広告:セット水着-【ps1101-1-スカート付ビキニ水着-3点セット-mzg1】
[携帯Top] [文字サイズ]

■女の子たちの間違い続き(5)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

(C)Eriko Kawaguchi 2014-03-24
 
結局、千里・留実子・田代君の3人、お姉さん、お父さん、敏数さんの6人で病院を出た。鞠古君にはお母さんだけが付き添っておく。お父さんは車で来ていて、これから留萌に戻るというので、千里・留実子・田代君の3人は乗せてもらうことにする。鞠古君のお姉さんは旭川の下宿先に帰り、敏数も旭川のホテルに向かうということで2人を最初に札幌駅までお父さんが送って行き、それからあらためて留萌に帰る3人を乗せて、お父さんの車は出発した。
 
3人は後部座席に、田代・千里・留実子という並びで座った。3人で座るとどうしても身体が接触するが、田代君と留実子の身体の接触は好ましくないと思って千里が真ん中に入った。これなら田代君と千里も、千里と留実子も同性同士の感覚に近い。こういう時に性的に未発達な自分の身体は便利だよなとも思う。1人助手席に座る手もあるが、それも寂しい。
 
↓ ↑ Bottom Top

「村山さんにも、花和君にも、本当にお世話になりましたね。田代君にも心配掛けました。」
とお父さんは言う。
 
チラッと千里と田代君は視線を交わした。
 
これ、私は女の子、るみちゃんは男の子と思われているよね?と田代君との間で目で会話する。お母さんは2人の性別を知っているが、お父さんには言ってないのであろう。
 
「旭川に行った花江とお友だちは女2人で大丈夫かなあ。あの子たちも旭川まで送っていけば良かったかな?」
 
ああ、あちらも女と思われているか。
 
つまり鞠古姉弟と花和兄妹は、鞠古姉と花和兄が女同士、鞠古弟と花和妹が男同士と思われている訳だ。ややこしい!
 
「まあ、さすがに普通のセダンに6人は乗れませんよ」
と留実子が言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「ですよねー。車買う時に、いっそ8人乗りのミニバン買おうかとも思ったんですけどね。そんなに一度に乗せることは無いよと言われて」
 
「花江さんも知佐君も高校出たら免許取るでしょうから、2台とか3台で運行すればいいんです」
「そうそう。女房からも、そう言われたんですよ」
「乗り心地もミニバンよりセダンの方がいいですよ。特に長旅では疲労度が違います」
「でしょうね〜」
 

↓ ↑ Bottom Top

途中、秩父別PAで休憩した。
 
「高速、ちょっとだけ長くなりましたね」
と留実子が言う。
 
「留萌まで到達するのはいつ頃なんだろうね」
とお父さん。
 
高速のこの付近の区間(秩父別IC−秩父別PA−沼田IC)はこの7月に開通したばかりである。
 
「東京の友人に、新しい道路ができたらすぐ乗らないと気が済まない奴がいてさっそく来て乗ってたんだけど、ここのPAを《ちちぶわけ》PAとか読んじゃって、それどこよ?なんて言ってたんだけどね」
 
「まあ知らないと《ちっぷべつ》とは読めないですよね。特に東京の近くに秩父(ちちぶ)があるし」
と留実子。
 
「地名は難しいよ」
と田代君。
 
「特に北海道の地名は難しい」
「後志(しりべし)支庁とか、胆振(いぶり)支庁は道外の人では読めない人が多い」
「留萌(るもい)にしても稚内(わっかない)にしても知ってるから普通に読んでるけど、実は結構難しい読み方」
 
↓ ↑ Bottom Top

「慣れで読んでるから、書けと言われると書けない人が更に多い」
「俺、小3の時、留明と書いちゃって、自分の町の名前くらい正しく書けと叱られた」
「最近画数の多い名前付ける親が多いから、自分の名前を書けない子が結構いますよね」
 

↓ ↑ Bottom Top

「うちの花江は最初《鹿鳴絵》にするつもりだったんですが、そんな画数の多い名前は本人が書くの大変と言われて《花江》にしたんですよね」
 
「特に女の子は画数多いと性別誤解される場合もありますよね」
「ああ、讃樹(さき)ちゃんとか、しょっちゅう男と間違えられてる」
 
「知佐(ともすけ)の場合、逆に画数が少なすぎたかなという気も後からしたんですけどね」
 
「時々《ちさ》と読まれて女の子かと思われるらしい」
「そうそう《ちさ》と読めることに、名前付ける時は気付かなかったんですよ!」
 
「いっそ今回女の子になっちゃっても良かったと思うが」
などと田代君が言う。
 
「でも彼の女装はあまりにも似合わなかった」
と千里。
 
↓ ↑ Bottom Top

「身体が男でも心が女の子だったら多分女装が似合うんですよ。知佐君は心は男の子だから、女装は無理ですね」
と留実子が言う。
 
千里は自分のことが言われたみたいでドキッとした。
 

↓ ↑ Bottom Top

「誤読というと、カタカナ名前で濁点と半濁点を誤読されることがありますね」
 
「ああ、最近は何でもパソコンでやりとりするけど、パソコンの画面では特に濁点と半濁点が見分けにくいんですよ」
 
「転校してっちゃったけど、以前ペトロ君って居たんですけどね」
「ベトロとよく誤読されてたね」
「更にヘドロと呼ぶ奴もいた」
「それは悪意を感じる」
 
「シェイクスピアの『ベニスの商人』を『ペニスの商人』と誤読した奴がいたな」
「それ、知佐君!」
 
「そうか。あぶなく自分のを売り飛ばすハメになる所だったな」
などと田代君が言うと、留実子が千里を通り越して隣から軽くパンチを入れる。
 
「しかしチンコ欲しい奴、チンコいらない奴がいるんだから、ペニスの取引してもいいような気がするけどなあ」
と田代君が言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「組織的に適合するかどうかの問題があると思うよ」
と留実子はマジに反応する。
「自分の身体ではないものは免疫機能の攻撃対象になっちゃうからね」
 
「でも心臓移植とかよりは簡単そうだ」
「確かに」
 

↓ ↑ Bottom Top

「だけど例えば、花和のチンコと金玉を取って、村山にくっつけたとするだろ?それで村山が他の女と結婚して子供産まれた場合、その父親は村山なのかな?花和なのかな?」
 
「難しい問題だね」
「おちんちんの所有権が移っているから、新しい持ち主が父親でいいと思う」
と留実子が言う。
 
「親ってのは結局、その子を育てた人が親ってことでいいと思うんだよね」
「うん。俺もそれでいい気がする」
 

↓ ↑ Bottom Top

「ちなみに花和、性転換して女になる気とかは?」
と田代君。
 
「そうだなあ。ボクは女装も似合うみたいだからなあ。女になって鞠古と結婚してやってもいいかな。鞠古が女にならなかったし」
 
と留実子が言うと、留実子が女の子であることに気付いていないお父さんは冗談かと思って
 
「おお、それは良い。ぜひ結婚してやってください」
などと言っている。田代君と千里が顔を見合わせる。
 
「村山は性転換して男になる気は?」
と田代君。
 
「おちんちん付いてると面倒くさそうだし、男にはならなくていいや」
と千里。
 
「なるほどねー」
 

↓ ↑ Bottom Top

鞠古君は翌週末退院したが、9月いっぱいは自宅療養して、10月上旬から学校に出てくるということだった。
 
9月下旬の土曜日、千里はバスケ部の1年生男女数人で旭川まで出た。審判講習ということであった。
 
大会ではバスケの審判はだいたい大人の人がしてくれるのだが、練習試合などではお互いに審判を出し合うこともある。またTO(Table Official)と言って、計時や記録など、補助の仕事をする役割もあるので、そういう仕事の内容をきちんと習っておこうというものであった。
 
S中の《男子バスケ部》では、田代君を始め1年生部員12人が参加する。田代君は今回の講習のS中代表を任せられていた。
 
そして《女子バスケ部》では、数子と千里が参加する予定だったのだが、千里は留実子に声を掛けた。
 
↓ ↑ Bottom Top

「一緒に講習、受けに行かない?」
「なんでボクがバスケの講習とか受けないといけない?」
 
留実子は特に部活には入っておらず、帰宅部である。
 
「鞠古君、体調戻ったらバスケ部に復帰するよ。彼ならきっとベンチ入りのメンバーに入るもん。るみちゃん、TOやるなら大会に同行できるよ」
 
「別に・・・」
 
とは言っていたものの、
「トモも今回の講習に出ると言ってるし、ボクも行こうかなあ」
などと言って参加した。
 
鞠古君は学校には10月から出てくる予定なのだが、かなり体調も良くなっているということで、今回の講習には顔を出しておくことにしたのである。
 

↓ ↑ Bottom Top

今回の講習には「制服で参加」ということだった。
 
「千里ちゃん、学生服にする?」
「女子なのに学生服って目立ちすぎる。セーラー服で」
 
「るみちゃん、学生服にする?」
「学生服姿をあまり同級生に曝したくないから女子制服のスラックスで」
 
ということで、女子バスケ部では、数子と千里がセーラー服のスカートタイプ、留実子がセーラー服のスラックスタイプで参加することになった。女子制服の夏服はスカートのみだが、冬服はスラックスも選択できるので、春の時期も、留実子はたいていスラックスタイプを穿いていた。
 
「鞠古君は学生服着れるのかなあ」
 
鞠古君は患部を刺激しないように、ズボンは穿かずに、この夏はずっと浴衣を着て過ごしていたらしい。おしっこもまだカテーテルを入れて導尿しているということだった。
 
↓ ↑ Bottom Top

「動くとまだ痛いらしい。だから、しっかり押さえるタイプのブリーフを穿いてその上に学生服の上下を着ると言っていた」
「へー」
 

↓ ↑ Bottom Top

鞠古君は田代君のお父さんの車の助手席に乗せてもらった。何なら、こちらに乗る?と千里が訊いてみたものの、
 
「女子組の車に乗ったら、やはりチンコ無くなったの?とか言う奴がいそうだから、田代んとこに乗せてもらう」
 
などと言っていた。まあ、親友の田代君が付いていれば、トイレ等で困ることもないであろう。
 
それで女子組は千里の母の車で旭川に向かう。身体の大きな留実子が助手席に乗り、後部座席に、数子と千里が並んで座った。
 
「るみちゃんの男装も見たことあるけど、るみちゃんって、男装すると男に見えるし、女装すると女に見えるよね」
と数子が言う。
 
「男装の時と女装の時で雰囲気もガラリと違うから、多分心理状態を自分でコントロールしてるのかな?」
と千里。
 
↓ ↑ Bottom Top

「そそ。男装の時は自分は男だと信じてる。女装の時は女としての自分を受け入れている」
と留実子。
 
「千里が男装してても女の子に見えちゃうのは、男の心理状態になれないから」
と数子が指摘すると、千里の母が運転席で笑っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

朝7時前に留萌を出て、8時すぎに会場の高校に着く。
 
が・・・様子がおかしい。
 
「門が閉まってる」
「まさか、会場はここではないとか?」
 
それで顧問の伊藤先生が慌てて電話している。
 
「すみません。E女子高に変更になっていたそうです。伝達がきちんとできてなかったみたいです」
 
ということで、全員E女子高に移動した。ここは鞠古君のお姉さんの花江さんが通っている学校だ。
 
「ここの制服可愛いよね〜」
と数子が言う。
 
「うん。でも私は入れてくれないだろうなあ」
と千里。
 
「ボクはこういう可愛すぎる制服は着たくない」
と留実子。
 
「でも千里、うち貧乏だから、私立は勘弁して。公立にして〜」
と運転席の母。
 
↓ ↑ Bottom Top

その問題は認識していた。自分としては高校は旭川か札幌に出たい。しかし学費の問題がある。
 
「お母さん、勉強頑張って特待生になる手もありますよ。するとかえって公立より安く済みます」
と数子が言う。
 
「なるほどねー。でも千里、あんまり成績良くないから」
と母。
 
「それは公立に行くにしても千里は勉強頑張らなきゃ」
と留実子。
 
この場の会話では、既に女子高が千里を入れてくれるのか?という問題は既にスルーされている!
 

↓ ↑ Bottom Top

女子高で男子トイレは職員室の近くにひとつあるだけということだったので、それだけでは混雑するし会場から遠いので、体育館のトイレは男女共用で使っていいです、という連絡がある。但し、元々女子生徒が使うことしか想定されていないので全て個室である。汚さないように座ってして欲しいということと、立ってしたい人は職員室の所の男子トイレまで行って下さいというのが付け加えられていた。
 
「男の子の中には、座っておしっこだけってのが、できない子もいるみたいね」
と数子が言う。
 
「なんで?」
と千里が訊くので、数子は「うーん」と少し悩んだ上で
 
「何だか、小だけ出そうとしても、座った状態だと大まで出ちゃうんだって」
と言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「へー、不思議だね」
と千里。
 
「まあ、条件反射だろうね」
と言って留実子は笑う。
 
「るみちゃん、立ってするの?」
と数子。
 
「今日はおとなしく座ってすることにする。女子制服だし」
と留実子。
 
「まあ確かに女子制服を着た子が立っておしっこしてたら、騒ぎになるかも」
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8 
女の子たちの間違い続き(5)

広告:オトコの娘コミックアンソロジー~天真爛漫編~ (おと★娘シリーズ8)