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■女子高校生・夏の夜(5)

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千里G(グレース)は6月下旬にも金狐#2でラッキーブロッサムの横浜と幕張のライブに参加してきた。
 
千里たちはどの千里も横笛がうまいが、金のフルートを吹けるのはRGJの3人である(+オーリタ)。Vは練習中だが結構苦労しているようである。Y2にも一応金狐のコピーを渡しているが練習しているかどうかは不明。小春を通して青にも渡してみたが「吹けない」と言って速攻で諦めた。その笛は結局Y1の方が練習しているようである。
 
※金狐のコピーの在処
 
0(original) R
1 Y2
2 G (ラッキーブロッサムのライブで吹いた)
3 J
4 V
5 B->Y1
6 オーリタ (ずっと後に安原祥子に貸した)
 
どれがどこにあるかはGが管理していたが、多分もう分からなくなっている。これらには各々を区別する目印とかも入ってないので入れ替わっていても多分分からない。ただし2007年7月時点ではオリジナルには稲荷寿司のシールが貼られているし、Gの使用楽器には犬の絵のシールが貼られている(Quick brown fox jumps over the lazy dog)。今後はどうなるか分からない。コピーしてくれたのはA大神である。
 
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Bは、DRKの音源制作では、美輪子のお友達からもらった白銅フルートを使っている。金のフルートは音が出なかったので、吹けないフルートをジョークで渡されたのだろうと思ったようである。
 
千里G(グレース)は何気なく大神様に尋ねた。
 
「大神様、私は日々色々な物をコピーして頂いてますが、ふと思ったのですが、妊娠中の女性をコピーしたら、胎内の赤ちゃんまでコピーされるのでしょうか」
「赤ん坊はコピーされない。母親のみがコピーされる。財布の中身がコピーされないのと同じ」
「へー」
 
子宮も財布も同等か。結婚式の定番スピーチで「3つのふくろ」なんてあったよなと思う。
 
(もうさずがにあのスピーチをする人は居ないだろう。給料袋なんて今の人には言葉の意味が分からないだろうし)
 
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「しかし人間のコピーなんてすぐ死んでしまうよ」
「ああ、そんなものですか」
「黄色の千里は青のコピーだが、もう4年半も生きているのが不思議」
「ああ」
 
それでもY2は一度死んで266日後に再生(reborn)したからな、とグレースは思う。
 
「やはり千里は変人だから特別なのかも」
などと大神様は言っていた。
 

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千里(R)はいくつかの求人を出した。
 
(1) 留萌で12月くらいから運行予定のクルーズ船の乗組員、
 
これは現在のサラスヴァティのクルーの知り合い、天野海運のクルーの知り合いに照会し、また留萌三泊の漁協にも募集のポスターを貼り出してもらった。応募者は、敦賀ではサラスヴァティの吉本船長、留萌では柳里君に面接をしてもらい、採用した人はサラスヴァティの訓練航海に参加してもらった。
 
(武矢もこのポスターを見たが「学歴不問」というのにおっと思ったものの「40歳まで」と書いてあったので「残念」と言って諦めた。武矢は45歳である)
 

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(2) 春風劇場でクルーザーのレストランスタッフが居ない日のレストランスタッフ。
 
クルーザーが洋食なので、これは中華か和食を考えて募集した。結果的には敦賀では和食の板前さん、茨木では中華の調理人さんを採用した。またフロア係・調理補助としてパートさんを各々20名ほど採用するに至った。また応募者の中で船の方で働いてくれる人(こちらが時給が高い)も出て人手不足問題が解決した(前述)。
 
このほか、留萌のクルーズ船のレストランスタッフ、春風劇場に楽団が居ない日のBGM担当(エレクトーン奏者またはピアニスト)なども募集している。ほかにどうしてもある程度のペースで退団者・解雇者が出る楽団員の新規募集はしばしば音楽雑誌、敦賀市の広報誌などに定期的に情報を出している。音楽大学などにも求人情報として出している。
 
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(解雇するのは一般に練習しない人。下手な人は最初から採用してない。また多少性格的な問題があっても指揮者の指示に従い、本番で演奏さえちゃんとしてくれたら問題にしない。音楽家は元々個性の強い人が多いので性格より演奏力である。なお性犯罪の類いは懲戒解雇。盗撮や覗きの類いは被害者との和解を条件に1ヶ月の謹慎とする)
 
もう数年前に退団したが女子更衣室に居た“男性団員”が見付かったことがある。のぞきとかするような人には見えなかったので岡田さんが優しく事情を尋ねると
「私女の子になりたいんです。それで女子更衣室で着替えてみたくて。まだ誰も来てない内ならいいかなと思って。ごめんなさい」
と言った。それで岡田さんは春風社長とも相談し彼の女装勤務を認めることにした。ドレスを着て演奏する。彼女はドレスを着ると充分女性に見えた。お化粧もうまかった。
「歩き方が女の子っぽいから普段スカート穿いてるんだろうなと思ってた」
と他の女性団員は言っていた。
「その胸はフェイク?」
「上げ底。本当はBカップしかない」
「Bもあったらいいじゃん。私Aなのに」
 
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彼女はもう3年ほど女性ホルモンを飲んでいるらしかった。当然男性機能は消失済みである。中学の時以来、立っておしっこしたことはないと言っていた。帰宅すると完全女装生活で買い物なども女装で行っているらしい。喉仏は切削済みであった。その時点では女声が出せなかったが、後に出せるようになった。彼女は高校を出て一人暮らしするようになって以来下着は女物で、プールにはいつも女子水着で行っていたらしい。
 
女子トイレの使用も許可したが、着替えは船室の個室を割り当てそこで着替えるように言った。でもとても喜んでその後何年も“女性団員”として頑張ってくれた。他の女性団員とも仲良くしていたようである。去勢手術も受けた後、他の女性団員たちからの要請で女子更衣室も使用を許可した。最後は「お嫁さんに行くので」と言って退団していった。仲のよかった女性団員によると退団後性転換手術を受けてから本当に男性と結婚したらしい。2児のママになったらしい(この辺りが今一よく分からない)。実は岡田さんは彼女の結婚の披露宴にも出席した。毎年年賀状もくれている。2人の娘にピアノとヴァイオリンを習わせているという。発表会で娘2人と一緒に3台のヴァイオリンで『カノン』を弾いたとか書いてあった。
 
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千里Rは留萌のクルーズ船運用のための会社“桜観光”を設立した。“桜”という言葉が入っているが桜製菓とは無関係で、こちらは桜鱒の養殖プロジェクトから来ている。会長を柳里君、社長を田崎さんに頼んだ。佐々木君に常務になってもらった。例によって千里は20歳未満で会社役員になれない。なお会長と社長はいづれ結婚して夫婦になる可能性がある。
 
クルーザの船長をしてくれることになった大沼さんを第1号の社員にした(社員番号は役員の3人に次ぐ4番)。シェフになってくれた菱沼洋子(戸籍名:洋一)が5番である。彼女は源泉徴収票などは洋一の名前で出すが、社員証や名刺は洋子である。彼女はペニスはまだ残存しているが、男性機能は無く去勢済み・喉仏除去済み・女声遣いで胸もCカップなので、女子トイレ・女子更衣室の使用を許可している。
 
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他に札幌の会社で経理をしていたことがあるという山本さんという30代の女性を経理担当として雇った。
 

なお留萌のクルーズ船の運航は原則として土日祝なので、クルーやスタッフには平日は桜鱒の養殖場の見回りとかをお願いした。プロジエクトメンバーの大半が別の仕事を持っているので実は平日の昼間は手薄だったのである。また木橋さんのコネで電力会社の仕事を手伝うことになった人もある。また留萌新鮮産業の工場(平日のみ操業)とかで働いてもらった人もある。
 

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7月16日、新潟県中越沖地震 (M6.8) が発生し、最大震度6強を記録した。死者15人、負傷者2,345人という大きな被害がが出た。
 
(筆者の家では3月の能登半島地震の片付けが終わらない内にこの地震でまた物が落ちてかなり片付けがやり直しになった)
 

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7月20日(金)、H大姫路では終業式が行われ夏休みが始まる。剣道部では21日と22日の2日間は千里の家でミニ合宿をした。今回の合宿では合宿中に性別の変わった子はいなかった。でも春恵は“女子プール”デビューをした。ここのプールは夕方以降、水の蛇口を閉めてお湯だけを供給するので実質大浴場になり、みんな裸で入る。それで春恵は他の女子に
「きれいに女の子の身体になったね」
と言って、たくさん触られていた。
「ちょっとそこに入れるのは勘弁して」
 
どこに入れてるんだ?
 
「もうバージンは誰かにあげた?」
「あげたけど誰にあげたかは内緒」
「ちゃんと避妊した?」
「ちゃんと着けてくれた」
「ひとみちゃんじゃないよね」
「ひとみちゃんは女の子とセックスできないと思うけど」
「やはりそうだよね」
 
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「女の子に入れられるほどは硬くならないみたいだよ。そもそもあの子、恋愛対象が男の子だし」
「そうだよね」
「春ちゃんとセックスした男の子たぶん分かる」
「誰?」
「さすがに私からは言えないけどだいたい分かった」
「へー。付き合ってるの?」
「交際はしてない。休みの日にお散歩したり御飯食べたりしてる程度」
 
それを普通は交際というぞ。
 
「でも28歳になっても私が結婚してなかったら結婚しようと言われた」
「11年先の約束か」
「その頃はお互いに音信不通になってる気がする」
「そういうもんかもね」
 

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7月23日、H大姫路の剣道部女子は新幹線で博多に移動した。今年も玉竜旗に参加する。玉竜旗は24-26日に女子の試合、27-29日に男子の試合が行われる、
 
それで男子は25日まで合宿を続ける。
 
今年の玉竜旗の女子のオーダーはこのようである。
 
先鋒・木里清香(2年・三段)
次鋒・春風香織(1年・三段)
中堅・最上光(1年・三段)
副将・島根双葉(2年・三段)
大将・村山千里(2年・三段)
 
昨年と同様の“時短オーダー”である。今年は私たちの出番は無いかもね、と千里は双葉と話した。なお光と香織は今月初旬の昇段試験に合格して三段になった。
 
到着した晩は昨年同様“ふきや”のお好み焼きを食べた。ホテルはまた双葉・千里・清香で1部屋である。(光と香織で1部屋、鐘丘先生はシングル)
 
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初日7月24日は1-2回戦が行われた。H大姫路は清香だけで勝ち上がった。双葉と千里は「楽でいいね〜」と言い合った。
 
この日のお昼はラーメン、晩はちゃんこを食べに行った。先生は水炊きに行く?と提案したが「びみょー」という意見が多かった。お腹が膨れるのはこちらである。ちゃんこ屋の仲居さんが千里たちを覚えていて「あんたたちなら大丈夫ね」と言っていた。
 
しかし博多はもつ鍋とかもあるし、食の豊かな町だよなと思う。清香も
「大阪の次に好きな町だ」
などと言っていた。清香はよく妹さん(中1)を連れて大阪に食べ歩きに行っているようである。(妹さんは姫路市内の両親の家に住んでいる)
 
清香は両親から家賃相当として毎月3万もらっているが、きーちゃんが「家賃とか要らない」と言うので、剣道の道具代に使う以外はおやつ資金となっているようである。
 
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