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■女子高校生・春の光(3)

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2007年4月1日、北海道のローカルテレビはお昼のニュースでこういう事故の報道をした。
「風力発電所の羽根が乗用車直撃」
本日早朝、試験発電中の留萌市三泊の風力発電所の発電用羽根が脱落。国道を走行中の乗用車に衝突しました。幸いにも怪我人はありませんでした。
 
こういう事故で怪我人が無かったというのは、奇跡としか言いようが無い。原因は1ヶ月程かけて調査されたが羽根の取り付け方に問題があった。この発電所は苫前町から技術者を招いて建設しているが、技術者側が苫前町の経験豊かな工務店に施工させたいとしたのに対して、留萌市側は経験を付けさせるため留萌の工務店に施工させた。しかし未経験で羽根に掛かる力を理解していなかったため、取り付け方法に問題があったようである。
 
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この発電所は翌週には、蓄電所に落雷があり、蓄電所が爆発!発電施設や送電施設にも大きな損傷があった。信じがたいことにここには避雷針が無かった。相次ぐ不手際に市の電力会社のトップが交替したが、市民の間では
「死者の出る事故が起きるのは時間の問題」
という噂も出ていた。
 
一般家庭への送電は5月1日から開始されたものの、送電開始数時間後には停電する。半日で復旧するも翌日にはまた停電。市電に切り替えていた家庭(村山家など)からは
「エアコンも使えないし、テレビも見られない」
と悲鳴に近い苦情が出ていた。
 
発電所では、その後も羽根が再度脱落する事故、変電所の故障、コンピュータの爆発!?、送電線の断線などとトラブルが続いた。5月にもまた落雷まであった。(それでも避雷針を付けない!!)
 
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混乱ぶりを見て翻田常弥は「やはり千里ちゃんの占い通りだ。市電に切り替えなくて良かった」と思った。また津気子は「市電だめじゃん」と言って、北電に電話し、電力を北電に戻してもらった。(5月中は無料で戻せるということだった)
 
ただこの時、料金の未払いがある事を指摘されたので玲羅に頼み千里と連絡を取ってもらい、未払い分のお金を送金してもらって払った。
 
養殖場は4月中旬から操業を開始したが、市電側から電力が来ない!ので、非常用のソーラーの電力でポンプや照明・ヒーターなどを作動させた。
 

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桜鱒プロジェクトでは今年は4月に湾内に桜鱒の海面養殖場を設営した。昨年の反省からかなり丈夫なものにした。養殖場の周りを鉄格子で囲み、中に金網で4つの区画を作り、各々の区画内部に普通の網で仕切った養殖用生け簀を形成する、作成はメンバーで協力してやったが材料費が1000万ほどかかった。
 

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発電所の方では、一般市民の噂通り?4月下旬に発電所のスタッフがヒグマに襲われて死亡するという事件が起きた。発電所にはフェンスが張り巡らせてあったものの、ヒグマはフェンスを乗り越えて中に侵入したものと思われた。
 
桜組からの助言でフェンスに“微弱電流”を流したものの、5月にはヒグマが微弱電流などものともせずフェンスを乗り越え、人的被害は出なかったが、スタッフが建物の中に逃げ込んで危うく難を逃れるという事件が起きた。一方で徘徊老人が感電して命に別状は無かったが、救急搬送される事故も起きた。発電所はこの事故で、電流はやはり危険ということでフェンス通電をやめてしまった。
 

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一方、養殖場のフェンスには3月にヒグマ2頭、4月にエゾシカ1頭とヒグマ3頭が掛かっていて、全て千里が1頭10万円で引き取り、桜組は取り敢えず60万円の収入を得た。
 
3月に掛かったヒグマの1頭は全身ずぶ濡れで、例の“人命救助”事件のあった晩だったので山鏡が海に放り込んだ熊と思われた。千里の眷属たちに処分される前に熊除けフェンスに掛かっていたようだ。(養殖場は放り込まれたポイントより北だが、北海道の西側は北上する対馬海流が流れているので、少し北に流されたものと思われる)
 
桜組はあらためて電力会社に二重フェンスについて説明したのだが、理解してもらえなかったようである。どうもこの集団は発電用の羽根の取付ミスにも見るように他から学ぶ能力に欠ける集団のようだと佐々木君たちは思った。
 
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4月になって“東の千里”も“西の千里”も2年生になった、旭川の“東の千里”は理系進学コースの2年6組である。姫路の“西の千里”は在籍クラスはスポーツ特待生の2年9組だが、4月頭の実力テストの成績が学年9位だったので、通常の授業は特進Aの2年1組で受ける。公世は2組、双葉は3組、清香は5組である。吹奏楽部の里中望美は昨年は1年間2組だったが実力テスト29位で1組に入った。ただし千里同様、部活のため夕方の補習は免除してもらう。本来夕方の補習でやる問題集は自主的にやってノートを提出し、確認してもらう(千里も同様)
 
「千里、西川のCMに出てたね」
「突然歌も歌ってと言われて焦った」
「あの歌20年ぶりくらいに更新されたんじゃないかな」
「前のバージョンは社長の奧さんが若い頃歌ったものらしい」
「ああ、素人っぽかったもん」
「私も素人だけど」
「いや、千里の歌はプロ級だと思う」
「そうかなあ。あ、これ割引券のお裾分け」
「おお、さんきゅ、さんきゅ。傘でも買おう」
 
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割引券は8人くらいに配った。
 

剣道部は女子に大阪出身で全中で敢闘賞(ベスト8)だった最上光(もがみ・ひかり)という子が入ってきた。男子にも全中でベスト16まで行ったという山崎一(やまさき・はじめ)という子が入ってきた。光は双葉といい勝負をした(ただし勝てない)。はじめ君は福田一鉄といい勝負をした(勝負もイーブン)。
 
また女子では特待生ではないものの、春風香織という子が凄く強くて3年生の武原・西山に勝っていた。彼女は中学時代は全国大会の経験が無いらしいが、全国に行ける実力だと思った。
 

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「香織ちゃんはどこの出身?」
「福井県の敦賀(つるが)という港町なんです」
「へー。敦賀か」
「新快速ですぐやね」
「父はそこでクルーズ船の会社を経営してるんです」
「ああ、若狭湾は美しいからね」
「父の会社の船はあまり景色は見えないんですけどね」
「へ?」
「そうだ。良かったら今度ご招待しますよ」
というので、千里たちは来週、招待してもらえることになった。
 

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千里の本来のクラス9組は昨年1年間で主として怪我により特待生を外され、そのまま学校も退学した子が7人居た(怪我以外にそのスポーツの成績が悪くて外された子もいた)ので26名になっている。出席番号はその子たちの番号は欠番になりずれていないので千里の出席版号は2年9組33番である。
 
剣道部は男女合わせて6人全員残っているが、柔道部は2人やめて4人になってしまった。野球部も現在3人である。3年9組は今20人らしい。だいたいスポーツ特待生で入ってきて3年間特待生を続けられるのは半数程度と剣道部の武原部長は言っていた。野球部でいったん特待生から外れたが復帰できた青沼君とかは物凄く運が良かった。学費の問題は置いといても、特待生を外されると一般科目の成績が悪すぎて一般生にはなれない子が多い。
 
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昨年“めでた”に関する買収合戦の時、青池は千里のお金を5000万円ほど勝手に使ったのだが、すぐに株式市場の売買で取り戻し補填しておいた。しかしそれで青池は株が楽しくなってしまった。それできーちゃんにお伺いを立てた。
「損はさせないからさあ、少し遊んじゃだめ?」
「相場は怖いよ。神様でも失敗して大損した人知ってるから」
 
奈良県の某星君のことである。
 
「冒険はしないから」
「じゃ1000万だけ預けるから、それ無くしたらお仕舞い」
「増えたら続けてもいい?」
「“まだはもうなり”(*4) だよ」
「肝に銘じます」
 
しかし青池のこの“お遊び”のおかげで、この後しばらく千里の資産は毎月100万くらいずつ増加していくことになる。
 
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(*4)『まだはもうなり、もうはまだなり』相場の格言の1つ。「まだ行ける」と思う時はもう終えるべき時。深追いを戒めた言葉。相場はしばしば「まだ上がる」と思っている時に突然大暴落したりする。あと5分待てば10万儲かると思って売るのを待っていると100万損することになるのが相場である。
 

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4月13日(金)、千里が学校近くのバス停で帰りのバスを待っていると、真っ赤なフェラーリが停まる。運転席(この車は左ハンドル)の窓を開けて運転していた人物が千里に声を掛けた。
「千里ちょっと顔貸しなさい」
「一体何ですか」
 
と言いながらも千里Gは雨宮先生のフェラーリの助手席に乗った。
 
(微妙なやりとりが必要だと判断してGが自分で出て来た。千里Rと服の中身だけ入れ替わった。深川からはるばる姫路まで飛んできて正確に中身だけ入れ替わるのは、さすがGである:突然深川司令室を任されたVも(中身だけ入れ替わったので)裸で姫路司令室の地下に放り出されたRも焦った)
 

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バス停に居た他の生徒から職員室に
「村山さんが外車に乗ったプレイボーイ風の男に拉致された」
と通報があり、一時職員室は騒然とする。
 
しかしGから収拾を頼まれたJは、きーちゃんに千里の自宅に移動してもらい、学校からの照会に
「連絡受けています。管楽器を指導してくださっている先生に、演奏会のお手伝いを頼まれて会場に向かったんですよ」
と答えたので、騒ぎは収まった。Gが雨宮の思考を読んでこの後の展開を予測したので、Jはそれをきーちゃんに伝えた。
 

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