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■桜色の日々・中学3年編(4)

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浴室の外には男の子3人。下着姿を晒す訳にはいかない。仕方ないので私はそこにあったセーラー服とスカートを身につけた。
 
外に出ていくと、森田君が申し訳無さそうに言う。
 
「吉岡、ごめん。さっき、福沢さん(環)が来て、止めたんだけど、吉岡が男子制服を着るなんて許せんといって。吉岡の荷物を勝手にあさって『なーんだ、ちゃんと女子制服も持ってきてるじゃん』といって、それを脱衣場に置いて、学生服は回収していっちゃったよ」「また環か!」
 
「でも、吉岡さん、学生服あまり似合わないもん。セーラー服の方が似合ってる」
などと森田君は言っている。うーん。。。。
 
環が持って行ったのなら、修学旅行が終わるまで学生服を返してくれるとは思えない。いや、環のことだから、学生服を宅急便で送り返したりしているかも!ということで、私は潔く諦めて、しばしセーラー服姿で窓際で涼み、旅先のパンフレットなどを眺めていた。
 
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荻野君が寄ってきた。
 
「吉岡さん、なんか凄く色っぽいね」
「そう?」
「今、狼の小屋に羊が1匹入ってるみたいな状態だよ」
「えー? でも私、女の子の機能は無いし」
「無くても構わないって、みんな思ってるよ。もっとも今部屋にいるのはおとなしい狼ばかりだから、吉岡さんを襲ったりはしないだろうけどね」「あはは、襲いようがないと思うけどなあ・・・・ね、荻野君、ちょっとベランダに出ない?」「ん?いいけど」
 
私は森田君と伊藤君の視線が来ているのを意識しながら、ガラス戸を開けて荻野君とふたりでベランダに出、そして戸を閉めた。
 
「これ、友だちでは令子とカオリにだけは言ったんだけど、荻野君にも言っておいた方がいいかなと思って」「T君との交際のこと?」
「あ、えっと。それは別に秘密じゃないな。あ、そうかT君にも知られてしまったんだった。詳しくは話してないけど。でもT君とは1学期いっぱいで別れるよ」 
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「ふーん。で、何かあったの?」
「私ね・・・・もう男の子じゃなくなっちゃったの」
「もしかして性転換手術しちゃった?」
 
「あ、それはまだ。私の年齢でそれやっちゃうと、また18〜19歳頃に調整が必要になっちゃうんだって。でも、私、睾丸取っちゃった」「それって、春休み?」
「分かっちゃってたんだ・・・・」
「吉岡さん、新学期から、物凄く女っぽくなってたもん。もしかして女の子になる手術しちゃったのかな、とか勝手に想像してた」 
「私の睾丸、小学3年生の頃に機能停止しちゃったのよね。5年以上経過して、このまま放置しておくと癌とかになりやすいから取った方がいいとお医者さんに言われたの」「じゃ、吉岡さんは小学3年生の時にもう女の子になってたんだよ」
「あ、そうかも知れないなあ。手術するのにお母さんに話して同意書にサインしてもらって。でもお母さんが何も言わずにサインしてくれたので、よけい涙が出ちゃった。私、お母さん説得するのに凄く大変だろうなと思ってたのに」 
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「お母さんはずっと吉岡さん見てるから、気持ちもよく分かってたんだよ」
「そうかもね。私って親不孝だなあと思う」
「そんなことないよ。子供は作れなくなっちゃうだろうけど、孫を作ることだけが親孝行じゃないよ」「うん、そう考える。何ができるのか自分なりに考えて行こうかな」
 
「吉岡さん、上のきょうだい2人とも男の子だしさ。女の子がひとりいると、特にお母さんとしては色々と楽しみもあると思うよ。お父さんとお母さんの娘として、自分の存在をしっかり考えてみようよ」「そうだね。私、娘なんだよね」
 
「可愛い女の子だよ」
「えへへ」
「女の子は女の子の服を着ていた方がいいよ。修学旅行はこのあとその服で行くしかないし、学校でも、もう女子制服で押し通しちゃったら?」「そうだねぇ・・・・」
 
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私と荻野君がちょっといい雰囲気で話していて、笑顔で室内に戻ってきたので荻野君はそのあと森田君と伊藤君から質問攻めにあったらしいが、私は眠くなってきたので、そのまま体操服に着替えて(着換える時は3人は後ろを向いていてくれた)、眠ってしまったので、その夜のことはもう知らない。
 

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翌日、私が女子制服を着て集合場所に出て行くと、カオリが
「おお、セーラー服着てる」
と言って、嬉しそうな顔をしてハグしてきた。
 
カオリはハグ魔であるが、さすがに昨日の学生服姿の私にはハグしなかった。カオリにハグされると、あ、今日はなんだか普通の日だ、という気になる。環と目が合う。環はVサインをしてきたので、こちらも笑顔で手を振っておいた。 
隣のクラスの海老原先生(女性)なども
「あ、ちゃんと女の子に戻ったね。何で学生服なんか着てるんだろと心配したよ」
などと言っていた。
 
その日はバスで京都に移動して、清水寺・八坂神社・知恩院・下鴨神社・金閣寺・龍安寺などを回った。金閣寺でクラス単位の記念写真を撮ったが、昨日はこの手の写真を撮らなかったので、私の中学の修学旅行写真は、しっかりセーラー服で写ることになったのであった。
 
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しかし私はその日セーラー服で出歩いていて、こういう服を着ていた方が便利だなと思った。昨日は学生服を着ていたので、トイレで実は困っていた。普段学校ではセーラー服を着ている時は女子トイレを使うものの、学生服を着ている時は、職員室の近くにある多目的トイレを使っている。それでも4階の3年生の教室から1階までの往復が面倒だが、旅先では、なかなか男女共用で使える多目的トイレそのものが見つからず大変だった。
 
しかしセーラー服で出歩いていると、ふつうに女子トイレを使えるのでその面のストレスが全く無かった。自分はやはり女として生きて行く方が楽なのかも知れないなあと改めて思った。
 

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その日の宿は京都市内の和風旅館だった。昨日は各部屋にユニットバスが付いていたのだが、今日の宿は各部屋にはトイレのみ付いており、お風呂は大浴場である。
 
「吉岡、今日お風呂はどうすんの?」と伊藤君が心配して訊いた。
「え?どうもしないけど」
「女湯に入るの?」
「まさか。私、おちんちんまだ付いてるし、男湯に入るよ」と私は答える。「入れるの?」
「胸をタオルで隠しておけば大丈夫だよ」と私。
「むしろ、お股をタオルで隠して女湯に入らない?」と傍にいたカオリ。「う・・・それはちょっと悩むな・・・」
 
「だけどセーラー服で男湯の脱衣場に入っていったら、パニック起きるよ」
「うーん。。。旅館の浴衣に着替えて行こうかな」
 
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そこで、昨日と同様に同室になった、森田君たち3人が後ろを向いてくれている間に私はセーラー服を脱ぎ、旅館の浴衣を着た。
 
「なんか色っぽい・・・気がする」と伊藤君。
「ね?やばくない?ほんとに男湯に入れる?」と森田君。
 
「じゃ、僕付いて行ってあげるよ」
と荻野君が心配して付いてきてくれたので一緒に大浴場の方に向かった。 
廊下の突き当たりのところで、左手に「男湯」という青い暖簾、右手に「女湯」という赤い暖簾がある。
 
ああ、男湯に入るのって何だか久しぶりな気がするな、と思いつつ、荻野君と一緒に青い暖簾をくぐった。
 
「ここがいいよ」
と言って、荻野君が角の所のロッカーに誘導する。
「ここなら、端っこだから、僕がここに立っていれば、他の人の目には触れないから」「ありがとう」
と私は微笑んで言って、浴衣を脱ごうとした。
 
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その時のこと。
「ちょっと、君たち」
と声を掛けられる。旅館の人のようだ。
 
「そちらの子、女の子だよね? 君、女の子を男湯に連れ込んで何をするつもり?」
 
最初、私が男湯にいることを咎められたのかと思ったのだが、どうも、荻野君が私を無理矢理男湯に拉致したと思われているようだ。これはまずい。
 
「いえ、私、男ですけど」
と言うが、そもそも女声だし、全く説得力が無い。
 
「ふざけないで。今警察を呼ぶから、ちょっと来なさい」と旅館の人。 
警察!? それはやばすぎる。
 
「ごめんなさい。私、ちゃんと女湯に行きますから、見逃してもらえませんか?」
「君、拉致されたんじゃないの?」
「違います。自分でここに来たんです」
「ほんとに?」
 
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「ごめんね、エイちゃん、私がわがまま言ったから」
と言って私は荻野君の頬にキスをした。荻野君がギョッとしている。
「ああ、あんたたち恋人?」と旅館の人。
「はい、そうです」と私は答える。そういうことにでもしないと、荻野君が警察に突き出されそうな雰囲気だった。
 
「では済みません。女湯の方に行きます」
と言って私はお風呂セットを持ち、男湯の脱衣場を出た。旅館の人が付いてくる。ちゃんと私が女湯に行くかどうか見届けるつもりのようだ。
 
でも女湯に行くには「シフトチェンジ」が必要だ。私はそばにあったトイレにまずは飛び込んだ。男湯に入るつもりだったので露出させていた例のものを体内に格納して「ふた」を閉じた。
 
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トイレから出てきたところで環と美奈代にバッタリと出くわす。ああ、またこういうタイミングに、なぜ環は来るのだろう?
 
「おお、ハル、一緒にお風呂入ろう」と環。
「うん」
と私は答える。旅館の人はまだこちらを見ている。
「ハル、どっちに入るの?」と美奈代が小声で訊く。
 
「実は今、男湯に入ろうとして旅館の人に見つかって摘まみ出された」
「そりゃ、女の子が男湯に入っちゃいけないね」と環。
「じゃ、女湯に入るの?」と美奈代。
「入る。開き直った」と私。
「よしよし」と環は私の頭を撫で、環と美奈代で、両腕をつかまれ、私はこちらこそ本当に拉致される雰囲気で、女湯と書かれた赤い暖簾をくぐった。 
やっと旅館の人が安心したように、戻っていくのを目の端で見た。
 
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「そういえば、ハルは小学校の修学旅行でも女湯に入ったよね」と美奈代。「入ったというか、環とミナに拉致されたんだけどね」と私。
「そうだったっけ?」と美奈代。
「ハルが、すごく女湯に入りたさそうにしてたから、連れてってあげたんだよ」
と環。
 
脱衣場の中で、ちょうど3つ続きで空いている所があったので、そこを使うことにして、一緒に服を脱ぐ。
 
「女の子と一緒に服を脱ぐのはいつも体育の時間に更衣室でしてるから問題無いよね」と美奈代。
「でも更衣室では裸にはならないよ」と私。
「まあ、確かにそうだけど」と環。
 
私は浴衣なので、すぐに浴衣を脱ぎ、ブラも外してしまう。
「胸、けっこう成長してるね」と言って環に触られる。
「これ、Bカップくらい無い?」
「無い、無い。私のトップとアンダーの差、5cmくらいだよ」
「5cmってAAAカップ?」
「それは絶対嘘だ。これがAAAカップだなんてあり得ない」
「Aカップより大きいのは確実だよね」と美奈代。
「よし。あとで、女子部屋に拉致して解剖してサイズ測定しよう」と環。「えーん」
 
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私はショーツもさっと脱いでしまう。
「あれ? おちんちんもう無いの?」と美奈代。
「おちんちん付けたまま女湯には入れないから、さっきトイレで外して来た」
「へー。でも小学校の修学旅行ではおちんちん付けたまま女湯に入ったじゃん」
「それやると逮捕されるから」
「ハルは日常的に逮捕されてもおかしくないことをたくさんしている気がする」
「あはは」
 
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