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■女たちの結婚事情(3)

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千里はその後、妹の玲羅に連絡した。妹も貴司との結婚は大歓迎と言ってくれたし、玲羅は過去に何度か桃香と会っているので「桃香さんとは今更結婚しなくても、既に結婚していたのでは?」と言いつつも、それも容認してくれた。
 
続いて叔母の美輪子に連絡するが、美輪子は青葉同様大笑いして
「いいじゃん、いいじゃん。何なら桃香ちゃんの恋人も入れて4人で結婚でもいいと思うよ」
などと言っていた。
 
「季里子ちゃんはさすがに私との同居は不愉快だと思うので、桃香には通い婚してもらいますよ」
 
と千里が言うと、桃香はばつが悪そうな顔をしていた。
 
まああれも一種の通い婚だよね、と千里は思う。(京平のお陰で)桃香はまんまと2つの家庭を持つことに成功した、早月・由美をどちらの家庭で育てるかについては、またゆっくり桃香と話さなければならない。
 
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その後で千里は自分の母・津気子に連絡する。
 
「わあ、貴司さんと結婚するんだ。あれ?貴司さんいつ離婚したの?」
と訊かれるので
「昨日離婚したんだよ」
と言うと、びっくりしていた。
 
「でも離婚してすぐ結婚していいんだっけ?」
「それは節操が無さ過ぎるから来年の6月に結婚しようと」
「あ、それならいいんじゃない?」
 
母も貴司との結婚は歓迎してくれたものの、桃香との同居について難色を示す。
 
「そんなことしたら、桃香さんと貴司さんの間に何か起きたりしない?それってお互いに不幸になるよ」
と心配する。
 
「それが桃香はガチのレスビアンなんで、男には全く興味が無いんだよ」
「え〜?そうなんだ?」
 
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「私と桃香のセックスは貴司が見てない所でして、私と貴司のセックスは桃香が見てない所でする、という約束」
 
「桃香さんって性転換してるんだっけ?」
「してないよ。だから私と桃香は女同士でレスビアン・セックスしてるんだよ。桃香は男の身体が嫌いなんだよね。世の中からちんちんを全部消滅させてしまえ、とか言ってるよ」
 
「それじゃ人類が滅亡するよ!」
 
かなりの時間津気子と話した結果、津気子も最終的には桃香との同居を認めてくれた。
 

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千里はやや重たい気持ちで、信次の母・康子にも連絡した。
 
「あら、いい人ができたのね。うん。結婚するのは祝福するよ」
と康子さんは言ってくれた。
 
「ありがとうございます。信次さんになんか悪いような気もまだしてるのですが」
 
「それは気にしないで。1周忌過ぎたら再婚していいよと私、言っていたのに、千里ちゃん、律儀に3回忌まで待ってくれたね」
 
「それで済みません。新しい彼との結婚前にいったん川島から籍を抜きたいのですが」
 
「ああ、それは構わないよ。でも千里ちゃん、その新しい彼の苗字を名乗るんじゃないの?」
 
「はい、それはそうですが、川島千里のまま結婚すると、私、川島の家から細川の家にお嫁にいく形になってしまいます。それは変なので、いったん村山の家に戻ってから、細川の家にお嫁に行きたいんです」
 
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「確かにその方がすっきりするね。うん、それはいいよ。でも由美の苗字は?」
 
「今実は私苗字がお互いに異なる子供を4人育ててるんですよね」
「4人!? 3人じゃなかったんだっけ?」
「昨日1人増えたんです」
「あらら」
 
「それならもう子供たちの苗字はそのままでいいかなと思って。だから由美は川島の籍に置き去りにします」
 
「私はそれでいい。むしろ川島の苗字を名乗る子がいた方が嬉しい」
 
信次と波留の子供・幸祐は波留の苗字・水鳥、信次と優子の子供・奏音は優子の苗字・府中を名乗っている。太一の子供・翔和は太一が亜矢芽と離婚して彼女が引き取ったので亜矢芽の苗字・片野をいったん名乗った後、現在は亜矢芽の新しい夫の苗字・釜石を名乗っている。つまり康子の4人の孫の中で川島を名乗っているのは由美だけなのである。
 
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(康子もこの時点で千里さえも知らないもうひとりの孫・緩菜は細川の苗字)
 
「まあ由美がお嫁に行く時までの限定だけどね」
と康子は付け加えた。
 
しかしそういうことで、由美は川島のままにしておくことになった。
 
なお、信次との結婚指輪・エンゲージリングは一周忌の時に康子さんに返却済みである。
 

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千里は6月に再婚した阿倍子にも自分が貴司と再婚することを連絡した。
 
「すごーい!美映さんから奪い取ったの?」
「それが買い取ったのよね〜」
 
と言って昨日のことを話すと阿倍子は仰天していた。
 
「うっそー。実質、離婚慰謝料5000万円ってことでしょ? 私は1000万円しかもらってないのに」
「うーん。。。それは申し訳無い」
 
「だいたいそれって慰謝料もらえるほど貴司に落ち度がある気がしないけど?」
「そうだなあ。美映さんと貴司が結婚していた間、私は一度も貴司とデートしてないから。他の女と浮気していたら分からないけど」
 
と言いつつ、緩菜が生まれた日に貴司とキスしたことだけ少し良心が痛む。しかし阿倍子は
 
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「ああ、そうだよね?千里さんは結婚してたんだもんね」
とその件はこちらの話を信じてくれた。
 
阿倍子は千里と貴司の結婚自体は、もう自分も再婚した身だし、祝福してあげると言ってくれた。ただ慰謝料の問題については自分としては割り切れないと主張した。いったん電話を切って、桃香・貴司とも相談した結果、慰謝料について阿倍子と再協議する用意があることを伝え、それで彼女もこの場は引いてくれた。
 
「じゃその件はまた話すことにして、京平を結果的に貴司のもとで育てるならそちらに入籍する?」
 
「それなんだけど、阿倍子さんが迷惑じゃなければ篠田の苗字のままにしておけないかと」
「それは構わないけど、いいんだっけ?」
 
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「これまでの面倒な経緯の結果、こちらは4人の子供を育てることになるんだけど、4人とも苗字が違うんだよね」
 
「なぜそうなった?」
 
「私もよくよく考えないと分からない。それでどうせバラバラの状態だから、そのままバラバラでもいいかなと。京平をこちらに入籍してしまうと緩菜と同じ苗字になるから、他の2人が疎外感を感じる気がしてね」
 
「うーん。まあ、千里さんがそれでもいいなら私もそのままでいいよ」
「だから京平の親権は貴司ではなく、阿倍子さんのまま」
 
「うん。それはそちらの方がいい」
 
それで京平の苗字は篠田のままになることが確定した。
 

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千里を「永世副巫女長」に任命した越谷市F神社の巫女長・辛島栄子さんにも11月5日の内に連絡した。最初「再婚するなら、今度こそうちの神社で式を挙げてよ」と言ったものの「3人で結婚」というのを聞いて絶句した。
 
30分ほど掛けて事情を詳しく聞いた上で
「ちょっと待って」
と言っていったん電話を切り、向こうで夫の宮司・広幸さんと協議していたようだが
 
「その結婚式、挙げてあげるよ」
と広幸さんの方から電話があった。
 
「こんなのいいんですか〜?」
「だって邇邇芸命が磐長姫・木花朔耶姫の姉妹と結婚したの、千里ちゃんなら知ってるでしょ」
「あぁ!!」
 
「天孫族の最初の婚姻がふたりの妻との婚姻だったんだもん。千里ちゃんたちのケースも問題無いよ。念のため僕は易を立ててみたんだけど、火天大有の初爻変。“害に交ることなし。咎(とが)あらず”で問題なしと出た。しかも之卦(しか)は火風鼎(てい)で3本足の釜じゃん。3人での結婚は全く問題無い」
 
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「凄い卦が出ましたね」
 
「池上さんと泉堂さんにも照会したけど、千里ちゃんが結婚するなら、多少変わった形でも歓迎と言ってた。深耶ちゃんが巫女してあげるよと言ってたよ」
 
「嬉しいです」
と言って千里は涙を流した。
 

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クロスロードの仲間にはメールで連絡したが、彼女らは一様に祝福してくれた。
 
「長い紆余曲折だったけど、ようやくゴールに辿り着いたね」
とケイ。
「醍醐ちゃんたちがそういう前例を作ってくれると、私たちも助かる」
とマリ。
 
「すごーい。3人で結婚というのは、さすがの私も思いつかなかった。でも子供がいつの間にか随分増えてる」
と和実。
 
なお、マリも和実もこの時点で「2児の母」である。
 
「千里の前回の結婚は私はちょっと複雑な思いだったんだけど、今度は心から歓迎できる」
と淳は言っていた。信次と結婚した当時の千里の複雑な心情を察していたのはもしかしたら青葉と淳さんだけかも知れないなと千里はその言葉を聞いて思った。
 
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「ああ、そちらも4人の子持ちになったのか。うちと同じだね」
とあきら。
「それって結局、桃香の子供が2人、千里の子供が2人、貴司さんの子供が2人になるんだっけ?」
と小夜子から質問されたので千里はあらためて数えてみて
「桃香の子供は2人、貴司の子供は2人、私の子供は3人・・・かな?」
と答えた。自分でもあまり自信が無い。
 
(本当は桃香の子供は早月・由美の2人、貴司の子供は京平のみ、千里の子供は早月・京平・緩菜の3人である。なお、桃香にはあと2人、小空・小歌がおり、貴司にも小歌がいる。桃香は小空・小歌を知っているが貴司は小歌の存在を知らない)
 
「なんか難しー」
 

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雨宮先生は
「3人で結婚とは大胆なことをする」
と言った上で
「3Pなら何度もやったけどね。特に女の子と男の娘の姉妹を同時に逝かせて同時に妊娠させたのは良い思い出だ」
 
などと、どうもよく分からないことを言っていた。男の娘を妊娠させたことがあるというのは確かに以前にも言っていたが、どうやって、どこで妊娠させたのか、千里は少しだけ興味を感じた。
 
★★レコードの加藤部長は
「えっと、子供が増えたって、産休が必要?」
などと少し焦ったような様子で訊き直してきた。確かに千里は2018年の夏から翌年春にかけて、全く使い物にならない状態になっていたので、長期間休まれるのは辛いだろう。しかし千里が子供は4人とも既に産まれていますと言うとホッとしていた。
 
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(加藤さんは2019年6月に制作部長に就任した)
 
「前回の醍醐ちゃんの結婚の時は、あえて音楽関係の知人は招かなかったみたいだったけど、今度は招待するよね?」
 
「実は時節柄もあるし、全員再婚だし、あまり派手なことはしないで、親しい人だけでしようかと言っているんですけどね」
 
「人数を絞るというのはいいけど、僕だけでも招待してよ」
「分かりました。検討します」
 

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千里たちは緩菜の性別問題について更に話し合った。
 
「緩菜ちゃんを女の子として育てる場合に、ちんちんが付いてたら早月たちも完全に自分たちの姉妹として受け入れられないと思う」
と千里が言ったのに対して
 
「んじゃ、もうちんちん切っちゃう?」
と桃香は過激なことを言う。
 
「さすがに2歳の子供を性転換する訳にはいかないよ」
と千里と言いながら少し後ろめたい。
 
「千里って2歳くらいで性転換した訳じゃないんだっけ?」
と貴司が訊く。
 
「私は21歳の時に性転換手術は受けたよ」
と千里が言うと
「だからそういう大嘘はつくなと何度言ったら」
と桃香からも貴司からも言われた。
 
「うーん。じゃ2007年5月21日に私が女の子になったことは認めてもいい」
「ほほぉ」
 
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「だから前にも言ったように私がインターハイに出た時はもう完全に女の子になっていたんだよ」
「ふむふむ」
「でも千里女子バスケ部に移動されたのは2006年11月だったよね?」
「あれはある人が悪戯して書類を改竄した結果なんだよ」
 
「うーん・・・・」
 
「それで私は性転換せざるを得なくなったんだけどね。だって男の身体なのに女子の試合に出るのはアンフェアじゃん」
 
「やはり千里の話はわからん」
 

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