんは、以前ワンティスも出演していたライブハウスをやっておられたんでしょう」
「僕が経営していた訳ではない」
「あ、そうなんでしたっけ」
「僕の妻の父がライブハウス・ムーのオーナーだったんですよ。その頃ワンティスの母体となったワンバンというバンドがよく出演していたんです」
「あぁ」
「その頃、ムーの会計係をしていたのが羽鳥セシルのお母さんですね」
「へー!じゃ羽鳥セシルちゃんはその縁でそちらからデビューしたんですか」
「いーや。全くの偶然。契約しようという話になって会ってみてびっくり」
「それもまた凄いですね」
「でも“白河夜船”というお名前はそのライブハウス時代にできたお名前とか」
「あれはややこしいんだよ」
「はい」
「僕の本名は亀浩なんだけどそこから略して“亀氏(かめし)”になって音読みして“きし”になってそれを漢字で“騎士”と書かれて英語にして“Knight”になって、それがいつの間にかナイトはナイトでも夜の方の“night”になって、人名っぽくして"Night Cruising" にして日本語に翻訳して“夜船”になって、それに苗字を付けて“白河夜船”になった」
と彼はホワイトボードに書きながら説明した。
「複雑ですね!」
と記者は感心した。
「ところで白河夜船の謎というのがあってね」
と新会長は言った。
「ええ」
「白河夜船を辞書で引くとだいたいこんなことが書いてある。京都の白河のことが話題になった時、知ったかぶりをする人が川の名前だと思って『あそこは船で通ったけど夜中だったからよく分からなかった』と言った。それでみんなに笑われた。それから知ったかぶりをする人のことを白河夜船と言うようになった」
「あ、それは聞いてましたけど何かおかしいんですか?」
「一番の問題点は京都には白河という川がちゃんとあるってことだね」
「え〜〜!?そうなんですか?」
「その内その白河の流れてる付近のことも白河と言うようになった。白河上皇の院が置かれた場所としても有名だね。しかし元々川の名前だから“白河を夜に船で通った”というのは充分あり得ることなんだよ」
「ひょっとして笑った人のほうが物を知らなかったとか」
「まあよくあることだね。物事を中途半端にしか知らない人はしばしばよく知っている人の話を笑ったり批判したりするもんだよ」
「考えてみると液体ヘリウムの超流動とか普通の常識からはあり得ないことですもんね。知らない人はそんな馬鹿な話があるか、お前は科学が分かってないとかって笑うかも」
「だから“白河夜船”の話はよく調べてから笑えということなのかもね」
「自戒します」
12月10日(土).
§§ミュージックでは信濃町ガールズの地方ガールズからの昇格試験を行った。
試験に先立ち、前回の昇格試験で昇格保留とした3名に現在でも昇格の意思があるか連絡確認した。その結果2名が昇格したいと希望し、昇格が決まった。もう1名は集団アイドルのオーディションに合格したのでそちらに行きたいということで辞退した(彼女ならきっと中核メンバーだろうと思ったが実際メインボーカルになった)。
自動昇格したのは下記2名である。
白石乙羽(関西・中2)
杉田由夏(東海・中1)
自動昇格で2名加わることから、私たちは今回のオーディションでは合格は2名、合格保留を2名くらいと想定した。
各支部からは1名のみを推薦してもらった。各々がかなり厳しい競争になったと思う。それで下記10名(+各々の保護者2名)を金曜の夜熊谷に集めて、ホテル赤城に泊めたのである。
北海道・東北・関東・東海・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄
各1名合計10名。
Tiger 女満別→花巻→熊谷
Gold 石垣→大分→熊谷
Silver 高知→鳥取→熊谷
Yellow 神戸→静岡→熊谷
Blue 富山→熊谷
関東の子は保護者の車で熊谷へ
受験生は金曜日はホテル赤城に泊まり、土曜の午前中から審査が始まる。最初は恒例のクイズ大会である!ここでトップになったのは関西代表・村中マヤであった。北陸の川本浜菜がそれに続いた。
お昼を食べてから審査は次のように進行する。
13:00 朗読テスト
14:00 トークテスト
15:00 演技テスト
16:00 ダンステスト
17:00 歌唱テスト
審査結果はいつものように新増沢方式に準じた方法で採点され、下記2名を合格とした。
川本浜菜(北陸・中2)
大館蒔乃(関東・中1)
今回合格しなかった子はどこが悪かったかについて、詳しく審査員から説明があった。泣いていた子もあったが「次までにもっと鍛えてきます」とみんな言っていた。
また今回の受験生たちには告げたが、来年度は昇格試験は年末か年始くらいの1度だけ実施し、春の昇格試験はビデオガールコンテストと一体化すること、また中学生の地方ガールズ(=§§ミュージック音楽教室特待生)は(応募すれば無審査で)全員一次審査合格扱いにすることが発表された。
今回昇格保留となったのは関西・村下マヤと九州・真鍋菊絵であるが、次の昇格試験が遠いので、希望すれば4月1日付けで昇格できることになった。
合格した4人は冬休みに東京に出て来てもらい、五反野の女子寮に入り、こちらの中学に転入してもらう。
合格保留の2人には郷愁村の映画などのセットを見せた。その他の不合格者6人は午前中に春日部市のゆりかもめスタジオ、安土城、北里ナナの自宅などを見学させ、午後1番に帰した。
土曜日の夕方には自動昇格の2名も呼んだ。
Black 伊丹→小牧→熊谷
合格者4名は午前中プレゼント仕分け場の見学などをし、昼から説明会をおこない、夕方の飛行機で帰した。
帰りの便はこうなった。
12/11 昼
Tiger 熊谷→花巻→女満別
Silver 熊谷→鳥取→高知
Gold 熊谷→静岡→石垣
12/11 15時頃
Yellow 熊谷→神戸→大分
昇格保留の2人をまとめたため組合せが少し変わった。
12/11 夕方
Blue 熊谷→富山
Black 熊谷→小牧→伊丹
さてアクアのアルバムであるが、11月7日から伴奏陣(マリーンコート)が集結して制作を始めた。この制作は次の手順で進められた。
(1)リズムセクションによる基本伴奏の作成(仮)
(2)アクアによるボーカル録音(仮)
(3)サックス・フルートなど追加楽器の録音(仮)
(4)コーラスの録音(仮)
(5)編曲の再検討
(6)リズムセクション再録音
(7)アクアのボーカルの再録音
(8)サックス・フルートなど追加楽器の再録音
(6)コーラスの再録音
録音が2度になるのはアクアを含めて伴奏陣も本人の中で“熟成”が必要なためでる。いったん出来上がったものを聴くと最初に思ってたのとは少し違う部分が出て来て、リテイクしたくなるのである。今年夏のアルバム制作でも最後の3日くらいで伴奏とボーカルを全て録り直している。
全ての作業は12月12日(月)までには終わりマスタリングして年明けにはアルバムが発売できる見込みとなる。北陸組はそのまま東京に留め置かれ、年明けに金沢・高岡に戻ることになった。
「ぼく、年末年始は仕事忙しいのに」
と邦生は言っていたが、きっと来年も彼女(でいいんだっけ?スカート穿いてるし)は年末年始に東京へ来ることになる。
12月10日(土).
ΛΛテレビの昔話シリーズ17弾『星の銀貨』が加藤渡君の主演で放送された。主人公が男性に変更されたのは、女性の裸をテレビで映すわけにはいかないという問題のためである。ついでにこのドラマは7月に撮影された。冬に裸になるのはさすがに寒いからである。
しかし加藤君は堂々とした体格なので
「たくましい〜」
「素敵〜」
という女性ファンの声はあったものの
「全然可哀想に見えない」
という男性視聴者の声もあった。
しかし体格のあまりよくない男性だと裸になる演技をしてもらったら風邪でもひかないかという心配があったのでやむを得ないところである。
物語としては主人公が可哀想な子にねだられて自分の服を与える。そして真っ裸になったところで、星が銀貨になって降り注ぐ。また真っ裸になっていたはずが、いつの間にか上等の服を着ていた。それで主人公は町に行って宿屋に宿泊し、更に遠くの町まで行って、家と畑を買い、その畑を耕して幸せに過ごした。
主題歌はラビスラズリが歌った。出演したのは朱美だけで、最初に“可哀想な男の子”(加藤渡♂2003)にパンをあげる人の役を演じた。
そのあと彼がお腹を空かせている青山紗由(♀2005)にそのもらったパンをあげ、頭が寒いと言っている沢村オグ(♀2003)に帽子をあげ、肌着だけで震えている宮里夢美(♂2009)に上着をあげ、同じく肌着だけで震えている高島真五(♂2008)にズボンをあげ、裸で震えている阪井寛芳(♂2005)にシャツをあげ、同じく裸で震えている松山数晃(♂2004)に最後はトランクスをあげて、加藤自身は全裸になる。放送上は阪井・松山・加藤の腰付近にモザイクが掛かっている。
ちなみに阪井寛芳・松山数晃も体格が良く(中学で阪井は野球、松山はサッカーをしていたらしい)、全然可哀想に見えない!が、これも健康上の問題でやむを得ない。
グリム版では
おなかを空かせた男にパン
寒がっている少年に帽子(Mütze)
寒がっている少年に上着(Leibchen)
寒がっている少年にペティコート(Röcklein)
森の中の少年にキャミソール(Hemdlein)(*88)
と主人公が物を与える人は5人だが、今回は6人になっている。これは昔は女性はパンティとか付けていなかったためであろう。
(*88) これらの名詞が現代でいえば何を意味するかは難しい。上記は筆者の想像で訳した。Mützeは帽子である。これは辞書にもあるので間違い無いと思う。Leibchenというのは普通はコルセットを意味する単語だが、昔は子供用の靴下留め付きの服のことも意味したという。だったら子供用のワンピースのようなものかも。
Röckleinは手元の辞書には載ってない。-leinは小さなものを意味する接尾語でRöckはスカートのことなのでleinが付いてペティコートのことではと考えてみた。Hemdleinも手元の辞書には無い。Hemdがシャツのことなので、こちらがキャミソールではないかと考えてみた。Deepの自動翻訳では little skirt, shirt と出るがあまり当てにならない。
しかしまあこの物語の変な所は男の子たちが少女の服をねだることである。性別が違うという以上に、肌着しか着てない女の子に男がその肌着をくれと言うのはとても変である。たくさん服を着ている女性に何か着るものをと言うのならまだ分かるが。
(実は痴漢だったりして:女の子の前に裸で現れて「お前のキャミソール寄越せ」て)
今回のドラマでは主人公が裸の少年を見て
「君裸で寒くない?」
と声を掛け
「寒いけど着ていた服は追い剥ぎに奪われて」
「寒いけど着ていた服はボロボロになって崩壊してしまって」
と言って、主人公は自分の服を
「これでも着なさい」
と言ってあげるのである。
「あなたはいいんですか?」
「僕は身体鍛えてるから平気だよ」
と言う。
(本当に鍛えてそうだ)
そういう訳で主人公が物をあげた人は6人である。
青山紗由
沢村オグ
宮里夢美
高島真五
阪井寛芳
松山数晃
多くの人が前半女子3人、後半男子3人と思った。青山紗由・沢村オグは着衣。宮里・高島は下着姿、阪井・松山は裸であった。
それで放送局にクレームの電話が掛かって来たのである。
「主人公が上着をあげた女の子は下着姿でしたけど、中学生女子の下着姿をゴールデンで流すのはよくなかったのでは」
放送局側は思ってもいなかった反応で驚いた。そしてこう回答した。
「宮里夢美君は男性ですが」
「え〜〜〜!?」
それで翌日(日曜)の朝の番組で本人が“学生服”姿で出演して
「ぼく男の子なんですけど」
と述べた。
「女の子に見える〜!」
と視聴者の声・スタジオの声。
「でも名前も“ゆめみ”ちゃんって女の子みたいな名前だよね。女の子になりたい男の子?」
「ぼくの名前は“ゆめよし”です〜」
彼?の説明によると本名が“文由”(ふみよし)で、それを少し変えて“ゆめよし”にしたのだという。
「まだ声変わりしてないのね?」
「はい、まだです。ぼく成長が遅いのかも」
彼は身長も163cmだし優しい顔立ちなので女の子の服を着せたら女の子で通りそうである。そしてとても可愛い声である!
(視聴者の声「それは声変わりする前に去勢してあげるべきだ。こんな可愛い声なのにもったいない」)
「女の子の服着たりしないの?」
「そんなこと言われてよく着せられますけど、癖になりそうだからできるだけお断りしてます」
「癖になればいのに」
「え〜〜!?」
ということで彼の女性ファンが多分10万人くらいできたと思われた。そしてたくさん女物の服が贈られてきて、彼は困惑することになる。女性ホルモン剤も送られてきたが事務所で廃棄させてもらった。
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【夏の日の想い出・アルバムの続き】(8)