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■娘たちの卒業(3)

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「このどれかを運転して欲しいんだけど」
と先生が言うが千里は
 
「何です?これ」
と尋ねる。
 
「見れば分かると思うけど、一番奥のは大型トレーラー。三菱のトラクターに20トンのフルハーフ製ウィングトレーラーが付いている。真ん中のは普通の大型8トン・トラック・アルミバン。手前のはホンダのアクティに2tトレーラーを付けたもの」
 
「軽のトレーラーって初めて見ました!」
「まあ滅多に無いとは思うね」
 
(軽トラなどの普通自動車でトレーラーを牽引する場合、牽引する普通自動車に950登録と呼ばれるものを運輸支局(旧・陸運局)でする必要がある。このためにはメーカーに問い合わせてその車の詳細なスペックを確認し一定の計算をして、「連結検討書」というものを作成提出する必要がある。これを牽引車の車検証に記載してもらわなければならない。なお、普通自動車用のトレーラーは商品としては存在しないのでワンオフでの製作になる)
 
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「これに必要な免許は?」
と千里はマジで判断に迷ったので尋ねた。
 
「手前のは普通免許と牽引免許、真ん中のは大型免許、奥のは大型免許と牽引免許」
 
「どれも運転できないですね」
「何でよ?」
「私、牽引免許も大型免許も持ってませんし」
「だったら取りなさい」
 
「はいはい。いつまでに?」
「じゃ来週のイベントでは手前のを運転してもらうから先に牽引取って。大型は6月までに使えるようになっていればいい」
 
来週!?
 
「ではそのスケジュールで」
 

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「でも雨宮先生、そのネグリジェ趣味が悪いと思いますけど」
「ふーん。だったら、可愛いのでも買ってくれる?」
「いいですよ。ここに送ればいいですか?」
「うん。それでいい」
 

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千里は朝になると、以前使用した自動車学校に牽引免許と大型免許のコースの空きを確認した。すると牽引免許のコースはいつでも入校できるが、大型免許は最近開設している自動車学校が減っている(中型免許で済むケースが多いため)ので希望者が多く、ゴールデンウィーク明けまで待ってと言われた。それで、牽引コースには、すぐ入り、大型免許は5月に取りに行くことにした。ちなみに両方一緒に申し込んだら料金が割引になった!
 
千里は1月31日(金)に自動車学校の牽引免許コースに入校した。そして31,1,2の3日間で第1段階を修了。2月3日(月)の午前中に仮免試験に合格する。そして3日の午後から第2段階の教習を始め3,4,5の3日間で第2段階の教習を終了。2月6日(木)に卒業検定を受けて合格した。それで2月7日に幕張の千葉運転免許センターに行って学科試験を受けて合格。無事牽引免許を取得した。
 
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「これまだブルーなんですね」
と言うと
 
「ああ。あなたの場合、2009年3月30日に最初の免許を取っているから、誕生日での更新や、その前後に新しい免許を取った場合、誕生日の40日前の段階で、過去5年間無事故無違反でないといけないんですよ。僅かに足りないですね。誕生日前後の更新期間の後なら単純に、新免許取得時に5年前無事故無違反であればいいので、今年の4月4日以降に普通免許二種か、あるいは中型でも取ればゴールドになりますよ」
 
と係の若い警官が教えてくれた。
 
「4月4日以降ですか!ありがとうございます」
 
だったら5月に大型を取ったらゴールドになるじゃん!と千里は思った。
 
それまでにお巡りさんに捕まらないようにしなきゃ!!!
 
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2014年2月1-2日(土日).ALSOKぐんまアリーナで、関東クラブバスケットボール選手権大会が開かれ、ローキューツは優勝して、全日本クラブ選手権・クラブ選抜に進出した。
 
この大会でのローキューツのマネージングや費用の処理については島田司紗がやってくれたので、千里は予め彼女にある程度の現金を渡しておき、残額はローキューツ名義の口座に戻しておいてもらった。
 

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千里は2月7日(金)に牽引免許を取得したので免許試験場から雨宮先生に連絡したら、「よかった。毛利に無免許運転させようかと思っていた。今すぐ来て」というので、毛利さんも可哀相に、と思いながら、先日行った川崎市の何かの事務所のような所に向かった。
 
「あんた、紳士物のパジャマ送ってくるって、どういう了見よ?」
と雨宮先生は、いきなり言った。
 
千里は上等のシルクのパジャマを送りつけたのである。
 
「先生は着られませんか?」
「私が男物を着る訳無い」
「でしたら三宅先生へのプレゼントということで」
「ふーん。まあ、いっか」
と先生は言って、少し考えているようであった。
 
「それで、どれが運転出来るようになったんだっけ?」
「その軽トラ・トレーラーです」
 
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「じゃ私を乗せて、ここまで行って」
というので、免許取り立てのホヤホヤではあったが、先生を助手席に乗せてトレーラーを付けたアクティを運転し、市川市内まで行った。
 

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そこで一軒の民家に付ける。
 
「何か不思議な車を持ってこられましたね」
と家の中から出てきた女性(?)が言っていた。
 
「取り敢えずこれで運べると思うから」
 
民家からは男か女かと聞かれたら女かな?と思う感じの人たちが6人出てきて、荷物をアクティ自体とトレーラーに分けて積み込んだ。
 
「紹介しておく。こちら蓬莱男爵(ほうらいだんしゃく)というガールズバンドの子たち」
「蓬莱男爵です。よろしくお願いします」
とリーダーっぽい25-26歳の女性が挨拶する。この子が他の子に色々指示を出していたが、人の動かし方がうまい子だと思った。全員の動きを常に把握している。
 
「こちら作曲家の鴨乃清見ね」
と雨宮先生が言うと
「うっそー!?」
と驚いていた。
 
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「大西典香のラストライブ見に行きました。てっきり鴨乃清見って大西典香本人と思い込んでいたので、覆面つけて出て来られたのにはびっくりしました」
 
と最初に家から出てきた、アルトボイスの子が言う。仕草などがちょっと男の娘っぽいが、本物の女の子なのか男の娘なのか、判断に迷う。女性の体臭なので、男の娘であれば最低ホルモンは飲んでいるのだろう。
 
「まああれはお遊びだから。わりと私あちこちで顔を曝しているんだけどね」
と千里は笑いながら言う。
 
取り敢えず移動することにする。リーダーの晶ちゃんが運転するエスティマに6人が乗って、千里の運転するトレーラーと一緒に千葉市内まで行き、そこで行われるイベントに参加した。
 
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「ハードロックですか・・・」
と千里は彼女たちの演奏を見ながら言う。
 
「いいでしょ?」
「先生の好みでしょうね」
「私は下手くそなアイドルとかには興味無いよ」
「男の娘以外ですね」
 
「男の娘がいれば試食用だな」
「あのギターの子は女の子ですか?男の娘ですか?」
「分からん。はぐらかされている」
「ああ。ベッドに誘いましたか?」
「逃げられた」
「先生の魔の手から逃げられるということは恋愛経験はある訳ですか」
 
「多分ね。あ、そうそう。私、来月はちょっとグアムに行ってくるからさ」
「先生が行き先を言ってから出かけるって珍しいですね」
「連絡がつかないとまずいから。それで来月のイベントではこの子たちをサポートしてくれない?」
 
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「夜8時か最悪9時頃までならいいですよ」
「なんか夜間道路工事とかのバイトでもしてんの?でもそれは大丈夫。昼間のイベントばかりだから」
「だったらいいですよ」
 
「実はキーボードの子がまだ未成年なのよ」
「へー!」
「だから夜遅いイベントには出せない」
「そういうのをきちんと守っているのはよいことだと思いますよ」
 

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イベントは多数のセミプロアーティストが出演していたが、彼女たちのステージは16時から1時間であった。終わったら、すぐに撤収するが、明日は成田市内でイベントがあるということで、車は千葉市内の駐車場に駐めておくことにした。
 
一緒に食事に行く。ここであらためて全員の紹介があるが、アルトボイスのギター担当の子(忍)は「私は性別不詳ということで」などと言っていた。他の子は全員「多分女です」とか「男子更衣室に入ろうとしたら追い出されました」とか「入院した時は女子部屋に放り込まれました」などと言っていた。
 
食事の後はスナックに移動して夜遅くまでという感じだったが、未成年の恵ちゃんは帰す。それで千里も便乗して「私もあがりまーす」と言って離脱した。それでスペインでの練習(日本時間2/7 22:00-2/8 5:00)に参加する。8日は試合があるが、日本時間2/9 2:00-4:00 になるので、こちらでの行動には支障ない。
 
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蓬莱男爵は8日夕方から成田市内のイベントに参加。更に9日の日中には都内のイベントに参加した後、彼女たちのホームである市川市の晶の家に戻って荷物を下ろした。
 
「ではこの後は川崎市内のあの事務所の所に戻しておけばいいですか?」
と千里は尋ねたのだが
 
「あそこは今月いっぱいで解約するのよ。悪いけど、あんた適当な所に駐めておいてくれない?来月はそこから持ち出して搬送して」
と言われた。
 
「まあいいですよ」
「駐車場代に1ヶ月分で1万円あげるから」
「あのサイズの車を1ヶ月1万円で駐められる所はないと思いますが、いいですよ。自分の駐車場に駐めておきます」
 
「じゃ、よろしく。その間は壊さない限りは自由に使っていいから」
「分かりました」
 
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それで千里は軽トラ・トレーラーは、取り敢えず常総ラボに駐めておこうと思った。ついでに葛西のマンションから少し荷物を移動しておこうと思い、そちらに寄ってから国道294号方面に向かおうとした。すると、ちょうど鹿島信子が歩いているのに遭遇する。
 
クラクションを鳴らすと
「醍醐先生!」
と笑顔である。
 
「お仕事?」
と尋ねると
 
「いえ、私この近くにアパートがあるんですよ」
と信子が言う。
 
「そうだったんだ!」
 
どうも千里の「ご近所さん」だったようである。
 
「築50年くらいのアパートで家賃が2万円だったんですけどね」
「それは凄い」
「でもデビュー前に新小岩駅の近くのオートロックのマンションに引っ越すことになったんです。家賃は当面事務所が出してくれるらしくて」
 
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「ああ。女の子はオートロックでないとまずいよ」
「女の子であること自体が危険なんですよね」
「そうそう。男の子に準じて生きて来ていると、女の子に変わった時、そのギャップに驚く」
と千里が言うと信子も頷いている。
 
しかし・・・新小岩なら、後藤真知の家からも近くかな?という気がした。あちらは築100年の家という話だったが、築50年のアパートという話と何か繋がっているような気がした。
 

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「でも醍醐先生、なんか不思議な車に乗っておられますね。こういうの初めて見ました」
「私も金曜日に初めて見た」
「へー」
 
「借り物だけど、壊さない限りは自由に使ってと言われているんだよね」
と千里が言うと、信子はハッとしたように言った。
 
「先生、その軽トレーラー、2月12日とか空いてませんよね?」
「空いてるよ〜」
「だったら1日貸してもらえませんか?実は私たちのバンドメンバー8人中5人が引越になるんです」
 
「ああ。いいよ。2〜3日貸そうか?」
「いえ。色々バンドのスケジュールが詰まっていて、その日1日で全員引っ越さないといけないんです」
 
「大変ネ!」
 
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娘たちの卒業(3)

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