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■女の子たちの火の用心(3)

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ホテルに入ったのはもう22時すぎである。とりあえず寝る。夜中に目が覚めると空腹を感じたので、コンビニに行っておにぎりでも買おうと外に出る。
 
ホテルの玄関を出たところでバッタリと美空に出会ってしまった。
 
「わっ」
と驚いたあと
 
「おはようございまーす」
と挨拶を交わす。
 
そして
「どうしたの?こんな夜中に」
とお互い言う。
 

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深夜に女子高生2人が路上で立ち話してたら補導されそうなので、取り敢えず近くの深夜営業しているファミレスに入った。
 
「コーラスの仕事してたら、終わったのが終電出た後だったのよ。一応帰りのタクシー代はもらったんだけど、お母ちゃんに電話したらタクシーで帰るなんてもったいない、そちらで泊まりなさいなんて言われるから3000円で泊まれるホテルに入って、お腹空いたなと思って出て来た所」
と美空は言う。
 
本当は高校生は22時までに帰さなければならないはずだが、熱が入ってしまったのだろう。というか千里も高校生なのに雨宮先生には全く時間と関係無く作業させられている!?
 
「こちらはちょっと宮崎に行って来て、とりあえず東京までは戻ってきたんだけど、旭川まで戻る便は無いから、泊まっている」
と千里は超簡易な説明をした。
 
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何だかお互いにハードだねぇなどと言いながら、話は通常のおしゃべりに突入する。千里はハンバーグセット、美空は最初チキンカツセットを取り、その後追加でいろいろオーダーしていたが、千里は気にしないことにした。
 
「そうだ。メテオーナのデビュー日程は決まったの?」
「それが何だかぽろぽろと辞める人が出てて」
「ありゃりゃりゃ」
「デビュー前後にメンバーが変動するのはよくあることだから気にしないでとは言われたけどね」
「ああ、多いよね」
 
「八雲ちゃんは個人都合で辞退って話だったんだけど、陽子ちゃんの話ではどうもタバコ吸ってたの見つかって退学になったっぽい」
「ああ。私立?」
「そうみたい」
「私立は厳しい所多いよね。うちの高校でもタバコで自主退学になった子が居たよ。公立だと謹慎1週間くらいだろうけど」
 
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「ああ。うちの学校でも謹慎くらってる男子が居た。それから笹雨ちゃんは別のプロダクションに引き抜かれてソロデビューすることになっちゃった」
「あれま。仁義なき世界だね」
 
「あそこのプロはこれまでもしばしばよそのプロから人を引き抜いたので揉めたりしてるんだけどね。トリガプスなんかも元々○○プロからデビューする予定だったのをデビュー直前に引き抜いたらしいし」
 
「ああ、あそこのプロか」
「それで今、陽子ちゃん、小風ちゃんと私の3人になったんだけどメインボーカルが居なくなっちゃったんだよ」
 
「ああ、そうか。陽子ちゃんはアルト、小風ちゃんはメゾソプラノって言ってたね」
「千里さん、そういうのよく覚えてるね」
 
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「演奏した楽器の品番を覚えてる美空ちゃんほどじゃない」
「うーん。あれは何となく写真的に記憶してるんだよね」
「天才だね」
「うん。私天才だと思う」
 
いい反応だなと千里は思った。自分を天才だと堂々と言える子はそれだけでスターになる条件をひとつ満たしている。
 
「そしたら追加メンバーを誰か入れるの?」
「うん。私たちとは別にデュオでデビューさせようかと思っていた2人をこちらに引き込めないか検討中らしい」
 
「へー」
「そのふたりも物凄くうまいらしい。詳細は聞いてないんだけどね」
「ふーん」
「どちらもソプラノだけど物凄く音域が広いんだって。陽子ちゃんは偶然ふたりが歌っている所を聴いたけど、日本のトップレベルじゃないかと思ったほどだったらしい」
 
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「凄いね。でも陽子ちゃんとは結構話すんだ?」
「うん。陽子ちゃん、小さい頃北海道に住んでたから話が合うんだよね。それに母親が違うお姉さんがいるというし。私は父親が違う妹がいるから」
 
「なんか複雑だね。小風ちゃんの方とは話するの?」
「まだ1度しか会ってないけど、とっつきにくい感じなんだよね。同い年とは思えないほど大人びた雰囲気だったし」
「ふむふむ」
 

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美空とはあまり遅くなってもいけないしというので2時半頃で切り上げて各々のホテルに戻った(レストランの会計は別精算にした。美空は恐らくもらったタクシー代分くらい食べたと思う)。
 
翌日曜日は、ホテルを朝早くチェックアウトしてから東京駅に行き、東海道新幹線に乗り込んだ。
 
ぼんやりと窓の外の風景を眺めているうちに心は開放状態になっていく。元々千里は受信的な感性が発達しているが、こういうことをしているとますますその感度が上がる。
 
時々ふとモチーフが浮かぶので書き留める。特に浜名湖ではかなり良い雰囲気のメロディーが浮かんだ。
 
もっともこういう時は、バスケの作戦が唐突に浮かんだり、小説の断片のようなものが浮かんだりもする。数式や化学式が突然浮かんでくることもある。歴史の年号の語呂合わせを思いつくこともある。要するに何でも「受信」してしまうのである。
 
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その「受信」しているものがどこから来ているのかは、千里には分からない。
 

名古屋で降りて地下街で和食の店に入った。
 
「何に致しましょう?」
「何かお勧めのものってありますか?」
「名古屋の名物、ひつまぶしはいかがですか?」
「それ、どんなのですか?」
 
「御飯にウナギを乗っけたものなんですけどね」
「へー」
「1杯目はそのまま食べて、2杯目は薬味を載せて食べて、3杯目は更にお茶漬けにして食べると、1度で3倍美味しいと言われています」
 
「何か面白そう。じゃそれで」
「並にします? 大にします? 特大にします?」
「並でいいです!」
 
それで頼んでみる。うなぎの乗った御飯は、おひつに入って出てくるので、自分で茶碗に盛って食べる。
 
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美味しい!
 
千里は言われた通り、1杯目はそのまま、2杯目は薬味を載せて、3杯目はお茶漬けにした。ちょっと庶民的な食べ方だな、いいな、一種のB級グルメかな、などと思ったのだが、ふと伝票を手に取るとギョッとした。
 
うなぎだもんね〜!高いよね!
 
一瞬後悔したが、食費・お茶代も、曲を書いたりまとめるのに使った分は費用で落としていいと雨宮先生言ってたし、請求に乗せちゃおうと思った。
 

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のんびりと食べていたので、1時間くらい掛かった。その間にもまた思いついたモチーフを書き留めていく。ここで思いついたメロディーが浜名湖で思いついたメロディーとセットな気がした。ひょっとして今食べたうなぎ、浜名湖産だったりして、と思ってお店の人に聞いたら「はい、浜名湖産でございます」と言われた。うなぎが泳いでいる所と、蒲焼きになって食卓に乗っている所でセットのメロディーができたというのはちょっと面白い。
 
お会計して出てから、名古屋駅構内で、おみやげにウイロウを買い、ミュースカイに乗ってセントレア空港に入った。
 
12:50の旭川空港行きに乗る。機内でも千里はひたすら受信モードの状態で時々思いついたものを書き留めていた。空港バスで旭川駅に出てから更に路線バスに乗り継いで帰宅した(空港からタクシーで直接帰宅してもその分の交通費はもらえるのだが貧乏性なのである)。
 
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「ただいまぁ、これお土産」
と言って千里がウイロウを出すと
 
「あら?宮崎のウイロウ?」
と美輪子が訊く。
 
「いや、名古屋で買ったウイロウだけど、宮崎にもウイロウがあるんだっけ?」
「うん。あんた宮崎に行くとか言ってなかった?」
「行ったよ。その後、東京で少し作業して、最後名古屋から飛行機で帰ってきた」
「ややこしいね」
 
「なんかJALもANAもマイルが溜まる溜まる」
「交通費は出してもらってるんだよね?」
「もちろん。それでないとやってられないよ。でも宮崎にもウイロウがあるとは知らなかった」
 
「山口とか名古屋とかが有名だけどね。それぞれ材料や製法が違うんだよ」
「面白いね」
 

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千里は家で一休みすると、ちょっと汗流してくると言ってジャージを着て近くの公園に行き、軽く6kmほど走った。途中何度かまたモチーフが浮かんだのでウェストポーチに入れた筆記具で書き留めた。
 
その後、SPAに行って入浴し英国式ボディケアのお店に行って全身マッサージをしてもらったが、その最中にも思いついたモチーフをマッサージを中断して書き留めさせてもらった。
 
しかし・・・・
 
取り散らかっているなと我ながら思う。強引に曲として組み立てられないこともないのだが、今ひとつ気分が乗らないのである。
 
悩んでも仕方無いので、その日は遅くならない内に帰宅してぐっすり寝た。
 

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月曜日出て行くと、鮎奈と京子が何か話している。
 
「どうしたの?」
「この週末も放火が相次いだんだよ」
「えー!?」
「金曜日の晩にはスポーツセンターの旧テニス用具室、実際はゴミ置き場と化していたらしいけど。土曜日はE女子高の守衛室、昨夜は東旭川にあった廃ビル」
 
「学校関係は厳重警戒してたんじゃないの?特に女子高なんて」
「それが守衛室は校門の所のがやられたんだって。敷地の中に入らなくても、発火装置を仕掛けることは可能かも知れないと警察の分析らしい」
 
「犯人、かなり調子に乗ってるな」
「千里の霊感で犯人分からない?」
「え?私、霊感無いし」
「ん?」
 
鮎奈と京子が一瞬顔を見合わせた。
 
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「でも道警も、犯人は女じゃないかという線で捜査しているみたい」
「やはり女なの?」
「男の娘かも知れないけど」
 
「スポーツセンターの旧テニス用具室の隣に女子トイレがある。あそこ男子トイレと女子トイレが離れた場所にあるでしょ?」
 
「あぁ・・・」
「L女子高・E女子高と、女子高がやられているのもひとつ。逆に男子校のT高校・B高校は無事。偶然かも知れないけど。それにこないだ放火された旧**デパートの付近でセーラー服の女の子を見たという証言があって、E女子高でも土曜日に見慣れないセーラー服の女の子がいたのを見たという生徒が数人居るらしい。知らないセーラー服だったって。学校見学に来たどこかの中学生かも知れないけど」
 
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「じゃ、犯人は女子中生?」
「高校生でセーラー服の所は限られているからね。警察が目撃者に旭川・深川周辺の高校中学のセーラー服の写真見せたらしいけど、その中にはそれっぽいものは無かったらしい」
 
その時、千里はふと薫が着ていたセーラー服のことを思い出した。
 
あんなフォルムのセーラー服は確かに道内では見たことない。
 
でも、まさかね・・・。
 

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その日からもう薫はN高校の女子制服を着て来ていた。昨日の夕方、特急で作ってもらったのを受け取ったらしい。
 
着替えは学校からは、個室(物置と化していた地学準備室を大掃除して空けてくれた)で着替えるように言われていたものの、体育の時間にしても部活にしても、他の女子から「薫ちゃんなら女子更衣室に来ても構わないよ」と言われて連れ込まれ、そこで着替えていた。みんなから注目されるので、ちょっと恥ずかしかったようだが、女子更衣室を使うということで、自分のアイディティティを追認できるみたいで嬉しいと本人は千里たちに言っていた。
 
なお昭ちゃんは部活の時は、当然の如く女子更衣室に連れ込まれていた。特にこの時期は昭ちゃんは薫ともども女子と一緒に練習しているので、自然な流れでそちらに行ってしまうのである。
 
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「昭ちゃん、女子下着を着てるんだね?」
と薫が言う。
 
「もうハマってしまったみたい。最近女の子下着ばかりです」
「お母さん何か言わない?」
「ふーん。お前こういうの着るの? と言われたけど、やめろとかは言われないです」
「取り敢えず黙認状態か」
 
「でも昭ちゃん、おちんちんが付いてないみたいに見える」
「隠し方があるんです。タックと言って」
 
薫の場合はどうしても膨らんでしまうのを下向きにしてガードルで押さえ込んでいる。それでもガードルに下向きにした反動の微かな膨らみが認められるので、下着姿を見ると(千里のようにこういうのを見慣れている人には)付いているのが分かるが、その上に体操服のハーフパンツやバスケパンツなどを履くと、上から触っても付いているようには感じない。
 
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薫は部活の後で汗を掻いたショーツ・ガードルの交換は制服に着替えた後で、スカートを穿いたまましているようである(昭ちゃんは恥ずかしがってトイレで交換しているもよう)。
 
「ああ。タックしてるのか。あれ自分でもやってみたけど、うまくいかなかった。やり方の要領とか教えてくれない?」
「ボクもまだうまくできないんですよー。千里さんから習って下さい」
 
「ああ。千里ちゃんが昭ちゃんに教えてあげたのか?」
「じゃ今度ゆっくり教えてあげるよ」
と千里は言っておいた。
 

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女の子たちの火の用心(3)

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