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■女の子たちの秋の風(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2015-04-18
 
9月10日(水)の朝、マイとユーは卍卍プロの事務所で、社長の言葉に呆然としていた。
 
「デビュー・イベントが中止ってどういうことですか?」
 
「実は君たちのデビュー曲とタイアップしていた化粧品シリーズのシャンプーとコンディショナー、化粧水とリップクリームの4点に日本ではまだ認可されていない成分が含まれていることが判明したんだよ」
と社長は説明する。
 
「なぜ今になってそんなことが」
「アメリカでは人気の化粧品だったので、そのまま発売すればいいと発売元では思っていたらしい。ところがサンプルで配っていたシャンプーの成分表示を見て、専門家から当局に通報があったらしいんだよね。メーカーでは発売中止、回収を決定した。今ドラッグストアやスーパーなどから商品の回収作業をしている。被害は恐らく数十億円になる。サンプルをもらった人や買った人にも廃棄あるいは返品してくれるように呼びかける広告を作って急遽放送とポスター掲示を決めた」
 
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「私たちの写真の入ったポスターは?」
「あれも全国のドラッグストアやコンビニなどから回収している。CDも回収する」
 
「それでキャンペーンもできないんですか?」
「問題を起こした商品の関連イベントはとてもできない」
「曲だけをアピールする訳には?」
「テレビで流す予定だったCMも全て放映中止で違約金が物凄い額らしい。まあうちが払う訳じゃないけどね」
と社長。
 
「それであの曲の歌詞の中に商品名を歌い込んでいたのよね。それもやばいから、その部分だけでも録り直すことになったから。今日それを録音してCDを発売するのも今の所最速で今月27日土曜日という線で考えているの」
 
と制作部長さんが言う。
 
「CF,PVも録り直すんですか?」
 
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「タイアップが吹き飛んでしまったのでCMは流せない。タイアップ先がお金を出してくれるからこそテレビスポットは打つことが出来たから。レコード会社もこの回収騒ぎでかなりの損失を出したのでとてもこれ以上予算が出ないと言っている。うちで出そうとすると最低1億円掛かるし。PVも作ろうとすると数千万掛かるから、それでなくても色々損害が出ているところで、これ以上の出費はさすがにできない」
と社長。
 
今日のデビューイベントであがらないように歌わなきゃ、などと言い合っていたマイとユーは泣きたい気分だった。
 

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同日、△△社。須藤さんは何だかご機嫌な様子で冬子と政子に自作のPVを披露していた。
 
「どう?よくできてるでしょ?」
 
それは先月ふたりが数時間で吹き込んで作った『明るい水/ふたりの愛ランド』の須藤さんお手製のPVである。
 
「フリー素材とフリーの人体動画作成ソフトを使って昨夜1晩掛けて作っちゃったのよ」
 
「なんか可愛いー!」
と政子は気に入った様子だが、冬子はちょっと距離を置きたい気分だった。
 
「でも私と冬は映さないんですか?」
と政子が尋ねる。
 
「だってスタジオで撮影とかしてたら、費用掛かるじゃん。もったいないじゃん。これ全部フリー素材で作ったんだよ。経費はゼロ、素敵でしょ? これ今夜youtubeにアップするからさ。あんたたちのCD売れちゃうかもよ」
と須藤さん。
 
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「わあ、夢の印税生活ですね」
「うんうん。もしこれ1万枚とか売れたら売り上げ1000万だよ。そしたら100万ずつくらいはあんたたちにあげるから」
「すごーい!」
 
津田社長が聞いたら咳き込みそうなアバウトな発言だが、元々須藤さんは算数が苦手なのである。冬子はどこの世界に作詞作曲にも関わっていない新人歌手に22%も歌唱印税を払う事務所がある?などと思っていた。だいたい作詞作曲印税(8%)を払わないといけないことを忘れてないか?? そもそもJASRACにちゃんと届けてるよね?
 
冬子はこの時、このローズ+リリーのプロジェクトも3日後の荒間温泉のステージで終了だから、KARIONに本格復帰しなきゃなどと考えていた。
 
そして冬子と政子はもとより須藤さんにしても、この時期、雨宮三森に「この子は4-5年後にはあんたのライバルになるよ。敵には塩を送りたくない?」などと焚き付けられた売れっ子作曲家・上島雷太が冬子と政子のために『その時』という曲を書き下ろし、★★レコードの加藤課長と、ふたりのメジャーデビューに関する打ち合わせをしていたとは、思いも寄らなかった。
 
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その同じ9月10日の放課後、千里の学校に訪問者があった。
 
千里が呼ばれて出て行くと応接室に校長先生、教頭先生、宇田先生の他に、バスケ部OGで昨冬に東京で合宿+オールジャパン出場した時にサポートしてくれたW大学在学中の田崎さん、そして背広を着た40代くらいの男性が居る。
 
「お初にお目に掛かります。W大学の女子バスケット部監督で中久と申します」
と言って名刺をもらう。
 
「どうもお世話になります」
と言って受け取る。
 
W大学の女子バスケット部は、関女(関東大学女子バスケットボール連盟)の1部に所属している強豪である。田崎さんは冬に会った時は自分は三軍だからなどと言っていたのだが、後輩たちがオールジャパンで大活躍したのを目にしてかなり奮起し、この夏で4年生が引退した後の新チームでとうとう1軍に入ることができたらしい。N高校がもし今年もオールジャパンに出たら本戦で対戦する可能性もある。もっとも千里としてはオールジャパンよりウィンターカップに出たい(北海道の場合はウィンターカップ出場校はオールジャパンの予選には参加しないことになっている)。
 
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「村山さんが東京方面の大学に進学希望ということをお伺いしまして。それなら、もしよかったらうちの大学に来てはくださらないかなと思ってこちらのOGの田崎君と一緒に取り敢えず、ご挨拶に来たのですよ」
と監督さんが言う。
 
スカウトか!
 
「どうかした所だと有望な高校生に栄養費とか何とかいって裏金を渡したりみたいな所もあるみたいですが、うちはそういうのはやっていませんから。でもこのくらいは構いませんよね」
 
などと言って、ソックスのセットを渡される。千里はチラッと宇田先生を見たが頷いているので受け取った。W大学とのロゴとバスケ部のキャラクターだろうか、虎の絵が描かれている。何かの記念に制作したものだろうか。
 
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「ありがとうございます。頂きます。正直ソックスは消耗品なんですよ」
と千里は言う。
 
「私も3〜4回穿いただけでダメになる」
と田崎さんが言うが
 
「すみませーん。私は1日でダメになります」
と千里。
 
「合宿の時とか1日に2〜3足消費してるよね?」
と宇田先生。
 
「そうなんですよ。すぐ穴が開いちゃって」
と千里が言うと
 
「負けたぁ!」
と田崎さんは言っていた。中久監督は頷いていた。
 
とにかくその日は監督さんのお話をいろいろ聞き、パンフレットも随分もらってしまった。監督は千里が来てくれるなら推薦入試で合格させて特待生にしますよなどと言っていた。
 

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千里はこの後、様々な大学の関係者から勧誘を受けることになる。翌11日の放課後には今度は□□大学の監督さんが、やはりN高校バスケ部OGで□□大学の女子バスケ部に入っている人を伴って挨拶に来た。彼女は蒔枝さんたちと同じ学年で千里も顔は知っていたが、話したことはほとんど無かった。この日は校長が不在で千里・宇田先生・教頭先生の3人で話を聞いた。
 
「□□大学は男子バスケ部は国内でもトップクラスなんですが、女子は今は関東大学女子バスケットボール連盟の3部なんですよね。でも過去には1部にいたこともあるんですよ」
と監督さんは説明する。
 
ここは1965年には1部に居たものの、その後2部に降格、1984年以降は3部で低迷している。しかし千里の他にも数人有力選手に声を掛けている所だと言い、きっとまた2部、1部と昇格していけると思うから是非来て欲しいと言っていた。こちらも来てくれるなら推薦入試で合格できるようにするという話であった。こちらは女子バスケ部が実績がないため特待生のような制度はないものの奨学金がもらえるように大学側との交渉を頑張るからと言っていた。
 
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「村山君の□□大学医学部という話は、ある筋から強引に押し込まれてしまったんだけどね。もちろん推薦で受験してもいい。それで条件クリアしたことになるから」
 
と監督たちが帰って行ってから教頭は千里に言った。ああ、やはり薫がチラっと言っていたように次期校長を狙う某先生一派のゴリ押しかなと千里は思った。
 
「推薦で合格したら辞退できないでしょ?」
「まあそうなるね」
「でもスポーツ推薦で医学部に入って医学部を卒業できるもんですかね?」
 
と千里は教頭先生に尋ねた。
 
「まあ卒業はできるかも知れないけど、特にバスケやりながらではたぶん医師の国家試験は無理だと思う」
と教頭先生は答えた。
 
「ですよねー。だったら私はやはり一般入試を受けます。ちょっと辛いけど」
「入学後に転部して文学部とか理学部に行く手もあるよ」
「ああ!」
 
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「でも実際問題として、村山君は本気で勉強したらそのくらい合格できる力もあると僕は思うんだよ。もし失敗してもここでそのくらい勉強したことは、きっと君の人生で大きな財産になると思うよ」
 
教頭先生はどうも千里の□□大学医学部合格はさすがに無理ではと思っているようだ。教頭先生は4人の内3人合格すればと言っていた。たぶん暢子・薫・留実子が指定された大学に通ってくれることを期待しているのだろうけど・・・
 
留実子がH大学に合格できるとは思えないんだよねー。そもそもあの子は大学に入ったら鞠古君と同棲するつもりでいる。札幌には行きたくないはずだ。やはり自分が頑張るしかないかと千里は思った。
 

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千里たちの学校では9月9-10日に期末テストが行われたのだが、翌日9月11日には水泳大会が開かれた。
 
N高校のプールは温水プールではあったのだが、昨年までは屋根が無かった。そのため使用できるのは実際問題として7月下旬から8月中旬くらいまでの短い期間であった。それが今年このプールに屋根と壁を作る工事が行われ、1年中使用できるようになった。その記念に今年は全校で水泳大会をすることになったのである。
 
一応体育の授業でも水泳はやっているのだが、それでも全く泳げない子もいるので、そういう子のために水球も競技種目に入っていた。
 

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2年5組の教室ではひとりだけ別室で着換えて来た(山本先生に相談したら保健室のカーテンの中で着替えさせてくれた)昭ちゃんが、他の女子たちに「おぉ可愛い!」と言われて、また恥ずかしがっていた。
 
「すごーい。ちゃんと女子用スクール水着を持ってるんだ?」
「先輩の川南さんが買ってくれた」
「じゃ、バスケ部の子は昭ちゃんの水着姿、見てたの?」
「うん。見てた。女の子にしか見えないよね」
と聖夜が言う。
 
「うん。これで男の子と思えというのが無理」
と夜梨子も言う。
 
「質問です。おっぱいがあるように見えるのですが」
「パッド入れた」
と昭ちゃんは恥ずかしげに答える。
 
「おちんちんが無いように見えるのですが」
「隠してる」
と昭ちゃん。
 
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「昭ちゃんは女湯にでも入れるんだから、おちんちんはちゃんと隠せるんだよ」
と聖夜が言う。
 
「なるほどー」
 
「だけどパッド入れた状態で泳いで外れない?」
という質問に昭ちゃんは恥ずかしそうに俯いていたが、聖夜たちは「ふふふ」と笑っていた。
 

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一方3年5組の教室では、3年5組・6組の女子が着替えていたが、千里はむろん全然平気な顔で他の子たちと一緒におしゃべりしながら着替えていた。
 
「あ」
とひとりの子が声をあげる。
 
「どうしたの?」
「千里の着替える所を見損ねた」
「別に見るほどのものではないよ」
「うん。ふつうの女の子と何も変わらないもん」
と京子や鮎奈たちは言う。
 
「千里って結局、もう性転換済みなんだっけ?」
「そうでなかったら、女子選手としてインターハイに行ける訳ない」
「あ、そうだよね!」
 
ということで千里の着替えに関してはそのあと完全にスルーされてしまった。
 

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