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万桜ホールディング配下のスーパー、プリンセスでは、豚肉は関連会社・姫北ハム関連の養豚場、牛肉は“姫路牧場”のグループ牧場、お魚は岡山新鮮産業から仕入れているのだが、鶏肉だけが、そういう内輪の仕入れ先が無く、関西ベースの大手食肉卸売り業者から仕入れていた。
2007年2月、片倉たちは姫路市に隣接する福崎町(ふくさきちょう)の大規模養鶏場を訪れていた。そこの鶏を売ってもらうためである。
ここは実は10年くらい前までは養鶏場では無く養豚場で、姫北ハムとの取引があった。それでコネがあったのである。
話し合いは順調に進み、取り敢えず仮契約に至る。
「いやあ、こうやって買ってもらえるところができるとうちも安心して鶏を育てられますよ。あとは鶏の大量死とかが起きないことを祈るのみですね」
「大量死というとやはり病気ですか」
つい先月も九州で鳥インフルエンザの発生が報道されていた。
「病気は怖いですが、原因のよくわからない大量死とかもあるんですよね」
「自然が相手の商売は大変ですね」
千里や公世と同じ2年9組で剣道部の福田一鉄は前々から
「鉄という字は“金を失う”と書くから、小学生の時に病院で手術して金玉を取った」
などと言っていたのだが、この春休み4月4日(水)の“おカマの日”に大阪の病院で本当に睾丸を除去する手術を受けてめでたく“金を失った”。彼は本人としては別に女の子になりたいとかではなく、睾丸があることが不快だったらしい。しかし彼の両親は元々女の子がほしかったらしく、小さい頃彼は女の子の服を着せて育てられていたらしい。名前も親からは“ひとみ”と呼ばれていたらしい(今でもそう呼ばれる)。
「一鉄と書いて“ひとみ”と読むらしい」
「なぜそう読める」
「僕も分からない」
なお手術前に医師の勧めで3月に4回精液の採取をして冷凍保存してもらった。
今回の手術では彼に女の子になってほしい親からは「一緒にちんちんも取ってもらわない?」と言われたものの「まだちんちんは無くしたくない」と言って睾丸だけの除去に落ち着いたという。
でも睾丸を取って男ではなくなったお祝い?に女の子の服をたくさん買ってもらったらしい。彼も女の子の服を着ること自体は好きなので、取り敢えず女の子パンティとキャミソールは着けていると言っていた。また家の中ではスカートを穿くようにしたらしい。女の子下着は学校にも着けて来ているようである。それで保健委員が彼と話しあい、体育の時の着替えは男子更衣室を使わず、保健室で着替えることにした。
彼は睾丸は取ったもののちゃんと射精はする。むしろオナニーが今までより気持ち良くなったと言っていた。また睾丸の除去で筋肉が落ちないように毎日10kmのジョギングと腕立て伏せ100回、腹筋300回、スクワツト100回を課しているということだった。4月中の稽古を見てても特に動きが悪くなった感じはなかった。
ただ体力は落ちたようで体育の時間の持久走2000mを完走できず1200mで勘弁してもらっていた。またシャトルランの数値も1年生の時より落ちたらしい。
彼は小さい頃女の子の服を着ていたし、母親にちんちん触られて
「こんなの付いてて可哀想。お医者さんに頼んで手術して取ってもらおうね」
などと言われていたらしい。だから、その内ちんちんは無くなるものと思っていたし、取ってもいい気持ちもあると言っていた。ただ彼の年齢ではまだペニスを除去する手術は受けられないらしく睾丸だけ除去することになったらしい。
彼は小学生の頃は「中学に入る前にちんちん切って女の子になって中学はセーラー服で通おう」
などと言われていたらしいが、小学生のペニスを取る手術をしてくれる病院は無かったようである。但しセーラー服は買ってもらい記念写真なども撮った。また友人の前にはセーラー服姿を曝している。彼のセーラー服姿には友人たちからは
「もっと女の子らしければいいのにね」
などと言われていた。それでも女声合唱に人数合わせで並ぶだけ並んだこともある。(歌はクチパク)
また友人たちからは“女の子の一種”とみなされ、女子と一緒にバレンタインなど買いに行ったりしていたという。そういう時は女子制服を着たり私服のスカートを穿いていた。またよく一緒にダンスの練習とかもしていた。彼は運動神経が良いのでダンスもうまい。体育祭や野球部の応援ではチアもしていた。チアは高校でも動員され、昨年の甲子園の応援でもチアとして踊っている。彼は体力があったから貴重な戦力だった。
また彼は小学生の時何度か、お股をタックしてもらって温泉などの女湯に母親と一緒に入ったこともあるらしい。彼は女性の裸を見ても特に興奮はしない(彼は本当はペニスが勃起しないのではという気もする)。恋愛対象は男性である。ただ彼本人は「自分はトランスというよりゲイに近いと思う」と言っている。本人自身としてはあまり女の子になりたい気持ちが無いからである。
彼が小学5年生の時
「ちんちん取るとか嫌だ」
と言ったら、父親が
「父さんが手本を見せてやる」
と言って、東京の病院でペニスを切断する手術を受けてきたらしい。それで彼の父は“おしっこは女と同じ”状態になった。そのお股を見せてもらったが
「ちんちん・たまたまが無いのはきれいだな」
と思ったという。それでこんなきれいな形になるのならちんちん取ってもいいと同意したものの、実際に小学生のペニスを取ってくれる病院は無かった。
「でもちんちん取るの嫌ならあくまで嫌だと言わなきゃダメだよ」
と彼は春恵に言われていた。
「中途半端な気持ちでペニスを除去したら絶対後悔するから」
「そうだろうね」
福田君の場合「ちんちん無くなってもいい」程度であり積極的に「ちんちん無くしたい」わけではない。
春恵の場合は結構強い「女の子になりたい」という気持ちを持っているようである。「ちんちん無ければいいのに」と思い、自分で切ろうとしたことも何度もあると言っていた。親も彼の女性志向には許容的で女の子の服はけっこう買ってもらっていたらしい。だから家の中では結構女の子下着を着けスカートを穿いていたし、髪を切るのも、いつも美容院に行っていた。小学生の頃は女の子水着でプールに行ったこともあるらしい(アンダーショーツ使用)実は友人に唆されて女子用スクール水着で水泳の授業に出たこともある。
「お前チンコ無かったのか」
「隠してるだけ」
「隠せるもんなんだ!」
彼は中学の女子制服も剣道部の先輩から譲ってもらい、所有していた。学校に持って行き放課後に着たりしていたし、剣道の大会でそれを着て表彰式に出たこともあるらしい。またそれを着て友人と一緒に町に出たりもしていた。むろんそういう時は女子トイレを使う。彼は学校とか大会とかで女子制服を着ている時も女子トイレを使っていた。剣道の道着は小学生の時から白である。「強い女子が居る」と言われていた。ただし女子の部に出場したことは無い。
福田君はこの学校の女子制服も作ってもらったということで記念写真も見せていたが男にしか見えないのが問題点である。もっとも女子柔道部の坂本汀江などは
「私の写真と並べたら絶対みんな、ひとみちゃんの方を女の子だと思う」
などと言っていた。
彼女は校門のところでの服装チェックで
「何ふざけて女子制服とか着てるの」
と注意されるのは日常である。
(春恵は女子制服で登校してきても校門の所では何も言われなかった)
「汀江ちゃんはそろそろペニスを取る手術を受けよう」
「うん。高校卒業するまでにはちんちん切って女の子になるつもり」
「でもちんちん切ると立っておしっこできなくなるしなあ」
「座ってすればいいんだよ」
福田君は小さい頃から座ってするように躾けられていたので、立っておしっこしたことがないらしい。そもそもずっとスカート穿いていたから立ってできなかった。汀江ちゃんは逆にスカートなんて中学の制服を着るまでは穿いたことが無かったらしい。実を言うとマジックコーンという道具(自作しているらしい)で小便器も使えると言っていた。彼女はズボンで出歩いている時は結構男子トイレを使うらしいが、彼女が男子トイレに居ても誰も咎めないと思う。
福田君はスカートを穿いて両親とお出かけする場合、しばしば母親に連れられて女子トイレに入るらしい。彼が単独で女子トイレに居たら通報されると思うが、母親と一緒なら何とかなるだろう。
男子剣道部のもうひとりの特待生・谷口春恵の方は前から「女の子になりたい」と言っていたが、彼は4月の新学期から女子制服登校を敢行した。彼は男の服を着ていれば普通に男に見えるが女の子の服を着ると女に見えないことも無い。
「この程度の女子はいるよ」
という感じである。更に彼は市役所に届け出て名前の読み方を“しゅんけい”から“はるえ”に変更してしまった。むろん変えたのは名前の読みだけで性別は男(二男)と記載されている。しかし彼はその住民票を学校に提出して生徒手帳のふりがなも“はるえ”に変えてもらった。生徒手帳の写真も「ずっとその制服で通学するのなら」という条件で女子制服姿の写真に変更してもらった。ただし、生徒手帳の性別は男である。でも生徒手帳の写真がセーラー服なら、セーラー服を着ている時に身分証明で困ることは無いだろう。彼は通学定期は女として発行してもらったといって「女16」と記載された定期券をみんなに見せていた。女子制服で通学するのなら定期券も女子になってないとトラブるだろう。
彼のトイレについては、公世同様“みんなのトイレ”を使うことで本人と担任は同意した。着替えについてはこれも公世や一鉄同様、保健室着替えとする。
なお剣道をする時の道着は以前から白を使っていたのでこれはそのままである。
福田一鉄は
「本当に小学生の内に睾丸取ってたら女の子みたいな声が維持できていたのに」
などと言っていたので千里は
「女の子のような声が出るようにしてあげようか」
と言った。
「そんなことできる?」
「喉仏が無くなるけど」
「喉仏は無くなってもいい」
それで千里は彼の喉に手を当て、喉仏を消去し、発声器官の調整をしてあげた。それで彼は女の子のような声になった。
「私もして」
と春恵が言うので、彼の喉にも同じ操作をしてあげた。
「でも睾丸があれば再度声変わりは起きるよ」
「睾丸か。取りたいなあ」
「まあ親と話しあって」
「うん」
更に1年生の山崎一君まで「女の子の声になりたい」というので操作してあげた。ただ彼にも「でも睾丸がある限り再度声変わりは起きるよ」と言っておいた。
しかしこれで男子剣道部からは女声で「面」とか「胴」という掛け声が聞こえてくるようになる。
4月17日(火). 長崎市の伊藤一長市長が山口組系暴力団幹部に銃撃され翌日に死亡した。
4月21-22日、剣道の兵庫県春の大会が行なわれた。H大姫路女子はこういうオーダーで出た。
先鋒・春風香織(1年・二段)
次鋒・最上光(1年・二段)
中堅・島根双葉(2年・二段)
副将・村山千里(2年・三段)
大将・木里清香(2年・三段)
準々決勝までは先鋒の香織だけで勝ち進んだ。準決勝で相手大将と接戦の末敗れたが、そのあと光が相手大将を倒した。決勝も同じパターンで、優勝を決めた。この春の大会では、千里たち2年生は全く出番が無かった。
双葉は「楽でいいね」と言っていたが、清香は凄く不満そうだった。
男子はこういうオーダーで出た。
先鋒・布施明宏(3年・三段)
次鋒・山崎一(1年・二段)
中堅・谷口春恵(2年・三段)
副将・福田一鉄(2年・三段)
大将・工藤公世(2年・三段)
こちらは3回戦まで布施君だけで勝ち上がる。準々決勝では布施君が相手大将に敗れたが、山崎君がその大将を倒した。準決勝も同じパターンである。決勝では相手副将がこちらの副将まで倒すが、公世に負ける。そして公世が相手の大将も倒して、男子もH大姫路の優勝であった。表彰式では清香と公世が優勝旗を受け取り、千里と福田君が賞状を受け取った。
4月27日(金).
和弥はコリンの運転するウィングロードで伊勢から姫路に移動した。立花K神社の姫祭りのためである。
それで今年は宮司宅に泊まり、姫様道中の先導や小学生相撲大会の行司などをした。
(ただし祭り期間中はセックスはしない:布団を30cm離して敷く)
また先代宮司(まゆりの祖父)の一周忌なので、祭壇にお参りもした。