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シャワーを浴びる。シャワーしながら舐めてくれたが、僕のは逝くどころか全く立たなかった。その後またお部屋に戻るが、今度はなんと男装させられる。トランクス、男物のシャツを着せられ、ワイシャツ・ズボン・ネクタイに背広と着せられた。それで記念写真を撮る。
「それでは男性として最後のおしっこをどうぞ」
と言われて、廊下を歩いて少し行った所にある男女別トイレの男子トイレの方に案内される。リンダも付いてくる。そして僕がズボンのファスナーを開けておしっこをしていると、そこをビデオ撮影される。
「変なもの撮りますね」
「もうこれができるのは最後ですから」
などとリンダが言う。あ、このあとまた女装させられるのかな?などと僕は思った。実際また部屋に帰ると服を脱がされ、裸のまま舐めてくれる。むろん全く大きくならない。僕は疲れ切っていた。
そのあとまた可愛い白いショーツに白いブラ・白いキャミと着せられる。
「最後の衣装はこれです」
と言ってリンダが取り出したのはウェディングドレスだ。
なるほどー。こんなのはこういう場所で着ないとさすがに一生縁の無い服だなと僕は思った。
時刻はもう21時半。これが最後のプレイかと思う。その時、あれ〜?まだ僕、ボディスキン付けてないけどと思ったものの、まあいいかと思う。
ウェディングドレスをきれいに着せられ、ロングヘアのウィッグも付けられたあと、ノックがあってタキシードを着たアンナが入ってくる。アンナは先ほどは長い髪だったのだが、今は短い髪を七三に分けている。さっきのがウィッグだったのだろうか。それとも今の髪が男性用カツラなのだろうか。
それで花嫁姿の僕とタキシード姿のアンナが並んで、花束まで持ってリンダが記念写真を撮る。僕は実際に結婚するとしたらタキシードを着るだろうから、こんなのは一生に一度の体験かも、と思ってから、待てタキシードを着て結婚式というのも何度もはしたくないぞ、と思い直した。
記念写真を撮った後でリンダは僕のウェディングドレスのスカートの中に身体を入れ、ショーツをずらして僕のをまた舐めてくれた。もう疲れ切っているので、ピクリとも反応しない。それは小さいまま彼女に舐められていた。でも小さいまま舐められるのもけっこう気持ちいい。
今日一日女の子プレイしていて、女の子になるのもいいなあとは思ったけど、おちんちんのあるのもまたいいなあ、などと思ってしまう。ニューハーフの人たちって、やはりこういう快感を放棄しておちんちん切っちゃうのかなあ。それとも彼女らはおちんちんを触っても気持ちよく思わないのだろうか。僕はそれをリンダに訊いてみたい気がした。
「ではこれをどうぞ」
と言われて、グラスに入ったワインのようなものを渡される。それをリンダ・アンナとグラスをカチッと言わせてから僕は飲み干した。
そして僕の記憶はそこで途切れてしまった。
目を覚ました時、僕は見慣れない場所にいるのに気づいた。
ここどこ?
身体を少し起こして見回す。窓が全面にあり、朝日(?)が射している。僕はベッドに寝ていて、何か管のようなものが何本も毛布から出ており、1本はそばに立っているスタンドに掛けられた点滴!?のパックに繋がっている。別の1本はベッドのそばに掛けられているパックに繋がっていて、そこには黄色い液体が溜まっている。何だ?何だ?
まるで病院に入院しているみたい?
そういえば僕は風俗店に体験取材に行っていたんだったと記憶を呼び起こす。最後ウェディングドレスを着て、模擬結婚式みたいなことをして、乾杯したような気がする。もしかして僕はそこで疲れが吹き出して倒れてしまい、それで病院に搬送されてしまったんだろうか?
きゃー。恥ずかしいことしてしまった、と思う。
でも無茶苦茶体力使うコースだったからなあ、などと思う。最後はテニスに水泳までしたし!
じゃお店の人にも迷惑掛けちゃったかなあ、などと思う。枕元にネームプレートがあるが「円山ゆき様」なんて書いてある。女の子設定がまだ生きているのか!とちょっとそれも恥ずかしい感じだ。
でも何時なんだろう?と思って携帯を探すが、服はどうもパジャマを着せられているようで、ポケットの類いも無い。サイドテーブルの引き出しなどを探るが見当たらない。あれ〜。僕の荷物はどこだろう? 会社のクレカなどもバッグに入っているので、万が一にも紛失すると大変だ。
そこに看護婦さんが入ってくるが、良く見るとリンダである。僕はびっくりした。
「おはようございます。目が覚めましたか?」
「おはようございます。これまさかプレイの続き?」
「フルコースは一週間コースですよ」
「一週間!?」
「もっとも私は本物の看護婦ですけどね」
「え?そうなの?」
「あそこの風俗嬢とここの看護婦を兼任してるんです。ちゃんと看護師の資格持ってますよ」
「そうだったんだ!? え?病院」
「もう手術は終わりました。もう円山さん、立派な女の子になりましたよ」
「手術!?」
「私はさすがに12時間のプレイした後だから、寝せてもらいましたが、手術は無事成功だそうです」
「手術って何の手術?」
と僕が訊くと
「もちろん性転換手術ですけど」
と言って彼女はきょとんとした表情で答える。
「え〜〜?僕まさか性転換手術されちゃったの?」
「え?でも性転換手術をご希望だったんですよね?」
「ちょっと待って。フルコースってまさか性転換手術を含むの?」
「そうですけど。受付のところで承諾書にもサインなさいましたよね?」
あの承諾書は・・・・中身を読んでなかった!
「じゃ僕女の子の身体になっちゃった訳?」
「そうですよ。男性器を除去して、女性器を形成して。のど仏の除去と豊胸手術も一緒にしています」
「え〜〜〜〜!?」
それで僕は慌てて身体に触ってみる。何か喉の所に包帯が巻かれている。そして胸を触ると何か凄く膨らんでいる!うっそー!! そしてお股の付近は感触が無くてよく分からない。
「あのぉ、まさか性転換するつもりは無かったなんてことないですよね?」
「全然無かった!」
「でもフルコースを申し込んだんですよね?」
「フルコースって12時間のボディスキン付けて遊ぶコースかと思った」
「それはノーマルコースです」
「え〜〜!?」
「ノーマルコースが12時間のボディスキンコース。ショートコースが6時間のたっぷり女装プレイコース、ミニコースが3時間の女装するだけ。そして、アップルオプションがのど仏のカット、マンゴーオプションがシリコンバッグによる豊胸、ナッツオプションが去勢、バナナオプションが性転換手術、そしてフルコースはそれを全部やるコースです」
「知らなかった!」
「ちょっと待って」
と彼女は難しい顔をして人を呼んできた。
医師のような人が入ってくる。リンダは
「今店長も呼んでますから」
と言う。
医師は
「取り敢えず患部の状態を確認しますね」
と言って彼は股間の包帯を外す。
きゃー!
と思って僕はそれを見て絶句した。
全部無くなってる!
そしてお股の真ん中に割れ目ちゃんができていて、何のためか分からないが両脇に縫ったような傷口が2本縦にできている。
「傷の状態は良いですね。今まだ麻酔が効いていると思いますが、切れたらけっこう痛いので言って下さい。痛み止めを処方しますので」
「はい。お願いします。すみません。これってもう元には戻せないんですよね?」
「それはさすがに無理ですね。性転換手術の証明書を書きますから、それで戸籍の性別も女性に変更できますよ。裁判所に提出する書類も用意しますから」
と医師は言っている。
戸籍の性別が女になってしまう?
うっそー!
「でも円山さん、プレイ中に女の子になりたいとか、性転換手術されたいとか言ってましたよね?」
とリンダは困ったような顔で言う。
「うん。言ってた!」
「女の子になりたかったんですよね?」
僕はあらためて考えてみた。
そういえば小さい頃、女の子になりたいなと思って、おちんちんお股に挟んで隠したりしてたこともあったなあ。姉のスカートをこっそり穿いたりしたこともあったし。中学高校時代もあまり女の子に興味持たなかったし、むしろ女の友だちの方が多かった気もする。
「女の子になるのもいいかも」
と僕は言った。
「良かった。間違いだったなんてことになったら、大変だし」
と彼女は安堵したように言う。
「でもこのフルコースの料金っていくら?」
「200万円ですよ」
「きゃー」
「退院してからもプレイは続くから楽しみにしててね」
「え〜〜?」
と言ってから僕は不安になった。
「会社に連絡したいんだけど、僕の携帯はどこかな?」
「お荷物は紛失するといけないから、お店で預かってました。今店長が来ますけど、その時お荷物も持って来てくれるはずです」
店長は30分くらいでやってきた。僕が「ノーマルコース」と間違ってフルコースを頼んでしまったことを言うと驚いていたが、僕に
「女の子になるの嫌でした?」
と訊いて
「嫌ということはないですけど」
と答えると
「だったらいいですね」
と彼は言った。
店長が持って来てくれた携帯で会社に電話すると、部長と課長が来てくれた。
「お前、性転換オプションまで選択しちゃったんだ?」
「ノーマルコースのつもりでフルコースと言っちゃったんですよ」
「でも確認とか無かったの?」
と課長が店長の方を見ながら言う。
「一応こういう書類を渡して署名捺印を頂いたんですが」
と言って、店長は受付で僕がサインした書類を見せる。
「本コースは性転換手術、豊胸手術、のど仏切削手術を含みます。本コースのプレイをすると、生殖能力を永久に失いますと書かれているな」
「内容を確認して頂いたと思っていたのですが」
「済みません。全然読まずにサインしてしまいました」
「そりゃ円山が悪い」
と部長が断言した。
「しかし、お店の方もこういう重大な結果の生じるコースについては声に出して内容を読んだりとか、何度も意思確認するとかの手段を執ってもらえませんかね」
と部長は苦言を呈する。
「こういう間違って性転換手術を受けちゃうなんて人が出ることは想定していなかったのですが、ちょっとその点は早急に検討します」
と店長。
「それでどうでしょう?本来はこのコースは200万円なのですが150万円に割り引きした上で、円山さん個人に御見舞い金として30万円支払うという線では?」
「結果的に120万円に値引きという訳ですか」
「まあプロモーションということで」
部長は少し考えている。
「円山、お前は女になってこの後困る?」
と訊かれる。
「女になったことが無かったもんで分かりませんけど、何となく女でもやっていけるかもという気はします」
「お前美人だしな!」
「そうみたいですね」
と僕は頭を掻く。
リンダも
「円山さん、女装させていて、この人羨ましいくらいに可愛い!と思ってましたよ」
と言って彼女はプレイ中に撮影した写真のプリントしたものを出す。
「おお、可愛い!」
と部長・課長が声をあげる。
「これ新聞の記事に使ってもいい?」
「まあいいですよ」
と僕は力なく笑いながら言った。
「じゃ、お前女になるのは問題無いな?」
「もういいことにします。開き直ります」
「よしよし。じゃお前、退院したらもう女子社員扱いな」
「分かりました」
「この150万は会社で払うし、その御見舞い金はお前がそのままもらっていいから」
「ありがとうございます」
「ちゃんと女子制服を着て勤務しろよ」
「はい」
「女子制服を作らなきゃな」
「実は女子制服持ってます」
「そうだったの!」
「だったら、恥ずかしがらずにこれまででも女子制服で勤務しても良かったのに」
「あははは」
そして僕はこの病院のベッドで7枚目のレポートを書いた。
『いやはや手術が終わってからあそこを見て仰天! 棒も玉も袋も消滅して、扉と穴ができてるのを見て爆天! 棒は16-17cmあったけど、穴もやはり16-17cmあると聞いてトコロ天! 戸籍も女に直せるし、ちゃんと女として結婚できますよと言われて祝天! ついに僕の愚息は昇天してお星様になってしまいました。きっと満天の星たちはみんな元は誰かに付いていた愚息たちなんじゃないかな。さようなら、僕の愚息』
ということばで締めくくった。