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■桜色の日々・中学3年編(2)

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進路の問題ではゴールデンウィーク5月中旬に三者面談があり、母が学校に出てきてくれた。その日は私は学生服を着ていた。
 
「それではN高校を狙いますか?」と担任。
「はい、行きたいと思っています」
「今の吉岡君の成績なら、頑張れば行けるでしょうね。あそこに行くからにはやはり上位の大学狙いですか? どこか行きたい大学があります?」
 
「そうですね・・・東京方面に行こうかな、と」
「ほほお」
「お茶の水女子大とか」と私。
「えっと・・・・」
 
「とも思ったんですけど、入れてくれなさそうなので、私立ですけど早稲田の理工学部あたりを狙おうかと思っています。国立の1.5倍くらい学費が掛かりますが、奨学金を受けて、大学に入ったらバイトもするつもりですし」と私。
 
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「この子のふたりの兄も関西の私立大学に行ってますが、この子が大学に入る前に卒業してしまいますから、何とかなるかなと」と母。
 
「なるほどですね。早稲田は学内にも色々奨学金があるから、うまくするとそういうのももらえるかも知れませんしね。レベル的には上位国立並みですが、N高校で上位の方にいれば、充分狙えるでしょうね。もっとも3年間ひたすら勉強してないといけないけど」
 
「N高校に行く以上はそのつもりです。もちろんその前にN高校自体に合格できるように、今しっかり勉強します」
「うんうん。何か校外の教材してますか?」
 
「進研ゼミを以前ちょっとやってたんだけど・・・・」と言って母の顔を見る。「また、あれしようよ」と母。
「うん。そうする」
 
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その後、少し勉強の仕方などについて先生と話をした。
 

話が一段落したところで先生はおもむろに言った。
 
「それで、ひとつ、これは個人的なことではありますが、場合によっては中学側からも話を通しておいたほうがいいかなと思ってですね。その・・・吉岡君のセクシャリティのことなのですが」
「はい」
 
「その・・・吉岡君、今日は学生服を着てますが、しばしばセーラー服を着ていることもありますよね。高校では制服はどうしますか?」と担任。
「そうですね・・・」
「お前、実際どうなの?」と母。
「うん・・・」
「お前、ほんと、日によって学生服で学校に行ってる日とセーラー服で行ってる日があるよね」
「まあ、そうだね」
「最近はどっちかってっとセーラー服で行く日の方が多い気もするけど」
 
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「吉岡君自体の心がまだ不安定なのかな?」
「ええ。そうかも知れないです。先生、もし学校からお話しておいてもらった方がいいなら、お願いできませんか?」
と私は言った。
 
「分かった。来月くらいになるかも知れないけど、場合によっては、お母さんも一緒に高校の方に行ってもらえますか?」
「分かりました」
 

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N高校はレベルが高いので、うちの中学から受けようと思っている子もそう多くない。上の学年でこの3月N高校に合格したのは10人である。令子は学年トップなので、N高校に行く気満々であった。荻野君や木村君も安全圏っぽかった。ほかに女子ではカオリや環が「N高校にするかH高校にするかだけど、どうしよう」などと言っていた。ふたりとも、私と同様にボーダーラインで、この1年の勉強次第という感じであった。
 
先生から言われた、私の性別問題だか、私の生徒手帳は1年の時は単純ミスで「女」になっていたものの、2年生の時はきちんと?訂正されて「男」になっていた。しかし3年生では、またまた「女」で印刷されていた。写真は3年間、セーラー服を着た写真で通したので、私は「男」と印刷されていた2年生の時でさえ、ふつうに女子で通じていた。
 
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もっとも私は中学の時に校内では、セーラー服3割、学生服7割くらい着ていた感じであった(と思うのだが、令子は『セーラー服8割』と主張する)。そんな中で3年間、ほぼ女で通してしまったのが図書委員とチアリーダーだった。
 
図書委員の方は、1年生の1学期はそもそも担任の先生に女子と思い込まれていたので女子枠で図書委員に選ばれたこともあり、貸出しの受付ではいつも女子制服を着ていたのだが(学生服の子が2人並んでいたら女子の生徒が本を借りにくいから、などと言われた)、そのパターンは2学期になっても、また2年・3年になっても続いた。
 
また私は図書館報の編集委員になっていたので、編集作業のある時は司書室で作業をしていたのだが、その時もだいたい女子制服であった。また、編集作業が無い週でも司書室に入り浸っていることが多かったので(司書室内のパソコンで、よくお絵描きして遊んでいた)、私は授業が終わった後は女子制服に着替えて司書室にいるもの、と友人達にも先生達にも思われていたようであった。
 
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チアの方では、私は学生服で出てきていた日でも、そのままチアの着替え場所になっている体育館の右側の用具庫に行き、他の子たちとおしゃべりしながら衣装に着替えてから、練習していた。
 
「でも最初びっくりしましたよ」と1年生の女子。
「学生服着ている人が控え室にいて、一緒に脱ぎだしたから」
「ああ、最初は驚くよね」と3年生。
 
「でも、学生服脱いだら、ブラ付けてるし、おっぱい少しあるみたいだし」
「この子、一応アレが付いてはいるけど、男性能力はもう無いから」
とカオリが言う。
「へー!じゃ、もうアレ以外は女の子なんですね!」
「もう面倒だから、アレも取っちゃったら?」と朱絵。
「うーん・・・結構取りたい気分かも」
 
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チアでは、私とカオリが3年生のスタンツ(組み体操)ではだいたいトップに乗っていたので、真奈が下で号令を掛けることが多く、真奈が2年生の秋から部長を務めていた(チアは3年生は10月上旬まで)。
 
チアとしては5月中旬と9月末の運動部の大会の応援と、10月上旬の校内体育祭でのパフォーマンスが本番なので、4月から5月と、9月から10月上旬まで全員集まって練習していたが、それ以外の時期も有志でダンスやスタンツの練習はずっとしていて、だいたい毎週火曜と金曜の放課後に集まり1時間くらい練習していた。出てくる人数は5〜10人程度だったが、私、カオリ、真奈、朱絵、などはずっと出てきていた。
 
チアリーダーは人数を揃えるのに1年生は最初各クラスから2人ずつ徴用するものの、その後はダンスの好きな子を誘ったり、あまり興味の無い子は辞めたりで実質クラブ活動に準じるものになっていた。
 
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つまり2年生の途中から3年生前半に掛けて、私は図書委員・チアリーダー・コーラス部の3つを兼部していたようなものである。
 

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しかし3年生にもなると、友人があちこちのクラブにいるので、それ以外でも結構誘われてあちこちに顔を出していた。5月の下旬には、一度茶道部のお茶会に出てきた。本式なら小振袖でも着れば良いのだろうが、持っている子は少ないので、浴衣でということで、私も浴衣を持っていき、出てきた。
 
「わあ、可愛い浴衣だね」と言われる。
 
私が持っていったのは、濃紺地に白・赤・ピンク・黄なでど染め抜かれた花の模様の浴衣である。
 
「ハルは男物の浴衣を持ってくるのだろうか、女物の浴衣を持ってくるのだろうかって、賭をしようかなんて言ってたんだけどね」
「私、男物の浴衣なんて持ってないよぉ」
「結局、誰も男物の浴衣には賭けなかったから、賭け未成立だった」
「うふふ」
 
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「お姉さんか誰かの?」
「ううん。私のだよ。去年の夏に買ってもらって、花火大会とかに着てったよ」
「へー」
 
しかし和服を着て、お茶など頂いていると、ちょっと大和撫子の気分になって、これはなかなか良かった。
 
「ハル、成人式にはやはり振袖着るの?」
「成人式か・・・・そうだなあ。その頃、私どうしてんだろ?」
「きっと、その頃はもうパーフェクト女の子になっちゃってるよね」
「うーん。やはりそうなってるかなあ・・・」
「でも今既にパーフェクト女の子だったりして」
「えーっと・・・・」
 
私は小学校3年生の12月に見た『夢(?)』で、20歳頃に自分のおちんちんが無くなると言われたことを思い出していた。
 

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3年生の1学期、私はひとりの男の子と付き合っていた。名前を仮にT君としておく。熱心にラブレターを送ってきたので、私は一度会って、自分は普通の女の子とは違うから、がっかりすると思うと言ったのだが、男の子でも構わないから付き合って欲しいと言われ、受検もあるしと言って、1学期末までの限定で交際することにした。
 
しかし付き合い始めてまもなく私は、彼は「男の子でも構わない」のではなく「男の子の方がいい」のであることに気付いてしまった! 最初のデートの日も私がちょっとサービスしようかなと思い、可愛いワンピースなど着ていったのだが、少し不満そうで「わざわざ女の子の服着なくても、ふだんの男の子の服でいいよ」などと言った。「ごめーん。私、男物の私服全然持ってない」などと言うと「じゃ、スカートじゃなくてズボンならいいよ」などと言われた。
 
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結局彼とデートする時は、ズボンを穿いていたり、あるいは学校の男子制服の格好ということになることが多かった。結果的には中学3年のこの時期に私は彼との付き合いがあったことで、男子制服を着ている率が少し上がっていたような気もする。
 
「T君は高校はどこ受けるの?」と私は聞いた。
「広島の私立高校を受けるつもりなんだ。男子校なんだけどね」
「・・・・もしかして、T君にとっては天国とか」
「いや、そういう訳でもないと思うけどなあ。でも、僕は女の子苦手だから、気楽かも知れない」
 

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彼と交際しているというのを聞いて、令子やカオリは驚いたようであった。
 
「T君は男の子専門だから、ハルみたいな子には関心持たないかと思ってたのに」
「えー? カオリ知ってたんだ?」
「割と有名だと思ってたんだけどね。ハルは知らなかったのね」
 
「凄く熱心なラブレターくれたから。一応1学期末までの限定交際。夏休みからは受検勉強も忙しくなるしね」
「まあ、ちょうどいい言い訳だよね」
 
「でも、ハルって男の子も女の子も好きになるのは知ってたけど、同性愛の男の子とでも付き合えるのね−」
「あ、それは気にならない。たぶん同性愛の女の子とも行けると思う」
 
「パンセクシュアルって奴ね」
「バイセクシュアルとはまた違うんだ?」
「男の子も好きになるし、女の子も好きになるのがバイセクシュアル、そもそも相手の性別をほとんど気にしないのがパンセクシュアル」
「なんか難しいなあ」
 
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T君は私に対して物凄く積極的で、デート中にも何度かキスされたし、彼の自宅に行った時は、かなり際どいことまでされた。
 
最初はふつうにお話していたのだが、やがて私のそばに寄ってきて
「キスしていい?」
などと訊く。
「いいよ」
と私が微笑んで言うと、キスされたが、彼はそれで歯止めがなくなってしまったようで、私の身体にも触ってきた。
 
「吉岡君って、凄く女の子っぽいよね」
「そうだね。けっこう女の子の中に埋没してるかな」
「あれ?吉岡君、おっぱいあるんだね」
「うん。小さいけどね」
「ブラジャーしてるね」
「ずっとしてるよ」
「ね、セックスまではしないから、お布団の中に入らない?」
「そうだなあ・・・」
 
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と、私は渋ったものの、私自身、そういうちょっとHなことに興味があったのと『まあ、妊娠はしないしね』と思ったので、彼に言われるまま、彼が敷いたお布団の中に一緒に入った。その日は彼の両親は出かけていて、私たちふたりだけだった。
 
彼はお布団の中で私の服を脱がせていった。
 
「女の子の下着つけてるんだね」
「うん。中学生になった頃からずっとだよ」
「僕、男の子とこういうことしたことないんだ。でも吉岡君、女の子みたいで、なんか不思議な興奮をしてしまう」
 
「T君、高校入ったら、ふつうの女の子とも付き合ってみるの、いいかもね。男子校でも学校外の活動で、女の子と知り合う機会はあるでしょ」
「僕、女の子には興味無いつもりだったんだけど、転んじゃうかも」
 
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あそこにも触られる。でも女の子パンティを穿いているので、そのパンティの上から触るほうが、彼としては興奮するようである。
 
「女の子パンティ穿いてるんだね」
「私、基本的には女の子だから」
「あれ?触ってるのに大きくならない」
「そのおちんちんは偽物なの。形だけだから機能は無いんだよ」
「へー。ああ、でも我慢できない。脱がせちゃおう」
 
ブラはたくさん上から触られたのに外されなかったのだが、パンティを脱がせたくなったのは、その中におちんちんがあるからかな?などと私は思った。パンティを下げられてから直接、触られる触られる。
 
「ほんとに大きくならないんだね」
「T君のにも触ってあげるね」
 
私はサービスで彼のに触ったが、もうかなり大きく硬くなっている。きゃー。
 
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「あれ?吉岡君、タマタマは?体内に押し込んでるの?」
「私、女の子だからタマタマは無いよ」
「えー?無いんだ」
 
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