広告:國崎出雲の事情 3 (少年サンデーコミックス)
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■女子高校生・秋のリスタート(4)

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朝9時、姫奉燈の出発式をする。
 
今年は玲羅が父の世話をしているので、千里が笛を吹く。
 
千里の笛・善美の太鼓にあわせて和弥が祝詞をあげた。今年の姫奉燈の先導巫女は去年と同じ、広海 千里 守恵 貞美 の4人である。
 

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歴代の先導巫女
1994 文代L 梨花 花絵 小春
1995 花絵L 梨花 美輪子 小春
1996 美輪子L 花絵 梨花 小春
1997 梨花L 乃愛 美輪子 小春
1998 乃愛L 洋子 美輪子 小春
1999 洋子L 守恵 美輪子 小春
2000 守恵L 朱理 美輪子 小春
2001 朱理L 純代 守恵 美輪子
2002 純代L 守恵 広海 千里
2003 広海L 純代 守恵 千里
2004 千里L 広海 純代 守恵
2005 守恵L 千里 広海 純代
2006 広海L 千里 守恵 貞美 2007 貞美L 広海 千里 守恵
 

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「嘘〜、私がリーダーなんですか?」
と貞美が焦っていた。
「私去年初めてやったばかりなのに」
「2年目の人はリーダーになるのが伝統」
「そんなあ」
 
それで貞美が先頭で扇を持ち、広海が篠笛を吹いた。
 
まゆりが産休なので今年の副祭主は花絵が務めた。それで行列の構成はこうなる。
 
先導巫女4人−祭主(和弥)−姫奉燈を曳く氏子さんたち−姫奉燈−副祭主(花絵)−末尾巫女(善美)
 
善美は豊受姫の旗を持ち羽衣を着けている。善美はこの衣裳がとても暖かいのに驚いた。明治時代にはこれを宮司が着たらしいが、やはり北海道の10月末(既にほぼ冬)に着ることを考えて暖かく作ってあるのだろうと思った。
 

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沿道で副祭主を花絵が務めていることについて噂が立っていた。
 
「なんで花ちゃんが奉燈の後衛をしてるの?」
「和ちゃんのお嫁さん離婚したの?」
「そうじゃなくて妊娠して産休だって」
「あかちゃんできたんだ?」
「多分男の子じゃないかって病院の先生が言ったらしいよ」
「それは素晴らしい」
「これで神社も安泰だね」
 
しかしおばちゃんたちの情報は早い!赤ちゃんの性別とか本人たちも知らない情報まで伝搬しているし!
 
(しかしまあまゆりのお腹の中の子も生まれる前から氏子さんたちに将来の宮司と期待されて大変ネ)
 

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姫奉燈が戻ってきたあとは、拝殿の前に置かれ、様々な奉納が行われる。
 
箏の演奏、小学校のコーラスサークルの演奏、愛好者による日本舞踊の奉納、篠笛愛好会の演奏、など。15時には小学生巫女による巫女舞が奉納され、そのあと旭川のA神社さんから来てくれた人たちによる雅楽の演奏がある。保存会の人たちによるアイヌ舞踊、アイヌ音楽の奉納を経て18:00から21:00までの1時間置きに4回、先導巫女4人による巫女舞が奉納される、1日目の行事はここまでで終わりである。
 

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祭り期間中は“表C町”とA町の道々には多数のカンデラが置かれ、また小学校や幼稚園の校庭や園庭、公園などにカラーのカンデラで構成した絵なども作られる。小学校には大きなヨットの絵、幼稚園にはイルカやタコさんの絵が作られていた。公園にはドラえもんの絵もあった(著作権がやばいと思う)。
 
厳密には神社の参道や街々の灯りは神社の秋祭り、小学校や幼稚園のカンデラ絵は“留萌北部灯りフェスティバル”という非宗教行事で偶然日程が重なっただけである。最近は年末の市のクリスマスイベントも“年末モミの木祭り”といってキリスト教の行事とは別と言っている。全くめんどくさい世の中である。(アメリカとかも“クリスマス・セール”みたいな表現は禁止らしい)
 
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秋祭りは夏祭りと違い静かなお祭りである。境内の出店も掛け声など出さずに静かに売っている。今年は夏祭りより多い8軒の出店が出ていた。千里は昨年同様、姫北ハムのフランクフルト屋さんと銀馬車のパン屋さんを出した。小学校の児童会は夏祭りと同じ鈴カステラだが、暖かいお味噌汁を併売していてこれが鈴カステラ以上に売れていた。他に、ザンギ串、じゃがバター、お好み焼き、中華まん、おでんなどが売られていた。
 

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祭りの2日目も、姫奉燈の運行に始まり、高校生巫女の巫女舞のあと様々な奉納が行われる。
 
ムックリ(口琴)の演奏の奉納などもあった。
 
千里は常弥から「何か横笛で吹いてよ」と言われたので、金狐で唱歌の類いをたくさん吹いた。『我は海の子』『うみ』『椰子の実』『麦畑』『ロンドン橋』『アヴィニョンの橋の上で』
『月の光に』『きらきら星』『クラリネットをこわしちゃった(*4)』『アマリリス(*5)』
『小さい秋みつけた』『虫の声』『村祭り』『村の鍛冶屋』『もみじ』
『証城寺の狸囃子』『浦島太郎』『桃太郎』『金太郎』『一寸法師』
 
そして最後はこうまとめた。
『浜辺の歌』『荒城の月』『花』
 
(*4) この曲だけクラリネットで吹いた。千里はリコーダーは吹けないのにフルートやクラリネットは吹けるという不思議な人。
 
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(*5 この曲は長らくルイ13世作曲とされていたが、最近はアンリ・ギス(Henry Ghys) 作曲とクレジットされることが多い。しかし元々はバルタザール・ド・ボージョワイユー(Balthasar de Beaujoyeulx) の『王妃のバレエ・コミック』の第1バレエが原曲であり、ギスはそれを『ルイ13世のエール』の名で編曲したものである。
 

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16時から再度姫奉燈が運行される。北海道の16時は充分暗いので、この最後の運行が最も美しい。カンデラが灯された町の中を姫奉燈が静かに運行されていく。その様子がほんとに美しい。
 
奉燈が戻ってきて一息つく。千里たち先導巫女は今年は出前一丁を作って食べて休憩した。そして今夜も18時から21時まで先導巫女4人による巫女舞が1時間おきに奉納される。21時の巫女舞が終わったところで祭りの公式行事は終わりであり、道路に置かれたカンデラや境内のLEDは消灯される。神殿の燈台はこのあとは燃料補給せず、燃え尽きるにまかせる。ここで最後に燃え尽きるのは必ずいちばん奥の燈台である。この燈台が燃え尽きると、神殿前に、和弥(祭主)・善美(巫女長)・小鳩(神様のお使い)の3人が並び和弥が〆の祝詞を奏上する。これで秋祭りは本当に終了する。
 
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和弥と花絵は不寝番をしてくれた人たちに「お疲れ様でした」と言って送り出す。和弥は全員が退出したあと、燈台に火が残ってないのを確認して(火の用心)、拝殿を降り、自分の部屋に戻った。一方、千里Rは神社深部に行き、大神様が会議にお出かけになるのを見送り、留守番に入った。
 

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同時刻、姫路の夜梨子はジェーンからの指示で今年は自分でK神社深部に行き、こちらも留守番に入った。ジェーンは「また一週間私が千里の代理をしないといけないのか」と呟くと、取り敢えず寝た。
 
姫路でのこれから一週間のメイン担当
 
ロビン:世界史
夜梨子:数学と物理
r:部活と体育
ジェーン:それ以外
y:昼間の深部で寝てる
 
また11月になってから留萌と旭川のQ神社でも神様が会議のためお出かけになったが、このお留守番をしたのは、旭川ではB(多分Bw)。留萌ではB'(ビーダッシュ)である。Q神社の留守番はセナに頼んだ年もあったが、彼女では邪霊の排除ができない。千里なら霊力の弱い青でも少々の邪霊は粉砕する。青の手に余るような強いのはVが処理する。
 
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(GはQ神社深部に入れない。VはP神社にもQ神社にもK神社にも入れる)
 
 
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