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「円山君、行ってみる?」
「料金が高いから支払いは会社のクレカ使ってもらうから」
「高いんですか?」
「12時間のノーマルコースで20万円」
「20万円!? そんなので商売成立するんですか?」
「一応ショートコース6時間で10万円、ミニコース3時間で5万円というのもある。ショートコースではボディスキンを使わない。3時間は女装させて逆Aと逆フェラだけ」
「でも体験取材するとしたら円山君くらいしかできないかも」
「女装の記念写真撮るからね。それが可愛い女の子になる人でないと記事として成立しないもんね」
「うちの契約記者で風俗ライターしている人たちの中にも女装して映えそうな人がいないんだよね」
何か引っかかりを感じるなあ。
「でも僕、風俗はちょっと」
「ああ、恋愛関係にない男性と性的なプレイすることに抵抗あるのかな」
「僕、男性には興味無いですけど」
「あれ?円山君ってレスビアンだったっけ?」
「僕ノーマルですよぉ」
そういう訳で僕は結局うまく乗せられて、会社のカードを持ってその風俗に行くことになってしまった。
12時間コースなので、何と朝からである。朝10時から始めて夜10時までという長丁場。僕はその12時間の体験を6枚のレポートにして新聞にはシリーズで掲載することになった。
僕が受付で申し込むとクレカの提示を求められる。高額なので決済はクレカのみということになっているようだ。
「どのコースになさいますか?」
「あ、えっとフルコースで」
と言うと受付の人一瞬「え?」という顔をした。何か後ろの方に入って行って誰かと話している。それで何か偉そうな感じの人が出てきて
「お客様、ほんとうにフルコースでよろしいのでしょうか?」
と尋ねる。
「はい」
と僕が答えると
「それでは念のためこちらの承諾書をよく読んで、ご同意頂けましたら署名捺印してください」
などと言われる。
風俗ごときで署名捺印が必要なのか〜〜!?
僕は驚いたものの、承諾書の中身はあまり読まないまま円山行雄と署名し、印鑑を押した。
「女性名もお訊きしてよろしいですか?」
「あ、はい。円山ゆき、で。ゆきはひらがなです」
「分かりました。それでは料金はこちらのカードでよろしいですね?」
「はい。お願いします」
それで少し待合室で待った後、きれいなドレスを着た女性が出てきて
「ゆき様、こちらへ」
と言われるので付いていき、個室に入る。がびっくりする。風俗の個室なんて殺風景なものを想像していたのに、ここは豪華な調度で飾られている。まるでヨーロッパの貴族の居室かと思わんばかりである。
「どうぞ、座って楽になさってください」
と言われるので座るが、リンダと名乗った担当の女性はサイフォン!でコーヒーを入れてくれた。
「お砂糖は?」
「いりません。ブラックで」
というのでそのままもらう。コーヒーカップも凄くデザインの良い品である。これ1個5000円はしそうと思う。そして飲んでみると物凄く美味しい。
「美味しいですね!」
「インドネシア産のブルーマウンテンです」
「ブルーマウンテンってジャマイカじゃないんだっけ?」
「そちらが有名ですが、実は若干ニューギニアでも栽培されているんですよ」
「へー。知らなかった」
「フルコースの最初の2時間は男性として最後の時間をゆっくりと楽しんで頂こうということで、男の喜びの極致を体験して頂くことになっています」
なるほどー。性転の館で、後半はもう女として扱われるからその前に男の快楽を味わわせる訳か、と僕は納得する。
「ドライビングゲームとか、フライトシミュレーターとか、囲碁や将棋なども選択できますが。一応私、囲碁も将棋もアマ初段なので、ある程度はお相手できると思いますが」
「囲碁も将棋も全然分かりません! オセロくらいなら」
と言うので、彼女とオセロを楽しんだ。
が、風俗でこんなことしてていいのか!?
もっとも彼女はオセロをしながら
「ゆきおさんって格好いいわあ」
「女の子にもてるでしょ?」
「仕事もできそう」
などと随分僕を褒めてくれた。言葉責めの逆だなと僕は思った。
「でもこういうのやってて、お客さんによっては早くやらせろ、なんて言う人はいませんか?」
「おられますよ。その時はそれなりに応じます。むろんうちはソープではないのでセックスはNGですけどね」
「なるほどー」
「AならOKですよ。します?」
「いや、いいです」
「そうですね。フルコースはゆきおさんが3人目ですけど、前の2人の方も入れるのは好みじゃないとおっしゃって。おひとりの方は全く立たなかったし」
「なるほどー。女装プレイをしにくる人ですもんね。そもそもそういう傾向があるんでしょうね」
「まあ、それでなかったらフルコースに来る訳がないですよね。ひとりの方は最初から女装で来店なさいましたよ」
「やはり、そういう客層なのか」
結局2時間近くおしゃべりした後、10分間の休憩となるので、僕は早めに休憩に入らせてもらって記事を書き上げ、メールで会社に送っておいた。
次の2時間はいよいよ女装させられることになる。最初にリンダの手で服を脱がされて裸にされるが、
「男の服を着ておられるから、少し不安でしたけど、ちゃんと下着は女物ですね」
と言われる。
「そうですね」
実は最近かなり女物の下着の感触にハマっていたのである。結構ブラやパンティを付けたまま会社に出てきていたのだが、今日は風俗というのでまずいかなという気もした。でもまあいいかと思って、そのまま来てしまったのである。
更に僕の裸を見て
「ああ。ちゃんとムダ毛は剃ってますね」
とリンダは言う。
「ええ。ちょっと色々事情があって」
「ここで剃毛することになっているのですが、実際には以前来られたおふた方もきちんと手足のムダ毛、脇毛、剃ってありましたよ」
「なるほど、なるほど」
やはりこういう風俗に来る人って女装趣味の元々ある人なんだろうなと想像する。
「じゃ陰毛を剃りますね」
と言って彼女はあの付近の毛を最初ハサミであらかた切った上で、櫛刃の電動カミソリで剃り、更に回転刃の電動カミソリで剃ってきれいにしてしまった。なるほどー。櫛刃で最初に剃ると痛くないのか、と僕は新しい発見をした気分であった。
「毛が無いと、まるで子供のおちんちんみたい」
と僕は言った。
「そうですね。でも元気なんですね」
と言って彼女は僕のものの先に軽くキスをしてくれた。僕のは毛を剃られている最中ずっと立っていた。特にハサミを使われた時は、このハサミでおちんちんまで切られたりしないよね?などと変な想像をしてドキドキしていた。子供の頃、母親に何かで叱られて「おちんちん切っちゃうよ」と言われて大きなハサミを見せられた記憶が蘇る。あれ何で叱られたんだったかなあ。おちんちん切られちゃったら女の子にならないといけないのかな、なんて想像したっけ。まあ、女の子になっちゃうのも悪くない気もするけど。でも性転換手術って100万円くらいするらしいし。最近手術しちゃう人増えてる気がするけど、よくみんなお金があるよね?
ここでお昼御飯になるが、裸のまま食事をしながらガールズトークになる。
ここでガールズトークするというのがプレイの一部でリンダは「○○ちゃんがこないだね」などとよくある感じの女の子同士の噂話や、ジャニーズなど男性アイドルの話、またファッションの話などをする。
「さすがちゃんとガールズトークに付いてきますね」
「僕、結構会社の女子社員たちと一緒にお昼食べたり、会社が終わった後でおやつ食べに行ったりしてるんですよ」
「ああ、やはりそうですよね」
うーん。何がやはりなんだろう。
食事が終わってからお茶を飲みながら少し休憩する。30分ほどした所で彼女は一度トイレに行ってくるよう言い、その後僕をベッドに寝かせた。そして何か大きな玉子のようなものを出してきた。
「それ何ですか?」
「ご存じありません?テンガエッグですよ」
「へー!それが!名前は聞いてたけど初めて見た」
「私もたまに使うけど気持ちいいですよ」
とリンダは言う。
たまに「使う」ってどうやって使うんだ?と思ったものの、彼女がそれを僕のものに入れて、いや逆か。僕のものをその玉子に入れて動かすと僕は極上の気持ちよさを感じた。すごーい! 気持ちいい!
彼女の動かし方は絶妙で僕が逝きそうになると勢いを緩める。そしてじらしていたかと思うと結構強く動かす。それで僕は逝きそうで逝かない状態でかなり長時間、快楽を感じ続け、こんなにここに血液が集まったいたら脳貧血になりそうなどという気もしてきた。
結局30分くらいも掛けて、僕はようやく逝くことができた。
「待って。これレポートに書くから」
と言って僕がノートパソコンを開いて記事を書き出すと
「何ですか?」
と尋ねられる。
「体験取材なんですよ」
「すごーい。取材でフルコースやっちゃうんだ?」
「みんな断ったとかで。僕はまあ女の子になるのはいいかなと思ったし」
「うん。可愛い女の子になれると思いますよ」
とリンダは笑顔で言った。
僕の記事は「愚息もついに昇天」という決め文句で締めくくった。うん、これ一度使ってみたかったんだよね〜。
記事をメールで送ってからプレイの続きをする。
お部屋の隣にお風呂が付いている。ドアを開けてそちらに案内されたがこれがまた豪華なお風呂である。バスタブも広い。リンダはバブルバスを入れてお湯を貯め始める。そしてこちらではリンダが服を脱いで水着姿になり、スマタ・プレイをした。
「どちらが上がいいですか?」
と尋ねられ
「下の方がいいかな」
と言うと
「前来られた2人も下を選択しましたよ」
と言い、バスマットの上に横たわらせて僕のを股にはさんでリンダが腰を動かす。ひー。これもまた気持ちいい!
「女の子とのセックスをした経験は?」
「無いです」
「ですよねー」
どういう意味で「ですよねー」なんだろう。
「だと逝けないでしょ?」
「逝けそうなのに逝けません」
「ふつうの男の人ならこれ数分で逝くんですよ」
「そうなんですか?」
結局10分以上やっていたものの僕は逝けなかった。しかしこんな長時間腰を動かすのって大変そうと、僕は嬢に同情した。
そのうちバスタブに泡がたまるので、僕はその中に入れられ、柔らかいスポンジで身体を洗ってもらう。
「なんか気持ちいいです」
「まあ原始的な快楽ですよね」
と言って彼女は笑っている。
あの付近はより丁寧に洗ってもらった感じだが、これもまた気持ち良かった。女の子になるのもいいなと思わないこともないけど、こういうおちんちんの快楽って簡単には捨てられないよなあと僕は思った。