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■女の子たちの事故注意(4)

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ほんとに厳密な検査をされた上で
 
「お手数お掛けしました」
と言われて解放してもらった。
 
そしてこの千里の検査が終わるまで飛行機は離陸せずに待機していたらしい!きゃー、ごめんなさい。でも毛利が悪いんだ!と千里は思った。(後で報道で知ったのでは、同じ飛行機に某国副首相が乗っていたので特に厳重チェックになったようであった)
 
それで何とか空港を出て京急に飛び乗り、雨宮先生のいるスタジオに行く。
 
「けっこう時間が掛かったわね」
「大変でした!」
 
と言って一部始終を話すと、雨宮先生は大笑いしていた。でも笑いごとじゃないよう!!
 
「手荷物預けていたので話が複雑になったみたいね」
「忘れ物とかを取りにいったんロビーに戻って、結局本人が搭乗するのであれば、あまり大きな問題はないらしいです。再度保安検査通らないといけないですが」
 
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「毛利は罰金2000万円だな」
「そんなにあの人持ってます?」
「いや。もらった作曲料は全部飲み代になっているっぽい。毛利には何度家賃の滞納とかのを前貸ししたか分からん。無賃労働5年くらいで返済してもらおう」
「ああ、そのくらいやらせていいですよ」
 
それで千里は雨宮先生から、毛利さんが作曲する予定になっていた歌詞をもらい、近くの都区内のファミレスに移動して曲作りをすることにする。さっきロイヤルに行ったから別の所がいいかななどと言っていたら
 
「ファミレス行くならここがいいよ」
と雨宮先生が言う。それで行ったのが、アンナミラーズの赤坂山王店である。(この店は2008年8月に閉店した)
 
入ってウェイトレスさんの服装を見て可愛い!と思ってしまった。なるほどー。こういうのが雨宮先生の好みなわけか、と千里は思い、長居しても迷惑にならないように奥の壁際の席に座り、サンドイッチとチキンに飲み物を頼んで、取り敢えず、お冷やを飲みながら心をアルファにする。
 
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しばらく考えていた時、ある考えが浮かぶ。
 
千里はウェイトレスさんにちょっと断り、店の外に出て雨宮先生に電話した。
 
「曲名を変更して、歌詞も独自のを書いちゃいけませんよね?」
「それで良いのができるのなら構わない。どうせ発売前に予定で発表していたのと曲名や歌手が違っているのは日常茶飯事」
 
「歌手が変わることもあるんですか?」
「あるよ。プロジェクトが進行していて、歌手が降りちゃって発売直前に歌う人を差し替えるなんての。あるいは曲名と芸名まで決まっていて、その芸名で歌う人を誰にするかで直前までコロコロ話が変わるとか。性別が変わったこともある。男の歌手の予定で進んでいたのが女の歌手に変えられたことがあった」
 
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「それ本人の性別を変更したんじゃないですよね?」
「うん。別人に差し替え。念のため性転換したらこのまま行ってもいいけどと言ったら、さすがにデビューのためにチンコ捨てられませんと言って諦めてくれた」
「人によっては喜んで性転換する人もありそうですけど」
「それで売れたらそれでもいいけどね」
 
「しかし歌手も作曲家も部品なんですね」
「芸能界はそういう世界だよ。私なんかもいつ切られるか分からないけど優秀な部品であり続ければ、使ってくれる人もあるかなと思って頑張っている」
と言ってから雨宮先生は少し言葉を切った。
 
「千里、大事なことはさ」
「はい」
 
「絶対に品質を落とさないこと。これが悪ければ切られるよ」
 
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千里は少し沈黙してから返事した。
 
「私、この世界に入り込むつもりはありませんけど、どなたかのお役に立てるなら頑張っていきたいです」
 
「うん、それでいい」
 
それで新しい曲名『パック・プレイ』というのを伝えて、とにかくそれで書いてみなさいということ、メロディーと1番の歌詞だけでもできた所で連絡してということを指示された。
 

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席に戻るとすぐ料理を持って来てくれた。おしぼりも渡されるので、ありがとうございますと笑顔で言った。
 
そして曲と詩を同時進行で書き出す。
 
千里自身が今羽田でちょっとした騒動を起こしてしまったことをモチーフにしているが、言葉の上だけで見るとアイドル歌謡っぽい、片想いの恋をする少女の「冒険」を歌った歌である。パックはむろんシェイクスピアの『夏の夜の夢』に出てくる悪戯者の妖精である。
 
冒険の歌らしく弾むような元気な音符を並べていく。この段階ではメロディーだけを書いているのだが、ディストーション・ギター、ロックオルガンなどといったMIDIではおなじみの楽器名も記入していく。このメロディーはこの音で活きる、という感触があるのである。
 
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集中して書いていたので、時間感覚が滅却してしまっていたが、だいたい書きあげてふと時計を見ると11時半であった。
 
千里は食べ残したチキンをお店の人が見てない間にいつも持ち歩いているビニール袋にさっと入れ、スポーツバッグにしまって会計をして店を出た。そして店外で雨宮先生に電話をして、1番とサビを歌ってみせた。
 
「それ、こんな下手くそな子たちに歌わせるのもったいないけどな」
「どこか他に回しますか?」
「うん。いいよ。良い曲を渡すことで恩を売っておけるから。じゃそれを完成させて」
 
「そちらのスタジオに行って完成させていいですか?」
「OKOK。個室ひとつ確保しておくからそこでやって」
「ありがとうございます」
 
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それで雨宮先生のおられるスタジオに移動し、雨宮先生が作業しているのとは別の部屋に案内してもらって、そこで直接DAWのシステムに入力しながら曲をまとめて行った。
 
この時間、AYAの3人は既に千里が朝までに書いた『恋する想い』の練習を始めているはずだ。録音現場にはロイヤル高島さんご本人が行って指示をしているという話であった。
 
しかし雨宮先生と関わり始めた頃「こんなバタバタと曲作りすることはめったにない」なんて言われたのに、実際問題として、こういう無茶なスケジュールでの作曲いったい何度やったのだろう? 修学旅行の時も2時間で作曲したし、大西典香のデビュー曲も無茶苦茶だったし、インターハイの最中にも40分で作ってなんて言われたし。
 
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まあ楽しいけどね!
 
でも私、こんなに色々作曲するのなら少し楽典とか勉強しなきゃだめだよな。あとで麻里愛に少し聞いてみよう、と千里は思った。
 

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夢中になって作業し、楽譜を入力していく段階で和音の勘違いなどに気付いて少しメロディーの修正などもした。それでだいたいできた所で雨宮先生に連絡したら、こちらの部屋に来て下さった。
 
「すっごくいい感じ。タイトル曲にしたいくらいだよ。北原の出来が悪かったらこちらをタイトル曲にしちゃおうかな」
などと先生はおっしゃっている。
 
「でもありがとう。本当に助かったよ」
「いえ。大変な時はお互い様ですよ」
「これこちらで勝手にいろいろ修正してもいいよね」
 
「はい、ご自由に。ところで先生。先日今月中に書いてと言われて渡された3曲なんですけど」
「ああ、さすがに今日2曲書いたら、今月中にあと3曲は無理よね」
「少し待って頂けると助かるのですが」
「じゃ9月9日まで待ってあげるよ」
「済みません。うち9月10-11日が期末テストなので」
「変な時期に期末試験があるね」
「うちは前後期制なので。10月5日が終業式なんです」
「10月5日が終業式なら始業式は11月24日くらい?」
「いえ。10月9日です」
「休みが短いね」
「その休みの間にバスケの秋季大会がありますし」
「あんた忙しいね。じゃ期末試験が11日に終わるならその翌日の12日。おまけで13日の朝まで延期してあげるよ」
 
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鬼〜!
 
と千里は思ったがにこやかに
「ありがとうございます。助かります」
と御礼を言っておく。
 
「今夜はどうするの?」
「帰ってもいいですか?」
「帰れる?」
「ちょっと便を調べてみよう」
 
それで千里は携帯の「乗り換え案内」を使って時刻表を調べてみたのだが・・・
 
「帰れないことが分かりました」
と千里は答えた。もう旭川行きは終わっている。新千歳行きならまだあるのだが千歳から旭川までの交通手段が残っていない。
 
「じゃ泊まりだね」
「明日の朝帰ります」
「うん。じゃゆっくり休んで」
「では失礼します」
 
ということで雨宮先生の助手(?)の橘さんという女性がホテルを手配してくれたので、そちらに入って休むことにした。
 
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晩御飯も食べずに朝までひたすら寝た。
 
起きてから雨宮先生に電話したら、どうも雨宮先生は結局昨夜も眠らずに作業を続けていたようであった。
 
「先生大丈夫ですか?」
「あんたがセックスさせてくれたら回復する」
「自分で処理してください」
「さすがにこんなに疲れていると自分でやる気にはならない。タマタマがあった頃は勝手に立ってしまうからトイレで抜いてきたりしてたんだけど」
 
「先生、いっそおちんちんも取っちゃいますか?」
「取りたい気分になる時もあるけど、おちんちんってあると便利なのよ」
「なんか似たセリフをFTMの友人が言ってました」
「その子はおちんちん付けたの?」
「付けてないです。おちんちん欲しいみたいですけどね」
 
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作曲の進行状況を尋ねると、雨宮先生ご自身の担当したものはあの後アレンジャーにスコアを作らせてから、またご自身で少し修正したらしい。新島さんも一応昨日の午前中までにできて、そのあとアレンジャーに回してスコアを作ってもらっている所ということである。
 
「で北原さんは?」
「昨夜いったん送って来たけどNGを出した。再検討中」
「大変ですね。毛利さんは?」
「てっきり逮捕されたかと思ったら帰宅したんだって」
「あれ?そうだったんですか?」
「でも車は運転できないから代行業者呼んで、大変だったみたい」
「大変でも自業自得だと思いますが」
 
「後日出頭して処分受けないといけない」
「ああ」
「最短で講習受けた上で45日間の免停」
 
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0.25%未満の酒気帯び運転は以前は点数6点・免停30日(講習を受けると最短1日)だったのが、この年の6月から点数13点・免停90日(講習で最短45日)に改訂された。
 
「3年くらい飲酒禁止にしましょう」
「あんた厳しいね。私は1年間飲酒禁止と言ったのに」
「あはは」
「どっちみち謹慎半年。その間作曲やスカウトもさせないし、社会奉仕活動。取り敢えず新島に頼んで、毛利の家から料理酒やみりんまで含めてアルコールを含むものを全部回収させた」
 
「そのくらいは当然ですね。でも生活費大丈夫ですか?」
「それなのよ。生活費貸してくださいと言われた」
「困ったものですね」
「全く。普通の企業なら懲戒免職だよと言っておいた」
「でも貸してあげたんでしょ?。きっと罰金で払わないといけないお金も含めて」
「私優しすぎるのかなあ」
「いえ、先生はいい人です」
「お世辞言っても何も出ないからね」
「先生がお世辞嫌いなのも知ってますよ」
 
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