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■娘たちの2012オールジャパン(4)

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貴司はバスケ部の練習は12月28日で終わったものの、会社の仕事の方が終わらず、12月30日の午前中まで仕事をしていた。それで留萌に帰省しようとしたが、当然どこも予約は取れない。それでこうやって帰省した。
 
新大阪12/30 12:47(のぞみ230)15:23東京15:40(やまびこ67)18:52盛岡
盛岡19:26(はやて35)20:33新青森20:47-20:53青森22:42(はまなす)12/31 6:07札幌札幌6:52(スーパーカムイ1)7:54深川8:05-9:00留萌
 
実は会社から新大阪駅に直行しており、自宅に戻っていない。新幹線自由席で東京に移動し、盛岡行きの《やまびこ》に飛び乗る。
 
この時期は東北新幹線は新青森までつながっているので、本来なら新青森行きの《はやぶさ》か《はやて》に乗ればいい。ところが困ったことにこの2つは全席指定である。普段なら全席指定であっても、立ち席特急券を買ったら乗車できる。しかしこの時期は立ち席特急券も全て売り切れである。それで自由席のある《やまびこ》が頼りだったのである。
 
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自由席の乗車率が200%を越えていたが、何とか乗せてもらえて盛岡まで行った。貴司の少し後でチケットを買おうとした家族連れが断られていたので、貴司がチケットを買えた最後に近かったようである。
 
盛岡から先は、《IGRいわて銀河鉄道》《青い森鉄道》を乗り継いで青森までいくことも覚悟していたのだが、盛岡駅で尋ねてみたら後続の《はやて》の立ち席特急券を発行できますよということだったので、それに乗って新青森まで辿り付き、ローカル線で青森駅に移動する。
 
貴司は青森駅の窓口で《はまなす》の自由席券が発行できないか尋ねてみるが、既に発行制限が掛かっていて出せないという。それでフェリーで函館まで行こうと思い、駅を出ようとした。
 
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ところがここで50代くらいの男性から声を掛けられる。
 
「君、はまなすに乗りたかったの?」
「はい。帰省するのに」
 
「実は僕、はまなすの指定券を持っているんだけど、急用ができて、青森で降りないといけなくなったんだよ。これを君に譲ろうか?」
 
「ほんとですか!?」
 
「キャンセルするとキャンセル料ももったいないし、乗車券は無駄になるしと思ってたんだ。君が使うなら、実費でどう?」
 
「買います!」
 
それで貴司はその乗客から、東京→札幌の乗車券(既に青森まで使用済み)と、はまなすの指定席券を東京・札幌間の《はやぶさ》《はまなす》乗継21950円、東京・青森の料金16870円の差額で5080円で買い取ったのである(実際には80円の端数は要らないと言われたので5000円だけ払った)。貴司が代わりに自分の大阪市内→青森の切符とはやての立ち席特急券を渡したので、その男性はその切符で改札を出て行った。
 
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そういう訳でこの人のお陰で貴司ははまなすの指定席でぐっすりと眠ることができて、12月31日の朝留萌に戻ることができた。
 
早朝の務めだけ終えていったん自宅に戻ろうとしていた保志絵が貴司を駅で拾ってくれた。
 

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貴司が帰って来た所でまだ寝ていた美姫(高2)も起きてきた。保志絵が今夜は神社で徹夜になることから、1日早いがお正月をやってしまおう!と言い、おとそを飲んで「明ける予定でおめでとうございます」などと言い、雑煮とおせちも食べた。
 
おせちは神社に出入りしている仕出し業者の担当さんがノルマに苦しんでいたので3個買ってあげたものの2つである(1つは千里の母にあげた)。
 
「新幹線と《はまなす》の乗り継ぎか。大変だったね」
と理歌。
 
「はまなすは偶然、予定を変更して青森で降りることになった人から譲ってもらった」
「運が良かったね」
 
「しかし遅くまで仕事してたんだな」
と父が言う。
 
「仕事が昨日の午前中にやっと片付いたから。下手すると韓国出張が入るかもと思ってたけど、そちらは課長が自分が行ってくるからと言ってくれたんで」
「課長さん大変だ!」
 
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「こちらも疲れ果てて、もう帰省するのやめようかとも思ったんだけど、父ちゃん・母ちゃんと話しておきたいことがあったから」
 
「だったら私たちは遠慮しようか?」
と理歌が言う。
「兄貴とうとう性転換手術でも受ける?」
と美姫。
「何のために〜〜!?」
 
「いや、今年いよいよい千里と結婚しようと思っている」
と貴司が言うと
 
「あんたたちまだ結婚してないんだっけ?」
などと保志絵が言う。
 
「まだしてないけど、お互いにほぼ夫婦の意識を持っているつもり。今年の内に籍だけ入れてしまって千里には大学卒業したら大阪に来てもらって一緒に暮らそうと言うつもり」
 
「ああ、いいんじゃない?」
 
「だから年明けにあらためてプロポーズして、その後夏くらいに結納して、年末くらいに結婚式をあげて籍も入れようと思うんだけど」
 
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「年末まで伸ばすの?夏くらいに結婚式あげたら?その時期は卒論で忙しくない?」
「理学部は卒論は無いんだよ。でも千里は日本代表の活動で春から夏に掛けては全くゆとりが無いと思うんだよね。それにどうも僕まで日本代表に招集されそうで」
 
「へー!凄い」
 
「だからそちらが落ち着いてから7月くらいに結納かなとも思っている」
「じゃそのあたりは双方の活動の日程がハッキリしてからかな」
 
「うん、そうなると思う」
 

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「千里はお父さんのことを懸念しているみたい」
「何か問題あるんだっけ?」
 
「千里のお父さんは、そもそも千里が性転換していること自体を知らないんだよ」
「なぜ?」
 
「千里は少なくとも高校生の頃はもう完全女子生活になっていたから、本人としてもお父さんは何も言わなくても自分のありようを黙認してくれているものと思っていたらしい。ところがどうも千里が普通に男として生活していると思い込んでいる感があって」
 
「武矢さん、にぶいタイプみたいだしなあ」
と望信も言う。
 
「あの子性転換手術を受けた時はお父さんの同意取ってないの?」
「そのあたりはハッキリ言わないけど、あいつ親の同意書を偽造して手術を受けたんじゃないかと思う」
 
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「それで兄貴が代わりに付き添いしたんだっけ?」
「何か友人関係でそういう噂が広がっているみたいだけど、あいつ僕も知らないうちに性転換してたんだよ」
 

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「千里ちゃんは、もう戸籍上も女性なんだよな?」
と望信が確認する。
 
「いやそれがまだ戸籍の性別は直してないみたいで。だからすぐ直してもらうよう言うよ」
「あれ直すのにどのくらい日数掛かるの?」
「だいたい申請してから1ヶ月くらいらしい」
「だったら結婚までに性別は変更しておけばいいのね」
 
「ただ千里は性別Fのパスポートを持っているんだよね」
「なぜ?」
「性別女と書いて申請書出したら女で発行されたと本人は言っている」
「いや申請書に女で出しても、戸籍が男なら男で発行されると思う」
 
すると保志絵が言った。
 
「私千里ちゃんの戸籍謄本を見たことがある」
「え?そうなの?」
「千里ちゃん、ちゃんと長女って書いてあったよ」
「あれ?だったらもう性別修正したのかな?」
「それいつ見たの?」
「去年の6月に宝蔵さんの三回忌した時だよ。千里ちゃんが落とした書類を拾って。その時、いけないとは思ったんだけどチラリと見たら、確かに千里ちゃんは長女と書かれていた」
 
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「ほんと?あいついつの間に性別変更したんだろう?」
と貴司は言っている。
 
「実は最初から女の子だったのだったりして」
と理歌。
 
貴司は腕を組んで考え込んだ。
 
「実はその疑惑は最初からあったんだよね。あいつは今既に間違いなく女の子の身体なんだけど、いつ性転換手術を受けたのか、どうも分からなくて」
 
「高校1年の夏休みに手術したと言ってなかった?」
 
「うん。それがあいつ高校1年の6月にドーピング検査を受けているんだけど、その時、女性の検査官に検査されているんだよね」
と貴司。
 
「ん?」
 
「僕も受けたことあるけど、ドーピング検査で尿を採取する時って、ほぼ裸になっておしっこをしている所を検査官が確認しないといけないんだよ」
 
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「うっそー!?」
 
「そうしないとパンツの中に他人の尿を隠し持っていて、そちらから出して渡す奴とかがいたから」
「わぁ」
 
「だから必ず同性の係官が検査することになっている」
 
「ということは?」
「だから高校1年の6月には女の身体だったということになる」
 
「じゃもしかして中学生の内に手術受けたんだったりして?」
 
「あり得ると思っている。千里が高校1年の4月に僕たちは初めてセックスしたんだけど、僕は普通にあの子に入れた気がした。本人は今のはスマタだって言ってたけどね。そもそもあの子が中学2年の夏に僕は初めてあの子のヌードを見たけど、その時点でも女の子の身体にしか見えなかった」
 
「じゃ中学2年までには性転換したんだ?」
と理歌は言うが、保志絵は腕を組んで考えている。
 
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「あの子が中学1年の夏、一緒に伊勢の神宮に研修に行ったんだよね」
と保志絵は言う。
 
「あ、その話は聞いた気がする」
「あの時、私は用事があって別行動になったけど、あの子一緒に行った女子の研修者と一緒にお風呂に入っているんだよね。それで騒ぎになっていないということは、あの時、既に女の子の身体だったのではと思うのよね」
 
「だということは、中学1年の時には既に性転換済みだった?」
 
「もしそうだとしたら、僕が千里と出会ってつきあい始めた時、あいつは既に女の子の身体になっていたのかも知れない」
 
「でも小学生で性転換手術してもらえる?」
 
「もし小学生でそういう手術をするなら、半陰陽のケースだと思う。それならお父さんがそれを知らないはずは無いんだよね」
 
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「結局そのあたりは謎だよね」
 

年明けて1月1日。
 
貴司は東京行きの便は早めに確保していたので、普通に移動することができた。理歌に車で深川駅まで送ってもらい下記の連絡を使う。
 
深川1/1 11:17(スーパーカムイ20)12:20札幌13:10(エアポート130)13:46新千歳空港新千歳空港14:35(SKY716)16:15羽田空港→浜松町/大門→17:36国立競技場
 
それで東京体育館には17:45頃に到着したが、混雑しているので千里たちローキューツのメンツを見つけたのは18時すぎだった。彼女たちはもうウォーミングアップを始めていた。千里と視線が合うとこちらに笑顔で手を振った。
 
この日は千里たちのチームは快勝という感じだった。実際千里も半分くらいしか出ていないし、186cmの森下誠美は第1ピリオドに出ただけだった。
 
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試合の後は打ち上げをやって帰るから、アパートで待っててと言われて鍵を渡される。
 
「アパートはお友達と一緒なのでは?」
「桃香は高岡に帰省中だから大丈夫」
「へー」
 
「細川さんも打ち上げに入ってもらっていいのに」
と貴司を知っている薫が言うが、千里は
 
「女子の打ち上げで、女の子だけの秘密の話もあるから、女の子になってもらえたら参加してもいいよ」
などと言っている。
 
「僕は部外者だから遠慮するよ」
と貴司。
 
「細川君久しぶり。僕みたいにスカート穿いたら参加できるよ」
と言って本当にスカートを穿いている男性は貴司も見たことがあると思ったが、溝口麻依子の内縁の夫で河合大彦さんであった。札幌Y高校の出身と聞いて「なるほどー」と思った。インターハイ予選などで何度か対決している。
 
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それで結局「帰るなら西船橋駅そばのジェーソンに寄って適当に何か買っておいて」と言われて五千円札も渡されたので、言われた通り、いったん西船橋駅で降りてジェーソンに入り、適当にお総菜などを買った。
 
千駄ヶ谷21:03(総武線)21:45西船橋
 
「ビールもいいかな」
などと独り言を言って、一番絞り350mlの6缶パックを買った。
 
それであらためて千葉市内に移動した。
 
西船橋22:36(総武線)22:57西千葉
 

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千里は0:30頃戻って来た。貴司はビールを1本開けて飲みながら眠ってしまっていたのを千里に起こされた。
 
「第一戦勝利あらためておめでとう」
と貴司は言った。
 
「ありがとう。前回は3回戦で負けてしまったから今年こそは優勝したいな」
と千里が言うと、貴司は目を丸くしている。
 
「どうかした?」
「いや、前回3回戦で負けたから次はBEST8進出、とかいうのなら分かるけど、目標が優勝なんだ?」
「大会に出る以上、目標は優勝だよ」
 
「やはり千里は凄い」
「そう?男なら頂点を目指さなきゃ」
「千里は女の子だよね?」
「ほとんど女の子だけど、ちんちんが邪魔だから今年の夏にタイに行って取ってくる。病院も予約したよ」
 
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「ちんちんなんて無いでしょ?」
「付いてるよ。だから取るんだよ」
 
「付いているというのなら見せてよ」
「いいよ」
と言って千里は服を脱いでしまう。
 
「やっぱり付いてない」
「あれ?ここに付いてるの見えない」
「見えない。だから本当に付いてないことを今から確認するから」
 
と言って貴司は千里を抱きしめてキスする。
 
「ふーん。貴司はちんちん付いている子の方がいいのね」
「千里とであればちんちん付いていても抱けると思うけど、千里は付いてないから、このままセックスしちゃう」
「いいけど変な所には入れないでよね」
「間違い無くヴァギナに入れるから」
と言って貴司は千里を押し倒した。
 

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明け方布団の中で貴司が目を覚ましたら千里も目を開けたようである。
 
「千里、オールジャパンが終わったら聞いて欲しいことがある」
「・・・いいよ」
 
 
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娘たちの2012オールジャパン(4)

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