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■新生・触(6)

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「淳はOL生活半年どう?」
 
「なんか全てが変わってしまった感じ」
「だろうね」
「朝昼のお茶入れなんかもローテーションに組み込まれたし」
「言ってたね」
「最初の内は実は女子トイレに入るのが恥ずかしかった」
「なんで〜?いつも入ってたのに」
「プライベートではね。でも知ってる人のいる所で入ったこと無かったし」
「ああ」
「列に並んでいて同僚の子とか、同じフロアの他の会社の人と会話を交わすなんてのが自然にできるようになったのは夏近くになってからだよ」
「へー」
 
「電話とかは、うちは元々男女関係無くベルが鳴ったら飛びつくという訓練をされていたから、問題あまり無かったけどね。ただ1度以前の顧客から電話があってさ」
「うんうん」
「最初女声で応答してから、昔の顧客だったから、この声じゃまずいかと思って」
「ふんふん」
「『月山ですね。少々お待ちください』と女声で言って、それから男声に切り替えて『お待たせしました。月山です』と」
「あはは」
「いや、みんなからも笑われた」
 
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その夜はひさびさのセックスをした。むろんレスビアンモードである。手術の後は和実の体調の問題もあったし、ずっと石巻・富山と行っていたので、全然できなかったのである。
 
「もう手術跡の傷は分からないね」と淳。
「うん。実際にほとんど目立たなくなってるし、陰毛で隠れてるしね」と和実。
「でもいいなあ。すっきりしたお股で」
「ふふふ。凄くいいよ。淳も早くこういうお股になりたい?」
「なりたい」
 
「松井先生に言ったら、すぐ臨時で手術のスケジュール入れてくれるよ」
「いや、あの先生に会うと、ほんとに説得されてふらふらと手術受けてしまいそうで怖い」
と淳が首を振って言う。
 
「唆すのうまいからねえ。先月も来年の夏くらいに手術したいって言ってたニューハーフさんをうまく口説いて、速効で手術しちゃったらしいよ」
と和実は青葉から聞いた情報を流す。青葉はあの病院で手術した患者の中で特に手術後の経過の重い患者のヒーリングを時々頼まれているらしい。(医療費として点数を出せないので料金は松井医師のポケットマネー)
 
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「ああ」
「本人すごく嬉しがってたらしいけど。手術代は分割払いにしてもらったみたいだし」
「分割でもいいよって、私も言われた!」と淳。
「うふふ」
 
「今、ダイレーター入れてるの?」
「留め置き式のを今も入れてるよ」と和実。
「あれ入れてて感じちゃうこととかないの?」
「秘密」
「和実って秘密が多いなあ」
「女はミステリアスなのがいいのよ」
「うん。それは言える」
 
その日は(ダイレーターを抜いた上で)正常位(トリバディズム)の後、淳が前になる背面座位で楽しんだ。
 
淳はタックしているので、タックの上から和実の指で刺激されるとひじょうにゆっくりと高揚に到達するし、射精しないまま終わることも多い。この日も淳はドライで逝ってしまった。
 
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「淳って元々ドライで逝きやすい気もする」
「それ和実とこういう関係になってから自分でも思うようになった」
 
「ね、今度ペニバン買ってきて、後ろに入れてあげようか?」と和実。「いや遠慮しとく」と淳。
「そう? こないだ気持ち良さそうだったから。私おちんちん無くなっちゃったから、もうあれしてあげられないし」
 
「でも私結局和実のおちんちん、生で触りはしたし、私の中に入れてもらったけど、目では見てないんだよな」
「見れば良かったのに」
と言って和実は笑うが、自分があまり見られたくないと思っていたのを淳が配慮してくれた結果である。
 
「あ、そうだ」
「うん」
「あの時、和実が射精した精液だけど、あれも冷凍してもらったよ」
「えー?そんな話、松井先生何も言ってなかったのに」
「だから和実の精液は手術直前に取られたのと合わせて2本保管されているから」
「うーん。別に使い道は無い気がするけどなあ。淳も精液取ったんでしょ?」
「うん。和実の手術の翌日に1本取って、そのあと提携している東京の病院で2回採取したから3本ある」
 
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「じゃいつでも去勢できるね」と和実は言ってみる。
「うん。結構マジで去勢だけしちゃおうかという気もしてる。でも精子と精子を結合させても赤ちゃんできるといいのになあ」と淳。
 
「それはさすがに無理だろうね」と和実。
「卵子と卵子ではできないのかな?」
「人間では無理っぽいね。コモドドラゴンは自分の卵子2個から子供作れるみたいだけど。でもトカゲは染色体の組合せが違うから。メスがZOでオスがZZ。そしてメスがそうやって単性生殖してできた子供は必ずオスになる。多分Z卵子とZ卵子の組合せだけが、赤ちゃんとして成長できるんだろうね」
「うむむ」
 

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そして9月15日(土曜日)。銀座店のオープンである。先着50名様に石巻で製造された鯨の携帯ストラップをプレゼント、というのを本店・新宿店とネットにだけ告知していたのだが、それを目当てに並ぶ客が20人近くいてびっくりした。用意していた50個は30分で無くなってしまった。
 
初日ということで、和実・秋菜の他にも比較的経験を積んだメイド2人を核に、この夏に採用したばかりの若い高校生メイド3人を配置して7人体制にしたのだが、その高校生メイドに早速ファンが出来ていた感じであった。
 
「アリスちゃん、毎日来るの?」
「いえ、私は土日だけです」
「じゃ土日に来よう」
などと会話を交わしている客などもいた。
 
(風俗営業ではなく飲食店営業にする最大のメリットは高校生メイドを使えることだと永井が言っていたこともある。客の方もエヴォンにはしばしば家族連れなどが来るし、キッズメニューもある。コーラまたはファンタ・クーなどとホットケーキのセット500円などというのは人気メニューだ。メイドがペンシルチョコでハートマークなどを描く。このあたりは子供客を嫌がる普通の喫茶店とも一線を画す)
 
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高校生3人の内2人はこの店の専属スタッフだが、1人は白いリボンを付けた上級メイドで神田店・新宿店・銀座店を巡回する。
 
「リリーちゃん、こちらの店には何曜日に来るの?」
「週によって違うんですよ。私のブログに一応の予定アップしますから」
「ブログのアドレス教えて」
「お店のサイトからリンク張ってありますから」
「じゃ見とこう」
「でも急に誰かが休んだりして予定が変わる場合もありますから、居なかったらごめんなさいね」
 
このリリーちゃんこと乃愛がオムレツ作りもコーヒーを入れるのも凄くうまくてこの子が銀座店に出てくる日は助かるなと和実と秋菜は話していた、その乃愛は
 
「ここのお店のフライパン凄く使いやすい! すごくきれいにホットケーキが焼ける。個人的にも欲しい!」
などと言っていた。本店や新宿店はテフロン加工のフライパンだったのを銀座店は南部鉄のフライパンを試験的に導入してみたのだが、これがお料理上手の乃愛には気に入られたようであった。
 
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「社長、これ本店や新宿店にも入れましょうよ」
とも言っていたが、永井は
「鉄のフライパンは上手な人が使えばいいけど、下手な人が使うと悲惨になるからなあ。分かってない子はこれ使用後に水に漬けちゃったりもしそうだし」
と言って、少し悩んでいるようだった。
 
初日と2日目のこの週末だけは生演奏も、10時、12時、2時、4時、6時、8時と6回にした。柿落し(こけらおとし)は♪♪音楽大学のピアノ科の学生さんで古城さんという人がショパンの『子犬のワルツ』を独奏してくれた。その後10時台は彼女のピアノで『愛の夢』『トロイメライ』『ノクターン』『エリーゼのために』など誰でも知っているような曲を演奏する。思わず客席から拍手が起きたりしていた。
 
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12時台には△△△大学の女子学生4人(ユニット名:マティーナ・フォルトナート−名前が無かったので永井による命名)による弦楽四重奏で、ヴィバルディ『四季』
の『春』第一楽章、『ハイドンのセレナーデ』『ボッケリーニのメヌエット』
『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』など、これまた誰でも聞いたことのある曲を演奏する。お昼なので、昼食を取りに来た人たちも多かったが生演奏しているのを見て「へー」という顔をしている客が多かった。
 
2時台はピアノとフルートのアンサンブル(ユニット名:シュベステルン。実際に姉妹らしい)。生楽器と電子楽器のミックスになるので和実は少し緊張したが、無難に乗り切った。4時台は□□大学の学生さん(実は麻衣の友人)西崎さんのヴァイオリン・ソロ、そして6時台は箏と篠笛の合奏という生楽器同士の組合せ(ユニット名:湖風)。これは音響は運任せの気分だったが「ボリューム丁度いいと思ったよ」と言われてホッとした。
 
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そして8時台はアコスティックギター2本とマンドリンにフルートという少し変わった組合せのユニット(ユニット名:招き猫)で、ポップス系の曲を演奏した。この日JASRACへの支払いが発生したのはこのユニットだけであった!永井がこのユニットを採用した理由は「招き猫」というユニット名が縁起良いからということだったらしいが、演奏もとても素敵だった。
 
この銀座店の生演奏への出演をお願いしているユニットは全部で20組ほどあるのだが、ほとんどがセミプロクラスのアーティストである。だいたいブログかウェブサイトを持っている人たちが多いのだが、そこに掲載する写真をということで、お店のメイドさんと記念写真などを撮っていた。
 
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するとそれを見た(本店の)常連さんが
「あ、記念写真いいな。僕も撮りたい」
などと言ったが、和実は
「すみませーん。お客様との記念写真は法令違反になるので」
と断る。
 
「アーティストならいいの?」
「はい」
「じゃ、僕もアーティストとして出演しようかな?」
「岩田さん、何か楽器するんですか?」
「腹鼓じゃダメ?」
「オーディション落選です」
 

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銀座店は順調な滑り出しを見せた。1日あたりの売上が平均で本店の1.5倍ほどあり、生演奏をしてくれる人たちへのギャラを払っても充分ペイできる売上で和実も永井もホッとした。町の性格の違いで、神田店では平日の方が売上げが多く、新宿店は曜日による差はあまり無かったのが、銀座店は土日が平日の倍近く客が入る傾向が出たのと、客の回転率が高い特徴が出ていた。またテイクアウトや周辺のオフィスなどからの出前注文は少なめだった。
 
そしてこの生演奏に関して面白い現象が起きる。アーティスト側からの売込みが相次いだのだ。ギャラはかなり低価格であるにも関わらず「ここで演奏したい」
というユニットからの接触が毎週5〜6組はある状態で、中にはノーギャラでもいいから演奏したいという人たちもかなりあった。永井は最初は自分で演奏を聴いていたものの、とても全部に対応できないということで「オーディション委員会」を作って、そちらに採用を丸投げした。
 
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オーディション委員会には退職していたはずの麻衣も引っ張り出され、銀座店演奏者の中の「コアプレイヤー」であり、音楽大学の学生で耳が確かなピアニストの古城さん、同じくコアプレイヤーの一人でスタジオミュージシャンをしているヴァイオリニストの逸見さん、クラシックに造詣の深い本店チーフの若葉、そして銀座店チーフの和実の5人で演奏を聴いて採用可否とA〜Cのランク付けを行った。Aは本人たちが良ければ週2〜3回の演奏、Bは週1回の演奏、Cは月1回程度の演奏ということにした。
 
それで毎週水曜日の夕方、銀座店のステージを使って生オーディションをすることにした。但しあまりにも問題外の演奏だったらチューブラーベルを打って1分程度で打ち切り退場を願う「のど自慢方式」とする。しかし落選した人にも「お疲れ様コーヒー」と称してコーヒーをサービスしたので半ばタダのコーヒー目当てでリベンジと言って毎月挑戦してくる人もあり、オーディションは和やかな雰囲気だった。なお、チューブラーベルを鳴らすのは水曜日・金曜日だけ出てくる高校生メイド友子(メイド名ジューン)の役目だったが
 
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「ジューンちゃん、あと少し演奏させてよ」
「えー?私は鐘を鳴らしてるだけで、決めてるのはそちらの先生方ですから」
 
などというやりとりはよくあった。1個鳴らしたのが即退場。2個は努力賞(オムレツセットサービス)。合格(A〜C)はドシラソドシラソドミレ〜とたくさん鳴らす。
 
本店常連客の岩田さんまで「昔取った杵柄」でギター演奏を披露すると言ってオーディションに参加したが、30秒で友子がカーンと鐘を1個鳴らして御退場を願うことになり「お疲れ様コーヒー」を飲んでいた。
 
また麻衣(メイド名:もも)がオーディションの審査員として毎週水曜日に銀座店に来るという情報が「ももファンクラブ」のメンバーの中で伝わり、もも目当てで水曜日に銀座店にやってくる客などもいた。
 
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