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■△・葉月救済大作戦(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-03-15
 
ところで戸籍上も学籍簿上も男子ではあるもののセーラー服を着て中学に通学している門脇真悠であるが、来年は高校に進学するので、女子制服を着ての通学を認めてくれそうな高校がないか模索していた。
 
龍虎(アクア)は彼がヴァイオリンを結構弾くことから、自分の高校・C学園に入れてもらえないか先生に尋ねてみた。それで真悠と保護者が学校を訪問して予備面接(ついでにヴァイオリンとピアノの実技披露)を受けた。演奏は「ピアノもヴァイオリンも充分うまいですねと言ってもらえた。
 
そして真悠が***ヴァイオリンコンクールで昨年優勝(上位の国際コンクールでは残念ながら5位)していると聞き、その実績があるなら芸術科で受け入れていいと言ってもらった。このコンクールは有名音楽家とかの弟子とかでなくても出場できるので、正規のコース外からの出場者も多い。実は龍虎のクラスメイトの田中成美もこのコンテストで準優勝(上位の国際コンクールで3位)したことがあり、ローズ+リリーのケイは優勝経験(上位の国際コンクールでは3位)がある。
 
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それで真悠は来年春からC学園の生徒になることが内々定した。実際には1月に推薦入試を受けてもらうが、よほどの問題がない限りは通してもらえるはずである。むろん女子制服を着て通学するのは全く問題無いということであった。
 
そういう訳で、門脇真悠は“男子の女子中学生”から“男子の女子高生”になることになった。
 

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ところで2018年の春、上島雷太関係のCDの大量回収騒ぎが起きた時に、その回収された、あるいは発売がキャンセルされたCDについて、ワンティスのメンバーが立ち上がった。彼らはそれらのCDを発売元に「製造原価程度」で買い取ることを打診した。廃棄すれば廃棄費用も掛かるので、多くの発売元がそれに同意し、ワンティスのメンバーを中心に設立した《CD回収保管財団》(CD collect & stock foundation - CCSF) で買い取った。買い取ったCDは1000万枚(日本国内の年間CD発売枚数の約5%)、段ボール箱12万箱に及んだ。買い取り価格は原則シングル300円、アルバム1000円で、平均700円、合計70億円ほどである。これには上島と同様に無期限謹慎になった水上信次の作品も含まれている。
 
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ワンティスのメンバーはこの回収したCDを収納するのに、栃木県の廃校になった小学校の体育館を自治体から借りてそこに運び込んだ。100枚入りの段ボールがだいたいW50×D25×H15cm程度なので、これは30m×30mの体育館に並べると60×120=7200個並ぶ計算になる。それでCCSFではこの体育館にスティール製の“中二階・中三階”を設置し、1階・中二階・中三階の各々に段ボール箱を6段重ねにして何とか収納した。
 
この体育館の(1年間の)借り賃と搬入費は3億円程度で、CDの買い取り費に比べれば大したことはない。
 
この財団については、実際には雨宮先生が半分近い30億円、下川先生が5億円、春風アルトさんの父親代わりを自称する紅川さんも5億円、ケイと千里が10億円ずつ、アクアが父・高岡猛獅の代わりとして3億円、三宅先生とマリも3億円ずつ、AYAと松浦紗雪が2億円ずつ、海原先生が1億円、∞∞プロの鈴木社長とΘΘプロの春吉社長が「長年の友情」と言ってやはり1億円ずつ、山根先生・長野支香・中村将春(以上ワンティスのメンバー)、鈴懸くれあ・百瀬みゆき・大西典香・篠田その歌(以上上島ファミリー)、ワンティス初代担当の太荷馬武、といったメンツが3000万円ずつ出資している。加藤次長などレコード会社関係者からも協力の打診があったが、レコード会社には多大な迷惑を掛けたのでと下川先生が言い、名義書換問題で迷惑を掛けたのでそのお詫びも兼ねてと言った太荷馬武以外は、お気持ちだけで充分としてお断りした。
 
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“上島先生の一番弟子”を自称する山折大二郎は「すみません。俺、金無いので労働奉仕します」と言って友人のトラックを借りて回収するCDの運搬をやってくれたが、これが充分助かった。また彼を中心とする、演歌歌手グループが
「取り敢えず歌える歌も無いし」
と言って、全国のCDショップから回収されてきたCDをアーティスト別に分類する作業をボランティアでやってくれた。これも、物凄く助かった。彼らには雨宮先生に頼まれた橘由利香・恵利香姉妹がお弁当と飲み物(ノンアルコール)を配っていた。この2人も「私たちも出資できないから労働奉仕」と言っていた。現在まだ小学生の橘美晴もお茶配りなどを手伝っていた。
 
そして、本来は費用を掛けて廃棄せざるを得なかったはずのCDを取り敢えず製造原価程度でも買い取ってもらったことで、各プロダクション・レコード会社は物凄く助かったのである。
 
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これらのCDは1年後、その9割程度がそのまま販売されることになる。各プロダクションまたはレコード会社はCD回収保存財団から2018年春に売った時と同額で買い取り、それを市場に投入した。どこのファンも喜んで買ったので、ほとんどが売り切れてしまい、慌てて追加プレスする所もあった。一部、その歌手が不祥事を起こして発売不能になった、などの理由で買い取られなかったCDもあったし、体育館の借り賃(中二階の設置で傷んだフロアについては自治体側はそのままにして補修しなくてよいと言ってくれた)などもあったので20億くらいの赤になるかなとも思われたのだが、一部のレコード会社で「昨年買い取ってくれたので物凄く助かったので御礼」と言って買取価格に少し上乗せした価格で買い取ってくれた所もあった。それで最終的に5億円の赤字に留まり、これを1億円以上の出資者13人で、出資比率に応じて負担することにして、2019年夏に財団は解散する。
 
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1億円未満の出資者には全額ペイパックされたので、鈴懸くれあなどは「臨時収入・臨時収入」と言って喜んでいた。なお労働奉仕してくれた人たちには記念品を配った。
 

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上島雷太は請求された多額の賠償金を払うことができず、2018年7月に自己破産を申請したのだが、預貯金・株式・自宅以外にはほとんど資産が無かった(任命された管財人が驚いた)ため破産の処理はすぐ終わり、2018年12月には廃止(手続き終了のこと)に至り、2019年2月には免責が確定した。2019年3月29日の謹慎解除は、この免責確定を受けてのものでもあった。
 
(実際問題としてほとんどの損害賠償請求は根拠が無いとして却下または過去にさんざん上島にお世話になっていたからとして取り下げられ、借入金・未払金や、実体を伴う損害のみが弁済された。だいたい7-8割が弁済されたので債権者も概ねそれでいいことにしてくれた。しかしその程度で収まったのはCD回収保管財団の活動も背景にあった)
 
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この手続きの中で、★★情報サービスの所有株式については、適正価格での他の株主からの買い取りということで雨宮先生が管財人と交渉し、結局上島が出資した分について千里!が出資額と同じ金額で買い取った。雨宮先生が買い取るんじゃないんですか?と千里が尋ねたら「私お金無いもん」と雨宮先生は言ったらしい。これに伴い上島は同社の会長を辞任。千里が会長を引き継いだ。ただし会社の代表印は冬子が管理することにした。千里なら即紛失する!
 
上島の自宅の土地は競売に掛けられて不動産会社が2億円で落札。その跡地にはマンションが建った。所有していたレクサスもやはり競売に掛けられ、これは卍卍プロの三ノ輪会長が800万円で落札している。実は∞∞プロの鈴木社長が500万円で落札するつもりだったのだが
 
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「まさか800万も出す奴がいるとは」
 
と鈴木さんは呆れていた(レクサスGS450hは新車が600万円で買える)。三ノ輪さんは人を乗せると「これ上島雷太が乗ってた車なんだよ」と喧伝しているらしい。まあそういう自慢をするための投資なのだろう。
 
自宅の楽器類(グランドピアノを含む)・CDや書籍などは雨宮先生が合計2000万円で破産財団から買い取り、茨城県内の倉庫に置いたが、“かさばる”グランドピアノは山折大二郎の自宅に“置かせてもらった”。山折は感激して毎日そのグランドピアノの下で寝ているらしい。CDの類い(約1万枚)はアクアが「聴いて勉強したいです」と言ったので、上島本人にも確認して雨宮先生がアクアに100万円で売った(実質無償譲渡に近いが贈与税を取られないように売却にした)。書籍類(膨大な楽譜集を含む)は海原先生が500万円で買い取った。それで雨宮先生の手元には高岡ゆかりのヴァイオリン(元々はケイが小学4年生の時に送料込み1710円でヤフオクで落としたものだが、そのあたりの経緯は、雨宮先生たちは知らない)を含む楽器群が残り、これは雨宮先生が自分の家に移した。それで茨城県の倉庫は2ヶ月程度しか借りなかった。
 
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なお上島が持っていた多数の楽曲の著作権はUDPが10億円で破産財団から買い取っている。この著作権は2018年度だけでも5億円、謹慎が解除された2019年度には20億円の収入をUDPにもたらし、UDPの運営に大きく貢献することになる。UDPを立ち上げた響原部長は2018年の秋くらいまではUDPが深刻な赤字を出していて◇◇テレビ社内で責任を追及され、首になってもおかしくない状況だったのだが、2019年4月以降この著作権のおかげで大きな収入をもたらしたので、首がつながった。
 

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貴司は2018年1月21日に阿倍子と離婚し、2月3日に美映と結婚したのだが、3月18日には千里とデートをしている。
 
ここで阿倍子と離婚した時に阿倍子が実家に帰るため荷物をまとめるのに最初貴司が手伝っていたものの喧嘩になってしまう。しかし阿倍子には頼れるような親族も友人も居ない。そこで貴司は千里に連絡し荷造りの手伝いをしてくれないかと言った、ここで貴司が連絡したのは千里1で、千里1は貴司がまた別の女性と結婚すると聞いて激怒し、ありったけの罵声で貴司をなじったものの、とにかく大阪に行き、阿倍子の手伝いをしてあげた。
 
その後で、千里2は貴司に連絡して、阿倍子に支払った慰謝料の肩代わりをしたいと伝えた。貴司は千里が自分を許してくれたのかなと思い、その申し出を受けた。この時点で貴司は最近給与がカットにつぐカットになり、経済的な余裕が無くなっていて、慰謝料も銀行から借りて支払っていたのでとても助かったのである。
 
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それで3月18日に千里とデートした時、貴司は自分の離婚再婚問題には決着がついていると思い、安心していたのだが、ここでデートしたのは千里3である。千里3はこの時初めて貴司の離婚と再婚を聞いて激怒し、部屋にあるものを手当たり次第投げつけて貴司を非難した。貴司としてはなぜまた千里が怒るのか理解不能であるが、千里にひたすら謝る。しかし千里の怒りは収まらず、千里(千里3)は貴司の男性器を取り上げてしまった。
 
それで貴司はこの後、男性器無しで美映との結婚生活を送るハメになるのだが、この時点では美映は妊娠中なので、セックスを求められることは無かった。
 

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貴司は美映と結婚中も、しばしば市川ラボで深夜の練習をしていたが、ここに貴司が来たときは、千里2が“貴司の前に姿を見せないまま”食事の支度をしてくれたり、洗濯物をしてくれたりして、しばしばベッドで添い寝もしてくれた。(「目を開けたら消えるからね」と千里2が言うので、貴司はずっと目を瞑っていて身体をあちこち撫でてもらい自分も千里の身体を撫で、あそこを刺激して千里を逝かせてあげたりしても、千里の姿は見ていない)
 
ここで千里2としては貴司を手で逝かせてあげるくらいはしてもいい気分なのだが、男性器を千里3が取り上げてしまっているので、それはできなかった。
 
こうちゃんの場合は“男性能力”を千里2に奪われただけなので千里3が男性能力を復活させてあげることができた。しかし貴司は“男性器”そのものを千里3に奪われたので、千里2にも手の打ちようがなかった。
 
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2018年8月貴司は千里とアジア大会で起きたバスケット日本代表選手の買春事件のことで電話で話していて、千里がわりとご機嫌なようなので、そろそろ自分の男性器を返してくれないかと訊いてみた。この時電話していたのは偶然にも千里3だったのだが、実は千里3は貴司から男性器を取り上げたことをきれいに忘れていた。
 
「ごめん忘れてた!返してあげるね」
と言って返してあげることにした。これが8月18日のことである。
 
8.16 バスケ日本代表買春事件(18日に報道)
8.18 貴司と千里3が電話で話す。
8.20 貴司の男性器が復活
8.23 緩菜が生まれる。千里1が誕生の現場に立ち会う。
8.30 緩菜のDNA鑑定が出て男の子であるということになったので医師が出生証明書を書く。出生届けを“理歌”が提出する。
9.03 緩菜と美映が退院
 
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△・葉月救済大作戦(5)

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