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■桜色の日々・男の子をやめた頃(3)

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しかし何にでも興味津々の世代なので、講義中にふざけたことを質問する奴もいる。
 
「Ms Yoshioka, May I ask you a question」
「Yes?」
「I want to know how to musturbate」
 
男子クラスで英語の授業をしていた時のことである。
 
「Well, I am not familiar with boys' manner, but if you hold your joystick and you feel high, it is the way!」
 
こんなのは動じずに冷静に答えるに限るのである。
 
「Thank you ma'am」
と言って座った生徒は隣の生徒からパンチを食らっている。
 
更に便乗して
「チンコのこと、joystickって言うんですか?」
などと聞く生徒までいる。
 
「色々な言い方するね。joystick, fishing rod, love pole, skin flute, sausage,middle leg, old man, girl catcher, まあ、だいたい聞けば想像付くでしょ。そんな曖昧な表現をせずにダイレクトに言えば、dick とか cock とか penis とか」
 
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そんなことを言っていたら、なんかそれをマジにノート取っている奴がいる!dickとcockのスペルまで尋ねられた。全く!そんなの男の先生に聞いてよ。
 
やれやれ男子はもう、なんて思っていたら女子クラスでもこんなことを聞かれた。
 
「Ms Yoshioka, when making love with a boy, can the girl also feel good?」
「Yes. we can feel high, too, unless the boy is selfish」
「Ah! selfish!」
「Boys don't know how girls will feel good, so we'd better tell them where we feel good, how we feel good」
「I see」
 
と言って座った生徒は隣の生徒から「大胆〜!」などと言われていた。
 
「One more thing. If you make love with a boy, you MUST make them use condom. If he insert without it, you can become PREGNANT even if he didn'd shoot inside. Juice leaks a little before the shot. You see?」
とみんなを見回して言う。
「I see」と多くの生徒が頷くように言った。
 
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「先生、あれのことJuiceって言うんですか?」
「Love juice とも言うよ。日本語ではlove juiceというと女の子の方のだけど、英語ではどちらを指す場合もある。baby juiceともいう。babyの素だもんね。正式にはSemenかな」
「スペルマとかザーメンというのは英語じゃないんですか?」
「スペルマはイタリア語、ザーメンはドイツ語」
 
「射精はshootなんですか?」
「shootというよ。発射ってことね。正式には ejaculation」
 
「女の子のは正式には何て言うんですか?」
「Vaginal lubricationかな?」
 
これもスペルを尋ねられたので板書する。やはりノートしている子たちがいる!女の子たちもやれやれである。
 
そんな話を伸子にしていたら「年齢が近いから聞きやすいのよ」と言って笑っていた。「さすがにうちの父ちゃんとかには聞けないでしょ。何か物が飛んで来そうで。晴音はそもそも優しい雰囲気持ってるから答えてくれそうな気がするのね」
 
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10日間の講義を終えて5月8日のお昼すぎ、昼食を取ったあとで撤収作業の手伝いなどをしていたら「吉岡先生」といってひとりの女生徒に声を掛けられた。
「何かな?」
「Could you spare me a few minutes?」
と英語で言うので
「Of course」と言い、生徒と一緒にホテルの庭に出た。中1〜2年の上位クラスにいた子で、積極的に質問などもして、授業を盛り上げてくれた子である。名前は確か結理(ゆり)だ。
 
「Can we speak in English? so that no one could hear us」と結理。
「OK」
「I suppose .... you are a man, aren't you?」
 
私は思わず微笑んでしまった。
「.... Yes, I am. But how did you know that?」と私は尋ねる。
「Because I am a boy, too」
「No kidding!?」
「YES, I am. Our school grants me to wear girl's uniform, and I go to school as a girl student.」
「That's good for you」
 
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「But I am worring about high school. Do you think they grant me a school life as me now too?」
「Perhaps, some grant you, and some don't grant you」
彼女は頷いている。
 
「You can search the school which grant your sexuality, and you can go there. As you are good at study, you can go to any school where grants your life」
「Ms Yoshioka, which uniform did you wear in high school?」
「I wore boy's uniform and girl's uniform, in junior high school, in senior high school」
「Both?」
「Yes. I wore sometimes girl's and sometimes boy's」
「That's interesting!」
 
私の性別には彼女以外にも数人気付いた子がいたと言っていた。ただ、それを人に言ったりして、そのことで私がクビになったりしたら悲しいから、特に他の先生たちのいる所ではその話はしないようにしようと言っていたということであった。私は彼女たちに感謝した。
 
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「夏休みの講習にも出てこられます?」
「そうだね。今回は直前にダウンした先生がいて、そのピンチヒッターだったから。でも機会があったら参加したいね」
「ぜひまた吉岡先生の授業が聞きたいって、塾に手紙書いておきますね」
「ありがとう」
 
私は彼女の勉強と、女の子としての生活の双方にエールを送った。私たちは握手して別れた。私たちは携帯の番号とアドレスを交換したので、その後も時々彼女からは連絡があり、励ましたり、たわいもない会話をしたりした。
 
「でも、先生、女湯に入ってましたよね。もう手術済みなんですか?」
 
などと後日電話で話した時に聞かれた。
 
「いや、まだ。下はちょっと誤魔化してた」
「そうなんだ! タックしてたんですね? 私もまだタックだけど」
「タック?」
「あ、知りません? あそこ隠すワザをタックって言うんですよ」
「へー」
 
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私はそれをネットででも調べてみようと思ったのだが、その後急に忙しくなったので、実際に調べてみたのは少し先のことであった。
 
「先生、胸はホルモンですか?」
「うん。小学6年の時から飲んでる」
「わあ、凄い。私はほんの半年前にやっと飲んでいいって、お許しもらって飲み始めて。だから胸がまだ小さくて」
「私も小さいけどね。でも中学生なら、まだ全然胸無い子もいるから大丈夫だよ」
「ええ、私もそれで助かっています」
 
ある時は少しペシミスティックになっていたようで、こんなことを言っていた。
 
「なんで、おちんちんなんてあるんだろう」と結理。
「邪魔だよね」
「要らないのに付いてるんですよね。なぜ私に付いてるんだろう。これのお陰で、ほんとに悩んだし何度死のうと思ったか」
 
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「結理ちゃんが、あんまり出来がいいから、少し苦労させようと思って神様が付けちゃったのかもね。その苦悩に耐えられる強さを持ってるもん」
 
「おちんちんなんて、全部この世から無くなってしまえぱいいのに」
「普通の男の子は無くなったら悲しむよ」
「大事だと思わされているだけじゃないのかなあ。実はおちんちんに支配されてるんですよ」
「でも無いと子供作れないからね」
「生殖のために利用されてるんですね」
「そうかもね。その代わり快楽を与えられる」
 
「私、ホルモン飲むようになって、オナニーしなくても済むようになって、やはりあれは異常だったような気がして。毎日オナニーのために使ってた時間がもったいない。男の子って、おちんちんの奴隷なんじゃないかな?」
「喜んで奴隷になってるのかもね」
「私、男の子やめて良かった。子供は作れなくなったけど」
 
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そうか。考えてみると、私も男の子なんて、とっくにやめてたのかも。彼女と電話していてそんなことを私は思った。
 

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塾の合宿が終わって東京に戻ったら翌日から大学の授業は始まる。私は合宿でけっこう疲れていたのだが、また頑張って大学に出て行った。しかしもらった報酬で、とりあえず滞納していた家賃・電気代・ガス代・水道代を払えたのはホッとした。しかしまた何かバイトを探さないと。今回のバイトでの蓄えは夏休みまでももたない。
 
合宿から戻ってきて、10日間女として生活したことと、結理に会っていろいろ話したことで、私の心は男と女の間を激しく揺れていた。それで少し気持ちを落ち着かせようと思い、私は女物の下着をつけ、上は中性的な格好をして街に出た。渋谷の街を少しぼんやりとして歩いていた時、ひとりの男性とぶつかってしまった。
 
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「あ、ごめんなさい」
「あ、こちらこそ済みません。。。。って、なんだ吉岡か」
「あ、寺元。何してたの?」
と訊いてから、進平の隣に同い年くらいの女性がいることに気づく。
 
「あ、ごめーん。デート中だった?」
「あ、うん。これ朱実ね」
「朱実さん? 邪魔しちゃってごめんね。じゃ、また」
と言って離れようとした時、その朱実さんが口を開いた。
 
「ちょっと。この子誰よ?」
「え?友達だよ」
「どういう友達?」
「どういうって、普通の友達だけど」
「普通って、その子ともデートする訳?」
「デート?? なんで俺が男とデートしなきゃいけない?」
「へ?」
 
私はすぐに状況を把握した。そっか。今日は中性的な服装で出てきたからなあ。
 
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「あの、朱実さん。何か誤解があるようですけど、私、男です」と私。「えー!?」と朱実。
「うん、こいつは間違いなく男だよ」と寺元。
「ほんとに?何かで証明できる?」
 
「触っていいです」
と言って私は彼女の手を取り、自分のお股のところに当てた。
「わ、確かに付いてる!」
 
「吉岡が女だったら、俺もデートしてみたくなるかもしれないけど、男だからなあ。俺、男と恋愛する趣味は無いから」と寺元。
「了解」
 
「ふふふ。私も何かの間違いで女の子になっちゃったら寺元君を誘惑しちゃうかもしれないですけど、残念ながら男なので。それじゃまた」
 
と言って私はふたりのそばを離れた。
 
しかし・・・・なんだか流れで言ってしまったけど、女の子になって男の子と恋をするってのもいいなという気がした。そういえば自分はここ1年ほど男として暮らしていたのに、女の子と恋をしていない。
 
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寺元が彼女を連れていたのを思い浮かべる。ああ、私も恋人がほしいな、という気がしてきた。誰か気になる女の子とかいなかったっけ・・・・
 
と考えるが、交流のある女友達というと、高校までの同級生などをのぞくと、涼世くらい? 涼世をデートに誘ったら応じてくれないかなあ。けっこうあの子デートまではしてくれそうな気がする。もっとも彼女とは友達感覚しかないのだけど・・・
 

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などということを考えたりもしていた翌日。教室でその日の授業が終わった後、少しぼーっとしていたら、寺元から声をかけられた。
 
「あ、昨日はデートの邪魔しちゃって、ごめんね」
「いや、あのくらいは全然問題無いんだけどさ」
「うん」
「吉岡、どうかしたの? 何か悩み事でもあったら相談に乗るよ。昨日も何か考えてるみたいな感じだったし」
「いや、実はバイトがなかなか見つからなくて」
 
といった感じでバイトの件を寺元に相談したら、彼が以前やっていたという出会い系サクラのバイトを紹介してもらった。そして、私はそのバイトがきっかけで、とうとう女の子としての生活に戻ってしまったのであった。
 

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