広告:はるな愛のラブラブソウル
[携帯Top] [文字サイズ]

■女たちの親子関係(1)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

(C)Eriko Kawaguchi 2014-08-17

 
この物語は「女たちの戦後処理」の1年後くらいのストーリーです。
 

「へー。高校生で性転換したんだ?」
という驚きの声に、蓮菜は
 
「未成年の性転換手術は、去年2件やったけど、高校生の手術したのは初めてだね」
と言った。
 
「性転換手術って何件くらいしてるの?」
「去年は簡易性転換手術、単純陰茎切断術を含めて20件やった。去勢はその倍やってる。だから週に1回は男性廃業のお手伝い」
「すごーい」
「MTFとFTM両方やるの?」
「私はMTFだけ。それでさ」
「うん」
「なんか普通の男の患者の手術でも、つい睾丸を除去したりペニスを根元から切断したい気分になっちゃうのよね〜」
 
「危ない医者だ!」
「いやいや。女の子にしてしまいたいような美少年がいたら、包茎手術か何かでも受けなさいと言って蓮菜の所に連れて行って手術させると、ちゃんと女の子に改造してもらえるかも」
「なんて親切な医者だ!」
 
↓ ↑ Bottom Top

「いやでも外科のお医者さんって、そもそも人の身体を切るのが好きな人が多い」
「うん。私も大好き! でも残念だなあ。今日来ているメンツには、もうおちんちんが付いてる子がいない」
 
「ああ。そもそも付いてないか、付いてたけど取っちゃった人ばかりだね」
と和実が言った。
 
「だれかおちんちんがまだ付いてる美少年がいたら連れて来てよ。美少女に改造してあげるから」
などと蓮菜は言っている。
 
「蓮菜ちゃん、研修医は終わったんだっけ?」
「この3月で後期研修が終了した」
「医師になるのにも、ほんとに時間が掛かるね」
「いや、そういうシステムでいいと思う。あまりにも簡単になれるのは問題」
 
「だけど女子の場合、結婚・出産のタイミングが難しいね」
「そうなんだよね。私の友人の中には医学部在学中に1年休学して赤ちゃん産んじゃった子もいた」
「そもそも浪人して医学部に入っていたりすると、前期研修を終えた段階で27-28だしね」
 
↓ ↑ Bottom Top

この日は「クロスロード」の集まりだったのだが、千里にくっついてくる形で蓮菜や、今日は来ていないが鮎奈なども、度々この集まりに顔を出している。蓮菜も鮎奈も、このメンツが医者(当初は医学生)の立場からも「面白すぎる」と言っていた。蓮菜は冬子の旧友でやはり医者をしている奈緒と、千里や冬子の子供の頃の実態について、しばしば話が盛り上がっているようである。
 

↓ ↑ Bottom Top

「だけどこのメンツの中には、随分早く性転換手術しちゃった子が多いからなあ」
などと蓮菜は言う。
 
「青葉と千里が中学生の時でしょ? 冬子や和実は小学生の時でしょ?」
 
「青葉は超特例で中学3年で性転換手術したけど、私は大学生になってからだよ」
と千里は言うが
 
「いまだにそういう嘘を言うのは理解不能」
などと桃香から言われる。
 
「だいたい千里、インターハイに出た時は女の子の身体だって言ってたよね?」
「うん。それは本当。私は男の身体をごまかしてインターハイに女子選手として出たりはしてないよ」
「だったら、高2の段階で既に性転換していたということになる」
「まあ、そうだけどね」
「だったら遅くとも高1までには性転換したってことでしょ?2年の夏に選手として稼働できるためには、遅くても高1の夏までには性転換手術を受けてないと無理」
 
↓ ↑ Bottom Top

「冬子なら性転換手術の1ヶ月後に試合に出られるだろうけどね」
「それは私でも無理!」
「青葉も冬子も性転換手術の1週間後にステージで歌ってるからなあ」
 
「いや、青葉は一週間後だけど、私は1ヶ月後だよ」
と冬子。
 
「青葉はまあ人間じゃないからあり得るけど、冬子は1ヶ月でも信じられないから、冬子はやはり小学生くらいで性転換していたと考えるのが自然」
などと桃香が言う。
 
「私、人間じゃないの〜?」
と青葉。
「たぶん神様」
「そんな偉くないよ」
 
「私も大学生の時に性転換手術受けたんだけど」
と冬子が言うと
 
「却下」
と政子に言われている。
 
「なんかどさくさに紛れて、私が小学生の内に性転換したなんて言われた気がするけど」
と和実が言うと
 
↓ ↑ Bottom Top

「事実なのでは?私和実のおちんちん一度も見てないもん」
と淳から言われている。
 

2020年の春は慌ただしく始まった。
 
この年の2月。ローズ+リリーの政子が自宅の敷地内に離れを建設し始めた。
 
「そこで大林さんと暮らすの?」
とその直後にクロスロードのメンバーに訊かれた政子は「えへへ」などと笑っていたので、その時期は本人も当時交際中であった俳優の大林亮平と結婚して、そこで暮らすつもりなのだろうと、みんなが思っていた。
 
ところがである。
 
「別れた〜〜〜!?」
「なんで?」
と友人達が驚きの声をあげたのに対して
 
「うーん。別に男と別れるのに理由は無いよ」
と政子は言った。
 
「政子にしては今回長続きしてるなとは思っていたんだけどね」
と相棒の冬子は言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

政子と大林亮平の交際は、大林主演ドラマの主題歌をローズ+リリーが歌ったのをきっかけに始まったのだが、番組終了とともに交際も終了してしまったようであった。
 
「妊娠してるんでしょ? 赤ちゃんどうすんの?」
「産むよ〜。予定日は10月。来年の2月までライブは休業」
「ああ。また白髪が増える人たちがいるな」
「離れは〜?」
「建てるよ。恋人連れ込むのに便利」
「まだ彼を作るつもりなのか!?」
「だって妊娠中は避妊の必要無いし」
「それ男の論理だ!」
 

↓ ↑ Bottom Top

この3月、青葉が金沢のK大学を卒業。4月1日から内定していた金沢市内の〒〒テレビにアナウンサーとして入社した。
 
新しいアナウンサーを紹介する番組で、自宅を映すことになったという話を聞き、ぶっ飛んだ母の朋子は東京に住んでいる桃香と千里を呼んだ。2人が来るということは当然、子供付きである。千里の愛車・アテンザワゴンの後部座席にセットしたベビーシート・チャイルドシートに早月と由美を乗せ、桃香を助手席に乗せて、千里は車で高岡に戻ってきた。
 
それで・・・桃香に子供2人の面倒を見させておき、朋子と千里、それに話を聞いて駆け付けてくれた青葉のフィアンセ彪志君との3人で2日がかりで大掃除をして、何とかテレビに映されてもいいかなという状態にした。カーテンも明るいものを付けておく。彪志は「俺は映ったらまずいだろうから」と言い、片付けが終わるとすぐに千葉に帰還した。
 
↓ ↑ Bottom Top

同期の新人アナウンサー森本さんがレポーター役になってテレビ局のクルーが家にやってくる。
 
「おじゃましまーす」
「こんにちはー」
と朋子・千里・桃香で挨拶する。
 
「お姉さんたちですか?」
「そうでーす」
「3人とも青葉の姉です」
「若干年の離れたお姉さんがおられるようですが」
「あはは」
 
「赤ちゃんがおられるんですね」
「はい。青葉の姪です」
 
ここは桃香が早月を、千里が由美を抱いている。
 
「ふたりとも女の子ですか?」
「ぜひ将来はコネで〒〒テレビのアナウンサーに」
「ああ、コネのある人が羨ましい!」
 

↓ ↑ Bottom Top

「お姉さんたちはお仕事は?」
「してませーん」
「3人とも専業主婦です」
 
などといった感じで青葉の家族へのインタビューをしていた時、
「こんにちは〜」
という声がする。
 
クルーが一瞬慌てる。インタビューをしている最中に来客がある事態を想定していなかったのである。ところが千里が由美を抱いたまま手も使わずにスッと立ちあがると、インターホンに向かって
 
「あっちゃん、開いてるからあがってきて。ちょっと立て込んでるけど」
などと言う。
 
スタッフがちょっと困ったような顔をしたのだが、
「忙しい時にごめんね。ちょうどこちらに来てると聞いたものだから」
と言って入って来た女性を見て、アナウンサーの森本さんが、あっという顔をする。
 
↓ ↑ Bottom Top

「済みません。バスケット女子日本代表でWNBAプレイヤーの花園亜津子さんですよね?」
と言ってマイクを向ける。
 
亜津子は部屋の中に撮影隊がいるのを見てびっくりしたようであったが
「はい、こんにちはー」
と笑顔でカメラに向かって挨拶した。
 
「青葉ちゃんのお知り合いでした?」
「いえ、そこにいる千里ちゃんの古い友人です」
と亜津子は笑顔で答える。
 
「同級生か何かですか?」
「ライバルですよ。千里ちゃんもバスケの選手で、彼女も元日本代表ですよ」
などと亜津子が言うので千里は照れている。
 
「すごーい! 青葉ちゃんのお姉さん、バスケット選手だったんですか?」
「いえ。代表になったのは多分何かの間違いです。花園さんとはレベルが違いますよ」
と千里は答えるが
 
↓ ↑ Bottom Top

「私、いまだに彼女に勝ったことがないですから」
と亜津子。
「すごーい! 日本代表・WNBAプレイヤーに負けないというのは世界代表レベルじゃないですか」
と森本さんは若干意味不明なことを言う。
 
ここでいったんカメラが停められる。
 
「お姉さん、バスケット選手ですか?」
と撮影の責任者っぽい人が言う。
 
「でも結婚出産で長く試合から遠ざかってますから」
と千里。
「そのくらいのブランクがあっても千里のシュートは多分衰えてない」
と亜津子。
「お姉さん、シューターですか!」
 
「凄いですよ」
と亜津子が言うので、急遽、舞台を提携関係のある富山県内の放送局で準備してくれた体育館に移動し、日本代表・WNBA花園亜津子と、新人アナウンサー川上青葉の姉・川島千里の「シューター対決」を収録することになった。
 
↓ ↑ Bottom Top


もはや青葉は、ほとんど付き添いのような感じになってしまった。
 
軽く準備運動をしてから、亜津子と千里が1本交代でスリーポイントシュートを撃つ。ボールを拾って返すのを青葉がやることになる。
 
ところがこれが決着が付かないのである!
 
ディレクターさんは5分か10分もあれば結果が出るだろうと思っていたようだったが、フリーで撃つ限り、亜津子も千里も100%ボールをゴールに放り込む。対決は30分を越えて続き、誰もことばを発することができなくなっていた。
 
1時間を過ぎて、後で撮影されたビデオから本数を数えたら127本目になるシュートを亜津子が撃った所、リングに当たった後、入りかけたのだが、ぐるぐるとボールが回った後、外に落ちてしまった。亜津子はふっと大きく息を付いた。
 
↓ ↑ Bottom Top

千里は無表情で撃つ。
 
バックボードに当たって、ボールはゴールに吸い込まれた。
 
「うっそー! 青葉のお姉ちゃん、WNBAシューターに勝っちゃった」
と森本さんは言ったのだが、千里は否定する。
 
「私の負けです」
 
「なんでー!?」
「亜津子さんのはバックボードにもリングにも当たらずに直接ネットに飛び込んだのが9割を占めていました。私のは半分はバックボードに当たってから入っています。私のシュートは精度で完璧に亜津子さんに負けています」
 
「まあ私たちのレベルはフリーで撃つ限りスリーが入るのは当然なんで、昔はよくそのダイレクトに何本入るかって競争をしたよね」
と亜津子。
 
「あの頃は結構対抗できてたんだけど、やはり現役から遠ざかって久しいから」
と千里。
 
↓ ↑ Bottom Top

「なんか、凄いハイレベルな戦いみたいですー!」
と森本アナウンサーがカメラに顔を近づけて言った所で撮影終了となったようであった。
 

↓ ↑ Bottom Top

「テレビ見たよ。何が現役から遠ざかってだよ。絶好調じゃん」
と貴司から電話で言われて、千里は心が温まる思いだった。
 
例の千里と花園亜津子とのシュート対決は、あまりに凄すぎるということで、全国枠のバラエティ番組の枠内で放送されたのである。127本×2人のシュートが早送りで完全に放送された。そして全日本の天才シューターとあそこまで対抗できた《専業主婦》って何者?と話題になったが、苗字が変わっているし、放送の時は髪をまるでショートのようにしてたから気づかなかった人もあったろうけど、元日本代表シューターの村山千里ですよ、インターハイ以来の花園亜津子のライバル、という情報が、同じく元日本代表の佐藤玲央美のネットでのコメントで判明し
 
↓ ↑ Bottom Top

「なるほどー」
「村山だったのか!」
「村山というとロングヘアのイメージがありすぎて」
「健在じゃん!」
 
という声が上がっていた。
 
「ついでにゴール下に居たのは大宮万葉」
と玲央美は書いたので、作曲家大宮万葉が〒〒テレビのアナウンサーであることも広く知られることになった。
 
「貴司は新しいチームには慣れた?」
と千里は電話口で訊く。
 
「全然。関東と関西では何もかもやり方が違うから。新人になったつもりで、いろいろチームメイトに教えてもらっているよ」
 
貴司は長年関西の実業団チームでバスケ選手をしていたのだが、そちらのチームが廃部になってしまい、今年の春から関東のチームに誘われて移ってきたのである。住まいも長年住み慣れた大阪のマンションを引き払い、埼玉県内に現在住んでいる。
 
↓ ↑ Bottom Top

「引越も何も手伝えなくてごめんね」
「いや、千里が顔を出したら美映が爆発するから」
「あはは。美映さんも慣れない関東暮らし、大変でしょ?」
「そうそう。やはり西日本と東日本では根本的な文化が違うから、かなり苦労してるみたい」
「食べ物にも慣れないし」
「うん。ネギが白いの気持ち悪いと言ってた」
「ああ。ネギは結構悩むよね」
「醤油とか味噌とかでも、かなり悩んでた」
「そういう基本的な調味料が変わると、最初なかなか自分が思っている味を出せないんだよね。美映さん、お料理得意だからよけい悩むよ」
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8 
■女たちの親子関係(1)

広告:性転換2・小西未來[DVD]