【夏の日の想い出・星遮りし恋人】(1)

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アクアが最近、“女の子”路線に行きすぎているのではということから、私とコスモス、和泉の3人は2020年12月に緊急会談して、しばらくアクアは“王子様”イメージで売っていこうということになった。
 
それで12月30日に発売されたシングル『探偵王子/自由に生きよう』(1/6発売予定が諸事情により1週間早くなった)では、曲のタイトルに合わせて王子様の衣装を着けている。そもそもアクアはデビュー当初の頃、結構王子様衣装を着ていたのである。
 
王子様路線でドラマか映画を撮りたいねと言っていたのだが、和泉が持ち込んできた企画が『火の鳥』だったのである。
 
これはストラヴィンスキー作曲のバレエにもなっている作品である。元々の物語はかなり長いしバリエーションも多いのだが、今回は3時間ドラマの企画で下記のような筋になっている。
 
実際にはおおまかなプロットを和泉自身が書き、脚本家の井山玲佳にシナリオを書いてもらったものである。井山さんはとにかく筆の速い人で、このシナリオもわずか3日で書いてくれたらしい。
 

王様は黄金のリンゴの木を持っていたが、夜な夜な誰かがリンゴを1個盗んで行く。王様は3人の王子に盗賊を捕まえるよう命じる。
 
長男のドミトリー王子は見張りをしていたか、やがて眠ってしまった。朝になって「誰も来なかった」と言ったが、リンゴは盗まれていた。
 
次男のワナヒム王子は、兄は眠ってしまったようだと思い、眠らないようにハッカを噛んでいたが。真夜中に強烈な眠気に襲われ、ハッカで刺激を与えているにも関わらず眠ってしまう。朝になって「誰も来なかった」と言ったが、リンゴは盗まれていた。
 
三男のイワン王子は盗賊は真夜中に来るのだろうと思い、最初から寝てしまう。そして夜中になって起きだした。すると突然あたりが昼間のよに明るくなり、松明1000個分くらいに明るい“火の鳥”(Жар птица Firebird)がやってきて、黄金のリンゴを食べようとする。イワン王子は火の鳥を捕まえようと飛びかかり、そのシッポを掴んだ。火の鳥は驚いて逃げて行くが、イワン王子は火の鳥の羽根を1本掴んでいた。
 
朝になってその羽根を王様に見せて報告するが、その羽根は1本だけなのに、暗い部屋の中に置くと部屋中が昼間のように明るくなった。
 

それ以降、火の鳥はもうリンゴを盗りに来なかったが、王様はその火の鳥が欲しくなった。それで3人の王子に火の鳥を捕まえてきた者を跡継ぎにすると言う。3人は各々出発した。
 
イワンは馬に乗って旅していたが、その馬を灰色狼(серый волк, Gray Wolf *1)に食べられてしまう。しかし灰色狼は自分が馬の代わりをしてやるし、火の鳥の居場所も知っているという。
 
(*1)一般にいう狼は“ハイイロオオカミ”という種である。別名タイリクオオカミ(大陸狼)。絶滅した可能性が高いニホンオオカミ(日本狼)も、ハイイロオオカミの亜種である。また家畜として飼い慣らされているイヌ(イエイヌ:家犬)もやはりハイイロオオカミの亜種であるとされる。実際イヌとオオカミの間には生殖的隔離が存在しない。日本では古来、狼を“山犬”、家畜の犬は“家犬”と呼び分けていたが、そういう、同種のバリエーションであるかのような呼び方が遺伝子上も正しいようである。
 
イヌ族(Canis *2)の中に、ハイイロオオカミ、ジャッカル、コヨーテ、などの種がある。正確にはイヌ族は下記の7種に分類される。
 
Canis adustus Side-striped jackal 横筋ジャッカル
Canis anthus African golden wolf アフリカ金色狼
Canis aureus Eurasian golden jackal ユーラシア金色ジャッカル
Canis latrans Coyote コヨーテ
Canis lupus Wolf 大陸狼(灰色狼)
Canis mesomelas Black-backed jackal 背黒ジャッカル
Canis simensis Ethiopian wolf エチオピア狼(アビシニアジャッカル)
 
(*2)イヌはラテン語でcanis(カニス)という。オオカミは Canis lupus. 夜空のおおいぬ座(α星がSirius シリウス)は Canis Major, こいぬ座(α星がProcyon プロキオン)は Canis Minor である。略号は各々 CMa CMi.
 

やがて灰色狼は小さな王国のお城の庭にイワン王子を連れていく。そこに火の鳥がいる小屋がある。灰色狼はイワン王子に
「火の鳥は寝ているから、火の鳥だけを連れてこい。でも金の籠には決して触るな」
と言う。しかしイワン王子は、火の鳥を籠も無しに連れ出すのは可哀想な気がして、金の籠も一緒に持ち出そうとする。しかし金の籠に触ると、火の鳥が目を覚まし、大きな声で啼いたので、イワン王子は捕まってしまう。
 
その国の王様は、エレーナ(Елена Elena)姫を連れてきたら代わりに火の鳥を与えると言う。それでイワン王子はエレナ姫の所に行く。エレナ姫は小国のお姫様で、結婚相手を探していた。イワンは姫を見て一目で好きになってしまう。彼を含めて3人の求婚者がいた。
 
1人目の求婚者は自分と結婚してくれたら、広大な領地をあげるという。2人目の求婚者は、自分と結婚してくれたら山のような宝石をあげるという。そしてイワンは自分と結婚してくれたら、自分の真心をあげると言った。
 
エレナ姫は“真心をくれる”という人がいいと言い、エレナ姫はイワンの所に行くことになった。
 

「上出来だぞ。よくやった。それで姫を王様の所に届ければ、火の鳥が得られる」
と灰色狼は言うが、イワン王子は言った。
 
「私は姫のことが本気で好きだ。あの王様には渡したくない」
 
灰色狼は呆れるが、自分がエレナ姫に化けて、本物のエレナ姫の代わりに王様に渡させる。それでイワン王子は火の鳥を手に入れることができた。姫に化けた灰色狼は、女らしい仕草で王様を魅了し、まるで王様を気に入ったかのように振る舞った上で、初夜を前にして姫に化けさせた雌鶏を身代わりにして逃亡してきた。そしてイワンと本物の姫を背中に乗せて一緒に国に戻っていく。
 
国境の近くで、後はひとりで行けるだろうと言って狼はイワンと別れた。ところがイワンが火の鳥と美しい姫を連れているのを見た次兄のワナヒム王子が、イワンと一緒に帰ろうと言って同行した上で、姫が眠っている隙にイワンを殺してしまう。目を覚ました姫には、イワンは盗賊に襲われて殺されたと話し、取り敢えず私の国に来てから、後のことは考えるといいと言った。
 
それで兄の王子は自分の父王に火の鳥を見せて自分が入手したのだと言い、王様の後継者に指名される。更にエレナ姫も口説いて結婚しようとしたが、エレナ姫は兄王子にはなかなか心を開かなかった。
 
イワンの遺体は烏の親子がついばもうとしていた。ちょうどそこに通り掛かった灰色狼は、その小烏を締め上げ親烏に「命の水と死の水を持って来い」と言った。鳥がその2つの水を持ってくると、灰色狼は子烏を解放した上で、最初にイワンに“死の水”を掛ける。するとイワンの傷は治るが死んだままである。続いて“命の水”を掛けるとイワンは蘇生した。
 
それでイワンは灰色狼を連れて急ぎお城に戻る。お城では今まさにワナヒム王子とエレナ姫の結婚式が行われようとしていた。そこにイワンが飛び込んでくるとエレナ姫は「イワン!」と大きな声をあげて、彼に飛び付く。
 
「これはどうしたことだ?」
 
と訝る王様に、灰色狼は火の鳥もエレナ姫もイワン王子が得たものであることを説明する。追及されたワナヒム王子は火の鳥と姫を奪おうと思いイワンを刺したことを認めたので、彼は投獄され、あらためてイワンが後継者に指名された。そしてイワン王子とエレナ姫の結婚式が盛大に行われた。戻って来た長兄のドミトリー王子も彼を祝福した。
 

「死の水を取って来いという話を聞いて、それでお兄さんを殺すのかと思ったら、死の水には傷を治す効果があったのね」
「こういう使い方は、他ではあまり聞かないよね」
 
「だけど元の物語のイワンはもう少し馬鹿だよね」
「そうそう。それでは王子様より灰色狼がヒーローになるから、アクアがイワンを演じることを考えて、少しかっこよく改変した」
 
「火の鳥とお姫様の間にもう少し無かった?」
「金のたてがみの馬というのが入っている。イワンは同じ失敗を繰り返す」
「やはりイワン王子は馬鹿だな」
「それで少し賢く改変した」
「なるほどね」
 
「エレナ姫は実は男の子だったので、イワン王子と結婚できるようにするため魔法の桃を取ってくるとかいうエピソードは無いの?」
「そんなのは聞いたことありません」
 

あけぼのテレビでの制作放送を考えていたのだが、正月にアクアで『ロミオとジュリエット』を撮りたいと言っていた、ΛΛテレビがこの企画に飛び付いた。ぜひうちで放送させてくれというので、そちらに投げることにした。脚本は和泉が用意したものをほぼそのまま流用する。配役は次のように決まった。
 
ドミトリー王子 岩本卓也
ワナヒム王子  大林亮平
イワン王子 アクア【主役】
3兄弟の父王  木取道雄
灰色狼(声)  白鳥リズム
火の鳥(声?) 常滑舞音
火の鳥の飼主の王様 広原剛志
エレナ姫    坂出モナ
エレナ姫の父王 倉橋礼次郎
 
悪役の次兄は配役が難しいのだが、アクアとの絡みがわりと多い大林亮平(京極と怪人二十面相!)が引き受けてくれた。
 

この物語で配役が最も難しかったのがエレナ姫である。実はアクアに男役のみをさせる場合の相手役の女優さんというのは、アクアのファンたちから嫉妬され、危害を加えられる危険もある。
 
それで鳥山さんが最初考えたのは、エレナ姫を男の子に演じさせるという案である。男の子でもお姫様の衣装を違和感無く着られる子はいる。できたら声変わり前の子なら声も女の子で通るかも知れない。
 
しかし適当な子が見つからないのである。女の子で通る男の子といっても、ある程度の演技力は必要である。全くの新人なら見つかりそうだが、無名の人だと、本当に女の子と誤認され、危害を加えられる可能性があるから、既に名前の通っている子がいい。しかし意外に居ないのである。
 
鳥山さんは弘田ルキアも考えたのだが、彼は身長が175cmもあり、157cmのアクアの相手役は無理である(ルキアが王子様でアクアがお姫様ならいいが)。
 
現在は(性転換手術を受けて?)女性になっているが元男の子であったことを公表している羽鳥セシルも考えたが、彼女も170cm代だ。
 
数日悩んだ末に思いついたのが坂出モナだった。彼女は154cmとアクアより背が低いので、アクアが王子役をする時のお姫様役としてはとても釣り合う。そして彼女は弘田ルキアと結婚してしまった(正確には法的に夫婦になるのは1年後だが事実上もう夫婦なのだろうと多くの人が思っている)ので、アクアとの恋愛可能性がほぼ無いのである。鳥山も最初既婚女性というのも考えたが、その時は、既婚女性だと年齢が釣り合わないと思った。しかし、坂出モナはまだ17歳なので、19歳のアクアの相手として全く問題無い。
 
それでエレナ姫役には、モナが決まったのである。♪♪ハウスの白河夜船社長に連絡すると快諾してくれた。モナ本人は
 
「アクアちゃんは女の子だから、アクアちゃんと抱き合ったりするのは全く問題無いし、罪悪感も感じない」
 
などと言っていた!
 
「アクアちゃんとならベッドシーンやってもいいですよ」
「いやテレビで放送しないといけないから、それは無し」
 
「でも芸能界って既婚女子には冷たいと思ってたけど、既婚の需要もあるんですね〜」
と彼女は感心していた。
 

撮影は『少年探偵団』撮影の合間を縫って2時間ずつ合計4日ほどで行われたが、火の鳥・灰色狼をCGで書き加えなければならないので放送用のビデオが完成したのは3月中旬である。それで少年探偵団の放送が終わった翌週の3月29日に春休みの特別番組として3時間一挙放送した。物凄い視聴率となり、放送局の上層部も、スポンサーさんも笑顔であった。
 

2月28日(日).
 
あけぼのテレビでは“信濃町曲水の宴”という特別番組を放送した。出演者は
 
アクア・品川ありさ・高崎ひろか・ラピスラズリ・姫路スピカ・白鳥リズム・西宮ネオン・花咲ロンド・石川ポルカ・原町カペラ・七尾ロマン・恋珠ルビー・今井葉月・大崎志乃舞・リセエンヌドオ・松梨詩恩・ColdFly5・BunBun・坂出モナ・羽鳥セシル
 
という超豪華メンバーである。
 
要するに、これは§§ミュージックと♪♪ハウスの若手歌手ほぼ総出演の番組なのである。
 
ちなみに、ラピスラズリは2人で1人分である。リセエンヌドオは4人で1人分、ColdFly5は5人で1人分!となる。
 
参加者は全員リモートである(あけぼのテレビ内の個室放送室)。西宮ネオン、それに特に志願した白鳥リズム・花咲ロンド・恋珠ルビー・米本愛心(ColdFly5)・坂出モナ・佐藤ゆかの合計7人だけが狩衣姿で、他の24人は五衣唐衣裳を着ている。
 
(実は着せるのが大変だった。スタッフの都合で一度に6人ずつしか着せられないので着たまま3時間待機した子もいる)。
 
本来の曲水の宴では、お題が提示されてから杯が流され、そのお題に沿った和歌を書いた人は流れている杯を取って中に入っている酒を飲むことができるという趣向のお遊びで、杯は多数流れてくる。全員(和歌を詠み)杯を取ったら終了である。
 
今回の番組では、司会者の花ちゃんから、お題が提示され、それに沿って全員七七七五(都々逸(どどいつ)?)という短い詩を書く。書いたら前に置かれているコカコーラ・ゼロのグラス(お題が出た段階で各自が自分で注いだ)を飲んでいいことになっている。時間が掛かると気が抜けてしまう。リセエンヌドオやCold Fly5では飲めるのは1人だけである。
 
テレビ画面では、まだ詩を書いていない人は画面の下部に映っており、書き上げてボタンを押すと、画面上部に移動する。それで視聴者には進行状況が分かる仕組みである。
 
番組の後半では、川井唯(Gt)・喜納満里(B)・桜野レイア(Dr)の3人、要するにかつての赤羽ドラゴン!が即興でその詩に曲を付けて演奏するので、詩を書いた本人がそれに合わせて歌うという趣旨である。ただし、放送に適さないような歌詞は演奏をスキップする!ことになっている(判者:川崎ゆりこ)。
 
今回お題は“バイク”だった。“花”とか“春”を予想していた子たちから「え〜〜!?」という声があがる。
 
優勝者には、金杯が贈られるのだが、これを獲得したのは花咲ロンド、次点の銀杯は松梨詩恩、3位の銅杯は恋珠ルビーが獲得した。
 
ちなみに演奏スキップされたのが、白鳥リズムと坂出モナであった!
 

2021年3月5日、私たちは仙台への大移動作戦を実施した。3月6-7日に仙台の若林植物公園で実施する、第9回東日本大震災復興支援コンサートのためである。移動は主として所有あるいは(一部曖昧に)借りている航空機を使用した。以下“M”は(アクアMを除いて)“マネージャー”の意味である。また、MA = Moulin Air.
 
Honda-JetRed(§§ミュージック所有)定員7
3/5 20:00 アクアF、アクアM、今井葉月、吉田和紗M、和城理紗M、 秋風コスモス (6) 操縦者:Elissa Vernier(千里の友人)
 
Gulfstream G450 (千里所有)定員14
3/5 11:00広島→仙台 信濃町ガールズ中国(12名) 操縦者:山村勾美M
 
3/5 18:00 白鳥リズム、原町カペラ、石川ポルカ、花咲ロンド、高崎ひろか、 品川ありさ、西宮ネオン、上野美津穂、近藤詩津紅、マリ、川崎ゆりこ、 醍醐春海(村山千里)、村上麗子M、鱒渕水帆M (14)
操縦者:森村月世(G650専属パイロット森村雪歌の妹)
 
3/6 18:00 ラピスラズリの2人、原田友恵M, Flower Fourの4人、AYA, KARIONの私以外の3人、Golden Sixの2人、高村友香M (14)
操縦者:山村勾美M
 
ゴールデンシックスは2人だけ移動しているが、実は今回のゴールデンシックスは“昨年と同じメンツ”である。
 
KB.花野子 Gt.梨乃 B.千里 Fl.小風 Cla.美空 Dr.桜野レイア
 
それで、この2人だけで済むのである。
 
HAL-Do228NG (§§ミュージック所有)定員19
3/5朝運行 リセエンヌ・ドオの4人、大崎志乃舞、常滑舞音、甲斐波津子、 甲斐絵代子、木下宏紀、三田雪代、安原祥子、悠木恵美、桜井真理子、 七尾ロマン、恋珠ルビー、山下ルンバ、桜野レイア、姫路スピカ、ケイ (19) 操縦者:広沢庄司(MA)
 
Airbus A318 (千里が借りている?)定員100:政府の指導により50名程度しか乗せない
 
3/4運行 マネージャー・音響スタッフ・あけぼのテレビのスタッフなど約50名 操縦者:高橋啓祐(MA)
 
3/5朝運行 伴奏者46名↓
スターキッズ(近藤Gt 七星Sax 鷹野B 月丘Mb 酒向Dr 詩津紅KB 美津穂Cl)(7) Rose+Lily
トラベリングベルズ(黒木Sax 木月B 鐘崎Dr 児玉Tp 海香Gt 溝口KB 佐山Gl) (7) KARION
ポーラスター(杉山Gt 諸添B 青竹Dr 真申KB 神原Sax) (5) AYA
エレメントガード(槍田Gt 柿田B 宮城KB 川井Dr) (4) Aqua
フィフティースリー(一子Gt 五月B 典江KB 由希Dr)(4) Arisa
ナイスエンジェルズ(照実Gt 朋希B 小夜Dr 初恵KB) (4) Hiroka
乙女地区(璃久Gt 菜美B 音々KB 依帆Dr)(4) Spica
白雪1200km (十勝Sax 五和Gt 四谷KB 三嶋B 二見Dr) (5) Rhythm
愛の十字架(鷹木Dr 真鍋Gt 冨田KB 喜納B) (4) Lapis-Lazuli
沢村朋代M 玉雪梓紗M (2)
操縦者:大海邦香(MA)
 
またHonda-JetBlue(長期レンタル)は3/6に能登空港から下記のメンツを仙台に運んだ
大宮万葉(川上青葉)、田中世梨奈 (2) 操縦者:花平敬太(N航空)
 

この大人数の宿泊先としては、仙台市内のホテルをひとつ丸ごと3/4夕-3/8朝まで貸し切っており、食事・おやつ・お酒などはホテルの部屋にデリバリーするので、レストランなどは使用しないようにお願いしている。また外出して飲みに行ったりするのも自粛してくれるようにお願いしている。
 
ミュージシャンにはそのあたりがいい加減な人が多いのだが、今回は伴奏者に女性が多いので、比較的心配は少ない。あけぼのテレビのスタッフには、万一外に飲みに行ったりしたらクビ、と強く警告している。
 
なお配達方式のピザ屋さん・お寿司屋さんなど、またウーバーイーツの利用は許可している。但しデリヘルは禁止!である。
 

これ以外に、東北地区の信濃町ガールズもバックダンサーとして招集しており、これは巡回バスを使用して集めている。バスは3コース(宮城南部・福島方面、岩手・青森方面、山形・秋田方面)回している。一部の子は保護者の車で来ているが、彼らにはガソリン代・高速代を支給している。
 
今回、歌手のバックダンスは下記の5班の交替で行う。中国・東北ともに、年齢で2分割している。Aが若い人、Bが年齢の高い人(高校生中心)である。
 
信濃町ガールズ中国A
信濃町ガールズ中国B
信濃町ガールズ東北A
信濃町ガールズ東北B
信濃町ミューズ選抜(高卒以上)木下宏紀、三田雪代、安原祥子、悠木恵美、桜井真理子、甲斐波津子
 
ミューズの子たちには会場の音響チェックや、リハーサルでの歌手代役もお願いする。
 
甲斐波津子は本当は4月からミューズになるのだが、妹の甲斐絵代子のついでに連れてきたので、ミューズに前倒し参加してもらう。但し彼女は20時以降のステージには出さない。
 
なお、ガールズ東北・中国、ミューズ、および、常滑舞音・甲斐絵代子は、ホテルではなく、若林公園内に建てたクレール女子寮3号館(未使用)に泊める。
 
“女子寮”であるが、木下君は女子に準じて扱っても問題が生じないので、彼もそこに泊める。信濃町ガールズ東北・中国のメンバーにも数人男子がいるが、女子と一緒に扱って問題の起きそうな子は居ない(普段の練習の時に女子たちが男子のいる前でも平気で着替えたりしているようなので、男子たちは女子に対して不感症になってそうで恐い)。この子たちのお世話は原田友恵マネージャー(ミューズ担当)にお願いしている。
 
保護者が自分の車で連れて来ているケースでは、保護者には出演者を泊めたホテルの方に泊まってもらった(むろん宿泊料は無料)。
 

このイベントは毎年“アゴ・アシ・マクラは自腹”なのだが、今回はコロナ下という特殊事情があるので、その費用はサマーガールズ出版が負担している。但しこれは視聴料から1000円費用負担分に取らせてもらう中で吸収できる筈である。
 
なお例によって、全員ギャラは無しである。(この問題でAYAはこれまで参加できなかった:事務所がそういう仕事を容認してくれなかったため)
 
この他TKR仙台支店・★★レコード東北支店のスタッフも手伝ってくれるが、その費用はTKRおよび★★レコードが負担してくれる。今回★★レコードの東京本社からの派遣は無い(感染対策の問題から申し出を辞退した)。また地元放送局のスタッフ派遣もやはり感染対策の問題で申し出を辞退した。
 
TKR・★★レコードのスタッフ、およびイベンターのスピカ仙台のスタッフについて、私たちは一週間前からの外食禁止、毎日の検温、前日の簡易検査キットによる陰性確認を要求し、各社とも応じてくれた。イベンターは管理しやすい常連のバイトさんだけで編成してくれる。イベンターには通常の倍の報酬を支払う。
 
無観客なので、今回は警備会社の警備員は使わない。ゲートの警備などは、★★レコード東北支店の男性スタッフと、元々の若林植物公園の警備員さん(厳しく健康管理されている)にお願いしている。
 

今回、会場は主として若林植物公園のツイン体育館の内“織姫”を使用する。織姫に前後2つのステージを設営し、それを交互に使用して、反対側のステージで演奏中にもうひとつのステージを消毒するのである。
 
牽牛は練習用に使用する。また一部の演奏をクレール2号館のステージから放送することになっている。
 

3月4日に一部のマネージャー、音響スタッフ、あけぼのテレビのスタッフがA318(熊谷→仙台)で現地入りして、仙台のイベンターのスタッフと一緒に設営作業をする。
 
3月5日朝の便で伴奏者たち(A318)およびミューズ(Do228)が到着するので、5日のお昼からリハーサルをおこなう。私もミューズたちと一緒に移動したので、このリハーサルは私が監督者となった。
 
この時点で、本番で歌う歌手はほとんど出ずに(まだ来てない人が多い)ミューズたちに代役をさせる。これはミューズたちの度胸付けもあるが、厳しく健康管理しているミューズたち(更に実は今回連れてきたメンバーは全員ワクチン接種済み)の方が安心だからというのもある。↓で伴奏者が書かれていないのは全て事前録音の伴奏使用。
 
第1部司会 常滑舞音(本人)
12:00 リセエンヌ・ドオ (本人出演)。
全体的なチェックのため30分程度掛けてリハーサルする。
12:30 大崎志乃舞 (本人出演)。伴奏:甲斐波津子 以下は1組10分ずつ
12:40 原町カペラ 桜井真理子
12:50 石川ポルカ 甲斐絵代子
13:00 花咲ロンド 甲斐波津子
13:10 今井葉月 悠木恵美 with 甲斐姉妹
13:20 七尾ロマン (本人出演)。
13:30 恋珠ルビー (本人出演)。
13:40 姫路スピカ (本人出演)。 with 乙女地区
13:50 白鳥リズム 三田雪代 with 白雪1200km
14:00 西宮ネオン 木下宏紀 with リセエンヌ・ドオ
14:10 高崎ひろか 安原祥子 with ナイスエンジェルズ
14:20 品川ありさ 桜井真理子 with フィフティースリー
 
第2部司会 花ちゃん(本人)
14:30 アクア(20分) 木下宏紀 with エレメントガード
14:50-15:20 休憩
 
第3部司会 Ye-Yo(本人)
15:20 ラピスラズリ 七尾ロマン&恋珠ルビー with 愛の十字架
 
第四部司会 姫路スピカ(本人)
15:30 AYA 安原祥子 with ポーラスター
15:40 KARION リセエンヌ・ドオ with トラベリング・ベルズ
15:50 山下ルンバ (本人出演)。
16:00 桜野レイア (本人出演)。with 川井唯・喜納満里
16:10 川崎ゆりこ 甲斐波津子 Pf伴奏:常滑舞音
16:20 Flower Four リセエンヌ・ドオ (伴奏不要)
16:30 Golden Six 桜井真理子(Vo/KB) 三田雪代(Vo/Gt) 木下宏紀(B:女装!) 安原祥子(Fl) 常滑舞音(Cla) レイア(Dr:本番メンバー)
16:40 Rose+Lily(20分) 甲斐波津子+甲斐絵代子 with スターキッズ
 
ゴールデンシックスの代役でクラリネットは演奏者が限られるが、舞音が「吹けます」と言ったので吹かせたらわりと上手かった(誰も吹けない場合は上野美津穂にお願いするつもりだった)。
 
後で聞いたら、昨年夏に信濃町ガールズになってから自前でクラリネットとアルトサックスを買ってレッスンに出ていたらしい(フルートは元々吹けた)。始めて半年にしては、かなり上手い。
 
安原祥子も昨年春に本部メンバーに昇格した後、やはり自前でフルートとEWI-Soloを買ってレッスンを受けていたらしい。彼女はファイフも吹いたことが無かったらしいが、今回聞いたフルートの演奏は、人前で演奏させてもいいくらい上手かった。
 
どちらもほんとに努力家である。ふたりともピアノとギターは元々弾けた。
 
今回のゴールデンシックスのリハーサル役には本番出演者のレイア以外には、桜井・三田・安原・常滑に悠木恵美といったメンツを考えていたのだが、悠木が「私、楽器苦手〜」と言って逃げてしまったので(実際にはピアノやギターは弾けるはず)木下君に入ってもらった。
 
「ガールズバンドの代役だから女の子の衣装着てね」
と花ちゃんが(ジョークで?)言ったら何の抵抗もなく
「いいですよ」
と言って、スカートの衣装を着て演奏してくれた(照明効果の確認のため本番のと同じ衣装を用意している:実際はひとりくらいズボンを穿いてても大きな問題はない)。
 
木下君はスカートを穿くこと自体は平気である。むしろ普段寮内ではよくスカート姿で歩き回っているらしいが、めったに公の場では穿かない。本人は「放送には流れないし」と言っていたが、後で話を聞いた川崎ゆりこが「なんでリハーサルの録画が無いのよ」と言っていた。(実は音響や照明のスタッフが夜間に検討するために録画しているが、公開予定も無いので撮ってないことにした)
 

3/5の夕方の便(G450)で、§§ミュージック・オールスターのメンツ、マリ、ゆりこ、千里、別便(Honda-JetRed)でアクアと葉月・コスモスが到着する。この日は明日のスケジュールを確認しただけで、夕食を取って休んでもらう。
 
私はこの夜は、和泉、カノン、コスモス・ゆりこ・あけぼのテレビの則竹部長、TKR仙台の人、イベンターの人、音響責任者の有咲、と9人でZoomで1時間ほどの会議をして、明日の準備事項などを確認した。
 

ずっと悩んでいた聖子(西湖:今井葉月)は、その夜、龍虎M(アクアM)に電話した。
 
「念のためもう一度訊きますけど、Mさんは性転換はしてないんですよね?」
「もちろんだよ。ボクは男の子だよ。ちゃんと、ちんちん付いてるよ」
「分かりました、ありがとうございます」
と言って、聖子は電話を切る。
 
「悩んでいるみたいね。私はどちらのせいちゃんでもちゃんと愛せるよ」
と吉田和紗(桜木ワルツ)はベッドの中から優しく声を掛けた。
 
一方電話を切った龍虎Mに、龍虎Fは、にやにやしながら声を掛けた。
「嘘ついちゃいけないなあ。***なんて無いくせに」
「ちょっと出張してるだけだよ。その内戻ってくるよ」
「ふーん」
と言ってからFは大きく伸びをした。
 
「ああ。だけど、***無いと、Mとセックスできない」
「人が聞いたら誤解するようなこと言うな」
 

3月6日、9:00-10:00 桜井真理子とYe-Yoに“前説”をさせた。2人は準備ができているステージの様子をレポートしたり、今日の出演者や第1部司会役の常滑舞音にインタビューしたりして、楽しく雰囲気を盛り上げてくれた。桜井真理子はさすがにしっかりしているが、Ye-Yoも度胸があるしトークも比較的うまいので、第1部の司会をさせる常滑舞音ともども、こういう系統の仕事をさせやすい。この時間帯に今日・明日の震災イベントは有料放送であることも繰り返しテロップで流す。
 
10:00 常滑舞音の司会で第1部が始まる。
 
常滑舞音は、大役にさすがに最初は緊張していたようだが、ステージに出て行く時に、いきなり転んでしまい、そのお陰で緊張が解けて普段の調子でそつなく司会をすることができた。この子は運も強い子である。
 
第1部の最初は30分ずつである。
 
10:00 リセエンヌ・ドオ 10:30 大崎志乃舞 11:00 原町カペラ 11:30 石川ポルカ
12:00 花咲ロンド 12:30 今井葉月 13:00 七尾ロマン 13:30 恋珠ルビー
 
この中で持ち歌で30分構成できるのは、カペラ・ポルカ・ロンドの3人だけである。リセエンヌ・ドオは自分たちが出したCDの曲以外は、スイートボックスの歌を歌った。スイートボックス(Sweet Box)は結成26年になるドイツ出身のボーカルグループだが、激しいメンバーチェンジを繰り返している。ドイツ外のメンバーもこれまでに多数参加しており、2013年には日本人の福原美穂がメインボーカルを務めてアルバム(Z21)を制作している。「Addicted」「Everything's Gonna Be Alright」など日本でも売れた曲もあるので、適当に流して聴いててあれ?と思った人もあったようである。
 
大崎志乃舞は今回も全く歌わず、ヴァイオリンを30分弾き続けた(ピアノ伴奏:甲斐波津子)。
 
今井葉月は自分の性別のことでかなり悩んでいたようだが、いつも通りドレスで登場。今回は戦前の唱歌を中心に歌った。瀧廉太郎の『花』『荒城の月』に始まり『この道』『からたちの花』『琵琶湖周航の歌』『月の沙漠』、『お山の杉の子(戦後歌詞)』『雨降りお月』『鞠と殿様』『ゴンドラの唄』、『波浮の港』『東京行進曲』と歌い上げた。
 
バックで石川ポルカと原町カペラがダンス?したが、月の沙漠では王子様とお姫様に扮し、鞠と殿様ではふたりで赤い和服を着て鞠撞きをしていた(失敗して鞠が転がっていったのは愛嬌)。
 
七尾ロマンはClariSの歌、恋珠ルビーはももクロの歌を歌った。
 
ここまでのバックダンサー(今回は感染拡大防止の観点からコーラス無し)はこのようになった。
 
10:00 リセエンヌ・ドオ (不要)
10:30 大崎志乃舞 (不要)
11:00 原町カペラ 中国A
11:30 石川ポルカ 東北A
12:00 花咲ロンド Muse
12:30 今井葉月 原町カペラ+石川ポルカ
13:00 七尾ロマン 中国B
13:30 恋珠ルビー 東北B
 

14:00から各歌手1時間の配分である。
 
14:00 姫路スピカ with 乙女地区
15:00 白鳥リズム with 白雪1200km
16:00 西宮ネオン with リセエンヌ・ドオ
17:00 高崎ひろか with ナイスエンジェルズ
18:00 品川ありさ with フィフティースリー
 
各々専属バンドをバックに歌ったが、ネオンは専属バンドが無いので、リセエンヌ・ドオが伴奏をしてあげた。この5人のバックダンサーは↓であった。
 
14:00 姫路スピカ 中国A
15:00 白鳥リズム 東北A
16:00 西宮ネオン Muse
17:00 高崎ひろか 中国B
18:00 品川ありさ 東北B
 

19時からはアクアのステージが2時間ある。この2時間の司会は花ちゃんが務める。最初は実は第1部を花ちゃんが司会して、第2部を常滑舞音にさせるつもりだったのだが、彼女は中学生なので20時以降は使えないことに気付いた。それで第1部と第2部の司会を交替することになった。しかし常滑舞音は長丁場の第1部の司会をしっかり務めてくれた(かなり体力を使うはず)。
 
なおアクアのステージは2時間なので途中に短い休憩がある。ここはYe-Yoと姫路スピカが3分ずつ歌った(Ye-Yoの演奏は20:00前に終わるようにする)。
 
今回アクアは前半をM、後半をFが歌ったが、例によって「後半の方が女の子っぽくて良かった」という意見が多く、Mが不快そうにしていた。
 
アクアのステージのバックダンサーはミューズが務めたが、甲斐波津子は前半だけに出して、幕間のところで宿舎に帰した。
 

この日の夕方、G450(熊谷→仙台)でラピスラズリを含む明日の出演者、Honda-JetBlue(能登→仙台)で青葉と田中世梨奈を連れてきた。また今日の第1部に出演した子たちの大半をA318で熊谷に戻した。
 
A318で帰ったメンバー 30名
白鳥リズム、原町カペラ、石川ポルカ、花咲ロンド、高崎ひろか、品川ありさ、 西宮ネオン、リセエンヌ・ドオの4人、大崎志乃舞、佐々木春夏M (13) フィフティースリーの4人、ナイスエンジェルズの4人、乙女地区の4人、 白雪1200kmの5人 (17)
 

3月7日、イベントは2日目になる。
 
午前中の第3部では、ラピスラズリが2時間歌った。司会はYe-Yoが務めた。バックダンサーは中国A+東北Aである。幕間で歌ったのは、常滑舞音、花ちゃんであった。
 
午後からの第四部で、真打ちの08年組+αが出てくる。司会は姫路スピカである。
 
要するに今回、常滑舞音・Ye-Yo・姫路スピカ・山下ルンバ(花ちゃん)の4人が進行役で、幕間の歌唱もこの4人で回している。
 
12:00 AYA 中国B Band:ポーラスター
13:00 KARION 東北B Band:トラベリング・ベルズ
14:00 山下ルンバ 中国A (伴奏不要)
15:00 桜野レイア 東北A with 川井唯(Element Guard)・喜納満里(愛の十字架)
16:00 川崎ゆりこ Muse Pf伴奏:常滑舞音
17:00 Flower Four 中国B (伴奏不要)
18:00 Golden Six 東北B (伴奏不要)
 
Flower Fourは諸事情により、織姫ではなく、クレール2号館を使用している。3月いっぱいで引退する木取道雄はこの後、Wooden Fourとしては月末のお別れコンサートに出るだけだが、Flower Fourとしては、毎年このイベントに出てくれるらしい。
 
山下ルンバは今回エレクトーンの弾き語りで歌っている、エレクトーンでは右手でギターやフルートパート(時にトランペット)、左手でストリングやピアノパート、左足でベースパート、リズムマシンでドラムスパートを演奏しているから、ボーカルまで含めて1人5役である。これを並行して演奏しちゃうのがエレクトーン・プレイヤーである。
 
脳味噌がマルチタスクで動くのだが、実際にはリズムはほぼオート(フィルインは手操作することも)だし、左手や左足はエレクトーン・プレイヤーの場合、ほぼ小脳的に動いていて、ほとんど大脳は使用しない。大脳が演奏しているのはだいたい右手とボーカルのみである。
 
(右足はボリュームペダル、グライドなどを操作する:足首・膝右側・足先の3ヶ所を使用する/稀に両足でペダル鍵盤を弾くこともある:米米Club『浪漫飛行』のベースソロのような複雑なベース演奏は両足が必要)
 

私は13:00-14:00のKARIONのステージに出た後、ひたすら寝ていた。そして18:30頃に妃美貴に起こしてもらい、準備をしてマリの部屋に行く。マリは美空とおやつを食べながら話していた。もっとも途中で「これ以上食べたらステージに響きます」と鱒渕さんに停められたので「お腹空いた」などと言っていた。ゴミ箱に入っているおやつの袋の量を見るとこの後2日くらい断食しても大丈夫そうだが!?
 
19:00 ローズ+リリーのステージが始まる。司会は午後いっぱい姫路スピカの予定だったのだが、長丁場なので、かなり疲労がたまっていた様子だった。それで、コスモスと川崎ゆりこが話し合い、このローズ+リリーのステージに関しては、花ちゃんに司会をしてもらうことにした。それで今回のイベントでは花ちゃんは2日続けてライブの最後を締めくくることになった。
 
なおローズ+リリーの演奏でバックダンスしてくれたのは信濃町ミューズのメンバーであるが、例によって甲斐波津子は前半のみで離脱する。幕間で歌ってくれたのは“出場予定の無かった”Wooden Fourで、物凄い歓声があがっていた。
 
毎年恒例になっている、最後の『花は咲く』の大合唱は、参加者が全員リモートで画面に登場した。↓のような画面分割である。
 
┏━━━┳━━━┳━━━┓
┃ AQUA ┃AYA┃ゆりこ┃
┣━━━╋━━━╋━━━┫
┃ルンバ┃R+L┃レイア┃
┣━━━╋━━━╋━━━┫
┃Goldn6┃KARION┃Flowr4┃
┗━━━┻━━━┻━━━┛
 
(20時を過ぎているのでラピスラズリは登場できない)
 
なお、KARIONの4人目はプロレスのようなマスクで顔を隠して登場したが、実際に私の代役をしてくれたのは千里である。
 

ところで事務所が倒産してしまったことから、事実上の活動停止に追い込まれたFlower Lightsであるが、8人のメンバーの内、リーダーの川中光梨はWind Fly20, サブリーダーの山本洋子はファレノプシスに転出、またダンスの上手い菅野ハルナはVictoian Roses のバックダンサーに採用された。
 
(WindFly20は坂出モナが脱退したことでメインボーカルが居なくなり、音源制作ができなくて困っていた。川中光梨はモナの後任のメインボーカルになる)
 
そして残りの5人はどこからも声を掛けてもらえなかった。
 
紀子は年末のボーナスも出なかったし、12月分の給料はかろうじて1月12日になってもらえたものの、1月以降のお給料をもらっていない。それで紀子は実は、受験した大学の校納金に困っていた。親に頼み込んで銀行から借金したものの、4月中に返さなければならないのに、あてがない。
 
それで結局クラスメイトで仲の良い聖子(天月西湖=今井葉月)が貸してあげた。それで何とか紀子は銀行に返済することができた。また入学辞退した大学の前期授業料が返還になったものをそのまま西湖に渡した。
 
が・・・
 
「返してもらうのはいいけど、のりちゃん、所得税払える?」
「あ、確定申告か。どうしよ?去年までは事務所の税理士さんにしてもらってたんだけど」
 
「コロナで納付期限は延期されてるけど、4月15日までには納付しないと」
「どうしよう?自分で計算なんてできないし」
 
それで取り敢えず§§ミュージックの税理士さんに頼んで彼女の所得税を計算してもらったが、源泉徴収票の類が無いので、そもそもいくら報酬をもらったのかも分からない。銀行振込の記録から昨年1年間に振り込まれた“給料”が6,214,530円あったことが分かる。そこから推定で税金を計算する。
 
6214530 ÷ 0.8976 = 6923496 (推定報酬総額)
 
これから、国民健康保険、生命保険料控除を引くと、課税対象額は5443000円となる。これに掛かる税金は674900円である。源泉徴収されたはずの金額が708966円なので、本来は34000円ほど還付になるはずである。
 
税理士さんが事務所に連絡を取ろうとしたが電話がつながらない、わざわざ現地まで行ってみてくれたが、閉鎖されて入れないようになってるようで誰も居ない感じだった。
 
「立花さん、給料明細は保管してます?」
「そんなのもらったことないです」
「うーん・・・」
 
こうなると源泉徴収により税金を納めていることを証明できないので、最悪674900円を本人があらためて納付しなければならない可能性もある。
 
税理士さんは税務署に相談した。
 
その結果、事業所の倒産という特殊事情を鑑みて、税理士さんが給与振込みの金額から推定した税金計算の金額を認めてくれたのである。
 
それで紀子は還付金の34000円を受け取ることができた!
 
「良かったね」
「助かった。69万円払えと言われてもお金無いし」
「税理士さんの報酬は私が立て替えておくから」
「それもごめーん。ところでさ」
「うん?」
「他の子の分もしてもらえないかな」
「あはは」
 

§§ミュージックの税理士さんは、他の事務所に移籍した3人とも連絡を取ったが、3人とも確定申告とか“なーんにも考えてなかった”と言っていた。それで結局、各々の現在の所属先の税理士さんとも話し合い、税務署とも相談の上、彼女たちも紀子と同様の計算方法で税務申告することになった。また紀子以外の所属の決まらない4人の確定申告も§§ミュージックの税理士さんが申告作業をしてくれた。
 
1人通帳を更新し、前の通帳を持ってないという子もいたので、税理士さんは銀行に依頼して過去の入出金明細を出してもらい、それを元に金額を計算した。結局、リーダーの川中光梨のみが10万円ほどの追納になり、他の7人は僅かながら還付金をもらえた。
 

税金の計算ではこのようにして苦労したのだが、紀子と残りの4人は結局、まとめて、♪♪ハウスに引き受けてもらうことになった。
 
そして白河社長の命名で“フラワー・サンシャイン”(Flower Sunshine)を名乗ることになる。
 
それで移籍記念にCD作ろうよと白河社長が言い、松本花子に依頼して楽曲を用意してもらった。
 
『花のある生活』
『お日様がいっぱい』
 
という2曲である。
 
“歌唱力のないアイドル御用達”の松本花子だから難しくない曲だ。音域は1オクターブちょっとしか無い。それで音源制作を始めたものの・・・
 
プロデューサーさんが頭を抱えた。
 
「すみません。せめて幼稚園の合唱団程度には歌える子を最低1人は入れてください」
と社長に訴える。
 
(ひどい言われようである)
 

白河社長は§§ミュージックのコスモス社長に相談した。
 
コスモスはなかなかデビューできずにいるガールズの子をこの機会に売り出そうと考えた。そこでコスモスは信濃町ミューズの、安原祥子と桜井真理子を呼んだ。この2人を呼んだのは、フラワー・サンシャインのメンバーが16-18歳なので、それと同程度か上の子を選んだからである。
 
「それは移籍になるんですか?」
と桜井真理子は尋ねた。
 
「出向する形になる。だから君たちはこれまで通り§§ミュージックから報酬をもらう。でも仕事上の指示は♪♪ハウスから受けてもらう。松梨詩恩と同じ形式」
 
「あれ?詩恩ちゃんって、うちに所属しているんですか?」
「そうだよ。高崎ひろかと姉妹を一緒に同じ事務所から売り出すと、どうしても片方に力(りき)を入れるようになっちゃうでしょ?だから事務所を分けたけど、詩恩の給料はうちから払っている」
 
「知らなかった!」
「槇原愛と篠崎マイ、北野裕子と北野天子とかも同じ方式」
「なるほどー」
 
「どうする?」
「行きます」
「今年は既に4人もデビューしちゃったから、このままでは今年はどう考えても、デビューの機会が無いし」
 
それで、安原祥子と桜井真理子は、♪♪ハウスに出向する形で、フラワー・サンシャインに加入したのである。
 
安原祥子は、昨年春に本部メンバーに昇格した時、本来は高校生だからミューズだけど最初の年だから1年間ガールズでと言われ、この4月からミューズに昇格(左遷だったりして)する予定だったのをミューズを経ずにデビューすることになった。
 
しかし地方メンバーから本部メンバーに昇格して1年後にデビューというのは全国の信濃町ガールズに希望を与えることになる。
 

フラワー・サンシャインの音源制作では、この2人にメインとサブのボーカルを取らせる。安原祥子の方がうまいので安原をメインボーカルにし、桜井真理子にサブになって欲しいと言ったが、桜井真理子は「祥子ちゃんうまいもん。その方がいいと思います」と答えた。安原祥子がキャラの立つ性格であるのに対して、桜井真理子は人をまとめるのが上手い、協調的な性格であることも、プロデューサーは見抜いていた。それで桜井真理子をフラワー・サンシャインのリーダーに指名した。
 
コーラスもこの2人に入れさせる(2回ずつ歌わせて4声のコーラス)。
 
つまりフラワー・サンシャインの音源はこの2人だけで作ってしまった。紀子も含め、他の5人は一緒にジャケ写に写っただけである。
 
「フラワーライツの時も、ピカちゃん(川中光梨)とヨッちゃん(山本洋子)だけで音源作ってたし」
「いや、マイクの前に立って、どうすればいいんだろうと悩んだ」
「私たちライブの時もダミーマイクだもんね」
 
ということで、他の5人は“本来の立ち位置”に戻れて安心したようであった!
 

桜井真理子が抜けたので、信濃町ミューズのリーダーはひとつ年下の三田雪代が引き継ぐことになった。
 
桜井真理子のひとつ下の学年の子には、安原も抜けたので、木下宏紀と三田雪代の2人が残っていた。雪代は
「ヒロちゃん、じゃんけんしようよ」
と言ったが、宏紀は
「ボク譲るから、雪ちゃんやって」
と言った。
 
「だって、男の子のガールズはあくまで例外的なものだから、男の子がリーダーというのはまずいよ」
と宏紀は言った。
 
「ヒロちゃんは既に性転換手術を終えて女の子になっているという噂もあるんだけど」
「ボクは男の子だよー。性転換とかするつもり無いし」
「怪しいなあ」
 
などと言いながらも、三田雪代は信濃町ミューズの2代目リーダーを引き受けたのである。
 

3月上旬に発売した常滑舞音のCDが思いもよらずゴールドディスクになり、私たちは話し合って、常滑舞音は契約を研修生契約(B契約)からアーティスト契約(A契約)に切り替えることにした。彼女の両親をホンダジェットでセントレアから東京に連れてきて、私・コスモス・舞音・両親の5人で会い、契約書に調印した。彼女のマネージングは取り敢えずリセエンヌ・ドオと大崎志乃舞を担当している村上麗子が担当することにした。
 
3月末、舞音のアーティスト昇格に刺激されたYe-Yo(甲斐絵代子)のファンたちが彼女が歌ったCM曲のCDを大量買いしたことから、彼女のCDもゴールドディスクになってしまった。
 
私たちは(かなり不本意だったが)Ye-Yoの契約もB契約からA契約に切り替えることにした。山梨から彼女の両親を車で連れて来て、私・コスモス・甲斐絵代子・両親、ついでにお姉さんの甲斐波津子も同席させて新たな契約の調印をした。
 
ちなみにこの姉妹の名前だが、時々「漫画家の花郁悠紀子(かいゆきこ)・波津彬子(はつあきこ)姉妹から取ったんですか?」と質問してくる人があるが(この漫画家姉妹の本名の苗字は“開発”(富山には“開発”という地名もある)で、その苗字を1字分ずつ姉妹で分け合っている)、実は甲斐波津子・甲斐絵代子の名前は、戦国末期から江戸時代初期に活躍した“浅井三姉妹”(浅井茶々=淀殿、初、江与、から採ったものである。
 
不幸なことになった淀殿(豊臣秀頼の母)を外した2人の名前を使った。初は京極高次に嫁ぎ、江戸時代初期に豊臣方と徳川方の調停に尽力した。江与は2代将軍・徳川秀忠に嫁ぎ、多数の子供を産んでいる。
 
・長丸(秀忠の長男で早世 *3)
・3代将軍・徳川家光
・“駿河大納言”徳川忠長(松平長七郎の父)
・和子(後水尾天皇女御で明正天皇の母)
・千姫(徳川秀頼の妻で大坂夏の陣では死ぬつもりだった所を坂崎直盛に救出され本多忠刻と再婚)
・珠姫(加賀藩主・前田利常に嫁ぎ、江戸文化を金沢の町に持ち込んだ)
・勝姫(松平忠直に嫁ぐ:大正天皇皇后の貞明皇后の先祖。つまり今上のご先祖!)
 
初には子供が無かったが、江与は子供を少なくとも9人は産んでいる。年子が物凄く多いが、恐らく当時の高貴な女性は乳母に授乳させ、自分では授乳しないので、早く生理が再開していたためか?
 
(*3)長丸は、家光(竹千代)の出生直後に亡くなった。そのため両親は竹千代が生まれたために長丸が死んだような気がして、竹千代をあまり可愛がらなかった。その後、忠長(国松)が生まれたので、両親は国松が長丸の生まれ変わりのような気がして、とても可愛がった。このままでは国松が跡継ぎになりそうと危機感を抱いた、竹千代の乳母・春日局(かすがのつぼね:明智光秀の重臣・斎藤利三の娘)は、お伊勢参りと称して江戸を脱出、駿河に引退していた家康に訴えた。家康は江戸城に乗り込み、長幼の順の大事さを説いた上で「竹千代殿はよき跡継ぎになるだろう」と発言して、竹千代が後継者になることを確定させた。
 

コスモス、私、川崎ゆりこ、デスクの沢村朋代の4人は緊急会談をして、常滑舞音・甲斐絵代子のマネージングについて話し合った。
 
「手が足りません。誰かマネージングのできる人を雇うしかないと思います」
「あまり変な人には任せられないし、新卒では辛いよね」
「経験者をツテを辿って至急探しましょう。結婚して専業主婦とかしている人などなら、事務所で家政婦を雇ったりしてでも復帰してもらえないか打診する」
 
「私も心当たりを当ってみるけど、みんなもお願い」
「小野さんたちにも声掛けてみよう」
「雪月花の3人は人脈ありそうだなあ」
「ただ個人的な人脈はあまり大きくしたくないんだけどね」
 
個人的なつながりのある人を採用していくと、結果的に社内に派閥を作り出すことになりかねないので、なかなか難しい所である。
 
七尾ロマンと恋珠ルビーに関しては、ベテランマネージャーを新規採用している。七尾ロマンのマネージャーは星野遙香(1987年度生)といって、以前∴∴ミュージックにいて、KARIONや篠崎マイを担当していた人である。当時は旧姓の望月遙香の名前で活動している。私のコネで採用した。彼女は∴∴ミュージックを、結婚するのに退職した後、少し育児の手が離れたようだったので、家政夫(遙香が“浮気防止のため”男性にしてくれと言った)を事務所の費用で雇った上に子連れ出勤を認めて復帰してもらった。
 
恋珠ルビーのマネージャーは城沼咲子さん(1984年度生)といって、以前アフラ・ムジカに居た人である。実は弘田ルキアの初代マネージャーだったらしい。ちなみにアフラムジカで現在ルキアを担当しているのは、若林歌織さんといって、以前§§プロ(当時)にいて、アクアの副担当だった人である。城沼さんは玉雪マネージャーのコネで採用し、約5年ぶりに芸能界に復帰することになった。私はアフラムジカの松田電球社長に電話して、退職時にトラブルなどが無かったことを確認の上で採用している。ルキアの2代目マネージャーは少年タレントに声変わり防止のため女性ホルモンを飲ませていたことが発覚し、保護者の抗議で解雇されている。
 

大曽根部長はその日、§§ミュージックに来訪すると言った。
 
「アクア君でロミオとジュリエットを撮ろう」
 
コスモスが思わず頭を抱えた。
 
 
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【夏の日の想い出・星遮りし恋人】(1)