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■△・葉月救済大作戦(6)

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千里(千里3)は貴司にテンガも送ってきてくれたので、美映が入院中であるのをいいことに、復活した男性器でテンガを使って5ヶ月ぶりの快楽をむさぼった。その後、23日には緩菜が生まれる時に千里(千里1)が来てくれて、生まれるまでの1時間ほど病院の廊下でずっと千里と話していたので、貴司は千里がだいぶ機嫌がいいようだなと思っていた。
 
美映は8月22日に産気づいて入院し、9月3日に退院した。それで8月24日(金)から9月2日(日)までは、貴司は病院に見舞いに行くほかはマンションで1人で過ごしている。事件は8月31日(金)に起きた。
 

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病院の面会時間が20時で終わるので、貴司は美映に
「また明日ね」
と言って病院を出た。マンションに帰ろうと思いモノレールの駅に行きかけたのだが、居酒屋の看板を見て
「あ、ごはん食べてから帰ろうかな」
と思った。それで中に入り適当な席に座る。ビールを頼み食事をしていたら、隣に30歳くらいの女性が座って、チューハイと焼き鳥を頼んだ。
 
「あれ?もしかして元日本代表の細川選手ですか?」
「はい、そうです。日本代表から遠ざかって久しいですけど」
「細川選手も、まだ若いし、代表復活もあると思うけどなあ。東京オリンピック目指して頑張りましょうよ」
「ありがとうございます」
「あの握手していいですか」
「いいですよ」
 
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それで貴司はその女性と握手した。そしてそのままお互いビールとチューハイをあけながらバスケのことで2時間以上、盛り上がって話をした。
 
やがて22時半で「オーダーストップですが、ご注文ありませんか?」とお店の人から言われてついつい長話してしまったことに気がつく。
 
「ごめん。こんなに長く引き留めてしまって。電車ですか?」
「モノレールなんですよ」
「だったら駅まで一緒に行きましょうか」
「ええ」
 

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それで一緒にお店を出る。勘定はもうオーダーが混然としていたので貴司がまとめて払ってあげた。
 
「すみません。おごってもらって」
「いや僕もバスケの話をたくさんして楽しかったし」
 
それで貴司は彼女と一緒に歩いてモノレールの駅に向かう。この時、彼女は貴司に腕を絡めてきた。ドキッとするが、千里も美映も見てないし、このくらいはいいかな、などと思った。
 
そして駅の登り口まで来たのだが、彼女が唐突に言った。
 
「ねぇ、タクシーの相乗りで帰りません?私、ちょっと足下が怪しくて」
「ああ。ごめんね。調子に乗って飲ませちゃって。君、おうちはどこ?」
「**駅の近くなの」
「だったら僕のうちに行く途中だね。じゃ一緒に行こうか」
 
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それで貴司は駅の近くに停まっていたタクシーの傍に寄るとドアを開けてもらい彼女と一緒に乗り込んだ。
 
「**駅の近く経由で千里中央まで」
と運転手に告げる。
 

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「**駅の近くのどのあたりですか?」
と運転手さんが尋ねる。
 
すると彼女は運転手さんに、○○の近くと言い、近所まで来ると、そこを右に曲がってとか左にとか行って道案内をする。そしてやがて
 
「ここでお願いします」
と言うのでタクシーは停まった。
 
「え!?」
と貴司は声をあげた。
 
「一緒に降りましょうよ。私、足下が不確かで途中で倒れちゃいそうなの。“おうち”まで送ってくれない?」
と彼女が言う。
 
貴司は彼女と一緒にタクシーを降りた。
 

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「いいでしょ?一晩くらい。後腐れ無しで」
と彼女は言う。貴司は迷った。
 
でも・・・バレないよね。後腐れ無しと言っているし、と考える。それで2人は腕を組んで、そのファッションホテルの玄関に入ろうとした。
 
ところがそこに怒った顔の人物が腕を組んで立っている。
 
え〜〜〜〜!?
 
「あなた帰ってくれない?これあげるから」
と言って、千里は女にタクシーチケットを差し出した。
 
「あのぉ・・・まさか」
「私、この人の妻なんですけど」
「ごめんなさい!帰ります」
と言って、彼女は千里が差し出したタクシーチケットを受けとると、小走りに去って行った。
 

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「千里、なんでここに居るの?」
と貴司は焦ったように言う。
 
「それはこちらが聞きたいよ。信じられない。美映さんがお産で入院している最中に他の女と浮気なんて」
 
「いや、そういうつもりは無かったんだ」
「そういうつもり無い人が女とラブホテルに来る訳?もう少しまともな言い訳したら?貴司にちんちん返したのは間違いだった」
と千里は言うと
「貴司が私とちゃんと結婚する日までもうこれは預かっておくから」
と言って、貴司の男性器を再び取り上げてしまった。
 
貴司の男性器はわずか11日の命だった。
 
そしてついでに自宅マンションに転送する。
 
貴司は突然マンションに来てしまったのでびっくりする。そしておそるおそるズボンを下げ、トランクスを下げてみて
 
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「また無くなってる!勘弁してよぉ!」
と叫んだ。そしてこの後、貴司は2020年の秋まで2年間、男性器の無いまま過ごすはめになるのである。でもその間わりと真面目に練習したのでバスケ技術は向上してプロチームに入れるレベルまで戻ることになる。
 
その期間の内、美映が出産してから緩菜の1歳の誕生日が来る2019年8月頃までは美映もセックスを求めなかったのでそのまま股間に何もないまま過ごしているが、その後は、以前も使用していた精巧なフェイクペニス(ボール・袋付き)で誤魔化している。ハーネス無しで接着剤で取り付けられるタイプである。
 
(日常生活だけなら接着剤なしでも陰唇に挟むだけで使用でき(パンティで脱落を防止する:従ってその場合は女性用パンティかほぼ同形のビキニブリーフなどを穿く必要がある)、そのまま立っての排尿も可能だが、接着していないと性行為中に外れる危険がある。クリトリスのある人なら疑似ペニスの刺激で本物のクリトリスが刺激されて快感なのだが、あいにく貴司にはクリトリスもヴァギナも無いので性的快楽は得られない。もっとも睾丸も無いから性欲も弱い。なお、貴司にはバストが無いし喉仏があって、肩の張った男性体型なので女湯に入るのは不可能)。
 
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美映は貴司の“ちんちん”を触って刺激してあげても、それが一向に大きくならないので、そういえば緩菜を妊娠することになった最初のホテルデートの時も貴司のちんちんは立たなかったなというのを思い出し、貴司はEDなのだろうと解釈して、無理に求めないようにした。まさかペニスが無いとは思いも寄らない。(美映は恋愛はたくさんしていてもセックスの経験が無いので男性器についても無知で作り物であることに気づかなかった−美映は実はヴァージンマザーである)またこの緩菜の誕生日が来る少し前の2019年7月29日に貴司たちは姫路の一軒家に引っ越しており、ここでは貴司の部屋と美映の部屋を別々に確保したので、2人は別の部屋で日常的に寝るようになり、性的な関係は持たなかった。
 
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この2018年8月31日の浮気未遂を美映は知らなかったので、美映は千里とのことを除けば、貴司は自分だけを愛してくれていて浮気などは一切していないと思っていたし、貴司はセックスはしなくてもいつも優しくしてくれるので、充分満足した結婚生活を送った(ここが頻繁な浮気で精神的に疲れ果てた阿倍子とは違うところ)。それでも美映が貴司と離婚することにしたのは、何といっても関東での生活に耐えられなかったからである。
 
そういう訳で貴司は美映と離婚するまで彼女には、男性器が無いことがバレずに済むのである。
 

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アクアと西湖は、(2018年)11月2日(金)は『少年探偵団II』の初回撮影があったのだが、11月3日(土)-4日(日)は、(時代劇セットのある)ワープステーション江戸(つくばみらい市)に行き、『ほのぼの奉行所物語』のスペシャル版の制作をした。
 
『ほのぼの奉行所物語』は2018年度の放送が好評だったので2019年度に『ほのぼの奉行所物語II』を制作することが決定しているが、放送が始まる4月に先行して、1月に2時間スペシャルを制作することになったのである。その撮影を3-4日にやろうということになった。ちなみに11月3日は祝日だが、土曜日に祝日が重なっても振替休日は発生しないので11月5日は平日である。
 
撮影は3日朝から始まり、あらかじめ定められた手順にそって撮影が進む。3日は予定より早く進行し、本来なら4日午前中に撮影する予定だったシーンの大半まで撮影完了してしまった。
 
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「じゃ明日は午前10時から始めますのでよろしく」
といって解散になる。
 

バス2台に分乗して、10分ほど走った所にあるホテルに移動する。あまり大きなホテルではないので今日は撮影の一行で貸し切りになっている。客室のカードキーが配られる。主演の片原元祐さんは最上階の露天風呂付きスイートで、他の主な役者さんたちもだいたい個室が当てられている。アクアもバスルーム付きの洋室シングル(ベッドはダブルベッド)を当ててもらっていた(アクアは個室でないと3人寝ることができない)。しかし端役の人たちは5-6人単位で14畳の和室に放り込まれている。
 
葉月は比較的年齢の近い女子ということで、米本愛心(高2) 岡原襟花(高3) 馬仲敦美(20歳) 佐藤ゆか(高2) と一緒に5人である。
 
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ここで米本愛心は2013年夏のフレッシュガールコンテストで3位(優勝は明智ヒバリ)になり§§プロの研修生になるも「3年してもデビューできなかったら辞める」という親との約束にもとづき2017年3月で§§プロを退所。その後Cold Fly20のオーディションに合格して同グループの結成に参加した。佐藤ゆかは2015年のロックギャルコンテストで8位に入り研修生になった。ちなみに愛心とゆかは部屋が隣同士だった。そういう訳で、この2人は葉月を古くから知っている。愛心は葉月が“男の子だった頃”を知っているので、最初同じ部屋と知って「あれ?」という顔をしたものの、佐藤ゆかが普通にしているので「まあ、いいのかな」と思い、何も言わなかった。
 
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この中でお姉さん格になる馬仲敦美が、明治BEST3(チョコ33枚入り)の大袋を持ち込んでいたので、それを広げると歓声があがり、みんなでシェアして食べた。5×6=30なので、余った3枚はジャンケンで愛心・襟花・ゆかの3人が取った。
 
「昔から葉月はジャンケンが弱かった」
と愛心が言うと、襟花が
「あれ?昔からの知り合い?」
と尋ねる。
 
「私は元§§プロの研修生で、アクアちゃんがオーディションに合格した時や葉月ちゃんがあの子のボディダブルとして契約したのとかもずっと見てたから」
 
「ああ、そうだったんだ?」
「当時の寮はお風呂が共同だったからお互いに裸を見てるね」
と愛心が言うと、葉月は恥ずかしそうにうつむく。
 
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「可愛い!」
と襟花が声を挙げた。
 

葉月は寮に住んでいた訳ではないが、寮は研修所を兼ねているので、葉月は頻繁にあそこを訪れ、様々なレッスンを受けているし、遅くまでレッスンがあった時、葉月や門脇真悠(大崎志乃舞)は寮の空き部屋に泊まることもあった。ちなみにどんなに遅くなっても西宮ネオンは決して寮には泊まっていない。タクシーに乗せて帰している。しかしネオンは泊めずに、葉月や真悠は泊めることに誰も疑問は感じていなかった。
 
お風呂が共同だったのは新しい寮に建て変わった2015年12月までなので(新しい寮にも来客用のシャワールームはあるか定員1名のものが3つである)、2016年のロックギャルコンテストで3位になって研修生になった真悠は個室のお風呂にしか入っていない。しかし2014年12月に§§プロと実質的に契約した葉月(きちんと契約の文書を交わしたのは2015年5月)の場合はかなり寮の共同浴場に入っている。
 
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葉月が入浴する場合は、むろん1人だけで、寮長の山下ルンバが《男子入浴中。覗くな》という札をお風呂場の戸に掛けている。
 
でも無視される!
 
「男子って誰が入っているんだっけ?」
「西湖ちゃんじゃないの?」
「あの子ならいいよね」
 
などと言って、そのまま入っちゃうのが、愛心・ゆかたちである。
 
西湖は女の子たちが入って来たのに気づいて慌ててあがったものの、裸を彼女たちにしっかり見られた(西湖は愛心たちの下着姿までしか見ていない)。
 

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さてこの日は部屋でしばらくおしゃべりした後、夕食の案内があるのでレストランに行こうとしたのだが、西湖がうとうとしていたので
「少し寝てから食事行くといいよ。ちゃんと取っておいてくれるように言っておくから」
と、ゆかが言うので、西湖も布団を1枚端のほうに敷いて眠ってしまった。
 
それで愛心たちは食堂に行った。
 
しかし5分もすると“西湖”はやってきた。実際には西湖と入れ替わった《かぶちゃん》である。食事と聞いて「行きたい」と言ったので《わっちゃん》も行かせたのだが「普通の女子並みの分しか食べてはいけない」と厳命している。たぶん西湖本人はこのまま朝まで眠ってしまうだろうと《わっちゃん》も思った。
 
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西湖の代わりに食堂に来た“西湖B”こと《かぶちゃん》は
「大丈夫?」
と訊かれるので
「少し寝たらすっきりした」
と言って、愛心たちと同じテーブルにつき食事をした。たくさん食べたかったが、身代わりがバレてはいけないので我慢した。
 
(後で千里さんからもらった焼肉屋さんの食事券でたくさん食べよう、などと思っている)
 

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△・葉月救済大作戦(6)

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