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■女子大生たちの縁結び(7)

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それで貴司は千里が寝ているソファに背中をもたれて、ズボンを下げ、パンツも下げて、自分のをいじり始めたようである。振動がこちらにも伝わってくる。もう。せめて振動が伝わらない場所でやって欲しいな。こちらまで欲情しちゃうじゃん。
 
貴司はしばらくやっていたが、どうも逝けないようだ。
 
「千里、寝た?」
「どうしたの?」
「なぜか逝けない」
「最近オナニーしてないの?」
「実は彼女とのセックス失敗した後、1度もしてない。正確にはこないだ一度しようとした時もできなくて。その時は疲れてるからかなと思ったんだけど。今夜もうまく行かない。何だか八割くらいまで来てるのに残り20%がどうしても満ちてくれないんだよ」
 
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「ああ、それは精神的な問題だろうね。自分の男性機能に不安を持っちゃったんだよ。よくいるんだよね〜。初夜に失敗したあとEDになっちゃう男の人って」
 
「どうしよう?」
「男性機能使えないんなら、もうそれ放棄して手術受けて女性機能を使えるようにしてもらったら?」
「いやだ〜!」
 
「もう、仕方無いな。私の左手だけ貸してあげるから、そこでやってごらんよ」
「えーー!?」
「私の身体は彼氏専用だし、私と結合したら貴司も浮気になっちゃうでしょ?」
「分かった」
 

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「一緒に寝てやっていい?」
「狭いよ、このソファ」
「ベッドに行く?」
「それは彼女に悪い」
 
そんなことを言いつつ、貴司は避妊具を付けると、千里の毛布の中に入って来た。千里は身体の左側を下にして横向きになり、左手を軽く握って貴司の下腹部に持って行ってあげた。
 
「入れていい」
「左手にならね。私の本体に入れようとしたら、包丁持って来て切断するから」
「怖いなあ」
 
それで貴司は千里の左手の中に入れてきた。あぁあ、結局Hなことをすることになるのか。まあいいけどね。今夜は私が結構唆してしまった面もあったし。貴司の恋人に嫉妬しないと言ったら嘘になるもん。もういっそ、彼女との仲、壊して略奪しちゃおうかな。
 
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などと思っていたら、うしろで《こうちゃん》がワクワクしたような顔をしている。『勝手な親切はしないように』と釘をさしておく。
 
「けっこう気持ちいい」
「高校時代もおてての中は結構やったよね」
「うん。千里、彼氏と手でする?」
「まだそこまではしないな。今は私の中で出すので精一杯みたい」
「でも悔しいなあ。他の男が千里としてるなんて」
「貴司だって彼女とたくさんすればいいんだよ」
「それができたらいいんだけど」
 

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そんなことを言いながらも、貴司は千里の手をヴァギナに見立ててピストンをしていたが、2−3分で逝ってしまった。
 
「やった!逝けた!」
「良かったね」
「ちょっとだけ自信回復できたかも」
「これでおちんちん切って女の子にならなくても済むね」
「それしたくなーい」
 
「ね、そばで寝ていい?」
と貴司が訊く。
 
「いいよ。そのあたりは友情の範疇で」
「うん」
 
それで貴司は避妊具の始末をした上で、千里を抱きしめ、そのまま眠ってしまった。ちょっとぉ。抱いていいなんて言わなかったのに、とは思ったものの、貴司の寝顔を見て微笑む。何だか幸せそうな顔をしている。もし私が好きなのなら、恋人とか作らずに私を口説いてよね。
 
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そう思いながら千里は貴司が眠っているのをいいことに唇に軽くキスをすると自分も眠った。
 

結局千里は朝まで貴司のマンションで眠ってしまった。起きたら朝6時である。貴司がまだスヤスヤ寝ている感じなので、取り敢えずお米を研いで炊飯器に移しスイッチを入れた上で、冷蔵庫の中などを覗いて、食材をチェックする。でもさすが男の子のひとり暮らしだけあって、まともなものが全然無い。
 
「お味噌も無いというのは困ったもんだ」
 
と千里は独り言を言うと、部屋の鍵を勝手に借りてマンションの外に出た。コンビニに行って、タマネギとジャガイモにシーチキン、カレールーを買う。部屋に戻って、シーチキンカレーを作り始めた。
 
御飯が炊きあがる頃にカレーは出来上がる。
 
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「あれ?なんかいい匂いだ」
と言って貴司が起きてくる。
 
「おはよう。御飯勝手に炊いたよ。食材が無かったから、コンビニに行って適当な材料買って来て、シーチキンカレー」
「凄い!朝からカレーが食べられるとは?」
「朝からは入らない?」
「食べる!」
 
それで千里がカレーを盛りつけると、貴司は美味しい、美味しいと言って食べている。ああ、ほんとに貴司の奥さんになりたいなという気分になってしまう。千里は少食なので(実はまだ食事制限中)、少なめに盛った1杯だけ食べたが、貴司は5杯も食べて、カレーも御飯も、ほぼ無くなった。
 
「あれ?でも千里、コンビニに行って来たの?」
「うん」
「でもオートロックなのに」
「ごめーん。鍵を勝手に借りた」
「でもマンションのエントランス入る時に暗証番号が要るのに」
「貴司のことだからきっと9133じゃないかと思ったから」
「うっ」
 
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千里は1991年3月3日生である。
 
「貴司、キャッシュカードの暗証番号も9133にしてたしね」
「あはは」
 
「まあ、入れなかったら貴司を呼び出して開けてもらうつもりだったけどね」
「そのあたりの最悪の場合をきちんと考えているのが、やはり千里って理系思考なのかもね」
「私、よく理系らしくないって言われるんだけどな」
 

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「よし。御飯も食べたし、私、帰るね」
と言って千里は立ち上がる。
 
「うん。ありがとう」
「また来るよ」
「うん。来て。僕も千里のアパートに行くかも」
「いつでもどうぞ」
 
「じゃ送って行こうか?」
「大丈夫。ここから駐車場まで歩いていけるから」
 
「あ、千里、ガソリン代と駐車場代あげるよ」
「要らない、要らない。今日は元々従姉の結婚式に来たんだから。そちらから交通費はもらったよ」
 
「あ、そうか。そうだったんだ」
と言ってから貴司は思い出したように言う。
 
「そうだ、先週もらった、僕の誕生日のプレゼントだけどさ」
「うん」
「あれ、切手とか、宅急便の伝票とかもついてなかったんだけど」
「ああ。直接、ここの郵便受けに放り込んだから」
「千里、あれ持って来たんだ!」
「まあ、ドライブのついでだよ」
 
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「来たんなら声掛けてくれたらいいのに」
「掛けられないよぉ。彼女が居たら悪いじゃん」
「うーん・・・」
 
「まあ貴司が30歳になっても独身だったら、結婚してあげてもいいから、それまでは頑張って恋愛しなよ」
「30歳・・・・」
「その間に3−4回結婚してもいいよ」
「そんなに結婚する自信は無い!」
 
「もっとも、その時、私が結婚してたらごめんねー」
と千里は言う。
 
「10年先、僕たちどういう関係になってるんだろうね」
と貴司は自問するように言った。
 
「たぶん友だちだと思うよ」
と千里は笑顔で言った。
 
「今、千里に物凄くキスしたいんだけど」
「女にとってね。自分の恋人が他の女とセックスするより、その女とキスしたという方がショックは強いんだよ」
「・・・・・」
「キスは恋人同士だけ」
 
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と言って千里が手を出すので、貴司はその手を両手で握って握手した。
 

「避妊具のゴミ、私が捨てておこうか? 彼女に見られたらやばいでしょ?」
「あ、大丈夫。見えないようにして捨てるから」
「お風呂場はチェックして長い髪とかが残らないように掃除しといた」
「なんて親切な!」
 
「じゃね」
と言って千里は着替えのボストンバッグ、引き出物、ヴァイオリンケースを持って出ようとしたのだが、
 
「それ荷物多い。僕が持つよ」
と言って貴司は引き出物の袋を持ってくれた。
 
「これ重い!」
「結婚式の引き出物ってなんでこんなに重いんだろうね」
「何が入ってるんだろう?」
「さあ」
 
そんなことを言いながら、ふたりでマンションを出て駐車場まで行った。ここは1日2000円maxで2日目に入っているので精算には4000円が必要だ。千里が財布を出して精算しようとしたら、
 
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「これは僕に出させて」
と言って貴司は駐車場代を精算してくれた。
 
「ありがとう」
「千里、その財布使ってくれてるんだ」
「だって貴司が買ってくれた財布だもん」
 
また2人は見つめ合ってしまったが、
「あ、ゆっくりしてたら出られなくなる」
と千里が言って、ふたりで車の所まで行く。精算してから5分以内に出なければならないことになっている。
 
引き出物とヴァイオリンケースにボストンバッグを荷室に入れ、千里が運転席のドアを開ける。またふたりは見つめ合う。
 
「ね、もう少し話したい」と貴司。
「じゃ、車に乗る?」と千里。
「うん」
 

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それで千里が運転席、貴司が助手席に乗って、千里のインプレッサは発進した。
 
「今日は練習あるの?」
「うん。13時から練習試合があるんだよ。だから結婚式を金曜日にした」
「新郎はまさか出ないよね」
「さすがにお休みだよ」
「試合はどこで?」
「京田辺市なんだけど」
「だったら送って行くから、試合に必要な用具を取っておいでよ」
「あ、そうしようかな」
 
ということで、千里は車をいったんマンションの前に駐める。貴司が降りてユニフォームやシューズなどを持って来た。
 
「お待たせ」
 
車は再度発進する。
 
「できるだけ近い所に居た方がいいよね」
と言って、千里は車を石清水八幡に向けた。
 
「お参りして行こうよ。戦勝祈願」
「そうだね」
 
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駐車場に車を駐めて、徒歩で境内に入っていく。お山に登るケーブルカーはあるが、無論そちらには行かない。まともな参道の方に行く。
 
「ここ初めて来た」
と貴司が言う。
「私も初めて〜。あ、高良神社だよ」
「例の徒然草に出て来た所だっけ」
 
「そうそう。ここにお参りしただけで、山の上まで登らずにそのまま帰っちゃったという話ね」
「でも知らないと人ってそういうものだよ」
「熊野の那智大社にお参りに行って、飛瀧神社にお参りしただけで帰っちゃう人もいる」
「現代の仁和寺の法師だな」
 
少し歩くと広い空間があり、向こうに参道の入口の鳥居がある。
 
「あ、こんにちは」
と千里。
「ん?」
と貴司があたりを見回す。
 
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「あの鳥居の所の狛犬さんがこちらを笑顔で見たんだよ。だから挨拶した」
「へー!」
「ここは優しい神社だ」
「ふーん」
 

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しかし貴司は5分も歩かないうちに言う。
「ここは厳しい神社だ」
「ああ、歩くのはなかなか大変」
「千里は平気?」
「歩くことはさすがにたくさん鍛えたから」
「千里、足触っていい?」
「うん」
 
貴司が千里の足に触る。
 
「余計なお肉が無い。この足は全部筋肉」
「うん。だから私はもう可愛い女の子の貴司の恋人ではないんだよ」
「千里は可愛いよ」
「そういうことは彼女に言いなよ」
 
「でも千里、高2の頃よりむしろ筋肉が発達してる。練習欠かしてない」
「でも5ヶ月ほど練習してなかったんだよ」
「じゃ、やはりあの試合の頃の筋肉とか凄かったんだ?」
「ふふ」
 

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長い上り坂を登って行き、やがて総門をくぐって、本社の境内に入る。お参りしたあとで、休憩所に入り、甘いものを食べながら、またお話する。
 
「千里、やはりバスケ続けなよ。どんな形ででもいいからさ」
「実は半年やってなかったのでなんか抑えられなくなって、こないだからひとりで体育館に行ってドリブルしたりシュートしたりしてた」
「その成果が昨日のシュートか」
 
「まだ1割も戻って来てない感覚なんだけどね」
「大学のバスケ部に入ったらたぶん十割戻る」
「そこまでやる時間は無いんだよね。私、バイトもしないといけないし」
「奨学金だけではなんとかならない? 僕今少し余裕あるし、生活費くらいなら千里に送金してもいいよ」
「愛人契約?」
「違うよぉ」
「でも貴司となら割り切って愛人契約してもいいよ」
「・・・・・」
 
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「ちょっとマジにならないでよ。冗談なんだから」
 
と千里が言うと、貴司は何だかがっかりしたような顔をしている。もう!自分に恋人が居ることを忘れないでよね。
 
「でも今回は私何とか自制したけど、いつも自制できるとは限らないからね」
「それは僕も同じだな」
 
千里は急に寂しそうな顔をして言った。
「私たち、会わない方がいいのかなぁ」
 
すると貴司は即座に言った。
「いや。僕は会いたい」
 
「会いたいというよりセックスしたいんだったりして」
「それは自制するよ」
「私、暴走して貴司の恋路を邪魔する場合もあるかもよ」
「それはお互い様だな。僕も千里の恋路を邪魔するかも知れないよ」
 

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女子大生たちの縁結び(7)

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